個人メモ

間違いの指摘、助かります。

下痢

<下痢>
<注意!!>
下痢の訴えで、実は軟便、臍周囲の鈍痛、食欲なしは虫垂炎!!
虫垂が長くて臍あたりまで来ていると考えるべし!!
もしくは腸捻転や絞扼!!痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水あれば疑うこと。痛みは強いはず。
☆数週続く慢性下痢は赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫、乳頭不耐症、UC、クローンを考慮。
☆ミヤBM3包分3、ロペミン2錠分2(CDトキシン、ベロトキシン検査を同時にしておく)、ORS(水1Lに小さじ1杯5gの塩と大さじ1杯15gの砂糖)で尿回数が5-7回になるようにする。
☆軟便を水様性下痢ということがある。
☆細菌性であっても抗生剤はキャリア化や増悪を助長するので投与しない。細菌性疑えば便培養を。カンピロバクターならアジスロマイシン(マクロライド)(NQは耐性多い)。赤痢アメーバならST合剤。
感染性胃腸炎の原因
  ・おにぎり、手弁当→黄ブ菌、セレウス菌、潜伏6時間、毒素で嘔吐中心、発熱なし
 ・サラダ、魚介類(カキ)→ノロウィルス、潜伏1日、毒素で嘔吐中心、発熱なし(カキによるA型肝炎は摂取30日後に発症)
 ・いずし→サルモネラ、潜伏1日、毒素で嘔吐中心、発熱なし
 ・夏の海産物→腸炎ビブリオ、潜伏2日、感染型で発熱と下痢中心
 ・生の鶏/牛肉→カンピロバクター、潜伏5日、感染型で発熱と下痢中心、血便のことも、便培養(特殊な培地)、GBSの原因
 ・肉、生野菜→HUS、潜伏7日、感染型で発熱と下痢中心、血便のことも、便培養、腎機能と血算
カンピロバクター、エルシニア、O-157CRP著増の水様性下痢を来すことがある。
☆水様性下痢に腎機能障害、血小板減少を見たら、塗抹標本で破砕赤血球を探す。あればHUSかTTPで血漿交換療法。
 ・10から20歳代で慢性の下痢、腹痛、体重減少、貧血があれば疑う。
 ・UCでは粘血便、下痢がメイン。CDは血便は稀で若年なのに痔核や痔ろう、肛門周囲膿瘍、腸閉塞が見られる。
 ・UCの内視鏡所見:軽度がびまん性に血管透見が消失し顆粒状粘膜、中等症では浅い潰瘍が散在、易出血性、膿性粘液付着、高度は著名な自然出血、深掘れ潰瘍、島状残存粘液。
 ・CDの内視鏡所見は多発する縦走潰瘍、敷石像、アフタ。
 ・UCの重症度分類:重症は排便1日6回以上、便潜血3+、37.5度以上、脈拍90回以上、Hb10以下、赤沈30mm以上(正常は10±5)のうち4項目以上陽性。軽度は排便1日4回以下、便潜血+から-、発熱/貧血/頻脈/赤沈亢進なし。中等度は高度ど軽度の間。
 ・CDの重症度分類:軽度はCDAIが150から220、合併症なし、CRPはわずかな上昇、重度はCDAIが450以上、腸閉塞や膿瘍あり、CRPが高度上昇、治療反応なし。中等度は軽度と重度の間。
 ・UCの治療は経口5-ASA(ペンタサ、アサコール)2g/日以上、もしくはSASP(サラゾピリン)3-4g/日に5-ASA注腸(ペンタサ)1g/日もしくはステロイド注腸を加える。無効ならPSL30-40mg内服。緊急性あるときは白血球除去療法や免疫抑制剤(AZA:イムラン、6-MP:ロイケリン)。直腸型ならサラゾピリン座薬も可。
 ・CDの治療は軽度は5-ASA、中等度はPSL40mg内服を1週間で減量、離脱できないときはAZAや6-MPを追加。緊急性あるときは顆粒球除去療法。重度はPSL40-60mg静注。
 ・ステロイド長期使用例ではCMV、抗生剤使用例ではC.difficile、生物学的製剤や免疫抑制剤使用例では腸結核B型肝炎再燃に注意すること。
 ・感染性腸炎は長くて1週間程度(ただし、アメーバ腸炎は同性愛者で見られ長期に続く)。
 ・IBSでは便潜血は陰性。