個人メモ

間違いの指摘、助かります。

CTの読み方

<CTの読み方>

冠状断(coronal):体を腹側と背側に分ける面

矢状断(sagital):体を左右に分ける面

水平断(transverse)

☆HFU(CT値)

・30以下なら水(尿や腹水)

・30以上なら血液

・50以上なら凝結塊

☆double phase

・30秒後、Aoや腎皮質が造影→早期相(early phase)

・2分後、Aoや腎実質が造影→晩期相(delayed phase)

☆血腫

・均一

・densityが高い→筋肉より高いdensity(腫瘍と血腫は筋肉より高い)

・HFU30以上

・泡沫状のairなし

・造影でhighかつdouble phaseで形の変化あれば現在の出血(etravasation)

・血腫の中に沈まないhighあれば現在の出血(etravasation)

・臓器外にある血腫

☆大動脈解離(切迫破裂、進行性)

・造影でhigh(単純でもdensity高め)→陳旧性ではisoからlow

・造影でcrescent sign→造影でlowでも新鮮

・造影でintimal flap(真腔と偽腔の境目)

胸部大動脈解離(単純でもintimal flapの石灰化が見える)

大動脈解離がSMAに及んでいる

血栓閉塞型の大動脈解離

動脈瘤

・正常大動脈の1.5倍以上(正常部位と比較する)

・造影で真ん丸なetravasation

・大血管からの出血→胸部は解離の破裂、腹部は腹部大動脈瘤(AAA)破裂が多い

☆肺結核

・右上葉に空洞を伴う小結節、小結節の周囲に娘結節、気管支拡張、縦隔条件で石灰化があれば疑うこと

☆肺陰影

・肺胞腔が完全に液体で満たされたとき→斑状陰影、air bronchogram

・「肺胞腔が不完全に液体で満たされairを含むとき」や「肺胞壁の肥厚」→スリガラス陰影

・肺の構造とは無関係な陰影→浸潤陰影

☆肺炎の新旧の区別

・新しい肺炎は呼吸細気管支が炎症で白く写るので、約10mm程度の線状の陰影が見える。

心タンポナーデ

・左半分のほとんどを心臓が占める

・心嚢液(心臓を取り囲むようにdensityの低い液貯留)とIVCの拡張(Aoよりも大きい)がサイン

☆後腹膜血腫

・脊椎の横にややdensityが高いmass

・腎臓が上に持ち上がっている

☆消化管出血

・糞便があればそれ以降の部位からの出血

☆大腸か小腸か(追っていくしかない!!)

・Kerckring襞(小腸襞)は腸管を完全に横切る

・Haustra(結腸ひも)は腸管を完全には横切らない

●上行結腸につながっていれば小腸

●下行結腸につながっていれば横行結腸

(つながりを見るときはパラパラ見ずに1枚ずつゆっくり見ること!!)

・「丸がいっぱい」「丸につながる扇状の腸間膜」「液状物だけでガスなし」は小腸

・「ガスが多い拡張腸管」は横行結腸

☆空腸か回腸か

・右上から左下に線を引き、上が回腸、下が空腸

☆大腸の閉塞か小腸の閉塞か

・小腸は拡張しても5㎝まで、それ以上は大腸の拡張

・上行結腸の拡張もしくは大量の糞便→横行結腸以降の閉塞

・上行と下行の拡張→S状結腸の閉塞

☆腸閉塞

・小腸だけの液状物→小腸の機械的腸閉塞

→①外ヘルニア(大腿静脈が圧迫されていれば大腿ヘルニア、恥骨と坐骨が見える高さで恥骨筋(前)と外閉鎖筋(後)に挟まれた腸管あれ

ば閉鎖孔ヘルニア)

 ②beak signまたは壁造影の薄い濃いがあればclosed loop

 ③回腸末端から上行結腸にかけてpseudokidney signあれば腸重積

・小腸だけでなく盲腸や上行結腸にも液状物(niveau)→麻痺性イレウス→腸管穿孔(若年者なら穿孔性虫垂炎

・大腸の閉塞は盲腸が12cm以上なら穿孔の可能性

→圧上昇でBauhin弁が壊れると小腸が拡張

→圧が逃げられるので待機的に見れる(ただし右下腹部痛は強いはず)

cf)腸炎や虫垂穿孔による麻痺性イレウスでも小腸~上行結腸の拡張が見られるが、腹痛は軽度のはず。

・小腸ガスはそれだけで異常。機械的腸閉塞、急性腸炎虫垂炎腸炎、Mesenteric ischemia、腸管穿孔を考える。

横行結腸癌

☆小腸閉塞あれば外ヘルニアを探す

・恥骨筋と外閉鎖孔に挟まれた腸管を探す

・小腸内糞便はより遠位で閉塞起点があるサイン

・蠕動で連続した腸管でも狭窄してるように見えたり、そこから突然拡張してっ見えることがある。中に液体が溜まっていなければ腸閉塞ではなく、蠕動を見ていることが多い。dynamicで見ると閉塞部位が移動しているはず。

☆NOMI(non-occlusive mesenteric ischemia)

・脱水や出血による腸管虚血壊死

☆腸管壁肥厚

腸炎は単純で全周性の均一な壁肥厚(4㎜以上)→発熱ありなら感染症腸炎、発熱なしなら虚血性腸炎

・感染性腸炎ではアニサキスや魚骨によるものを忘れないこと。

・辺縁不整で内腔を閉塞する造影効果のある粘膜肥厚は癌を疑う

・内腔を閉塞しない小腸の壁肥厚は悪性リンパ腫

・何か他に炎症源(虫垂炎アニサキス腸炎やFHCなど)があって麻痺性イレウスになっている場合は、小腸壁の肥厚は軽くて、拡張だけしている

・感染性小腸炎の場合は、壁の肥厚が強く、内側の粘膜と外側の外膜両方が線状に強く染まり、間の粘膜はそれらよりやや薄いが造影され、周囲の炎症も強い。

腸炎と思ったらSMV塞栓症を否定する。SMAの右隣がSMVで脾静脈と合流して門脈となる(脾静脈が合流し、SMAの隣にある血管を探す)

腸炎

☆SMA塞栓症

・SMAを追っていくと血栓による狭窄あり

・右半結腸の壁造影効果が少ない

・虚血状態の右半結腸が拡張している

SMA塞栓症での門脈内ガス、腹腔内air

★絞扼性腸閉塞のサイン

・小腸がgaslessで拡張

・腹水(∵腸管浮腫により静脈が圧迫される)

・closed loopのtriasはgassless、腹水、腸管膜の造影

★腸管壊死のサイン(血栓症か絞扼性)

・earlyでもdelayでも壁の造影効果が弱い→delayで造影されてくれば浮腫か虚血

注)他の腸管は壁が造影されて追えるのに、全体的にほんのり明るくなってるだけで壁が追えない

・壁内にガス(壁に沿って丸いつぶつぶがつながったような像,air-fluid levelもあり)

・肝臓辺縁のガス(門脈によって辺縁に押しやられる、辺縁から2cm以内のガスは胆道内でなく門脈内ガス)

・線状陰影(腸間膜の濃度上昇)→腸間膜の炎症

・ウィンドウレベル/幅をL60W60にして他の腸管との差を見る

★腸管穿孔のサイン

・腹水(ベタッとして均一で形が三日月ぽい)→空気泡多いなら腸管外糞便か

・骨盤内液貯留

・肝周囲のfree air(辺縁がはっきりとした真っ黒、辺縁がぼんやりしてるものは脂肪組織の可能性)

・脊椎/Ao/腎臓付近のfree air→十二指腸(腎周囲のfree air)かS状結腸(腎より下のAo付近のfree air)の穿孔(∵後腹膜)

・IVC虚脱(脱水→循環血漿量↓)

・free airあれば板状硬なくても汎発性腹膜炎と考える(CRP↑+free airで板状硬なければより重篤な腹膜炎と思われる)。

・腹部診察で押さえて一番痛がる部位と腸管周囲ガスが多い部分が一致すればそこが穿孔部位である可能性が高い。

S状結腸穿孔

☆膿瘍

・壁が肥厚し、内部が不均一、上下に追っても盲端になる

☆直腸潰瘍

・直腸出血+他の結腸に憩室なし→大量出血するけど冷静に!E入りネオガーゼを詰めよう!

☆憩室

・造影でも単純でもlow

・highな丸い陰影があれば憩室出血か糞石→出血ならdouble phaseで変化あるはず

・圧痛+憩室+腸管粘膜の肥厚+周囲の炎症像→憩室炎(憩室なければ虚血性腸炎か感染性腸炎か)

☆急性虫垂炎

・外径6㎜以上、壁がよく造影、周囲の脂肪濃度上昇や液貯留

・壁造影のみならカタル性で抗生剤で軽快する

・糞石あれば手術適応(抗菌薬だけでは無理)

・虫垂は水平断では細長く尻尾様か筒状かに写る

・Uターンしているものもある

●盲腸は水平断では丸い→丸くないところは回腸か虫垂の起始部である!!

・盲腸を下まで追っていって急に小さな丸になれば虫垂の起始部

・盲腸の近くに小さな石灰化があれば糞石の可能性がある。pCTでもよく見れば糞石を取り囲むように虫垂が見えるはず。

・盲腸との接続が確認できなくても、小腸が盲端になっていれば虫垂のはず。

☆腸重積

・内側の腸管と外側の腸管の間に血管があることが腸重積の証拠

・血便や腹膜炎あれば穿孔や壊死の可能性→CFよりも緊急手術

☆腸管拡張

・大腸は8㎝以上

・小腸は5㎝以上

☆急性胆嚢炎

・短軸5㎝以上、かつ壁の肥厚(4mm以上)、周囲脂肪織の炎症像

急性胆嚢炎(胆石が頚部に嵌頓している)

☆総胆管拡張

・正常総胆管は7-11㎜

・胆摘後やEST後は総胆管拡張するので注意

腎盂腎炎

・くさび型のlow density

腸腰筋筋膜(腎が見えるレベルで椎体に付着している筋)が肥厚→腎周囲の炎症

☆気腫性膀胱炎

・膀胱壁内にガス→膀胱内の大量のガスは膀胱直腸瘻の可能性あり(直腸癌か)

・尿のniveau

・膀胱壁に沿ったガス多数

☆肝膿瘍

・1個の時は大腸の炎症(全周性の壁肥厚)を探す

☆肝血管腫

・動脈相での辺縁部もしくは結節全体の大動脈と同じ明るさの早期濃染

 cf)HCCなど悪性腫瘍では96%が早期濃染しても大動脈より暗い

・門脈相~平衡相での高吸収~等吸収、中心への濃染の広がり

 cf)一部造影されない部位があっても一度造影された部位が低吸収になることはない。

 cf)HCCでは7割が門脈相~平衡相で低吸収になる。

注意)dynamicCTでの時相

・早期動脈相:Aoおよびその主分枝のみ造影。門脈のenhanceはあってもごくわずか。

・後期動脈相:古典的HCCが最も造影される。門脈もenhanceされてきている。

・門脈相:肝実質が最も造影される。

・平衡相:血管と肝実質が等しい濃度。HCCではwash outがある相。HCCでは被膜濃染を認めることがある。

血管腫(単純→動脈相→門脈相→平衡相)

☆特発性食道破裂

・左側胸水+縦隔内気腫

☆急性膵炎

・①膵臓腫大、②上腹部痛、③アミラーゼ上昇のうち2項目陽性なら急性膵炎

・膵頭部で椎体の横径以上、体尾部で椎体の横径の2/3以上を腫大とする

膵臓周囲の毛羽立ち、液貯留

・膵実質の不均一化

・片側腎上極の腹水→後腹膜の炎症のサイン

☆慢性膵炎

・①石灰化(US,CT)、②主膵管または副膵管の分断や拡張(頭部で5㎜、体尾部で3㎜)、③セクレチン試験で2因子以上低下、④病理

→CTではとにかく小さくても石灰化を探す(ほんの小さな石灰化でもOK)

☆凸レンズ型の血腫

・脳なら硬膜外血腫

・肝臓なら被膜下血腫

・手術適応は、増大、壊死、感染

慢性硬膜下血種(古くなると見逃しやすい)

☆腹部外傷

・肝損傷、腎損傷、脾損傷、膵損傷

☆脾梗塞