胃痛(FDも含む)
胃痛(FDも含む)
<注意!!>
胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診の指示とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
☆胃痛(FDも含む)
・スルカイン100mg2錠
・ムコスタ100mg3錠分3毎食後
・ランソプラゾール15mg タケプロン2錠朝食後 14日分
・ガスモチン5㎎3錠分3毎食後
消化管蠕動促進
・オメプラール20mg 1瓶
生食100ml 1瓶
30分かけて
(生食20mlでショットで投与してもよい)
・ラクテック500ml
ブスコパン20mg2%1ml 1A
・アタラックスP 25mg 1Aショット
・プリンペラン10mg0.5%2ml 1Aショット
FDの典型処方
・ラベプラゾール10mg1錠分1
・アコファイド100mg3錠分3
・ビオフェルミン3g分3
・六君子湯(りっくんしとう)2.5g/包 3包分3
食後の胃もたれ、腹部膨満感がメインなら:
・アコファイド1錠100mg3錠毎食前
ChEI。消化管の神経終末でのAch増加により胃運動機能改善、迷走神経を介したストレス調節。
・ガナトン1錠50mg3錠毎食前
抗D2、ChEI。蠕動亢進、受容性弛緩不全改善。BBB通過しにくい。
・ガスモチン1錠5mg3錠毎食前、毎食後
5HT4作働薬。上部と下部の蠕動亢進、便秘にも有効。
・セレキノン1錠100mg3錠分3(IBSでは6錠分3まで増量可能)
オピアト調節薬。蠕動亢進では抑制し、蠕動抑制では亢進。
・ナウゼリン1回5〜10mg1日3回食前
抗D2。プリンペランよりBBB通過しにくい。
・プリンペラン5mg1日2回〜10mg1日3回
抗D2。制吐、蠕動亢進作用。BBB通過しやすいため錘体外路症状きたしやすい。
・心窩部痛、心窩部灼熱感ならPPI、H2拮抗薬を使う。
cf)妊娠中の胃痛薬
・PPIも安全だが、H2拮抗薬より奇形発生率はやや高い。
・奇形率:通常妊娠2-3%、H2拮抗薬2.7%、PPI3.6%
cf)FD(機能性消化管ディスペプシア)の診断基準:
①食後のもたれ感
②食後早期の飽満感
③心窩部痛
④心窩部灼熱感
のうち1項目が3ヶ月以上続く
・FDの成因は、胃酸分泌の亢進または低下、胃排出能の遅延、胃前庭部の運動能力の低下、噴門部適応性弛緩能低下 (十二指腸に脂肪が流入するとCCKが分泌され胃収縮能や噴門部の拡張能が低下する。FDではCCKへの感受性が高い)、十二指腸胃逆流(十二指腸内のMΦや好酸球の増加を認める)、胃小腸の内臓知覚異常、
ピロリ箘による胃粘膜の炎症(除菌すると3年で症状改善することあり)
、腸脳相関(幼少期の過度のストレスにより内臓感覚処理機構の異常)