個人メモ

間違いの指摘、助かります。

胸痛

 <胸痛>

☆喫煙歴or高血圧or中年以上男性で、以下3つのうちどれかを訴えた場合は、必ず心電図を!
 ・右でも左でも胸の痛み(しめつけられる、むかむかする、押さえつけられる)
 ・運動時痛のように見える右でも左でも両側でも肩の痛み
 ・嘔気または気分不良
☆ST変化は隣接する誘導で1mm以上であれば有意とする。
☆胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
☆突然生じた両側肺水腫を見たら、心筋梗塞を念頭に置くこと!!!
★狭心痛で採血、心電図、心エコーが正常なら、冠動脈造影のために後日循環器受診してもらうために紹介状を書くこと。
★まず心電図とモニターを装着し、胸写をとる。明らかなST変化あれば直ちに循環器call。
☆胸痛あるのに、ST変化なければ、見逃すと危険な胸部大動脈解離、肺塞栓、緊張性気胸、食道破裂を除外する。
  ・胸部大動脈解離ないか見るために、胸写や造影CTを行う。pCTでもdencityの違いや大動脈内の石灰化で解離がわかることがある。
  ・肺塞栓ないか見るために、下肢の把握痛ないか、SpO2の低下(90%前後であることが多い)、危険因子(下肢静脈瘤、1か月以内のフライト、寝たきり、喫煙、肥満、ピル、骨盤手術)を探す。PEによる右心不全があれば心電図変化(胸部誘導でのnegativeT)や右室拡大(UCG/CT)、D-dimer上昇を認める。
 ・Ⅱ,Ⅲ,aVfのST変化ある下壁梗塞では徐脈になりやすい。 
 ・ショックバイタルなら緊張性気胸も頭の片隅に入れる。ショックバイタル、気管偏位、片側呼吸音低下なら緊張性気胸として、両側乳頭を結ぶ線と中腋下線の交点を尖刃で切開し、ペアンでとりあえず胸腔に孔を空ける。
  ・食道破裂(Boerhaave症候群)は頻回嘔吐の後に起きる、胸写やCTで左胸水あり。
☆胸痛と共に、1mm以上のST変化やCRP↑伴わない白血球上昇あればミオコールスプレー1回噴霧、抗血小板薬3剤(バイアスピリン100mg,プレタール(シロスタゾール)100mg,アンプラーグ(サルポグレラート/5-HT2遮断薬)100mg)を2 錠ずつ噛み砕いてもらい、採血でCPK,CKMB,TropT/I,ラピチェック(H-FABP)を測定し、心エコーで壁運動の低下の有無、EF、心嚢液貯留ないか見る。
☆症状消失し、VSAの時はニトロペン舌下錠0.3mg3回分処方し、後日循環器受診を指示。
PCI後1年以内に再狭窄がくることは稀。PCI後に不安になって架空の胸痛で受診する人が多い。
☆CKMB上昇はCPKの1割以上でないと有意にはとれない。TropT/IはACS,uAPの他、心不全,腎不全でも陽性になる(自然崩壊のTropT/Iが排泄されないため)。
☆食後であれば胆石発作とGERDの除外する。
☆痩せ型長身の若年男性では自然気胸かも。
☆冷や汗、激痛で何もない人もいる(精神疾患や以前の受診歴をチェックする)。
☆肋間神経痛は肋骨下端を触診する。肋軟骨炎(Tietze症候群)、剣状突起炎、大胸筋筋肉痛なども胸痛きたす。
感冒様症状が続き、その後CPK↑TropT↑壁運動低下あれば心筋炎か(心筋炎で心拡大はこない)。
☆他に誘因や症状なくEF低下とLVDd拡張であればDCM。
☆Af tachycardiaやPSVTによる動悸を胸痛という人もいる。
☆変な心電図は以前の分を取り寄せて比較する(ST変化なくても新たに生じた脚ブロッ・はACSの可能性大)。
心筋梗塞の超急性期の心電図を見逃さないこと!!