個人メモ

間違いの指摘、助かります。

左下腹部痛

<左下腹部痛>
☆痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水があれば絞扼性腸閉塞にまではなっていない捻転や絞扼かも。腸管の細くなっているところを探すこと!
  ・若年
  ①便が何日も出ていない
   便秘かも⇒腹単で便貯留確認。フォルセニド2T分1寝る前、重症時はマグラックス330㎎6錠分3(カマグは腎不全には禁忌)、ラキソベロン10滴を水で薄めて寝る前、レシカルボン坐薬1個5回分処方し帰宅。激痛のこともあるが、排便で消失する。
 cf)風邪薬で便秘になることがある。冬に毎年便秘になるならそうかも!
  ②尿潜血陽性
   尿管結石かも⇒単純CTで結石の大きさを調べる。8mm以下なら自然排石を待つ。それ以上なら翌日泌尿器科受診を指示。
  ③妊娠反応陽性
   子宮外妊娠かも⇒腹部エコーとともに婦人科call。腹部エコーは排尿の前にしないと見えにくい。高感度妊娠反応が陰性なら外妊が否定できるわけではないが、緊急性は少ない。2,3日後の妊反でも陰性ならほぼない。妊娠反応陰性の外妊破裂などありえない。
  ④月経不順
   PID(卵巣炎)かも
  ⑤若年女性で七転八倒する激痛
   卵巣茎捻転かも
 ・中年、老人
  ①尿潜血陽性
   尿管結石かも
  ②血便あり
   憩室炎か虚血性腸炎かS状結腸捻転かも⇒腹単でcoffee beanないか見る。腹痛が治まっていないなら造影CTを。憩室があっても周囲の炎症像がなければ憩室炎とは言えない。憩室も捻転もなければ虚血性腸炎だったのかも。
  ③尿潜血陽性+Af/透析中
   腎梗塞かも⇒造影CT

<女性の左下腹部痛>
・妊娠反応陰性+卵巣腫大(3-4cm以上)+骨盤内血性腹水(30HU以上)→黄体出血
・妊娠反応陽性+骨盤内血性腹水(30HU以上)→子宮外妊娠
・片側の卵巣腫大(多くは6cm以上)→卵巣茎捻転
cf)
・左(右)卵巣からの出血でも右(左)下腹部と訴えることもある。
・単純CTでもhighに見える腹水は血腫。
・増殖期(1-2週間)→排卵黄体期(2週間/体温上昇)→月経
排卵時に少し出血したり痛みがあることもある(卵胞出血、排卵時痛)。
・黄体は正常でも3-4cmになることがある。
・卵巣出血は排卵時の卵胞出血か、黄体期中期(最終月経初日から20日)の黄体出血が多い。
・黄体出血は左側はS状結腸がクッションになるので右側に多い。経過観察で自然出血することが多い。
・妊娠反応陽性なら子宮外妊娠が多い。出血性ショックになることもある。救急搬送が必要。
・月経周期について
 増殖期は約14日だが個人差あり、黄体期は全員14日
 内膜:増殖期①②→分泌期③④→月経⑤
 卵巣:卵胞期①②→黄体期③④
 ①FSH↑により卵胞発育→卵胞周囲の顆粒膜細胞からE分泌
 ②E↑↑→GnRH↑↑→LHサージ→排卵、E↑により子宮内膜機能層増殖
 ③排卵後の卵胞が黄体になり、P分泌
 ④Pは代謝亢進(体温上昇)、子宮内膜機能層増殖をstop&保持
 ⑤黄体が白体化しP↓、子宮内膜機能層剥離(月経)