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当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載1

当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載1

<当直メモ 目次>
中年以降の突然発症の激痛
急性薬物中毒
骨折
胸痛
胸部大動脈解離の除外
肺塞栓の除外
心電図のpitfall
腹痛
上腹部痛
右季肋部痛
左季肋部痛
右下腹部痛
左下腹部痛
下腹部痛
腹部全体痛
臍の痛み
腰痛
頭痛
髄膜炎
ステロイド力価
頚部痛
軽症頭部外傷
意識障害
TIA
での入院基準
頭部MRIの見方
血糖値とNaの関係
失神
弁膜症の手術適応
痙攣
眩暈
ふらつき
呼吸困難(SpO2の低下)
人工呼吸器について
血ガスについて
嘔吐
急性胃腸炎
下痢
吐血、下血、血便
便潜血について
吐血で緊急内視鏡適応でない場合
過換気症候群
不眠症
頸椎捻挫
高血圧
鼻出血
かぜ
妊娠中のインフルエンザについて
咽頭痛
尿管結石
発熱
敗血症性ショック
蕁麻疹
動悸
Af
での抗凝固療法開始基準
頻脈性不整脈の鑑別
徐脈
蜂窩織炎/壊死性筋膜炎
裂創/切創
爪の外傷
動物咬傷
指趾切断
多発外傷
熱中症
しびれ
こむらがえり
臀部痛
粉瘤
異物
気道異物
鼠径ヘルニア
肩こり
肘内障
顎関節脱臼
関節痛/骨痛
義歯誤飲
熱傷
慢性咳嗽
歩行障害
呂律困難
麻痺
体重減少・食思不振、いつもと違う
血算の異常
CPA
高血糖
自己抜去(PEG/フォーリー/胃管/気管カニューレ)
脂質異常
糖尿病
入院させた後に気をつけること
胸腔ドレーンの入れ方
中心静脈留置カテーテルの入れ方
ステロイドテーパリングの方法
CF
GFで癌が見つかった時のムンテラ
針刺し時の血液検査
CT
の読み方
イレウス管留置方法
CF
のフォローアップ期間
結核の診断と結核が見つかった時の対応
ポリペク後の抗血小板薬の再開時期
間質性肺炎の分類と治療
ウィルス性肝炎の治療
胃炎の京都分類
インスピロンの設定について
内視鏡時の抗凝固薬、抗血小板薬の取り扱い
輸入感染症
調理師の便培養陽性
経口投与抗生剤のバイオアベイラビリティ
脂肪肝
PEG
患者の嘔吐
健診で尿潜血陽性が出た場合
内視鏡の肉眼分類
胃瘻交換
終末期の予後予測ツール
酸素指示
浮腫の原因
PSA
について
IVH
後に肝機能異常をきたした場合
CEA
軽度上昇について
カテ熱(CRBSI)について
ワクチンについて
ペースメーカー植え込みや胃瘻患者の死後対応
医療区分について
感染対策(インフルエンザ、ノロ、MRSAなど)
梅毒検査について
免疫抑制、化学療法開始時のHBV再活性化リスク評価について
悪性症候群について
S
型アミラーゼ上昇時の鑑別
胃癌のABC検診
ALP
高値について
CD
関連腸炎での隔離の方法と隔離解除について
療養病院での肺炎、心不全管理
療養病院でのIVH管理まとめ
終末期で高Na血症なのに浮腫や胸水が生じる理由
終末期で痰詰まりによる死亡の場合の死亡診断書やICについて
繰り返す水疱
人工呼吸器アラーム対応
高齢者の強い皮膚掻痒感/かゆみ
抗生剤のMICについて
尿量減少時の対応
生食ロックとヘパリンロック
潜在性甲状腺機能低下症
CV
ポートで点滴漏れが生じたとき
健診でγGTPのみ上昇している場合
半減期と投与間隔
HTLV-1
について
ダイエット薬について
ED
について
AGA
について

中年以降の突然発症の激痛

<中年以降の突然発症の激痛>
突然発症の背部、腹部、下腹部の激痛は血管病変をまず考え、造影CTを行う。
中年、高血圧、喫煙歴、抗癌療法中の背部痛では、まず大動脈解離を否定する。
解離はまず除痛と降圧。除痛はソセゴン(ペンタゾシン)を痛みが止まるまで10A(1A15mg/1ml)まで頻回投与。降圧はラジストン(ニカルジピン)1/1mlを頻回静注、ニカルジピン10mg10ml2Aを生食20mlに溶いて5ml/hrから持続投与開始。
既往なければ、除痛と降圧しながら、すぐに造影CTに行くこと。激痛=痛い痛いとずっと言っている状態。
突然の激痛の例
・突然の頭部の激痛+Cushing sign+意識障害SAH(SAHCPAになることあり!!心電図変化も来る! !)・突然の背部の激痛+収縮期200以上+喫煙歴⇒大動脈解離
・突然の腹部の激痛+腹部軟+ショックバイタル+喫煙歴⇒腹部大動脈破裂
・突然の腹部の激痛+腹部軟+ショックバイタル+Af/HD⇒SMA塞栓症
・突然の下腹部の激痛+腹部軟+ショックバイタル+喫煙歴⇒総腸骨動脈瘤破裂
☆”
裂ける痛み”や”移動する痛み”と言う場合は少ない。”イタイ、イタイ”と唸っていて、冷や汗を伴って、応答もきちんとできない、意識混濁の場合が多い。
cf)StandfordB
型解離の手術適応:
 
片肺換気、肺切除も伴うのでそもそもriskの高い手術であり、内科的治療の方が成績が良い。
破裂したとき、②偽腔に流入があり55㎜以上で破裂の危険性大(瘤は60㎜以上だが解離あれば5㎜マイナス)、③CA/SMA/IMA噛んでる時(腎動脈噛んでるときは大抵片側であり後腹膜操作となりrisk大なので緊急手術にならない)

急性薬物中毒

<急性薬物中毒>
基本は、輸液(ラクテック120ml/hr程度)でwash out
薬剤による腎障害、肝障害の可能性、嘔吐による誤嚥性肺炎の可能性を説明する。
意識障害なければ活性炭をすぐに飲んでもらう。
意識障害あれば、気管挿管せずに活性炭を投与するのは禁忌(活性炭肺炎はARDS起こして予後不良)。
透析適応はI stumbleで覚える
(isopropranorol,salicylate,theophyline,uremia,methanol,barbiturate,βblocker,litium,ethyleneglycol)

血中アルコール濃度(mg/dl)の推定は、OSM(mosm/L,mmol/L)=2Na+BS/18+BUN/2.8+C2H6O/4.6から計算できる(血中濃度0.3g/dl,0.3%を超えると昏睡)
痙攣発作+アシドーシスあれば三環系抗うつ薬疑う→メイロン,活性炭の繰り返し投与しないとCPA起こすことあり。
トライエージで判明する薬剤はアンフェタミンメタンフェタミン大麻、コカイン、ベンゾジアゼピン、バルビツール、三環系抗うつ薬、フェンシクリジン、オピオイドアンフェタミンメタンフェタミン感冒(エフェドリンなど)や麻黄で偽陽性になることあり。オピオイドはリン酸コデイン(感冒薬含む)偽陽性になることあり。

骨折

<骨折>
基本的に緊急性は低いのでシップとギプス包帯で固定し、翌日の整形外科受診を指示する(顔面なら口腔外科受診)。
開放骨折、血流障害、神経障害あれば即日整形受診すること。また、小児も顆上骨折や足関節の骨折は皮膚障害を起こすこともあり、即日整形受診を。
次のことを説明する。
 
 ・レントゲンで見えない骨折もあるが今は時間外で人手が足りず詳しい検査ができにくいこと
 ・荷重がかかってずれてきて初めてわかる骨折もあること
 ・小児は骨化が進んでいないため骨折が見えないことがある
レントゲンで自発痛、圧痛、叩打痛があるところを入念に見る(前後上下も)
肋骨骨折を探すときは必ず胸部正面も撮影し、血胸がないか見ること。
上腕の外旋時痛は上腕骨頚部骨折の可能性あり。
下顎骨は脱臼あればすぐに整復する。顎関節の左右差ないか見て、脱臼無く2横指開口できれば後日口腔外科受診を指示。
小児の肘の骨折は4方向+両側、関節周囲の脂肪組織の盛り上がり(fat pad sign)あれば骨折
外顆骨折は転位強ければ整形call。上腕骨遠位端の骨化は外(1)→最内(5)→(10)
壁を殴って中手骨骨折→転位を直してからMPを曲げてPIP/DIPをまっすぐにして固定する。
開放骨折、神経障害、血流障害あればすぐに整形callを。
☆CT
の骨条件なら骨が重なり合うところの骨折が良く分かる(膝関節、足関節、手関節、頚椎、骨盤、頭蓋骨、頬骨、下顎骨など)
顔面の骨折は髄液漏や神経所見なしなら後日口腔外科受診を指示。
転位のない骨折はソフトシーネやオルソグラスで固定し、後日整形外科受診を指示。
脱臼(転位)、感覚運動障害、血流障害(5P症状)あればすぐに整形外科call
☆5P
症状のない開放骨折はとりあえず創閉鎖し、後日整形外科受診を指示。
拘縮、麻痺がある場合の骨折対応(療養病院での骨折対応)
・末梢の動脈の拍動を確認。
・受傷原因の精査(多くは体転時に無理な姿勢になり自重が加わり、関節拘縮があり外力の逃げ場がないためと思われる)。
・麻痺、拘縮があれば手術適応はなし。
・患肢を正常位に戻して、湿布を貼り弾性包帯を巻いておく。あまり強く巻きすぎないこと。末梢動脈の拍動を確認する。末梢動脈にマジックで印をつけて、包帯交換時に拍動を必ず確認してもらうこと。
・院内に整形外科医がいない場合は、整形外科を受診するかを家族に聞く(麻痺、拘縮がある場合は手術適応にはならないことを伝え、転位しているので保存的に診た場合は骨折したままであること、痛みの程度、血管損傷はないことetcを説明する)。ムンテラの結果、整形外科は受診せずに院内でできる範囲で対応を希望されれば、その旨を必ずカルテに記載しておく。

胸痛

<胸痛>
高齢者の心筋梗塞、半分は無痛性。なんとなく元気がない、AST,ALT上昇、血圧低下など見られたら必ず心電図を。
喫煙歴or高血圧or中年以上男性で、以下3つのうちどれかを訴えた場合は、必ず心電図を!
 ・右でも左でも胸の痛み(しめつけられる、むかむかする、押さえつけられる)
 ・運動時痛のように見える右でも左でも両側でも肩の痛み
 ・嘔気または気分不良
ST
変化は隣接する誘導で1mm以上であれば有意とする。
胃痛か狭心痛か判別できない時(ST1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
突然生じた両側肺水腫を見たら、心筋梗塞を念頭に置くこと!!!
狭心痛で採血、心電図、心エコーが正常なら、冠動脈造影のために後日循環器受診してもらうために紹介状を書くこと。
まず心電図とモニターを装着し、胸写をとる。明らかなST変化あれば直ちに循環器call
胸痛あるのに、ST変化なければ、見逃すと危険な胸部大動脈解離、肺塞栓、緊張性気胸、食道破裂を除外する。
 
 ・胸部大動脈解離ないか見るために、胸写や造影CTを行う。pCTでもdencityの違いや大動脈内の石灰化で解離がわかることがある。
 
 ・肺塞栓ないか見るために、下肢の把握痛ないか、SpO2の低下(90%前後であることが多い)、危険因子(下肢静脈瘤1か月以内のフライト、寝たきり、喫煙、肥満、ピル、骨盤手術)を探す。PEによる右心不全があれば心電図変化(胸部誘導でのnegativeT)や右室拡大(UCG/CT)、D-dimer上昇を認める。
 ・,Ⅲ,aVfST変化ある下壁梗塞では徐脈になりやすい。 
 ・ショックバイタルなら緊張性気胸も頭の片隅に入れる。ショックバイタル、気管偏位、片側呼吸音低下なら緊張性気胸として、両側乳頭を結ぶ線と中腋下線の交点を尖刃で切開し、ペアンでとりあえず胸腔に孔を空ける。
 
 ・食道破裂(Boerhaave症候群)は頻回嘔吐の後に起きる、胸写やCTで左胸水あり。
胸痛と共に、1mm以上のST変化やCRP伴わない白血球上昇あればミオコールスプレー1回噴霧、抗血小板薬3剤(バイアスピリン100mg,プレタール(シロスタゾール)100mg,アンプラーグ(サルポグレラート/5-HT2遮断薬)100mg)を2 錠ずつ噛み砕いてもらい、採血でCPK,CKMB,TropT/I,ラピチェック(H-FABP)を測定し、心エコーで壁運動の低下の有無、EF、心嚢液貯留ないか見る。
症状消失し、VSAの時はニトロペン舌下錠0.3mg3回分処方し、後日循環器受診を指示。
PCI
1年以内に再狭窄がくることは稀。PCI後に不安になって架空の胸痛で受診する人が多い。
☆CKMB
上昇はCPK1割以上でないと有意にはとれない。TropT/IACS,uAPの他、心不全,腎不全でも陽性になる(自然崩壊のTropT/Iが排泄されないため)。
食後であれば胆石発作とGERDの除外する。
痩せ型長身の若年男性では自然気胸かも。
冷や汗、激痛で何もない人もいる(精神疾患や以前の受診歴をチェックする)。
肋間神経痛は肋骨下端を触診する。肋軟骨炎(Tietze症候群)、剣状突起炎、大胸筋筋肉痛なども胸痛きたす。
感冒様症状が続き、その後CPK↑TropT↑壁運動低下あれば心筋炎か(心筋炎で心拡大はこない)。
他に誘因や症状なくEF低下とLVDd拡張であればDCM
☆Af tachycardia
PSVTによる動悸を胸痛という人もいる。
変な心電図は以前の分を取り寄せて比較する(ST変化なくても新たに生じた脚ブロックはACSの可能性大)。
心筋梗塞の超急性期の心電図を見逃さないこと!!


胸部大動脈解離の除外

cf)胸部大動脈解離の除外
 
 ①CXRで上縦隔の拡大(8cm以上)
 
 ②血圧の左右差
 
 ③移動する背部痛
 
 3項目全てが除外されれば大動脈解離がある可能性は7% ・CXRで大動脈外縁と石灰化の距離が6mm以上であれば解離を疑う
 ・大動脈解離の99%以上でD-dimer0.5μg/ml以上になる(感度99%以上)
 
・ただし、D-dimer0.5μg/ml以下でも半分は大動脈解離の可能性がある(特異度は50%弱)
注)胸部大動脈解離、腹部大動脈瘤、肺塞栓を除外する一番は造影CT。しかし腎障害がある場合は、検査前に300ml心不全あるときは150ml)生食をボーラス投与し、検査後は1ml/kg/hr12時間生食投与。造影剤は50-100mlにする(ヨード含有量が300mg/dlの造影剤の場合)

この記事の感度・特異度の解釈が間違っていると思うのですがいかがでしょうか。
D-dimer0.5μg/ml以下でも半分は大動脈解離の可能性がある(特異度は50%弱)」とありますが、特異度50%というのは「大動脈解離がない人でもD-dimer<0.5μg/mlとなる人は50%」つまりD-Dimer高値でも大動脈解離とは限らないという意味です。
また、感度99%以上とは対偶を取ると「D-Dimer<0.5μg/mlであれば大動脈解離である可能性は1%未満」となり、D-Dimer低値であれば大動脈解離はほぼ否定できるという意味です。

肺塞栓の除外

cf)肺塞栓の除外
 
 ・Wells criteria  下肢腫脹or下肢把握痛 3
 
  肺塞栓以外に考えられない 3
 
  心拍数が100以上 1.5
 
  過去4週以内に3日以上の臥床or手術 1.5
 
  DVT/PEの既往 1.5
 
  血痰 1
 
  過去半年以内のがん 1
 
 ・DVTの可能性
 
  Wells criteria    6> 2-6 >2   d-dimer陽性 50% 20% 5%          陰性 10% 1% 0.5%


心電図のpitfall

cf)心電図のpitfall  ・ST変化は基本は2㎜以上
 
 ・下壁梗塞ではreciprocal change70%で見られる(特にaVLST低下)
 
 ・下壁梗塞を見たら右側誘導(左にある胸部誘導をすべて右に対称移動)で右室梗塞がないかを見る
  →特にⅢのST上昇が高いときは右室梗塞疑う
  →右室梗塞があれば上行大動脈の解離を探す(StandfordAではRCAを噛みやすい)
 
 ・V1-3ST低下とR増高あれば後壁梗塞を疑って、背中の誘導も(V7-8)。
 
 ・LAD狭窄ではV1-4T波が上がって、下がっての2峰性
 
 ・良性早期再分極(benign early repolarization)では①若い人、②V2-5ST上昇、③四肢誘導のみは稀、④経時変化なし、⑤ミラーイメージなし
  ・心外膜炎ST上昇もイラーイメージなし。ⅡⅢaVfPRが基線より下があれば心外膜炎
 
 ・高KのテントTは左右対称でツンツン、頻脈/除脈→T波増高→wideQRS  ・中枢神経病変ではV1-4で巨大陰性T(giant cerebral T)  ・RBBBV1M字型+ウサギ耳型陰性T
 
 ・LBBBV6M字型+ウサギ耳型陰性T
 
 ・脚ブロックのときはST変化評価できない→新たに脚ブロックが出たときは虚血疑う。
 
 ・PEではSⅠQⅢTⅢが有名だが、V1-3negativeTの方が有用→心エコーで右室拡大ないか見る→あれば胸部造影CT
cf
)健診で偶然見つけた場合に循環器紹介が絶対必要な波形



腹痛

<腹痛>
アシドーシス、ブスコパン無効の腹痛、痛い痛いと言い続けている(発症6時間以上)、痛くて体を動かせない、腹壁が固い、腸雑音が低下ないし減弱のうち2つ以上あれば、腸管壊死の可能性が高い。絶対に外科コンサルトを行う。
若年者の腹痛では、急性虫垂炎、子宮外妊娠(妊娠反応陰性の外妊破裂などありえない)、絞扼性腸閉塞(closed loopを示唆するbeak sign/gaslessな小腸拡張/腹水/腸管膜の造影)、鼠径ヘルニア陥頓は絶対に見逃さないようにする。
どんなに若くて元気そうでもniveauあればNG挿入し入院させる(free airと同じくらいniveauは危険なものである)
腸管壊死や血栓は単純CTでウィンドウレベル(WL)60/ウィンドウ幅(WW)40にするとよくわかる(SAHWL/WWとも35)。出血はL40/W250free airL-600/W1500でよくわかる。
腹痛は、部位、年齢、血便血尿の有無、危険因子(喫煙/飲酒/ワーファリン/Af/外傷)を聞く。
腹部診察では、鼠径部の膨隆がないか見る。
腹単と検尿を必ずすること。
腹痛では、尿検査は必須。膵炎なら尿中アミラーゼ上昇、DKAなら尿中ケトン体陽性、胆道閉塞なら尿中UBG陰性(正常は±)、急性肝炎は尿bil陽性、尿管結石なら尿中赤血球5/HPF以上、子宮外妊娠なら妊娠反応陽性、PIDなら尿中白血球5/HPF以上。

上腹部痛

<上腹部痛>
 
 ・若年⇒急性虫垂炎の可能性を念頭に。
 
  ①喫煙/NSAID/ストレスあり
   AGMLか慢性活動性胃炎かも⇒ひどい時はオメプラール20mg 1Vを生食100mlに溶かして30分かけて静注し、ランソプラゾール(タケプロン)15mg2錠朝食後7日分を処方し経過見る。H2blockerは内服後23時間で十分な胃酸分泌抑制、PPI23日後に強力な胃酸分泌抑制効果(→即効性を期待するならH2blocker)。
 
  ②発熱あり
   急性虫垂炎の前駆症状かも⇒採血と腹部エコーするか、ひどくなければ右下腹部痛になってきたらすぐに来院するように指示。特に関連痛が示唆されるとき(漠然とした痛み、倦怠感強い)。急性虫垂炎初期は右下腹部痛はないこともあり、あっても軽度で鈍痛。しかし100%食欲なく、倦怠感も強い。
 
  ③月経不順あり
   Fits-Hugh-Curtisかも⇒下腹部痛から半月程して上腹部痛きたす。排尿時痛ないか聞く、検尿検査、クラミジア感染ないか抗体チェック。クラビット100mg5錠分15日分処方し、後日、婦人科受診を指示。
 
  ④嘔気や嘔吐あり
   ブ菌性食あたりかウィルス性胃腸炎初期⇒ミヤBM3g3を処方し経過見る。水溶性下痢がなければウィルス性胃腸炎とは断定できない。他の上腹部痛の原因がないことを確認する。
 
   DKAかも⇒尿中ケトン体、デキスターをチェック。
 
 ・中年⇒AOSCの可能性を念頭に。
 
  ①喫煙/NSAID/ストレスあり
   胃潰瘍、胃癌、十二指腸潰瘍かも⇒体重減少の有無を聞く。PPI処方し、必ずGIF予約。 
 
  ②肥満あり
   GERDかも⇒PPI処方とGIF予約。腹単で食道裂孔ヘルニアが分かることも。
 
  ③喫煙/HTN/HL/DMあり
   まずACSを否定する。
   ST変化は隣接する誘導で1mm以上であれば有意とする。
   ☆胃痛か狭心痛か判別できない時(ST1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
 
 ・老人
 
  ①ワーファリン/バイアスピリン/プラザキサ:
 
   出血性胃潰瘍かも⇒頻脈やふらつき/気分不良あれば、レクタールをして黒色便や便潜血ないかチェックする。何もなければPPI処方して、GIF予約。 
 
 ・右季肋部痛や左季肋部痛を上腹部痛と言っていることがある。特に飲酒歴や喫煙歴がない場合(胆石発作や総胆管結石初期の見逃しが多い。胆嚢炎やAOSCなら発熱あり気づくが。単純CTと採血は推奨)。


右季肋部痛

<右季肋部痛>
 
 ・上腹部痛と訴えることがある。
  ・中年
 
  ①肥満女性+食後発症
 
   胆嚢炎かも⇒発熱、Murphy陽性なら採血し、腹部エコーか造影CTを。急性胆嚢炎で発症72時間以内なら早期ラパコレ(腹腔鏡下胆嚢摘出術)。痛みが軽度で、SIRS徴候や採血でCRPWBC上昇が軽度なら翌日外科受診を指示。炎症もなく胆石だけなら胆石発作(GBcolic)かも(→心窩部痛=上腹部痛=胃痛を主訴で来院のことあり)。
 
  ②食後発症:
 
   総胆管結石かも⇒発熱、Murphy陽性なら採血し、腹部エコーか造影CTを。AOSCを見逃したくないので、SIRS徴候や直接ビリルビン上昇あれば入院を。結石がなく、痛みも消失したならpassing stoneかもしれない。EST後は胆管内airや胆管拡張があることが多く、逆行性感染もあるので、胆汁排泄促進のウルソ、腸管蠕動促進のガスモチンを処方するとよい。
 
  ③過度の飲酒歴
 
   急性肝炎かも。採血でGOTGPTを測定。200を超えてくると危ないので入院。肝細胞癌は痛くない。
 
 ・胆管炎:炎症反応↑+胆道系酵素↑、しかしT-BiL↑なし
     AOSC
:炎症反応↑+胆道系酵素↑+T-BiL↑    胆嚢炎:炎症反応↑+CTやエコーでの胆嚢周囲の毛羽立ち(胆道系酵素T-BiL↑はないことが多い)。胆泥により一時的にT-BiL上昇あり(もしくはpassing stoneか)
 
 ・ID-BiL優位の黄疸は溶血か血栓抗癌剤使用中の門脈血栓/SMV血栓が多い)
   
TACE後、RFA後、ERCP後に疼痛、発熱あるのはよくある。


左季肋部痛

<左季肋部痛>
 
 ・上腹部痛と訴えることがある。
 
 ・中年
 
  ①過度飲酒歴or腹部外傷歴or総胆管結石orTG高値:
 
   急性膵炎かも⇒造影CTと採血をする。(1)膵臓腫大(周囲の脂肪織の炎症像)、(2)上腹部痛or左季肋部痛、(3)AMY上昇のうち2項目で膵炎と診断される。小児は腹部打撲、男は酒、女は石の病歴を必ず聞く事。CTで膵腫大あっても周囲脂肪組織の炎症像なければ急性膵炎とは言えない
(膵石灰化は逆に慢性膵炎のサイン)。輸液はラクテック160-250ml/hr、メロペン1g生食100mlに溶いて30分で投与を12回、痛み強いのでソセゴン1A i.v.もしくはオピスタン35mg4Aを生食20mlに溶いて1ml/hr、レペタン0.2/1mL 12A0.5ml/hrから開始、採血して腎機能問題なければ造影腹部CTを。
  ・ワーファリンコントロール不良
   脾梗塞ないか腹部エコー、造影CTする。


右下腹部痛

<右下腹部痛>
痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水があれば絞扼性腸閉塞にまではなっていない捻転や絞扼かも。腸管の細くなっているところを探すこと!
 
 ・若年
 
 ①発熱あり
  急性虫垂炎⇒造影CTを。盲腸の拡張+小腸拡張あれば麻痺性イレウスで穿孔の可能性あり。free airや腹水もチェックする。Migration of pain(1点),Anorexia(1),Nausea(1),Tenderness inRLQ(2),Rebound(1),ElevatedBT(1),Leukocytosis(2),Shift(1)とし、7点以上なら感度93%特異度85%虫垂炎
 
 注意)保存的療法での虫垂炎切除術を要する累積再発率は、1年、2年、3年、5年追跡時でそれぞれ9%、12%、12%、13%であり、8年後の虫垂切除術の未実施率は86±1.3%であった。
 
 ②尿潜血陽性
 
  尿管結石かも⇒単純CTで結石の大きさを調べる。8mm以下なら自然排石を待つ。それ以上なら翌日泌尿器科受診を指示。
 
 ③妊娠反応陽性
 
  子宮外妊娠かも⇒腹部エコーとともに婦人科call。腹部エコーは排尿の前にしないと見えにくい。高感度妊娠反応が陰性なら外妊が否定できるわけではないが、緊急性は少ない。23日後の妊反でも陰性ならほぼない。妊娠反応陰性の外妊破裂などありえない(妊娠反応が陰性な段階の大きさの受精卵が原因で卵管破裂しないという意味)
 
 ④月経不順
 
  PID(卵巣炎)かも、排卵時痛か?
       cf)
女性で骨盤内に盲端のabscessに見えるものがあれば、子宮留膿腫や卵巣膿瘍や卵巣嚢腫を考える。
  ⑤若年女性で七転八倒する激痛
 
  卵巣茎捻転かも⇒卵巣が30㎜以上で造影不良と周囲の濃度上昇、卵管の一部狭窄
 
 ・中年、老人
 
 ①発熱あり
   急性虫垂炎かも
  ②尿潜血陽性
 
  尿管結石かも
  ③尿潜血陽性+Af/透析中
 
  腎梗塞かも⇒造影CT  ④血便あり
   憩室炎(発熱+腹痛)、憩室出血(腹痛なし、ワーファリン内服あり)か虚血性腸炎(軟便→下血のパターン、腹痛もあり)かも
  ⑤高血圧や喫煙歴あり
  右総腸骨動脈瘤破裂かも
<女性の右下腹部痛>
・妊娠反応陰性+卵巣腫大(3-4cm以上)+骨盤内血性腹水(30HU以上)→黄体出血
・妊娠反応陽性+骨盤内血性腹水(30HU以上)→子宮外妊娠
・片側の卵巣腫大(多くは6cm以上)→卵巣茎捻転
cf)
・左(右)卵巣からの出血でも右(左)下腹部と訴えることもある。
・単純CTでもhighに見える腹水は血腫。
・増殖期(1-2週間)→排卵黄体期2週間/体温上昇)→月経
排卵時に少し出血したり痛みがあることもある(卵胞出血、排卵時痛)。
・黄体は正常でも3-4cmになることがある。
・卵巣出血は排卵時の卵胞出血か、黄体期中期(最終月経初日から20日)の黄体出血が多い。
・黄体出血は左側はS状結腸がクッションになるので右側に多い。経過観察で自然出血することが多い。
・妊娠反応陽性なら子宮外妊娠が多い。出血性ショックになることもある。救急搬送が必要。
・月経周期について
 増殖期は約14日だが個人差あり、黄体期は全員14
 内膜:増殖期①②→分泌期③④→月経⑤
 卵巣:卵胞期①②→黄体期③④
 ①FSH↑により卵胞発育→卵胞周囲の顆粒膜細胞からE分泌
 ②E↑↑→GnRH↑↑→LHサージ→排卵E↑により子宮内膜機能層増殖
 ③排卵後の卵胞が黄体になり、P分泌
 ④P代謝亢進(体温上昇)、子宮内膜機能層増殖をstop&保持
 ⑤黄体が白体化しP↓、子宮内膜機能層剥離(月経)


左下腹部痛

<左下腹部痛>
痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水があれば絞扼性腸閉塞にまではなっていない捻転や絞扼かも。腸管の細くなっているところを探すこと!
 
 ・若年
 
 ①便が何日も出ていない
   便秘かも⇒腹単で便貯留確認。フォルセニド2T1寝る前、重症時はマグラックス3306錠分3(カマグは腎不全には禁忌)、ラキソベロン10滴を水で薄めて寝る前、レシカルボン坐薬15回分処方し帰宅。激痛のこともあるが、排便で消失する。
 cf)風邪薬で便秘になることがある。冬に毎年便秘になるならそうかも!
 
 ②尿潜血陽性
 
  尿管結石かも⇒単純CTで結石の大きさを調べる。8mm以下なら自然排石を待つ。それ以上なら翌日泌尿器科受診を指示。
 
 ③妊娠反応陽性
 
  子宮外妊娠かも⇒腹部エコーとともに婦人科call。腹部エコーは排尿の前にしないと見えにくい。高感度妊娠反応が陰性なら外妊が否定できるわけではないが、緊急性は少ない。23日後の妊反でも陰性ならほぼない。妊娠反応陰性の外妊破裂などありえない。
 
 ④月経不順
 
  PID(卵巣炎)かも
       cf)
女性で骨盤内に盲端のabscessに見えるものがあれば、子宮留膿腫や卵巣膿瘍や卵巣嚢腫を考える。
  ⑤若年女性で七転八倒する激痛
 
  卵巣茎捻転かも
 ・中年、老人
 
 ①尿潜血陽性
 
  尿管結石かも
  ②血便あり
   憩室炎(腹痛あり)、憩室出血(腹痛なし、ワーファリン内服中など)か虚血性腸炎(軟便→下血のパターン、腹痛あり)かS状結腸捻転(腹単でcoffee beanないか見る)かも。腹痛が治まっていないなら造影CTを。憩室があっても周囲の炎症像がなければ憩室炎とは言えない。憩室も捻転もなければ虚血性腸炎だったのかも。
 
 ③尿潜血陽性+Af/透析中
 
  腎梗塞かも⇒造影CT  ④怒責をきっかけに発症
   S状結腸穿孔かも(腹壁ソフトな場合も多い)→CTでのS状結腸周囲のfree airを見つけること。
      cf)
排便時の怒責をきっかけに生じた下腹痛が典型症状。もともと便秘や憩室がある場合が多いが、大腸癌が背景にある場合が多い。腹部が硬いとは限らないことも注意。高齢者に多いので同時に腹部大動脈瘤を認める場合もあるが、血栓閉塞型やextravasationないときは大腸穿孔を見逃さないこと。
  ⑤高血圧や喫煙歴あり
   左総腸骨動脈瘤破裂かも
 
<女性の左下腹部痛>
・妊娠反応陰性+卵巣腫大(3-4cm以上)+骨盤内血性腹水(30HU以上)→黄体出血
・妊娠反応陽性+骨盤内血性腹水(30HU以上)→子宮外妊娠
・片側の卵巣腫大(多くは6cm以上)→卵巣茎捻転
cf)
・左(右)卵巣からの出血でも右(左)下腹部と訴えることもある。
・単純CTでもhighに見える腹水は血腫。
・増殖期(1-2週間)→排卵黄体期2週間/体温上昇)→月経
排卵時に少し出血したり痛みがあることもある(卵胞出血、排卵時痛)。
・黄体は正常でも3-4cmになることがある。
・卵巣出血は排卵時の卵胞出血か、黄体期中期(最終月経初日から20日)の黄体出血が多い。
・黄体出血は左側はS状結腸がクッションになるので右側に多い。経過観察で自然出血することが多い。
・妊娠反応陽性なら子宮外妊娠が多い。出血性ショックになることもある。救急搬送が必要。
・月経周期について
 増殖期は約14日だが個人差あり、黄体期は全員14
 内膜:増殖期①②→分泌期③④→月経⑤
 卵巣:卵胞期①②→黄体期③④
 ①FSH↑により卵胞発育→卵胞周囲の顆粒膜細胞からE分泌
 ②E↑↑→GnRH↑↑→LHサージ→排卵E↑により子宮内膜機能層増殖
 ③排卵後の卵胞が黄体になり、P分泌
 ④P代謝亢進(体温上昇)、子宮内膜機能層増殖をstop&保持
 ⑤黄体が白体化しP↓、子宮内膜機能層剥離(月経)


下腹部痛

<下腹部痛>
痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水があれば絞扼性腸閉塞にまではなっていない捻転や絞扼かも。腸管の細くなっているところを探すこと!
 
 ①尿が出るがチョロチョロしか出ない
   尿閉かも⇒腹部エコーで尿貯留を確認し、導尿。必要なら尿道カテーテル留置し、翌日泌尿器科受診を指示。
     cf)
前立腺断面のサイズ
       左右径35mm、前後径20mm、上下径25mm程度が正常上限。
   cf)風邪薬で尿閉になることがある。冬に毎年尿閉になるならそうかも!
 
 ②精神科にかかっている
   尿閉かも
cf)
若年女性なら排卵時痛や子宮筋腫を除外すること。
     ③
怒責をきっかけに発症
   S状結腸穿孔かも(腹壁ソフトな場合も多い)→CTでのS状結腸周囲のfree airを見つけること。
      cf)
排便時の怒責をきっかけに生じた下腹痛が典型症状。もともと便秘や憩室がある場合が多いが、大腸癌が背景にある場合が多い。腹部が硬いとは限らないことも注意。高齢者に多いので同時に腹部大動脈瘤を認める場合もあるが、血栓閉塞型やextravasationないときは大腸穿孔を見逃さないこと。
  ④高血圧や喫煙歴あり
  腹部大動脈瘤切迫破裂かも(造影でも瘤部分highにならない場合は血栓閉塞型。S状結腸穿孔の可能性も考えること)


腹部全体痛

<腹部全体痛>
・ブスコパン無効な痛み、体位変換できない痛みは腸管壊死/解離の可能性あり造影CTが必要。
  ①頻回嘔吐+手術歴
 
   腸閉塞⇒手術歴がない場合は鼠径部を必ず見ること。
     cf)
腸閉塞
 
    ・便秘による腸閉塞は滅多にない(浣腸は禁忌)。結腸の腸閉塞は大腸がんのサイン。
 
    ・麻痺性イレウスと腸炎の区別は難しい。
   ・エコーで拡張腸管の蠕動がないこと、腹水があること、gaslessな拡張があることなどが絞扼性を疑う。
 
    ・閉塞性、癒着性、絞扼性にしろ閉塞起点があるはず(閉塞性は腫瘍や腸重積、癒着性は索状物によるbeak sign、絞扼性は腸捻転など)。なければ麻痺性(SMA塞栓症、虫垂炎PID、穿孔)となるが、全体的に腸壁の肥厚が見られれば腸炎腸炎による麻痺性イレウスとも考えられる)
   ・絞扼性が否定的なら、イレウス管を十二指腸内に留置し、パントール20-100mgを点内に入れて持続投与すれば蠕動でイレウス管が進むので小腸内の減圧はできる。時折イレウス管の位置を腹単で確認する。大腸癌による閉塞の場合は、CFでステントを留置し、排便させて食事摂取を早めに行わせること。早期からのリハビリも重要。
   ・癒着性イレウスに対し、NGチューブから胃内容物を吸引した後に、ガストログラフィンを50-100ml注入し、6-24時間後に撮影し、右横行結腸に造影剤が認められれば、感度92%、特異度93%で手術治療なしで治療可能と判断できる。
     cf)
腸重積の原因:大人は腫瘍、子供はMeckel憩室、Peutz-Jeghersなど。腸重積は乳幼児だけの疾患ではない!!
   ②
板状硬
 
  消化管穿孔かも⇒造影CTして、free airや腹水貯留ないか見ること。上部消化管穿孔でのNG留置は愛護的に行い、airも少量で確認すること。あまり勢いよく長い距離挿入したり、airを多く入れ過ぎると穿孔を増悪させるので注意。下部消化管穿孔は腫瘍、憩室の他に老人では誘因なく起こる(便秘でいきんだ後に憩室が穿孔起こすことあり)。
     cf)
腸管穿孔を見逃さないためにairを強調するWL(WC)80WW1200くらいに変更して見るとよい。初期は腸管壁に沿ってfree airが見られることが多い(WL:window level,WC:window center,WW:window width)
 
 ③腹部軟+喫煙/高血圧
 
  腹部大動脈瘤破裂かも⇒腹部エコー、造影CT
     cf)
腹部大動脈瘤の切迫破裂や破裂は腹部の筋性防御はみられない。筋性防御はまず腸管穿孔を考えること。
     cf)
腹部大動脈瘤破裂について
      
・腰痛を初発とする腹部大動脈瘤破裂は比較的慢性的な経過を取り見逃しやすい。
      
・体動によらない腰背部痛、血圧低下、嘔吐は腹部大動脈瘤破裂or切迫破裂の徴候。
      
closed rapture(破裂による出血が後腹膜腔にとどまった状態)ではタンポナーデ効果によって一時的に出血が抑えられ、血圧が回復することがある。ショック+嘔吐で来院し血圧回復の場合、迷走神経反射と勘違いしAAAを見逃しやすい!
     cf)
腹部大動脈瘤
 
     ・大動脈瘤は腹部大動脈3cm以上もしくは正常の1.5倍以上
 
     ・胸骨下端から臍までが腹部大動脈、胸骨下端と臍の間に腎動脈
 
     ・触診するときは腎動脈より上か下かが重要、5cm超えても4人に1人は触知しない、3-4cm30%程度が触知
    
 ・有病率5%      ・破裂すると半分がその場で死亡、病院に到着しても半分が死亡
 
     ・危険因子は喫煙、高血圧、家族歴
 
     ・破裂リスク:
 
      ①紡錘状よりも嚢状の方が破裂リスク大
 
      ②3-4cmでは年間2cm4-5cmでは年間3cm5cm以上は年間5cm以上進行する
    ③破裂のリスクは、4cm:1.5%/年、5cm:6.5%/年、6cm:10%/
      ・経過観察の目安
 
      4cm以下なら年1回、4-5cmなら年2回、5cm以上なら専門医コンサルト(無症状でも)
 
 ④腹部軟+Af/透析
 
  SMA塞栓症かも⇒造影CTAf患者の腹痛は絶対に疑うこと。


臍の痛み

<臍の痛み>
 腹部手術後であれば、尿膜管の膿瘍の可能性あり。悪臭のある汁が出ていないか注意してみること。


腰痛

<腰痛>
片側性によるものは尿管結石を考慮。腰痛と同側の股関節の鈍痛は腎盂腎炎による放散痛のことあり。
稀に帯状疱疹のこともあり。水疱に先行して痛みが出ることがある。
★red flag(1
か月以上持続、50歳以上、安静時痛、ステロイド使用、体重減少、癌、神経症)ないか聞く。
★FACET(facet=
椎間関節の意味)がないか探す。
 
 ①fructure(脊椎圧迫骨折、骨盤骨折、仙尾骨骨折)
 
  ・圧迫骨折は高齢者の尻餅で起きやすい。叩打痛ないか⇒あればレントゲン撮影し、叩打痛のところを入念に見る。叩打痛のない圧迫骨折は陳旧性。新鮮圧迫骨折はSTIRhigh/T1low。圧迫骨折あれば整形入院させ、圧迫が進行しないように水平位を保つ。コルセット装着し1か月の安静後、リハビリ開始。痛み止めはカロナール2009T/3x→トラムセット3T/3x。それでも痛いなら硬膜外ブロック(ペイン外来consult)
 
  ・骨盤骨折があれば必ず造影CTを行い、現在の出血がないか確認する。骨盤骨折は入院。
 
  ・仙骨尾骨の骨折は保存的に見るしかないので、痛み止めを処方し翌日整形外科受診を指示。
 
 ②aorta(腹部大動脈の瘤や解離)
 
  ・移動する痛み、高血圧既往、腹部拍動性腫瘤あれば、腹部エコーを行う。
 
  ・3割は腹部拍動性腫瘤がないこともある。
     cf)
腹部大動脈瘤破裂について
      
・腰痛を初発とする腹部大動脈瘤破裂は比較的慢性的な経過を取り見逃しやすい。
      
・体動によらない腰背部痛、血圧低下、嘔吐は腹部大動脈瘤破裂or切迫破裂の徴候。
      
closed rapture(破裂による出血が後腹膜腔にとどまった状態)ではタンポナーデ効果によって一時的に出血が抑えられ、血圧が回復することがある。
     cf)
腹部大動脈瘤の壁在血栓と解離性腹部大動脈瘤の違いについて
       
・腹部大動脈瘤AAA)の血管を取り囲むようなLDAは壁在血栓であることが多い。破裂の危険性とともに血栓が末梢に飛んで足壊疽などの危険性もあり。
       
・血管を取り囲む血栓が三日月状で単純CTにてhighに見えた場合はcrescent sign陽性で切迫破裂の危険性がある。
       
・壁在血栓は内膜の内側に動脈硬化で生じたもの、解離は中膜が解離して偽腔となり血液が流入したもの。内膜の石灰化が大動脈内に見えた場合は解離の可能性あり。
       
・真性AAA>50mm-55mm、限局解離を伴うAAA>45-50mmが手術適応。
 
 ③compression(ヘルニアや脊柱管狭窄)
 
  ・夜間痛(脊柱由来の痛みは、筋肉が弛緩する夜中に起きやすい)、痺れ、尻の中央を押すと足先まで痛みが放散(坐骨神経痛)、膀胱直腸障害ないか見る。両下肢の運動も感覚もまだらに障害される。運動だけ完全に障害されるのは脳血管障害。
 
 ④epidural abscess  ・腰椎の手術歴+DM+発熱では常に考慮する。ワーファリン使用中の血腫の時もある。
 
  ・全身状態が悪い時や採血してCRP2ケタやWBC上昇あれば入院させる。ロセフィン(セフトリアキソン)2gを生食100mlに溶いて30分で投与を11回。
 
 ⑤tumor  ・体重減少、乳癌や前立腺癌既往あれば入院させてMRIを行う。
 
  ・腰椎の左右のpedicleが消えていれば骨転移の可能性あり。
☆FACET
がなければ急性腰痛症(脊柱起立筋の筋膜炎や棘間靭帯炎etc)としてケンタン(ロキソプロフェン)60mg1錠とムコスタ(レバミピド)100mg1錠を疼痛時頓服で処方する(腎機能低下あればカロナール(アセトアミノフェン)100mg3錠、透析中であれば逆にケンタンで良い)。暖めて動けるなら少々痛くても動くようにして、硬いベッドは避けるようにと指示する。
シップはインテナースシップ1袋など。かぶれるという人にはインテバンクリーム1%50mlやスミルスチックを処方する。


頭痛

<頭痛>
注意)SAHを疑うならCTで異常なくとも、MRI flair,T2star,MRAを行い、動脈瘤の有無を見ること。特に、CTでの明らかな出血がないが、脳溝の減少など脳浮腫の所見が認められた場合などはMRAを撮影するか、CTデータとともに脳神経外科に翌日受診を指示すること(救急で受診させてもいいくらい)。最悪なのはCTで明らかな出血を認めないminor leakageを見逃して再破裂させることである。
⇒50
歳以上、48時間以上続く、嘔吐伴う、後頚部痛伴う、いつもの頭痛と違う場合はCT所見が陰性でも翌日の脳神経外科を受診するよう指示すること。
危険な頭痛のred flagSNOOP(systemic disease,neurological,onset suddenly,older,pattern change)
まず、発熱あれば髄膜炎、なければSAHを否定する。「いつもの頭痛と違いはありますか?」と聞く。
 
 ・痛い痛いとうるさい人より、もう何も言いたくないという感じ、倦怠感が強い頭痛、なんとなくぼんやり(JCSⅠ-1)して小さい声で”痛い~痛い~”としきりに言っている場合はSAHかもしれない(頭痛以外に、そもそも吐き気や倦怠感などの症状も強いから)。
 
 ・片方だけの肩こり、今までにない痛み、片足だけよく躓く、等ないか。sudden onsetとは限らない。
 
 ・突然始まる頭痛は注意する。問診で、患者がかなり具体的に頭痛が始まった状況を説明できる場合(階段の3段目をあがろうとしていた、とか、テレビを見ていて○○のCMが始まって少ししたとき、とか)。
 
 ・髄膜炎は造影MRIで脳溝や脳槽が高信号になる。
発熱が原因の頭痛かもしれないので、胸写と尿検査(特に若年女性)をしておく。
女性ホルモン剤(避妊薬、月経困難症治療)服用中は頭蓋内静脈洞血栓症による頭痛もあり得る。長期服用でもここ最近の服用開始でもあり得る。
次に、脳内病変(巣症状)、緑内障(瞳孔散瞳左右差、片側充血、まぶたの上から押さえるとカチカチ)、巨細胞性側頭炎(ESR↑)を否定する。
片頭痛は、片方の頭痛+嘔気+光過敏+動けない+既往+片頭痛の家族歴。
☆cutaneous allodynia
(皮膚を触るだけで痛い)は、片頭痛の最重症型で片麻痺(かたまひ)になる人もいるので注意する。
緊張型頭痛は、後頭部や両側前頭部の痛み。肩こりやストレスが誘引。片頭痛に併発することもある。
片頭痛や緊張型頭痛はテルネリンやマクサルト(リザトリプタン)10mg1錠を疼痛時頓服で処方する。マクサルトは高血圧や脳梗塞既往には禁忌。
群発頭痛は片側で中年男性+興奮気味+結膜充血+流涙+鼻汁。ケンタン(ロキソニン)60mg1錠とムコスタ(レバミピド)100mg1錠を疼痛時の頓服で処方する。
痛みを感じない時間があれば神経痛かも。特に帯状疱疹に伴う大後頭神経痛は発疹あればバルトレックス(バラシクロビル)500mg2錠分25日分処方する。


髄膜炎

髄膜炎
疑わしい頭痛+発熱+項部硬直はまず採血。意識清明CRP正常ならあまり考えなくて良い。
乳幼児の発熱、意識障害、痙攣は髄膜炎を考えるが、Hibと肺炎球菌(PCV13)接種歴あればまず細菌性髄膜炎は否定的。
抗血小板薬単剤なら腰椎穿刺しても良い。2剤以上や抗凝固療法中はしない(脳外科や神経内科consult)
若年者の項部硬直はやはり腰椎穿刺を躊躇しない事。
腰椎穿刺での出血は、硬膜外腔にある静脈叢からのもの。出血による巨大硬膜外血腫とそれに伴う脊髄神経圧迫を起こす。
髄液所見が正常でもヘルペス脳炎は否定できない。
髄膜炎の治療はステロイドから投与開始し、4剤投与する。
 
 ・オルガドロン3.81ml 2Aを生食50mlに溶いて30分かけて14
 
 ・セフィローム1gCTRX,ロセフィン)2瓶を生食50mlに溶いて30分かけて12
 
 ・バンコマイシン0.5g1瓶を生食50mlに溶いて60分かけて(急速静注するとred neck syndrome14
 
 ・アシクロビル250㎎(ゾビラックス)2Aを生食50mlに溶いて30分かけて13
無菌性であれば髄液のHSV-IgM,HSV-IgGを測定し、症状が強い時は、細菌性も考慮し、HSV抗体価の結果は時間がかかるのでゾビラックス250mgを生食100mlに溶いて1時間で投与を13回、ロセフィン1gを生食100mlに溶いて30分で投与を12回、グリセレブ200ml1時間で投与を12回、ソルメルコート500mg,ラニチジン100mgを生食100mlに溶いて30分で投与を11回を行う。


ステロイド力価

cf)ステロイド力価(コルチゾール:アルドステロン) ・ソルコーテフ/サクシゾン(ヒドロコルチゾン)⇒1:1  プレドニン(プレドニゾロン)⇒4:0.8  ソルメルコート/ソルメドロール(メチルプレドニゾロン)⇒5:0  リンデロン(ベタメタゾン)⇒25:0  オルガドロン/デカドロン(デキサメタゾン)⇒25:0 ・コルチゾールは体内で120mg分泌される。


頚部痛

<頚部痛>
片側性の頚部腫脹で発熱あるときは化膿性リンパ節炎を疑う。齲歯や副鼻腔炎がないか見ること。CRP高値の場合は膿瘍の可能性もあり、造影CTが必要。小児で発熱、化膿性リンパ節炎あれば結膜、舌、指先を見よ(川崎病)。
関節リウマチでは環軸椎亜脱臼ないか見ておく。
化膿性リンパ節炎ではなく、歯槽膿漏による反応性のリンパ節腫脹のこともあり。


軽症頭部外傷

<軽症頭部外傷>
ステープラーで本処置する前にガーゼで仮処置をし頭部CTを施行する(ステープラーでartifactになってしまうため)。
老人なら頭部CTを行い、慢硬予防に1ヵ月後の脳外科受診を指示する。
☆CT
TraumaABCDEsのうち1つあれば行う。
①toddler
:よちよち歩き2歳以下のたんこぶ
②repeated vomitting
③accelerated headache
④unknown mechanism
:受傷機転不明
⑤multiple trauma
amnesia
:健忘
⑦alteredLOC
:意識消失や意識障害
⑧batterd child
:虐待
⑨convulsion
:痙攣
⑩drug/EtOH
:抗凝固薬など
⑪elderly
⑫skull fx sign
:頭蓋底骨折
脳震盪は数秒の意識消失なら1週間は運動禁止(second impact synd)
頭蓋底骨折の徴候は、①パンダの目、②耳介後部血腫(battle sign)、③二重丸の鼻血
頭部CTで血腫はCT値が50程度(ROIで囲んで、Max,Min,Avgを見る)。血腫は骨条件で写らなくなる。骨条件で映れば石灰化。
乳幼児は顔色いいか、号泣あるか、機嫌よいか、目線合うか、手足動かすかで判断する。
脳出血脳挫傷あれば、痙攣予防としてホストイン静注(体重50㎏で12mlを生食48mlに溶いて18分で投与)、止血剤としてチチナ,リカバリン静注。受傷後1,3,6,12時間後に頭部CTfollowし、意識レベル低下、アニソコ、出血の拡大(硬膜下血腫の増大や血腫の増大→脳溝の減少→正中偏位→瞳孔左右差)があれば脳外科callしグリセオール投与。不穏時はホリゾン/ドロミカム/プロポフォールで鎮静(頭部外傷では不穏になりやすい)。


意識障害

意識障害
デキスターで血糖値測定し、緊急一般の採血(T-bil,Cre,BUN,TKB,Na,K,Ca,Mg,TSH,freeT3/T4,ACTH,cortisol,CRP,WBC,neutrophil,)と頭部CT, 頭部MRIを行う。項部硬直あれば腰椎穿刺も必要(老人は筋鉤縮あれば全部の方向で首が硬い)。
頭部MRIではMRAで椎骨-脳底、内頚 2本、ACA/MCA/PCAを必ず確認する。T1からDWIまで全ての画像を見る。T1/T2で梗塞でもDWIでなければ陳旧性脳梗塞
常に失神と意識障害の両面から考える。
☆JCS
の記載はJCSⅠ-3-A/R/I(aparic安静/restless暴れている/incontinence尿失禁)等の様にする。
意識障害+心機能低下なら心原性ショック以外は頭(意識障害)を優先する。
まず低血糖否定。血糖値50以下なら、50プロツッカー(50%ブドウ糖液20ml)2A+アリナミン(ビタミンB1)2ml5A静注。
注)ビオタメジン1V中にチアミン(ビタミンB1)は100mg含むので11Vでよい(シーパラ1A2ml中にチアミンは10mg
原因がはっきりしないときは脳波検査を行うこと。
眩暈、嘔吐、後頸部痛伴うものはDWIMRA、頸椎2方向(CTでも可能)が必要。
頸椎で椎間板が狭小化している頸椎の上下に頚部前屈位ですべり症が起きる可能性がある(あれば椎骨脳底動脈系のTIAの疑いが強い)。頸椎正面で頚動脈の石灰化が見えることもある。
☆AIUEOTIPS
①Alcohol⇒Wernicke
脳症忘れるな、B11100mg投与する(ビタメジン1Vを輸液に混注する)。
②Insulin⇒DKA
HONK低血糖
③Uremia⇒
尿毒症、劇症肝炎(→BUNが保たれているか、脳症の程度、凝固系、胆嚢浮腫で経過見る。アミノレバン以外のアミノ酸は使わないこと。エルネオパは×。補液はブドウ糖ベースで。)
④Encephalopathy⇒
特発性/症候性癲癇、脳炎、高血圧性脳症
⑤Electrolytes⇒
Na血症、高Ca血症
⑥Endocrine⇒
下垂体、甲状腺、副腎
⑦Trauma
⑧Temperature
⑨Infection⇒sepsis
ないかSIRSチェック。髄膜炎は呼びかけで開眼するが傾眠傾向。
⑩Psychiatry⇒drop hand test
、”手で開眼させても話すとぱっと閉じる”
⑪Porphilia
⑫Seizure⇒
痙攣の目撃がないか。2回目以降なら癲癇(原因分かれば症候性癲癇、原因不明なら特発性癲癇)。痙攣後は意識混濁や発熱が見られることがある。痙攣現場を目撃していない場合、抗痙攣薬の減量による痙攣後の意識障害なのか、抗痙攣薬の増量による過鎮静なのかを血中濃度を見ること。
⑬Stroke⇒TIA
ABCD2スコア:エービーシーディースクエアスコア)
⑭SAH⇒
瞳孔左右差+交代性片麻痺あればテント切痕ヘルニアの可能性あり、緊急脳外科call。外傷性であれば部分的SAH動脈瘤破裂では心電図異常も出るし、CPAにもなる。頭痛は激痛とは限らず、意識混濁とともに痛い痛いと小さな声でずっとうなっている印象。


TIAでの入院基準

TIAでの入院基準
cf)ABCD2
スコア(エービーシーディースクエアスコア)TIAでの入院基準
 A(Age)60歳以上なら1
 B(BP)SBP140以上またはDBP90以上で1
 C(Clinical symptom)片麻痺あれば2点、構音障害あれば1
 D(Duration):持続時間が60分以上なら2点、10-59分なら1点、10分未満なら0
 D(DM):糖尿病あれば1
4点以上で2日以内の脳梗塞発症リスクが4%なので入院(脳外科病院へ転送する)
48時間以内の脳梗塞発症率
 0-3:1% 4-5:4% 6-7:8%
cf)TIA
について
TIA3か月以内に15%が脳梗塞を発症し、半数が48時間以内。
・症状は脳梗塞と同様。
例)「片側の顔面と手足が動かない、しびれる」「片方の目が見えない、物が二重に見える」「言葉が出ない、ろれつが回らない、人の話が理解できない」
・持続時間は10分前後。
・手のしびれのみは頚椎症や肩こり。手と口の両方のしびれがあればTIA
失神のみは循環器へ紹介(迷走神経反射や不整脈)。TIAでの失神は稀で、他の神経症状を伴う。失神がないからといってTIAを否定するのは大間違い!!
・過去にけいれんの既往がないか。あれば神経内科へ紹介。
・非心原性TIAの発症48時間以内はアスピリン160-300mg。発症予防はアスピリン75-150mgかクロピドグレル75mg(なければシロスタゾール200mg、チクロピジン200mg)。
・非弁膜症性の心原性TIAではワーファリン。70歳未満はPTINR2.0-3.070歳以上は1.6-2.6
・頸動脈狭窄が70%以上ある場合はCEA(脳外科紹介)。50%未満ではCEA適応外。
・禁煙、適切な体重維持と運動。飲酒は適量であれば良い。


頭部MRIの見方

cf)頭部MRIの見方
 
 ・DWIhigh/ADC活性DWIiso-loworDWIhigh/Flarelow)なら新鮮脳梗塞
 
 ・T1low/T2highなら陳旧性脳梗塞
 
 ・T1/T2/T2starlowなら陳旧性出血
   
脳梗塞1週過ぎからT1lowT2highになってくる。DWIはすぐにhighになっていき1日後がピーク、1週後にiso、そこからlowになっていく
   
脳出血T1では1週から1カ月の間だけhighで他の期間はisoT21日から1週はlow1週から1カ月の間はhighで他の期間はiso
cf)
脳梗塞発症時間の推定
DWIhighFLAIRhighなしなら発症3hr以内(FLAIRhighになるのは6hr以降)
CT脳梗塞がはっきりわかるのは8hr以降。∴脳梗塞の症状がありCTですでにLDAがある場合は別の部位に脳梗塞を起こしている可能性がある!CTLDAにすぐに飛びつかないこと!

頭頂葉脳梗塞(超急性期と12時間後のDWI


血糖値とNaの関係

cf)血糖値とNaの関係
 
 BS100mg/dl上昇すると、Na1.6mEq/L低下する。低血糖が改善するとNaは上昇してくる。


失神

<失神>
失神とは、数秒~数分の意識消失で自然に完全回復するもの、を指す。”ふらついて倒れた” 、”すぐに自然に意識が戻った”と言うことが多い。
常に意識障害と失神の両面を考える。
原因がはっきりしないときは入院させてホルター心電図を行うこと。
新しく降圧薬やβブロッカーが処方されてないかチェックする。→起立性低血圧による失神
症候性癲癇を否定するためには痙攣の有無に関して周囲の目撃証言が重要になる。
冷汗、嘔気、眩暈(浮遊感)、ふらつきなどの前駆症状がない場合や仰臥位失神では、心血管性失神(AVB,SSS,AS/AR,除脈を伴ったAf,HOCMなど)を考えて、心電図、採血、胸写をして、CHESSがなければ帰宅可能(congestive heart failure,Ht<30%,EKG,SBP<90mmHg,shortness of breath)。
前駆症状あれば、ほとんどが迷走神経反射や起立性失神(出血、貧血、脱水)。洞性頻脈や起立負荷でふらつき、嘔気、20以上の脈拍と血圧変化ないかチェックする。
食事中の失神は迷走神経反射だが、ホルターでSSSAVBが見つかることあり(抗ヒスタミン薬/ジキタリスブロッカー使用歴ないかcheck)。
迷走神経反射にはアトロピン0.5mgを輸液に混注して点滴も良い。
失神の原因としてのTIA1%であり、ほとんどない(大脳皮質や脳幹を支配する大きな血管が詰まって再開通などありえないし、脳底動脈閉塞なら麻痺や小脳症状が必ずあるはず)。
☆Af
と徐脈はTIAよりも心血管性を強く疑うパターン。
TIA
による意識障害は少なくとも30分以上持続するし、他の麻痺など神経所見を必ず伴う。それでもTIAを疑うなら、MRA,DWI,頸椎XRを行う。


弁膜症の手術適応

cf)弁膜症の手術適応
①AS
 ・ASC(APあれば5年、syncopeあれば3年、鬱血性心不全あれば2年の予後) ・4m/s以上、圧較差40mmHg以上、弁口面積1cm2以下のいずれかで手術適応
 ・有症状やEF50%以下で放置すると心筋症が進む
 ・めまい、ふらつきで来院することがある
 ・AVR>TAVR>内科治療、術後30日の脳梗塞発生率はTAVR5%AVR2.5%
②AR
 ・有症状、EF50%以下、LVDs55mm以上、LVDd75mm以上のいずれかで手術適応
③MR/MS
 ・有症状、EF60%以下、心房細動、いずれかで手術適応

当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載2

当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載2

痙攣

<痙攣>
まず止める。呼吸停止に備えてバッグバルブマスクを用意してから、ホリゾン(ジアゼパム)10mg/2ml0.5Aを点滴ライン側管からショットで投与する。痙攣が止まるまで2回まで繰り返す。1時間様子みて止まらないならもう0.5A
止まったら、再発予防にアレビアチン(フェニトイン)250mg/5mL1Aを生食100mlに溶いて30分で投与する。
癲癇は2回目の痙攣発作時に言う。初回痙攣は癲癇と言わないこと。
老人初発の多くは、Alzheimerに合併する老人性癲癇(症候性癲癇の1つ)。
麻痺のない共同偏視脳梗塞後の症候性癲癇の可能性あり。
いびき様呼吸で、乳酸アシドーシスあれば痙攣を起こしている可能性がある。
中年初発では、脳腫瘍、AVMなどを考慮し、頭部CTを行う。
若年者の癲癇は熱性痙攣の既往や癲癇の家族歴、頭部外傷歴を聞くこと。
他にアルコール離脱(osmを測定する)低血糖高血糖、尿毒症(BUN/Cr)、陳旧性脳出血/脳梗塞病変による牽引、低Na、低Mg、低Ca甲状腺機能↑↓、低酸素、SAH脳炎脳卒中、薬物中毒の痙攣(乳酸アシドーシスあれば三環系抗うつ薬を疑う)。
痙攣ではCPK300-2000程度、軽度の乳酸アシドーシスあり。
癲癇(2回目の痙攣)なら車の運転は2年間禁止。
入院させて、デパゲンR(バルプロ酸の徐方剤)800㎎分2朝夕食後を投与する。服用できないなら、アレビアチン(フェニトイン)250mg/5mL1Aを生食100mlに溶いて13回から開始。
有効血中濃度:カルバマゼピン4-12μg/ml、バルプロ酸50-100μg/ml。意識レベル低下あれば採血し、減量する(頭部CTMRIは必要)。


眩暈

<眩暈>
回転性眩暈(vertigo)か浮遊感(diziness/presyncope)か区別する。
★”
世の中がぐるぐる回ってる”、”景色が横に流れる”、”意識は遠のかない”は、回転性眩暈(vertigo)
★”
意識が遠のく”、”目の前が真っ暗になる”、”ふらつく”は、浮遊感diziness/presyncope)。
☆”
ふらついて倒れた”は意識消失があれば失神で、意識消失なければ眩暈として対処する。
☆vertigo
ではほとんどが内耳性だが小脳脳幹病変をr/oする。
☆diziness/presyncope
は心血管性失神(AR/AS,AVB,SSS,除脈伴ったAf,HOCM)と起立性失神(出血/貧血/脱水)をr/oする。
内耳性(vertigo) ・頭位変換で眼振出るならBPPVかも。じっとしてるとおさまる水平性眼振あり。
 ・BPPVなら飛行機は避ける!
 ・風邪が先行し、耳鳴り難聴ないなら前庭神経炎かも。
 ・SSRI、抗ヒスタミン薬、降圧薬利尿薬、抗癲癇薬も原因となる。
 ・内耳の循環改善にアデホスLコーワ2A、シチコリン1A、シアノコバラミン1A、メイロン1Aを生食100mlに溶いて30分で投与する(眩暈点滴セット)。入院後は12回投与。メイロンはラクテックに入れるとCaと結合して沈殿するので注意。
 ・嘔吐にはプリンペラン(メトクロプラミド)10mg2mL 1Ai.v.かナウゼリン(ドンペリドン)坐薬10mg、アタラックスP(H1拮抗薬)1A i.v.、ノバミン(プロクロルペラジン)5mg/1mL 1A i.m.、リンデロン(ベタメタゾン)坐薬0.5mgなど。
 ・指鼻試験正常、回内回外運動正常、体幹失調なし、麻痺なし、構音障害なし、眼振なし、複視なし、で眩暈点滴セットで症状消失したなら、ベタヒスチンメシル12mg(メタヒスロン)12mg3錠、セファドール25mg3 錠、ナウゼリン5mg3錠分3毎食後で処方し、近日中に耳鼻科受診を指示し帰宅。
 ・耳鳴り難聴あれば、初発なら突発性難聴か繰り返すならメニエール病か。
小脳脳幹性(vertigo) ・眩暈点滴セットでも改善しないなら、小脳脳幹の出血を否定するために頭部CTを行う。小脳出血ではほとんどに頭痛がある。
 ・急性期の梗塞の場合はCTでは検出できないので、頭部MRIを行う。PICA領域がほとんど。
 ・1hr以内の超急性期はDWIでも検出できないのでMRAも行う。椎骨脳底動脈解離を否定するためにBIPAS(ビーパス)というMRIのモードで撮影してみるとよい。
 ・小脳の脳卒中は話せないくらいの嘔吐が続き、そのうちMalloryWeissを起こす。吐血すれば血圧は下がるが、この場合は高いか正常のまま⇒GIFよりCT/MRIを。もしくは眩暈改善時に歩けるかチェック(小脳虫部梗塞では体幹失調が出るだけで指鼻や回内回外など正常のことも多い。
☆diziness/presyncope
 ・失神の場合に準じる。
 ・後ろに振り向いたときに浮遊感が起きるなら椎骨脳底動脈血流不全の可能性あるため、後日脳外科受診を指示。
cf)
回転性眩暈で以下の項目がどれにも該当しなければ耳鼻科疾患として帰宅可能(1項目でも該当すればDWI施行を)
 
・顔面や四肢に自覚的な感覚障害がある
 
・他覚的な温痛覚障害がある
 
・指鼻試験、膝踵試験で左右差がある
 
・単脚立位が閉眼で不可能である
 
・眼裂の狭小化、左右差がある
 
・暗所下で瞳孔に左右差がある


ふらつき

<ふらつき>
曖昧な主訴であり、失神、眩暈、全身倦怠感のことあり。
必要あれば採血、頭部CT/MRI、心電図など。
☆”
ふらついて倒れた”は”倒れるときあぶないと思いましたか?”と聞くこと。⇒失神なら思わないし、drop attackや小脳病変なら思ったはず。
浮遊感あれば心血管性前失神(AR/AS,AVB,SSS,除脈伴ったAf,HOCM)、起立性前失神(出血/貧血/脱水)、椎骨脳底動脈血流不全、回転性眩暈あれば小脳脳幹/内耳を検索する。
全身倦怠感ならACTH,コルチゾール,fT3,fT4,TSHACTH単独欠損やSheehan症候群が見つかるかも)を測定。
☆Cushing
症候群の診断:真夜中の12時にデカドロン0.5mg2錠を服用し、朝一番のコルチゾールを測定し、5以下なら正常となる(同時にACTHも測定すればよい)


呼吸困難(SpO2の低下)

<呼吸困難(SpO2の低下)>
急速に生じた喘鳴、SpO2低下、両側肺水腫はACSたこつぼ型心筋症の可能性あり。まずは心電図/TropT/ラピチェックを。
cf)
超急性期のACST波増高から始まるので注意。必ず前回心電図との比較を。
cf)
アナフィラキシーなら皮疹から生じるはず。
・夜間のSat低下は、
痰詰まり⇒呼吸数↑
過鎮静(リスパダールセレネースバルプロ酸など)⇒呼吸数↓
③CO2
ナルコーシス(COPDある場合)⇒呼吸数↓
肺炎⇒呼吸数↑
心筋梗塞、敗血症など血圧低下⇒呼吸数↑
cf)Sat
の変化は呼吸数で代償しきれなくなった時に起こるため、呼吸数の変化がより鋭敏。
呼吸数増加:
代謝性アシドーシスに対する呼吸代償
組織酸素需要量の増大
交感神経興奮状態(心因性の過喚起症候群を含む)
呼吸数低下:
呼吸中枢抑制(麻薬・鎮静薬,CO2ナルコーシス,中枢神経障害)
胸部誘導でのnegativeTSpO2 89%くらいの低下、頻脈、PaCO2低下、AST/ALT/LDH上昇のどれかがあれば、下肢浮腫がなくても、心エコーで右室拡大の有無を確認する(PE/DVTの否定)。
抗癌治療中など凝固亢進状態がある場合は造影CTPEなくても末梢性のPEの場合があるため、必ず心エコーでPA圧を測定してもらう。
☆PE/DVT
によるSpO2の低下は酸素投与で容易に改善するが、見逃すと右心不全が進みCPAになる。
酸素化悪い時は、躊躇せずにバッグ換気⇒挿管をする。酸素化不良を漫然と放置しない。
血圧低下時はSpO2が低く出るので、上気道狭窄音がなく、胸郭が上がっていればバッグ換気はOK
入れ歯をとった時は挿管位置は口角20㎝でOK(普通は22cm)。
挿管困難(CI:cannot intubate)は怖いが換気困難(CV:cannot ventilateはもっと怖い(CVCI)→バッグ換気OKなら挿管は待てる。
バッグ換気で酸素化悪い時は、頚部の聴診と送気したバッグを握ったまま保持しPCVにする。
バッグバルブマスク(アンビューとも言う)FiO2100%にはならないが、ジャクソンリースは酸素10L/分にすれば100%になる。リザーバーマスクも酸素10L/分なら100%になる。⇒この時のPaO2/FiO2を計算して300以下ならALI,200以下ならARDS
挿管の確認はまず左肺⇒胃部(胃泡音が強すぎて左肺の呼吸音と間違うことがある)。
喀痰/呼吸音左右で低下⇒喀痰による上気道閉塞や無気肺。胸部CTにて気管支閉塞を確認できれば、気管支鏡にて吸痰施行。
咳痰/発熱⇒肺炎
 
 ・A-DROPBP90以下/SpO2 90以下/BUN21以上/意識レベル低下/7075才以上)3つ以上該当以上なら入院適応。
 
 ・採血、胸写、胸部CTを。
 
 ・室内気でSpO293%切るようなら痰培、血培2セット採取し入院。
  ・寝たきりの誤嚥は炎症が肺底部に見られるはず。
透析中でBUN↑Cr↑⇒溢水(尿毒症)
 
 ・DWを患者かかかりつけクリニックに聞いて、緊急透析(3時間3L程度)
 
 ・血圧が高くて、心不全もあるならミリスロール原液を2mlショットし、2ml/hrで持続投与。
  ・血中浸透圧>尿中浸透圧なら溢水状態。
☆wheeze/BNP
増加/pitting edema/CXRで上肺野中心の左右対称な肺鬱血(心拡大目立たなくてもbutterfly shadow=CXRで左右対称、上下肺野が白い)⇒急性心不全か慢性心不全の急性増悪
cf)Cheyne-Stokes
呼吸について
・無呼吸と頻呼吸の繰り返し。
脳卒中、うっ血性心不全、重度の腎臓疾患、肺炎、中毒、全身麻酔、乏血、失神、瀕死時。
・酸素化不良⇒頻呼吸⇒CO2低下⇒無呼吸⇒CO2上昇⇒
 ⇒脳卒中:呼吸中枢が障害されてCO2上昇の感知が遅延するため無呼吸が続く
 ⇒慢性心不全:心拍出量が低下し高CO2の動脈が呼吸中枢へくまで時間がかかるためCO2上昇の感知が遅延するため無呼吸が続く
 
 ・胸痛あれば、胸痛の対応に準じる。
 
 ・慢性心不全の急性増悪で血圧が高い(140mmHg以上)ならミリスロール原液を2mlショットし、2ml/hrで持続投与。効果ないならBiPAP(胸腔内圧を上げて静脈還流を減らす効果)
 
 ・ショックバイタル(EF40%以下)なら心原性ショックの対応に準じる。ドパミンキット600/200mL15-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr以下はrenal dose)、ドブポン0.3%注シリンジ50ml(ドブトレックス)15-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr)、DOA:DOB=1:1で合計20γ以下にする。βblockerを使っておりカテコラミンに反応が悪いときはミルリーラ原液(10mg/10ml)を1ml/hrから開始。
 
 ・肺鬱血重篤なら入院後は5%ブドウ糖500ml/day  ・低Alb時はアルブミナーを投与。
 
 ・自覚症状が軽快したら、点滴offし内服薬に速やかに切り替える。
 
 ・心機能が低いが改善傾向見られるなら、1-2日かけてそれぞれの投与量を半減させていく。
 
 ・心不全の治療薬
 
  ①高血圧があればARB+利尿剤(フルイトラン1mg)   ②血圧がそんなに高くなければACE阻害剤(レニベース5-10mg/日、意外と空咳多い)   ③利尿剤はラシックス単剤よりもアルダクトン併用(ルブラック4-8mg/+セララ50-100mg/日⇒セララはDM禁忌)。腎機能悪い時はKに注意する。
 
  ④虚血か収縮低下があればβ遮断薬。アーチストが使いやすい。2.5mg→5mg→10mgと増量。 突然死のリスクは低容量でも予防効果があるが、DCMなどでは用量依存的にEFの改善が見込める。Afのレートコントロールにも使えるがアーチストは意外とレートが下がらないことがあるのでメインテートにする。
 
  ⑤Afがあればジキタリス(ジゴシン0.125-0.25mg/)も考慮するが、虚血心、VPCNSVT頻発では例使用しない。
 
  ⑥coronary risk factorが高ければ、クレストール+アスピリン+PPI
 
  ⑦栄養指導を受けてもらうこと。塩分制限は絶対必要。
 
  ⑧V2受容体拮抗薬(サムスカ15mg)は集合管から水だけ抜くので、肺水腫くりかえし、BiPAP中、透析寸前に使うと良い。
長期の喫煙歴/慢性咳嗽痰/滴状心/やせ⇒COPDの急性増悪
 
 ・喘息の治療と同様だが、リンデロン4mg(0.4%)+5%ブドウ糖20ml12回とBase感染症あるかもしれないのでCTRX1g11回投与し、軽快すれば1週間かけてリンデロンは半減し中止。
 
 ・SpO289%以上になる程度でO22L/分程度までとする。
 
 ・肺線維症では僅かな体動でPaO230mmHg以上も低下することがある。頻回測定が必要。
 
 ・O22L/分にしても、SpO2が改善しないときは、PaCO2pHの関係から、高PaCO2が慢性か急性かを判断し、慢性的ならO2流量を上げるとCO2ナルコーシスから呼吸停止になることがあるため、BiPAP を導入する(それでも無理なら挿管することになるが、人工呼吸器が離脱できなくなることを家族に話した上でそうするか決めてもらう)。
 
 ・底流量の酸素投与でしのげたなら急性増悪の原因(多くは感染症)の治療を行う。
発作既往/wheeze/心拡大なし/BNP増加なし/CTにて肺異常なし⇒喘息
 
 ・ソルメルコート125㎎(プリドール)1Vを生食100mlに溶かして30分かけて投与。超音波ネブライザーでベネトリン吸入液0.5%0.5ml+ビソルボン吸入液0.2%2ml+生食5mL2A(3mlでも可)3回繰り返す。
 
 ・アスピリン喘息ではソルメルコートなどのコハク酸エステル型ステロイドは喘息を誘発するためリン酸エステル型ステロイドであるリンデロンやデカドロン4-8mgに変更する。
 
 ・室内気でSpO293%以上ならフルタイド100ディスカス60ブリスター11230回分、メプチン10μgエアー100吸入5mL1キット発作時30回分、キプレス10111回寝る前、ムコソルバン15313回毎食後を処方し、帰宅。
☆SpO2
91%程度/100/分以上の頻脈/女性/下腿圧痛/肥満/ピル/喫煙/骨盤手術歴⇒DVT/PEかも
  ・まずは心エコー。
 
 ・心エコーで右室拡大あれば造影CTする(D-dimer陰性なら否定的)
 
 ・ワーファリン51錠分1朝食後、ヘパリンNa1000単位/ml5mlショット後、ヘパリンNa1000単位/ml15mlを生食100mlに溶いて5ml/hrで持続投与開始。
 
 ・ワーファリン投与期間:原因が除去できたら3ヶ月、原因不明なら6ヶ月、ProteinS/C欠損//膠原病など原因が一生ものなら一生。
   
大きな肺炎でCRP陰性、Dダイマー上昇を見ると肺梗塞を疑うが、大きな肺梗塞なら肺主幹動脈の閉塞があるはず。
長身痩せ型/喫煙歴/若年男性⇒自然気胸
 
 ・胸痛→呼吸困難
 
 ・正面CXRで正常でも前面気胸かもしれないのでCTを。
 
 ・両側乳頭を結ぶ線と中腋下線の交点で肋骨上縁をキシロカイン10mlで陰圧をかけながら穿刺しつつ麻酔し、気泡が逆流したところが胸腔内なので、そこから少し針を戻して胸膜を6ml使って麻酔する。麻酔部を尖刃で切開し、ペアンでとりあえず胸腔に孔を空け、18-24Fr(フレンチ)の太さのトロッカー(チェストチューブ)を挿入し、12cmH2Oで持続吸引する。
血圧低下/発疹発赤/気道狭窄音⇒アナフィラキシーショック
  ・まず生食全開投与し、ボスミン0.3mg/0.3mlを大腿外側にi.m.  ・ポララミン5mg1A、ラニチジン(ザンタック)100mg1A、ソルメルコート(プリドール)125mg1Aを生食100mlに溶いて30分かけて投与。
血圧低下/気管偏位/片側胸郭膨隆/片側呼吸音低下⇒緊張性気胸
 
 ・両側乳頭を結ぶ線と中腋下線の交点を尖刃で切開し、ペアンでとりあえず胸腔に孔を空ける。
体動時の著明な息切れ⇒間質性肺炎
 
 ・RA/SLE/PMDM/サルコイドーシス/カリニ
 cf)RAの活動性はCRPMMP-3でみる。
最近の引っ越し/好中球↑LDH↑/空咳⇒過敏性肺臓炎
好酸球増多⇒ChurgStrauss(IgE↑MPO-ANCA陽性)ABPAIgE↑アスペルギルス抗原↑)。PSL内服必要。呼吸器科コンサルトを。
鳥の飼育歴⇒オウム病?
原因不明なら肺高血圧症かも
  ・心エコーで肺動脈圧を測定。
 
 ・COPD/SLE/PMDM/Sjogren/甲状腺↑↓に合併する。


人工呼吸器について

cf)人工呼吸器について
 
・換気モードについて
 ①CPAP:ずっと一定の陽圧(PEEP)をかけるだけ
 ②PSV:自発吸気時に陽圧をかけるだけ、無呼吸の恐れあり
 ③A/C:自発呼吸をひろって換気、自発呼吸ないときは強制換気、設定以上の換気を行うことあり→頻呼吸→静脈還流↓
 ④SIMV:自発呼吸をひろって換気、自発呼吸ないときは強制換気、設定回数以上は換気しない
 ⑤CMV:一定間隔で強制換気、自発呼吸が全くないとき
 ⑥NIPPV:挿管なしの人工呼吸器、フェイスマスク、吸気/呼気ともに陽圧をかける、呼気時の陽圧はPEEPと同じ、NIPPV専用機がBiPAP、適応はCOPD/喘息/CHF ①~⑤は人工呼吸器のモードで、従量式か従圧式かを選ぶ(従量式は換気量保てるが圧損傷あり、しかし圧波形で状態みれるのでICUではこちら。従圧式は換気量低下あるが圧を設定値以下にするので圧損傷ないため手術室ではこちら。)
 
 ・人工呼吸器の設定
  ①
換気モード:PSVSIMV
 ②FiO2100%からスタート、PF比からPaO280mmHgに保つ
 ③PEEP3-5cmH20 ④1回換気量は8-10cc/kg、呼吸回数は10-12/分、プラトー圧が30cmH2O以上なら6cc/kgにする
 ⑤他はデフォルト値
 
 ・NIPPVの設定:IPAP10cmH2OEPAP5cmH2Oからスタート、PaCO2↓したいときはIPAPを上げる、PaO2↑したいときはFiO2上げる
注意)
SIMV
でアラームがうるさい時は、自発呼吸あるか注意する。
CPAP
に変更し、PEEP5,PS5-10くらいに設定してみる。


血ガスについて

血ガスの評価方法
①pH
7.40±0.05以下ならアシドーシス、以上ならアルカローシス
②PaCO2
は酸性物質で正常値は40±5mmHgHCO3塩基性物質で正常値は24±2mEq/L
③pH
がアシドーシスなら、PaCO2↑HCO3↓のはずであり、PaCO2↑ならアシドーシスの原因は呼吸性、HCO3↓ならアシドーシスの原因は代謝
 pHがアルカローシスなら、PaCO2↓HCO3↑であり、PaCO2↓ならアシドーシスの原因は呼吸性、HCO3↑ならアシドーシスの原因は代謝
 ∴要するに、pH変化の原因がPaCO2なら呼吸性、pH変化の原因がHCO3なら代謝
④pH
変化の原因がPaCO2で、HCO3が異常値なら代償、正常値なら非代償
 pH変化の原因がHCO3で、PaCO2が異常値なら代償、正常値なら非代償
(代償の結果、pHが正常範囲になることはなくても”代償された”と言う)
例)pH,PaCO2,HCO3の組み合わせは全部で18通り
pH↑PaCO2↑HCO3↑
:代償された代謝性アルカローシス
pH↑PaCO2↑HCO3↓
:ありえない
pH↑PaCO2↑HCO3→
:ありえない
pH↑PaCO2↓HCO3↑
:混合性アルカローシス(呼吸性+代謝性)
pH↑PaCO2↓HCO3↓
:代償された呼吸性アルカローシス
pH↑PaCO2↓HCO3→
:非代償の呼吸性アルカローシス
pH↑PaCO2→HCO3↑
:非代償の代謝性アルカローシス
pH↑PaCO2→HCO3↓
:ありえない
pH↑PaCO2→HCO3→
:ありえない
pH↓PaCO2↑HCO3↑
:代償された呼吸性アシドーシス
pH↓PaCO2↑HCO3↓
:混合性アシドーシス(呼吸性+代謝性)
pH↓PaCO2↑HCO3→
:非代償の呼吸性アシドーシス
pH↓PaCO2↓HCO3↑
:ありえない
pH↓PaCO2↓HCO3↓
:代償された代謝性アシドーシス
pH↓PaCO2↓HCO3→
:ありえない
pH↓PaCO2→HCO3↑
:ありえない
pH↓PaCO2→HCO3↓
:非代償の代謝性アシドーシス
pH↓PaCO2→HCO3→
:ありえない
アニオンギャップ(AG=Na+K-(CL+HCO3))を計算する。正常範囲は10-15mEq/L
注意)血ガス評価で鑑別できる病態
☆Metabolic Acidosis (Anion Gap)
MUDPILES
Methanol Uremia Diabetic Ketoacidosis (check serum ketones) Propylene Glycol (in BZD drips) or Paraldehydes Isoniazid Lactic Acidosis (check serum lactate) Ethylene Glycol (anti-freeze) Salycylates
GOLDMARK
Glycols (ethylene or propylene) Oxoporin (reflects fatty liver damage from glutathione consumption, e.g. acetaminophen toxicity) L-Lactate D-Lactate (bacterial form) Methanol Aspirin (salycylate) Renal Failure (BUN uremia) Ketoacidosis
☆Metabolic Acidosis (Non-Anion Gap)
GI Loss
Diarrhea / Laxatives Fistula, (pancreatic, biliary) Uretero-intestinal diversion (ileal conduit)
Renal Loss
Renal Tubular Acidosis (Type 1 Distal or Type 2 Proximal) Renal Failure Hyper-kalemia
Exogenous Acid
HCl Amino Acids
FUSED CARS
Fistula (pancreatic, biliary) Uretero-gastric conduit Saline admin (dilutional acidosis) Endocrine (hyper-PTH) Diarrhea Carbonic anhydrase inhibitor (acetazolamide) Ammonium chloride Renal tubular acidosis Spironolactone
☆Metabolic Alkalosis
Alkaline Input
Bicarbonate Infusion Hemodialysis Calcium Carbonate Parenteral Nutrition
Proton Loss
GI Loss (vomiting, NG suction) Renal loss Diuretics Mineralocorticoids
☆Respiratory Acidosis
Airway Obstruction
Foreign body, aspiration OSA (obstructive sleep apnea) Laryngo- or broncho-spasm
Neuromuscular
Myasthenia gravis Hypokalemic periodic paralysis Guillain-Barre Botulism, Tetanus Hypo-kalemia, hypo-phosphatemia Cervical spine injury Morbid obesity Polio, MS, ALS
Central
Drugs (opiates, sedatives) Oxygen treatment in acute hypercapnia Brain trauma or stroke
Pulmonary
Pulmonary edema Asthma Pneumonia ARDS COPD Pulmonary Fibrosis
Mechanical Ventilation
☆Respiratory Alkalosis
Hypoxia
High altitude CHF Pulmonary Embolism
Lung Disease
Pulmonary fibrosis Pulmonary edema Pneumonia
Drugs
Progesterone Nicotine
Stimulation of Respiratory Drive
Psychogenic Neurologic (pontine tumor) Sepsis Pregnancy Mechanical ventilation
cf)
急性か慢性か
COPDの急性増悪時のpH7.30,PaCO255mmHgな場合:PaCO21mmHg変化すると、pH0.008変化する。平常時のpH7.40とすると、pH7.40-7.30=0.1変化しているため、PaCO20.1/0.008=12.5変化していることになり、もとのPaCO255-12.5=42.5mmHgと推測できる。
 
PaCO2上昇があるのにpHが正常であれば慢性的な高CO2血症、PaCO2上昇がありpHがアシデミアであれば急性の高CO2血症。
cf)
静脈血で代用できるか?
ABGVBGの変換
 pHVBGABGより0.02-0.04高い(◎)
 HCO3VBGABGより1-2mEq/L高い(○)
 PCO2VBGABGより3-8mmHg高い(○)
 ∴PaO2SaO2をみる以外はVBGでもかまわないのでは?
   Kelly.A.M. Can venus blood gas analysis replace arterial in emergency medical care
   Emerg Med Australias 2010.22(6) 493-8


嘔吐

<嘔吐>
若年者のほとんどは黄ブ菌の食あたりやウィルス性胃腸炎の部分症状。
嘔吐のみの若い人は急性虫垂炎/DKAかも。
中年以降は心筋梗塞と大動脈解離に注意する。
嘔吐したらCl低下でHCO3上昇(下痢はHCO3低下)。
内服は無理なら3号液などの点滴を行う。血圧低下や洞性頻脈あるときは外液投与を。
嘔吐の原因:
 
 ・急性胃腸炎⇒数日後に水溶性下痢、プリンペラン1A i.v.,ミヤBM3g3,ナウゼリン坐薬
 
 ・GRED⇒タケプロン,ランソプラゾール,オメプラール等。ラクテック混注は沈殿する。
 
 ・脳圧↑⇒瞳孔左右差,Cushing sign  ・小脳出血⇒頭部CT/MRI
  
片頭痛⇒マクサルト1(5HT1作動薬)  ・前庭系⇒アタラックスPH1拮抗薬
 
 ・DKA⇒BS↑、尿中ケトン体↑、代謝性アシドーシス。生食とインスリン持続投与。
 
 ・妊娠悪阻⇒ブドウ糖+B1を投与。頭部CT/MRIaxial(水平断)で両側視床high intesitycoronal(冠状断、額に平行なスライス)扁桃体や海馬の萎縮ないか見る。(ちなみに額と直行するスライスはsagital)  ・尿閉⇒膀胱充満でも嘔気くることあり。下腹部痛+嘔気が多い。臍周囲の腹痛+嘔気は腸閉塞を考慮。
 
 ・腸閉塞⇒腹部術歴ある老人。プリンペランは禁忌。NG挿入で50cmH20-30-30秒の設定で胃液を回収し悪化を防ぐ。腸閉塞があり、小腸と盲腸と上行結腸の拡張なら麻痺性イレウスで急性虫垂炎や憩室穿孔を探し、小腸だけの拡張なら外ヘルニア(鼠径ヘルニア/大腿ヘルニア/閉鎖孔ヘルニア)や癒着性イレウス(closed loopbeak sign)を探し、盲腸や上行結腸だけの拡張と下行結腸の虚脱なら大腸癌等の閉塞を探す(⇒便潜血)。
☆ED
チューブ挿入時は座位で頸部を前屈気味にすると良い。挿入の確認は必ず胸写と聴診で行う(意識障害認知症でむせもない場合は、気管支深く入っていれば聴診で異常とらえられないことあり)。ガイドワイヤーを抜去すると映らないので、入れたまま(抜去してたら再度ガイドワイヤーを留置して)撮影する(留置しなおす時にも使える)。ガイドワイヤーを抜く時は、水を通さないと抜けないことに注意する。
cf)ED
チューブは栄養の注入のみ、胃管=NGチューブ=Magenチューブ=レビン(チューブ)=Margenゾンデは栄養の注入だけでなくドレナージにも使う。
cf)
マーゲンチューブが入りにくい場合は冷蔵庫で冷やすとよい。


急性胃腸炎

<急性胃腸炎
<注意!!>
下痢の訴えで、実は軟便、臍周囲の鈍痛、食欲なしは虫垂炎!!
虫垂が長くて臍あたりまで来ていると考えるべし!!
もしくは腸捻転や絞扼!!痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水あれば疑うこと。痛みは強いはず。
嘔吐、臍周囲の腹痛、水様性下痢のtriasが揃って初めてウィルス性胃腸炎と診断できる。
嘔吐から始まって水様性下痢になるのが普通。
嘔吐が激しく、食べられないときは補液するのが親切。
☆39
度以上の発熱、濃粘血便、激しい腹痛、しぶり腹(tenesums)のどれかがあれば細菌性腸炎を疑って、ミヤBM3g3、ホスミシン250mg4錠分4処方する。重篤であれば便培養と赤痢アメーバの抗体検査をする(セキリアメーバAB:FA)。
老人の脱水でGFR低下時は入院を。
水様性下痢、腹痛、嘔吐のtriasがそろってない時は、虫垂炎、子宮外妊娠、腸閉塞(特に絞扼性)、出血性胃潰瘍を否定すること。
ウィルス性の胃腸炎なら23日で治る。整腸剤のミヤBM3包分312T/3x、ブチブロン1T頓服、下痢止めのロペラミド2T2を処方し帰宅。
☆3
5日前くらいにイカ、サバを食べたのならアニサキスIgG抗体を測定する。
腸炎が長引いているのならアレルギー反応かもしれないのでIgE indexを調べる。
食あたりの発症時間
黄色ブドウ球菌:おにぎりなど、23時間
サルモネラ:鶏卵、鶏肉など、672時間
ウェルシュ菌:カレーなど、12時間
腸炎ビブリオ:生魚など、620時間
カンピロバクター:食肉(特に鶏肉)など、23
・病原性大腸菌:井戸水、多種の食物、35


下痢

<下痢>
<注意!!>
下痢の訴えで、実は軟便、臍周囲の鈍痛、食欲なしは虫垂炎!!
虫垂が長くて臍あたりまで来ていると考えるべし!!
もしくは腸捻転や絞扼!!痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水あれば疑うこと。痛みは強いはず。
数週続く慢性下痢は赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫、乳頭不耐症、UC、クローンを考慮。
ミヤBM3包分3、ロペミン2錠分2CDトキシン、ベロトキシン検査を同時にしておく)、ORS(水1Lに小さじ15gの塩と大さじ115gの砂糖)で尿回数が5-7回になるようにする。
軟便を水様性下痢ということがある。
細菌性であっても抗生剤はキャリア化や増悪を助長するので投与しない。細菌性疑えば便培養を。カンピロバクターならアジスロマイシン(マクロライド)(NQは耐性多い)赤痢アメーバならST合剤。
感染性胃腸炎の原因
 
・おにぎり、手弁当→黄ブ菌、セレウス菌、潜伏6時間、毒素で嘔吐中心、発熱なし
 ・サラダ、魚介類(カキ)→ノロウィルス、潜伏1日、毒素で嘔吐中心、発熱なし(カキによるA型肝炎は摂取30日後に発症)
 ・いずし→サルモネラ、潜伏1日、毒素で嘔吐中心、発熱なし
 ・夏の海産物→腸炎ビブリオ、潜伏2日、感染型で発熱と下痢中心
 ・生の鶏/牛肉→カンピロバクター、潜伏5日、感染型で発熱と下痢中心、血便のことも、便培養(特殊な培地)、GBSの原因
 ・肉、生野菜→HUS、潜伏7日、感染型で発熱と下痢中心、血便のことも、便培養、腎機能と血算
カンピロバクター、エルシニア、O-157CRP著増の水様性下痢を来すことがある。
水様性下痢に腎機能障害、血小板減少を見たら、塗抹標本で破砕赤血球を探す。あればHUSTTP血漿交換療法。
潰瘍性大腸炎(UC)クローン病(CD)(IBD:UC,CD)
 ・10から20歳代で慢性の下痢、腹痛、体重減少、貧血があれば疑う。
 ・UCでは粘血便、下痢がメイン。CDは血便は稀で若年なのに痔核や痔ろう、肛門周囲膿瘍、腸閉塞が見られる。
 ・UC内視鏡所見:軽度がびまん性に血管透見が消失し顆粒状粘膜、中等症では浅い潰瘍が散在、易出血性、膿性粘液付着、高度は著名な自然出血、深掘れ潰瘍、島状残存粘液。
 ・CD内視鏡所見は多発する縦走潰瘍、敷石像、アフタ。
 ・UCの重症度分類:重症は排便16回以上、便潜血3+37.5度以上、脈拍90回以上、Hb10以下、赤沈30mm以上(正常は10±5)のうち4項目以上陽性。軽度は排便14回以下、便潜血+から-、発熱/貧血/頻脈/赤沈亢進なし。中等度は高度ど軽度の間。
 ・CDの重症度分類:軽度はCDAI150から220、合併症なし、CRPはわずかな上昇、重度はCDAI450以上、腸閉塞や膿瘍あり、CRPが高度上昇、治療反応なし。中等度は軽度と重度の間。
 ・UCの治療は経口5-ASA(ペンタサ、アサコール)2g/日以上、もしくはSASP(サラゾピリン)3-4g/日に5-ASA注腸(ペンタサ)1g/日もしくはステロイド注腸を加える。無効ならPSL30-40mg内服。緊急性あるときは白血球除去療法や免疫抑制剤(AZA:イムラン、6-MP:ロイケリン)。直腸型ならサラゾピリン座薬も可。
 ・CDの治療は軽度は5-ASA、中等度はPSL40mg内服を1週間で減量、離脱できないときはAZA6-MPを追加。緊急性あるときは顆粒球除去療法。重度はPSL40-60mg静注。
 ・ステロイド長期使用例ではCMV、抗生剤使用例ではC.difficile、生物学的製剤や免疫抑制剤使用例では腸結核B型肝炎再燃に注意すること。
 ・感染性腸炎は長くて1週間程度(ただし、アメーバ腸炎は同性愛者で見られ長期に続く)。
 ・IBSでは便潜血は陰性。


吐血、下血、血便

<吐血、下血、血便>
フォロー中にBUNが上昇してきたときは消化管出血を疑うこと。Crが同時に上昇していても、出血による脱水が合併しているのかもしれないので、単なる脱水と即断しないこと。
咳の結果出た喀血、嘔吐の繰り返しで出た吐血、下痢の繰り返しで出た鮮血便は粘膜損傷の事が多い。軽症ならトランサミン処方で経過観察でも可。
吐血の色
 
・茶褐色~黒色⇒胃や食道からの慢性出血(炎症,潰瘍,腫瘍) ・鮮血⇒茶褐色の嘔吐を繰り返しているうちにMallory-Weisseを起した、GERD、静脈瘤(肝硬変)など
下血の色と出血部位
 ・真っ黒⇒上部、下血と言う。胃十二指腸潰瘍(PUGa/D)、胃癌、GERDなどを疑う。最終飲食時刻を聴取し緊急内視鏡の準備。
 ・暗赤色⇒下部、血便と言う。憩室出血は腹痛なし、右or左下腹部痛は憩室炎、CTで憩室ないなら虚血性腸炎(腹痛とともに普通便から徐々に軟便となり最後に下痢状の血便になる)、腹痛や炎症反応軽度、経口摂取可能ならクラビット100mg5錠分1処方し帰宅も可。大腸癌の場合もあるのでCFは必ず勧めること。
 ・真っ赤⇒血便と言う。直腸潰瘍(長期臥床、E入りキシロカインを含んだガーゼを直腸に充填し帰宅)、痔核(陥頓による痛みがなければヘモレックス軟膏2g処方し帰宅)、肛門周囲膿瘍(痔瘻ないか造影CTをすること)、裂肛(ヘモレックス軟膏2g処方し帰宅)。Hb低下あれば大腸癌かも。CFは必ず勧めること。
☆20
代前後ならクローン病(+腹痛、下痢)やUC(+腹痛)も(どちらも高齢者でもピークあり)。血沈とHbのチェック。CFは必須。
初期対応
 
・普段より血圧低下、頻脈、じとっとした皮膚(冷汗)あればルート確保し、ラクテック+チチナ1A+リカバリン1A、オメプラール1A+生食100ml点滴(生食20mlに溶いて静注も可)。
 ・モニター装着、血ガスでHb/Lac/pH/BEチェックして、ふらつき/頻脈/起立性低血圧/Hb低いならRCCオーダーと輸血同意書を取っておく。
 ・肝硬変による静脈瘤の可能性低いならNGで上か下か確認してもよい。鼻出血でも黒色便になるし、NGでも胃からか鼻からかは分からない。慢性出血で嘔吐を繰り返しての吐血はMalloryWeisse症候群の可能性あり。
 ・基本は緊急内視鏡
 ・入院になるならCA19-9CEA/ピロリ抗体/クロス血/入院時採血セット/ECG/胸写/入院時指示。
緊急でないならゆっくり病歴(最終飲食時刻、喫煙、アルコール)、身体所見(明らかな下血なければ直腸診と便潜血)、憩室炎で下腹部痛あるときは炎症反応上がる(なければ憩室症)。
内視鏡操作メモ
 
・右梨状陥凹(モニタの左側)に来たら、カメラを下向きにして、本体を持っている左手を右上に持ち上げてカメラをそっと押すと入る。
 
SDJではスコープを持っている右手で反時計に回しながら挿入する。
 
・十二指腸の1st portionに入ったらカメラを上向きにして、本体を持っている左手首を巻き込むように右に回すと2nd portionに入るので、少しカメラを引き戻すとさらに入っていく。
 
・食道に入ったらまず洗浄する。食道の血管がなくなっているところがSDJ
 
・胃内の血管が透けて見えるところは萎縮性胃炎。
 
・胃内でJターンしたときにニュースカレークを吸引する。
注)便が黒いからと言って消化管出血とは限らない!
・鉄剤やマドパ(レボドパ)+マグミット内服中も便が黒くなる。マグミットに内服してると下痢状にもなり、タール便と紛らわしい。鉄剤による黒色便はやや緑がかっており、あまり臭くないのが特徴で、鉄剤を休薬すると3日程度で色が戻る。
注)メネシット、マグミット内服中で口腔内に黒色物が付着し、吐血と間違うことあり。


便潜血について

cf)便潜血について
 ・化学潜血反応では肉、魚、緑黄色野菜、鉄剤で偽陽性になりやすい
 ・免疫学的潜血反応では上部からの出血ではHbが分解されて偽陰性になりやすい、大腸癌スクリーニングに最適。鉄剤では偽陽性にならない。


吐血で緊急内視鏡適応でない場合

cf)吐血で緊急内視鏡適応でない場合(Glasgow-Blatchford scoreも参考にしよう):
 
 ①十二指腸穿孔
 
 ②発症24hr以降
 
 ③腹痛が限局的
 
 ④造影剤の漏出なし
cf)Glasgow-Blatchford score
 BUN:6.5-8(2)/8-10(3)/10-25(4)/25-(6),Hb12-13(1)/10-12(3)/-10(6),Hb10-12(1)/-10(6),SBP100-109(1)/90-99(2)/-90(3)/脈拍100-(1),タール便あり(1),失神あり(2),肝疾患あり(2),心疾患あり(2)⇒0点なら緊急GIFは必要なし


過換気症候群

過換気症候群
アタラックスP1A筋注→セレネース1A筋注(セレネースは投与直後は不穏になることあり、効果発現まで20分程度。鎮静されると舌根沈下の恐れあるためSpO2低下時はまず側臥位にする、それでも低下なら鼻カニューラで2L程度酸素投与、無理ならnasal airway挿入、ホリゾンと異なり呼吸停止はない)
cf)
筋注の方法:
 
上腕の三角筋をつかんで垂直に青針(23G)3分の2程度までの深さまで穿刺する。
不安性障害やパニック発作によるものが多いが、原因検索を忘れないこと。DVT/PESAHなど。若年者でSpO2 93%は異常!ふくらはぎの痛みや張りがなかったかを聴取、心電図で右心負荷(胸部誘導でのnegativeT)がないかチェックする!


不眠症

不眠症
デパス0.51錠+マイスリー(ゾルピデム)52錠就寝前頓服を3日分処方でとりあえずはOK
効果ないならウィンタミン(クロルプロマジン)12.5mg1錠就寝前頓服を3日分処方。
それでも効果ないならベゲタミンB0.5錠就寝前頓服を3日分処方。
抑鬱状態なら抑肝散7.5g/3x、ミラドール503T/3xを処方する。
不眠の原因検索もせずに初診や時間外で28日分を処方するのは禁忌。
後日の内科受診を指示(精神科と言うと過剰反応する人がいるので)。


頸椎捻挫

<頸椎捻挫>
神経所見に異常なければ、後日整形受診を指示。
念のため頚椎レントゲン(開口位と側面の2方向)か頚椎CTをとっておく。
ケンタン3T3、ムコスタ3T3、インテナンスシップ(かぶれる人はスミルスチックやインテバンクリーム)を処方する。2週間程度で治るが、人によっては長引くことがあると説明。
診断書は10日加療にする。


高血圧

<高血圧>
血圧を測って、普段より高いので、不安になってくる人が多い。
視野異常、嘔気嘔吐、他の神経所見なければ、収縮期200mmHg以下であれば降圧は不要。
体調が悪いから血圧が高いのであって、血圧が高いから体調が悪いのではないこと、血圧を不用意に下げると脳梗塞の危険性もあること、を説明する。
希望が強い場合は、点滴と安静指示。
浮遊感、眩暈で来院することがあるので、その場合は頭部CTを。
☆200
以上の高血圧で他に症状ないなら降圧薬の飲み忘れもあるぞ。
降圧薬を使う前に、2次性高血圧除外のためにBNP、アルドステロン、レニン活性、コルチゾールACTHC3分画(アドレナリン、ノルアドレナリンドパミン)、PAC/PRA比の測定と、腎血管エコーを行うこと。
cf)C3
分画の採血は30分安静臥床後、そのまま採血すること。
注)
・高圧目標は高齢者、冠動脈疾患、脳血管障害既往では140/90未満、DMCKD130/80未満
ARBCCB、利尿剤によらず心血管イベントは降圧度の応じてリスクが下がる。薬の種類は無関係。
・投与方法は、朝1回では朝の血圧が高いときは就寝前1回や夕方投与にする、12回投与に分割する。RA系は早朝に亢進する。もしくは、朝にARB、就寝前にCCBなど。
・血圧は夜間睡眠中に下がるのが正常で、睡眠中に上昇するのはriser、下がらないのはnon-dipperで心血管イベント増加につながる。副交感神経優位になり、代償的にRAA系が亢進しすぎるとriserになる。
・少量サイアザイド(ヒドロクロロサイアザイド6.25mg)併用でNa排泄を促進させるとよい。
・減塩指導の1例:加工品を減らす、漬物は浅漬けや酢漬け、味噌汁は11杯、小ぶりの汁椀にする、ラーメンは止める、減塩の調味料、12gまで
・非ジヒドロピリジンCCBβ拮抗薬は徐脈や房室ブロックに注意。ARB/ACEI+抗アルドステロン薬は高K血症に注意。
NSAIDsは利尿薬、β拮抗薬、ACEIの降圧効果を減弱させる。
H2拮抗薬はチトクロームP450を阻害し、CCBβ拮抗薬の降圧効果を増強する。
ジゴキシンは非ジヒドロピリジンCCBの併用で血中濃度が上昇する。
・夏場、高齢者にRA系抑制薬+利尿薬の組み合わせは脱水から腎性腎不全になることがある。
・グレープフルーツはチトクロームを抑制し、ジヒドロピリジンCCBの作用を増強させる。
・リファンピシンはチトクロームを誘導し、ジヒドロピリジンCCBの作用を減弱させる。
DM合併例では、ARBACEIを第1選択とするが、降圧作用が不十分で腎機能障害あるとき(Cr2-3)は増量せずに、CCBを追加する。
CKDでも高血圧による腎硬化症や多発嚢胞腎は体血管の血圧と糸球体血圧は相関が少ない。一方、DM性腎症や糸球体腎炎では全身血圧が正常でも糸球体血圧は上昇し、糸球体硬化を引き起こし、限外濾過係数を低下させ、さらに糸球体血圧が上昇する。
・糸球体への前負荷を蛋白制限で減少させ、後負荷をRA系抑制薬で減少させる。
⇒CCB
で血圧を下げても、充分に降圧しないと糸球体保護にはならず、RA系で降圧効果が不十分でも糸球体血圧が下がり糸球体保護につながる場合がある(ただし、Cr3を超えると糸球体血流の低下を招き、さらなる腎機能低下を招く可能性あり)
腎硬化症や多発嚢胞腎ではCKDでも140/90未満を目標にすればよいが、DM性腎症や糸球体腎炎では125/75未満を目標とする。
・脳卒慢性期の降圧目標は、140/90未満、両側頚動脈高度狭窄、脳主幹動脈閉塞の場合は下げすぎに注意。ラクナ梗塞や脳出血既往ではさらに下げる。CCB.ACEI/ARB,利尿薬など。
心不全合併例では、HFrEF(HF with reduced EF=収縮不全)HFpEF(HF with preserved EF=拡張不全)に分ける。EF低下とは40-50%以下を指す。
HFpEFは高齢女性、高血圧、DMAfで多い。
心不全ではRA系が亢進しているので、ACEIARB投与により過度の降圧や腎機能障害を生じやすいので、通常量の25%程度から開始する。
β拮抗薬は幅広い重症度の心不全患者に予後改善効果がある。カルベジロールとビソプロロールなど。ごく少量から開始し、体重、胸部X線、BNPをモニタリングしながら使用する。
・利尿薬で臓器鬱血を軽減させ、長時間作用型ジヒドロピリジンCCBで降圧させる。
・拡張不全における臓器鬱血には利尿薬が有効。頻脈やAfがあれば心拍コントロールを行う。
・冠攣縮性APにはβ拮抗薬単独は禁忌なので、機序が不明な場合や、冠動脈狭窄と攣縮がともに関与している場合は、長時間作用型CCBが第1選択となる。140/90未満が目標血圧。
心筋梗塞既往ではRA系抑制薬とβ拮抗薬の組み合わせがよい。130/80未満の厳格な血圧コントロールが重要。
cf)
高血圧治療ガイドライン2009若年者、中年者:診察血圧130/85未満、家庭血圧125/80未満
高齢者:診察血圧140/90未満、家庭血圧135/85未満
DM,CKD,
心筋梗塞後:診察血圧130/80未満、家庭血圧125/75未満
脳血管障害後:診察血圧140/90、家庭血圧135/85正常高値130-139/85-89
I
度高血圧:140-159/90-99
II
度高血圧:160-179/100-109
III
度高血圧:180以上/110以上
リスク第3層(DM,CKD,心血管病):正常高値以上で全て高リスク
リスク第2層(CKD,心血管病のうち1-2orメタボ):正常高値以上で中等リスク、II度高血圧以上で高リスク
リスク第1層(危険因子なし):I度高血圧以上で低リスク、II度高血圧以上で中等リスク、III度高血圧以上で高リスク
低リスクなら3ヶ月以内の指導でも140/90以上なら降圧薬開始
中等リスクなら1ヶ月以内の指導でも140/90以上なら降圧薬開始
高リスクなら直ちに降圧薬開始

当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載3

当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載3

鼻出血

<鼻出血>
鼻腔鏡で見て、出血量多い場合、止血困難な場合は5000倍希釈のボスミンガーゼを鼻に詰める。
cf)
ボスミン液は1mg/mL0.1%溶液、1000倍液)で5倍希釈液(0.02%溶液)が5000倍希釈にあたる


かぜ

<かぜ>
高齢者の心筋梗塞、半分は無痛性。なんとなく元気がない、AST,ALT上昇、血圧低下など見られたら必ず心電図を。
☆”
いつもの風邪と違うところはありますか”と聞くこと。
風邪は咽頭/鼻汁/咳のうち2項目以上で診断できる。
感冒症状で38℃台後半の熱は出ない。インフルエンザ/咽頭炎/肺炎を疑う。
インフルエンザでないなら肺炎を疑うこと(聴診、胸写、CRP/CBC-B、若年者の胸痛)。
熱の出ないインフルエンザもあるが治療の必要性は低い。
発熱から始まる頑固な咳はマイコプラズマかも。迅速診断の感度は50%程度。IgM抗体を測定するPA法で診断する。
総合感冒薬のセラピナ1g3包分3、解熱薬としてカロナール200210回分、鼻水止めにアレロック52錠分2 かアルデシンAQネーザル11420回分、咳止めにメジコン15mg6T3かニチコデ散1g3包分3、うがい薬はネオヨジンガーグル50ml(他にアクロマイシントローチ15mg1錠)、痰多い時はビソポロン3錠分3(痰がサラサラになり誤嚥しやすくなるので注意)などを処方し帰宅。
高齢者や重篤そうなら採血、胸写、点滴、細菌感染否定できないときはレボフロキサシン(クラビット)100 5錠分1処方。
小児の咽頭痛にはアスベリンシロップ0.54ml+ムコダインシロップ57ml+メプチンシロップ5μg/ml 5ml13回など。
粘膜保護のためトランサミン3錠分3処方すると良い。
咳嗽時の血痰は粘膜損傷によるものが多い(→ワーファリン/プラザキサ/バイアスピリン服用していないか聞く)。
外傷後によるものは、紙に鼻血をたらして、2重丸になってないか見る(師板損傷による髄液漏、頭部CTを)。
長期間の気管支炎を繰り返し、痰が多いときはブチブロン3T/3x、クラリスロマイシン1T/1xを投与する。痰でSpO2が低下してるときは、吸引チューブを鼻から上気道に挿入し、咳をさせて痰を吸引すると良い。


妊娠中のインフルエンザについて

cf)妊娠中のインフルエンザについて
 
・タミフルよりはイナビルやリレンザの方が血中への移行が少ない。
 
・どちらも妊娠中や授乳中の投与はOK
 
・母乳中にはわずかに移行するが、極微量。
 
・インフルエンザウィルスの母乳感染はない。
 
・手洗い、マスクをすれば母子分離は必要ないが、搾乳をして非感染者家族が与えるのがベスト。
 
・母乳中への移行薬剤で乳児のインフルエンザは治療できない。


咽頭

咽頭痛>
☆A
β溶連菌への抗菌薬投与はリウマチ熱はNNT4000AGN予防効果なし⇒症状改善と扁桃周囲膿瘍の予防目的。
中年、高血圧、喫煙歴の咽頭痛はACSを頭の片隅に入れておく。
咽頭炎は高熱+喉の痛みメイン、咳なし、鼻水なし。
前頸部リンパ節腫脹なら細菌性(化膿性扁桃腺炎)、後頸部ならEBV。白苔と39℃以上の高熱は細菌性でもウィルス性でも見られる。
☆EBV
感染の診断はVCA-IgM/IgG,EBNA,EAで行うが、結果が出るまでに時間がかかるので、塗抹標本で異型リンパ球があればEBVとする。
小児の初感染、20歳のkissing diseaseならEBVで良いが、中年の異型リンパ球はHIVを考える。
☆MumpsIgM/IgG,CMVIgM/IgG,adeno virus Ag,
溶連菌迅速検査も行う。
カナダルール(38℃以上、咳なし、前頸部リンパ腫、扁桃肥大)2項目以上で溶連菌迅速検査。
扁桃周囲膿瘍は成人で咽頭痛+扁桃腫大+口蓋垂の偏移+開口障害+嚥下障害で緊急切開が必要であり、直ちに耳鼻科コンサルトするか転送。開口障害なく、呼吸状態も異常なければ翌日の耳鼻科受診でも可能。
急性喉頭蓋炎は小児で頻呼吸+強い嚥下痛+流涎+扁桃腫大なし。両膝に両手をついたtripod positionが特徴。
甲状腺の痛みを咽頭痛ということがある。若年~中年女性に多い亜急性甲状腺炎は頚部腫大+ 頻脈でTSH/T3/T4を測定。
溶連菌と伝単(EBV)が鑑別できない場合は、ABPCAMPCは禁忌(伝単で皮疹が出るのはアミノペニシリン系(サワシリン、オーグメンチン、ビクシリン、ユナシン)で、ペニシリンGやセフェム系は問題なし)。メイアクト100mg3錠分35日分、ペニシリンアレルギーの場合はジスロマック250mg2錠分13日分処方、クラリスロマイシン200mg2錠分27日分処方、クラビット100mg5錠分15日分処方のいずれかにしておく(サワシリンやオーグメンチンは避ける)
☆CAEBVI(chronic activated EBV infection)
3週以上のEBV持続初感染により血球貪食症候群を起こすもの。蚊アレルギー者に多い。予後不良
咽頭所見が正常なのに咽頭痛を訴えるのは、甲状腺炎(亜急性はウィルス性、無痛性は橋本病)か下咽頭病変(急性喉頭蓋炎!!)。


尿管結石

<尿管結石>
できればCTとって、①AAAがないか、②腎臓周囲の毛羽立ちがないか確認すること。
稀に帯状疱疹のこともあり。水疱に先行して痛みが出ることがある。
肉眼的血尿の場合はワーファリン内服中でないか聞く事(同時に消化管出血もチェック)。尿道カテーテル留置し、生食で膀胱洗浄する。止まらなければ造影CT
腰に返し手+既往歴+エコーで水腎症⇒すぐにボル坐を挿肛し、落ち着かせてから尿検査で感染(尿中WBC5/HPF以上)ないか見る。
尿管結石でも2割は尿潜血なし。
☆CVA-t
ないことも多い。膀胱近くまで降りてきたら右or左下腹部痛と訴えることが多い。
☆90%
Xpで写るが、CTでは必ず写る(5mmスライスで2mmなら写らないこともあるが…)→腎盂の拡張があって、石より上の尿管が拡張し、下が虚脱していればその石が狭窄の原因となる。
中年男性、高血圧既往、喫煙歴ありで尿潜血陽性ならAAAを腹部CTで否定をする。
☆Af
ありでCVA-t陽性で尿潜血陽性なら腎梗塞を腹部造影CTで否定する。
☆ESWL
8㎜以上の時。8㎜以上は泌尿器科受診を指示。
ロキソニン1錠、ムコスタ1錠を疼痛時頓用で処方、無効時はボルタレン(ジクロフェナクNa)座薬255回分(12回まで)を処方。
ボルタレン坐薬無効時はソセゴン1A筋注すると良い(ルートをとってない時)。レペタン坐薬はいまいち。
ソセゴン使ったときは車の運転はNG
再発5年以内に60%、石が落ちているなら「心配なら泌尿器科受診を」、腎臓内結石なら「泌尿器科受診を」、茶こしで尿をこしとって石を泌尿器科に持って来れば、代謝異常が見つかることがあると。
食事は塩分と肉類は避ける(塩分は尿Ca再吸収阻害、肉類は腸管からのシュウ酸吸収促進)、水は2L以上で再発率半減。Ca制限しても骨溶かすからダメ。
☆sepsis
になってたら泌尿器科call
泌尿器科的処置はESWL/尿道的破砕術/対処療法的にWJカテーテル留置など。
実際には、腰に返し手と片側腰痛or/左下腹部痛あればすぐに尿検査し、尿潜血陽性なら腹部CTをとって石の大きさを確認し、8mm以下ならボルタレン坐薬50mgを疼痛時頓用で処方し、自然排石を待ってもらう。8mm以上なら翌日泌尿器か受診を指示。尿中白血球陽性ならクラビット100mg5錠分1を処方し帰宅。全身状態不良、SIRS所見陽性、CRP2桁、WBC15000以上なら入院(数値はあくまで目安)。


発熱

<発熱>
高齢者の発熱は、まず誤嚥性肺炎か尿路感染症(女性/前立腺肥大のある男性)→胸部レントゲン、採血、尿沈渣。褥瘡/関節炎/前立腺炎検索も忘れずに。
 
・尿中肺炎球菌莢膜抗原陽性であれば肺炎球菌が起炎菌となる肺炎、髄膜炎副鼻腔炎がある。
 
GNRによるものは、クラビット500mgでもいいがバナン200mg27日間処方の方が感受性が高い。
 ・淋菌クラミジア混合感染
  男性はトロビシン2g筋注とジスロマック1000mg1日分
  女性はロセフィン1g点滴とジスロマック1000mg1日分
熱源探しは、ABCDE4Ps(abscess,bone inflamation,cholangitis胆管炎/cholecystitis胆嚢炎, decubitus/DVT,endocarditis/encephalitis,pneumonitis,prostatitis,pyelonephritis,phlegmon蜂窩織炎,sinusitis)
胆嚢炎、胆管炎を肺炎と誤診することがよくある。右季肋部痛や黄疸ないか見る。
特にCRP高値(20以上)では膿瘍を検索する(膿瘍もカプセル化してしまうとCRPは低い)。
側臥位では腸骨稜や大転子部、仰臥位では仙骨部、車椅子では坐骨結節に発生しやすい。
CRP
20くらいまで上昇してる腎盂腎炎でも発熱ない場合や蛋白尿、赤沈亢進の場合がある。血管炎の場合もあるので、間質性肺炎ないか、慢性経過か急性経過が大切。抗生剤加療で改善認めなければ血管炎を考慮。
☆UTI
の起炎菌は大腸菌。嫌気性菌は少ないのでS/A1st choiceではない。腎盂腎炎も第2世代のセファロスポリンやセフォチアムでカバー可能。ESBL産生菌であればカルバペネムが必要。症状が軽い場合はセフメタゾールもESBLに使える。ESBLに対し、セファロスポリンにゲンタマイシンのようなアミノグリコシド系抗菌薬を加えてもよい。
皮膚感染やカテ熱はMRSAの可能性を考慮する。血培からMRSA検出されるようならVCMはいくように。
血培は陰性でも日数をあけて最低2回は検査する。抗生剤投与中は一旦中止してから採取する。
痙攣後は意識混濁や発熱が見られることがある。経過観察。
cf)PCT(
プロカルシトニン)について
 
CRPよりも早期に上昇し、CRPに比べれば感度も特異度も高い
 
・ウィルス感染では上昇せず、細菌感染で上昇する
 
・ウィルス感染→IFNα↑→TNF阻害→PCT合成阻害
 
・敗血症の診断では感度も特異度も70%程度
 
・熱傷、外傷、外科手術、膵炎でも上昇する→敗血症の診断には使えない
 
・外来での抗菌薬を使うかどうかの指標には使えるかもしれない
cf)
 
・悪性高熱:筋小胞体の先天異常+ハロタン/サクシニルコリン⇒筋代謝増加⇒筋強剛⇒横紋筋融解⇒発熱
 
悪性症候群D2blockerによる視床下部ドパミン受容体抑制⇒高体温、自律神経調節障害⇒筋強剛
cf)
薬剤誘発性高体温
MAOI
、三環系抗うつ薬は高体温の原因になる(薬剤誘発性高体温)。
cf)
熱以外に症状に乏しい疾患:急性腎盂腎炎、急性前立腺炎、肝膿瘍、胆管炎、IE、カテ感染、蜂窩織炎、歯髄炎、カンピロバクター腸炎の初期。
cf)
薬剤熱は比較3原則(比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP低い)
cf)
長期臥床では褥創の他に胆嚢炎もある。
cf)
見逃しやすい熱の原因:感染性心内膜炎、輸血、偽痛風DVT、中枢熱、膠原病、血管炎、腫瘍熱、炎症性腸疾患、副腎不全、亜急性甲状腺炎、異物感染(CVの血流感染、尿道カテーテル腎盂腎炎、挿管による肺炎、胃管による副鼻腔炎、人工弁、人工血管、人工関節)
cf)
平熱が低いという人について
・平熱には個人差があり、35.6-38.2℃・腋下の脂肪が厚く、血管が少なければ測定値は低くなる
・朝に低く、夕方に高いが、日内変動は平均0.5℃・高齢になると基礎代謝が落ちるので低下
 →普段の平熱より1℃以上の上昇があれば発熱ととらえてもよい
注意)血圧低下時の解熱の基本は、①クーリング、②カロナール内服、③アセリオ点滴(1000mg/100ml1瓶→300mg/30mlを生食100mlなどに溶かして15分で点滴する)→アンヒバ坐薬は血圧下がることは少ない(坐薬は嫌がることが多い)→ボルタレン坐薬やメチロン筋注は避ける!!


敗血症性ショック

<敗血症性ショック>
☆EDGT
 ①ルート2本とってラクテック500ml×4全開
  ②
その後は120ml/hr程度に留め、血圧上昇しないなら昇圧剤を使う
 ③血培/痰培/尿培とってチエナム点滴
  ④
平均血圧60mmHg切れば、ノルアドレナリン1mg/1mL 3Aを生食50mlに溶いて2ml/hrから開始。もしくは、ドパミン(体重50kg5ml/hr)以上、ドブタミン(体重50kg3ml/hr)以上。
  ⑤HES500ml
や腎機能低下あるときはアルブミナー25%50ml 5Vを全開で投与。
ルートが細くて急速投与できないときは、輸液バッグを持ち上げてポンピングする。
必ず500ml1L入れても昇圧しないことを確認してから昇圧剤を使う。Volumeが足りない場合は補液だけで昇圧する。
☆pitting edema
ありやIVC正常のときに、なんとなく輸液しないこと。1-2L入れて血圧上がらなければDOA5γDOB3γから開始する。
ノルアドレナリンは末梢ルートからは投与しない。原則CVから。
メイロン(1mEq/1mL)BE10倍まで急速静注して良い。
cf)
ショック時に使うのは乳酸リンゲルか生食か
 
・乳酸は肝臓で代謝されてブドウ糖になるため、肝不全では乳酸アシドーシスになりやすい。
 
・乳酸リンゲルに含まれるのは乳酸ではなく、乳酸イオンであり、それ自体はアルカリ性。
 
・ショックでは嫌気性代謝が進み、乳酸アシドーシスになっている(pH↓BE↓Lactate↑HCO3↑)
 
・乳酸NapH調節機能もあり、ショックから立ち直れば、すぐに乳酸は代謝される。
 
・生理食塩水にはpH調節機能がない。
 
・生理食塩水は大量投与で乳酸リンゲルよりアシドーシスになりやすい。
 
・アセテートリンゲルは肝臓と筋肉で代謝、乳酸リンゲルは肝臓だけで代謝
 
・アシドーシス時の大量投与はアセテートリンゲルが最も良い。


蕁麻疹

<蕁麻疹>
どんな些細なアレルギー歴(かぜ薬で蕁麻疹etc)でもある場合は、抗生剤投与時の10分の見守りは必須。さらにどんな些細な異変でもバイタルチェック。
原因不明の蕁麻疹は新たに開始された薬剤をチェックする!肝機能異常あれば強ミノやウルソを使う。
肥満、DMが蜂に刺されて蜂窩織炎を合併することあり。
基本はⅠ型アレルギーだが、青魚が古くなってヒスタミン様物質によるアナフィラシー様反応もある(青魚アレルギーではない)。
呼吸困難がないか必ず確認すること。
呼吸困難やバイタルの変化(血圧低下や洞性頻脈)があれば、外液を全開投与し、ボスミン0.3mg/0.3mlを上腕外側(肩)か大腿外側に筋注する。皮下注は間に合わないので禁忌。ヒスタミンにより血管透過性が亢進するため外液投与は必ず必要。
なければ、生食100mlにポララミン5mg、ソルメルコート40㎎、ネオファーゲン20mlを混注して30分で投与し、軽快すればポララミン2mg2錠分2を処方し帰宅。ステロイドは即効性なく、2峰性反応の予防に投与する。
☆37℃
台の発熱と同時の発疹なら風疹かも(融合のない発赤伴う小丘疹、舌裏の出血斑、後頸部リンパ節(耳の後ろのリンパ節)腫大ないか見る、IgM/IgGで確定診断)。
妊婦or夫が風疹疑いなら、産科主治医に紹介状と来院前の予約を絶対にさせる。
cf)
風疹ワクチンについて
HI抗体価16倍以下なら予防接種を。
・風疹単独ワクチンがあるが、麻疹予防も考えればMRワクチン接種推奨。
MRワクチンは小児も成人も接種量は同じ。
MRワクチン接種歴がなければ4週間の間隔で2回推奨(Primary vaccine failureを防ぐため)。接種歴あれば1回でも可。
・抗体価を測定して低ければ接種が理想だが、検査に時間と費用がかかるので心配なら、直接MRワクチン接種が良い。


動悸

<動悸>
多くはPSVTAf tachycardia(rapid Af)。どちらもワソラン5mg/2mL 1Aを生食50mlに溶いて15分で投与。もしくはモニター波形を見ながら、ワソラン1Aを生食に溶いて20mlにしたものを5分かけて投与する。
☆rapidAf
ではPVCが連発することがあるので、その場合は心エコーもすること。
心電図の読み方
 
wideQRS,RR間隔不整,P波なし⇒心室内変行伝導を伴ったAf tachycardia(rapid Af)
 ・wideQRS,RR間隔一定,P波なし⇒心室内変行伝導を伴ったPSVTか脈ありVTrapid Af ・narrowQRS,RR間隔不整,P波なし⇒rapid Af ・narrowQRS,RR間隔一定,P波なし⇒PSVTQRS直後に逆行性P波あればPVNRT
 ・narrowQRS,RR間隔不整,P波あり⇒PAC多発
 ・narrowQRS,RR間隔一定,P波あり⇒洞性頻脈
☆PSVT
心室内変行伝導を伴うとVT様に見えることあるので、アデホス投与で診断的治療。
☆Af
にアデホスは無効。アデホスは副伝導路を抑制するので、心房内のmicro re-entryが原因であるAfには無効である。
☆PSVT
には、除細動とアンビューバッグを準備して、ラクテック点滴、冷蔵庫のアデホスLコーワ1A2ml半減期10秒なので、点滴ラインから急速静注し生食50mlで押し込む。妊婦にもOK
☆Af
には、
 ①ワソラン(Ca拮抗薬、ベラパミル)1Aを生食50mlに溶いて15分で静注(生食10mlに溶いて1/4Aずつi.v.も可)
 ②シベノール(Ⅰa)1Aを生食50mlに溶いて5分で静注
 ③ジゴシン1Aを生食50mlに溶いて30分で静注(正常時の波形を確認しδ波がないことを確認すること)
 ④心エコーで心内血栓がないことを確認してから電気的除細動50J>100J(意識あるのでドロミカム1Aを生食で溶いて10mlにしたものを2mlずつi.v./プロポフォール20020ml5mlずつi.v.
脈ありVTは、心エコーや採血にてACSHOCMないかチェック。基本は循環器call
 ①シンビット501Vを生食20mlに溶いて5ml5分かけて、その後5ml/hr
 ②ミダゾラム102ml 1A(ドロミカム)を生食5ml 2Aに溶いて2mlずつ投与し、鎮静してからDC150J-200J。ドロミカムによる血圧低下に対してはノルアドレナリン1Aを生食20mlに溶いて3ml/hrから投与。
☆DC
には1相性と2相性がある。必ず確認を。2相性は200J程度までしか目盛がない。


Afでの抗凝固療法開始基準

Afでの抗凝固療法開始基準
cf)CHADS2
スコア(チャズツースコア) ・Afでの抗凝固療法開始基準
 
  C(CHF):鬱血性心不全あれば1
 
  H(HTN):高血圧あれば1
 
  A(Age)75歳以上なら1
 
  D(DM):糖尿病あれば1
 
  S(Stroke)脳卒中TIAの既往があれば2
 ・2点以上で抗凝固療法開始
 ・ワーファリン→ⅡⅦⅨⅩ阻害
  ダビガトラン(プラザキサ)→Ⅱ阻害(トロンビン阻害)


頻脈性不整脈の鑑別

cf)頻脈性不整脈の鑑別
 
・洞頻脈⇒P波は明瞭、220-年齢/分、徐々に始まり徐々に終わる、心不全/脳出血/Basedow/貧血/脱水
 ・PSVT⇒RR規則的、P波は不明なことが「多い」、180/分前後、突然始まり突然終わる、narrowQRS(脚ブロックや心室内変向伝導伴えばwideQRSになる)
 
Af⇒RR不規則、P波はなくf波、250/分を超えると死亡例も
 ・VT⇒RR規則的、140-220/分、RBBB+左軸偏位型やLBBB+右軸偏位型では特発性の可能性(どこにfocusがあるかがわかるのでVTを見ればこれを確認すること)


徐脈

<徐脈>
☆SSS
は多くは加齢によるもの。その他、血管迷走神経反射、甲状腺機能低下、ジキタリス、βブロッカー、Caブロッカーなど。
☆SSS
は症状なければ放置し、原因検索(アーチスト服用してないか等)をする。
☆AVB(2
度もMobits2型以上)は症状なくても、次の瞬間CPAになることがある。ACSHOCMがないか心電図、心エコーと採血。速やかに循環器callし、緊急ペーシング。
徐脈(特にAVB)の治療は、
  ①
アトロピン1Aの急速i.v.(嘔気嘔吐予防にプリンペラン1Ai.v.しておく)
  ②
プロタノール(イソプロテレノール)0.2mg1mL1Aを生食50mlに溶いて5ml/hrで開始。
  ③
カテによる緊急ペーシング
cf)CPA
PEAVfの違い
 
PEAは脚ブロックを伴ったQRS波が徐脈になっているか、全く正常なQRSで徐脈。
 
心室細動はランダムな波形が続く。基本は頻脈になっている。





蜂窩織炎/壊死性筋膜炎

蜂窩織炎/壊死性筋膜炎>
下肢では足背動脈の拍動を必ず確認する。
リンパ管浮腫ではワセリン塗布しおむつカバーを巻いて弾性包帯をし下肢拳上する。
ヒールによる拇趾の痛みは蜂窩織炎の可能性あり。基本は冷却し下肢拳上、化膿してきたら切開排膿し、L-ケフレックス(1世代セフェムの徐放剤)1g2錠分2処方。
拇趾の蜂窩織炎は巻き爪が原因のことあり。外科コンサルトを。
重症例では血液検査、毎日外来でセファメジン(CEZ)2gバッグを30分かけて点滴し、半減期1時間で半日しか効かないためオラセフ(2世代セフェム)2503錠分3経口(4錠分4ではない)も処方。
重症例ではDVTPAD(PeripheralArterialDisease)を鑑別するため血管エコーをする。
小児の場合はオラスポアDS(ドライシロップ)30mg/kg/dayを分3、カロナール15回分。
動物咬傷の場合はユナシン1.5gを生食50mlに溶いて30分で投与し、オーグメンチン2503錠分3経口(4錠分4ではない)を処方(幼児や学童の場合は2錠分4と整腸剤)。
片側顔面腫脹なら丹毒(=顔面の蜂窩織炎)、眼球突出あるなら副鼻腔炎からの眼窩内蜂窩織炎か。片側なら内頚動脈海綿静脈洞瘻、両側ならBasedow病の鑑別を。
cf)
壊死性筋膜炎との鑑別:
・強く痛がる、バイタル異常、疼痛範囲の拡大、皮膚色が黒いがあれば、初診、30分、1hr2hrと病変部をマーキングし拡大傾向ないかチェックする。
cf)
丹毒は真皮、蜂窩織炎は皮下組織、壊死性筋膜炎は皮下組織と筋膜の炎症


裂創/切創

<裂創/切創>
創傷処置
 
 ①麻酔してから水道水で洗浄
 
 ②テープで寄せてワセリン塗布する。もしくは縫合
 
 ③縫合
 
  ・1%キシロカイン(極量0.7ml/kg)を創内に麻酔
 
  ・陰圧にして静注になっていないか確認
 
  ・4-0ナイロン等でマットレス縫合か単縫合
 
  ・顔面などは6-0ナイロン
   ・創部が濡れないようにそのままにして2日後受診を指示
 
  ・1週間後に抜糸(関節など緊張かかる部位は10日)
 
  ・抗生剤はオーグメンチン250mg4錠分45日分など
   ・痛み強いならカロナールを処方
 
  ・口腔内など粘膜面は4-0polysorbで縫わないとちくちくするので注意
キシロカインアレルギーの局所麻酔はマーカイン0.25%50mg/20ml5mlほど使う。
指の切創は浸潤麻酔ではなく指の根本を伝達麻酔しないと痛い(伝達麻酔も浸潤麻酔も局所麻酔の1種)。指の根元の片側にブルー針で深く刺して2ml、針を浅くして2mlもう一方にも同様。
小児の指の切創はステーリー固定でもOK
頭の創はステープラー固定でもOK
顎の裂創はテープで寄せてデュオアクティブで固定してもOK
深い場合は、麻酔の前にまず神経損傷ないかチェック。
創が大きく深い時は、深いところまで清潔手袋で指を入れて生食で洗浄し、皮膚が残っていない場合も寄せて閉鎖する(デブリしてマットレス必須、ペンローズ/サランラップ/ナイロン糸(シルク等の縒り糸はだめ)も留置する→皮膚に1針縫い付けると良い)。
動物咬傷など汚染創なら麻酔後、歯ブラシでデブリ、open woundのまま破傷風トキソイド(ハトキ)を受傷時/1M/1年後に筋注(中学生までならDPTワクチンをしているなら必須ではない)。抗生剤はオーグメンチン250mg4錠分45日分処方し、毎日外来で洗浄する。
ハトキは3回打たないと意味がない!!1回だけでは無駄!!3回打てば4-10年は免疫効果、25-30年は免疫記憶があり1回の注射でブースター効果あり。
挫滅創は、待合でキシロカインゼリーを塗布してサランラップして麻酔してから、十分に洗浄して薄くワセリンを塗布しカルトスタットを充填し、包帯固定。2日後受診を指示。
静脈瘤による出血は鎮子固定もしておく。必要なら縫合も。
手掌の裂創、切創はマットレスで深く縫合すると、腱をひっかけることがあるのでできるだけ単縫合にする。
指先の裂創では必要なら爪に針を通して縫合してもよい。
剥離創は皮下が露出しているなら寄せて縫合し、浅いのであれば洗浄しデュアオアクティブCGFをそのまま貼る。
下腿の裂創は創面を合わせるには引っ張らないといけないので、介助してもらって2-03-0ナイロンでマットレス縫合を行う。


爪の外傷

<爪の外傷>
爪がはがれそうなときは包帯固定しておいて新しい爪が生えるのを待つ。
深爪は指の根元を伝達麻酔し、先の丸い鋏で爪が食い込んでいる部分を奥まで一直線に切り、根元から引き抜く。よく洗浄し、ワセリンを塗布し抗生剤を処方する。


動物咬傷

<動物咬傷>
とにかくよく洗浄する。膿むことが多いので言っておくこと。
創は閉じずにコメガーゼやドレナージ糸を留置する。翌日も洗浄のため外来受診を指示。
過去10年間に国内で野良犬に咬まれて狂犬病を発症した例はない。狂犬病が心配なら保健所に
行ってもらうこと(10年で23例発症したがそれは海外で感染し帰国後発症した人)
動物の口腔内常在細菌による感染症にオーグメンチン250mg4錠分47日間。
小児の咬傷はクラバモックス(AMPC/CVA)100mg/kg/day2、なければオーグメンチンを細粉にしてもらう(30mg/kg/day)と整腸剤(ビオフェルミンR)を投与(体重30㎏以上なら成人量でもOK)。
創を閉鎖することで嫌気性環境ができて、パスツレラなどが増殖するため、深部まで達していれば奥まで洗浄し、open処置とする。
創が浅くてflap状になっていれば、洗浄、縫合し閉じても良い。
マムシ咬傷
指先を噛まれて、指先が腫れるはGradeⅠ、手首まで腫れるはGradeⅡ、肘まで腫れるはGradeⅢ、肩まで腫れるはGradeⅣ、全身症状はGradeⅤ
局所の切開と生食1000mLでの洗浄、セファランチン10mg+生食20ml i.v.、強ミノ、セファゾリン、ステロイド
③GradeⅡ
以上は抗毒素血清6000単位を添付溶剤20mLで溶いて、生食100-200ml1時間かけて投与。改善なければ翌日にさらに3000-6000単位投与。咬まれて1日後にも有効。
患肢腫脹、CPK(4000-6000)GOTLDH2日目がピーク。マムシ毒による複視、眼瞼下垂を起こしたり、腎不全、肝不全、DIC起こすこともある。
抗毒素血清は投与直後のアナフィラキシー反応、数日後から数週間後の腎炎、関節炎を起こすことあり。


指趾切断

<指趾切断>
断端形成の方法(神経吻合や切断指趾の吻合は形成外科や整形外科consult
  ①
指の根本で腹側、背側の4本の神経をoberest block(キシロカイン2A
  ②
指の根元の左右の両端をそれぞれ深くと浅くで計4回麻酔する
 ③以下はポピヨンヨードで消毒後、穴あき覆い布で覆って清潔操作で行う
 ④ネラトンとペアンで根本で阻血してから行う
 ⑤骨先端があたるときは、リュエル、エレバラスパで削ってから、創を閉鎖する
 ⑥基節骨が解放骨折している時は、基節骨をDIPで切離して、さらに中節骨の皮質骨を剥離し、海綿骨を露出させて末梢の血流を保つ
 ⑦神経を同定して、断端を根元まで追って、結紮する
 ⑧ゲンタシン軟膏、ガーゼ、包帯で固定し終了
  ⑨
オーグメンチンを処方し2日後の外科RTCを指示


多発外傷

<多発外傷>
高エネルギー外傷(胸部打撲も腹部打撲)も両側呼吸音→CXR、骨盤XR→FASTをして、異常あれば胸腹部造影CTを行う。心エコーは胸骨のすぐ左で右上から左下に向けて斜めにプローブをあてると長軸像で見える。
異常なく、経過followするときは1.5hr。家が遠いときや不安感強いときは1泊入院。
腹部はエコー、他はレントゲン(顔面はウォーターズ、膝はスカイラインで撮影)。
椎骨圧迫骨折はそのままにしておくと圧迫されて神経症状が出てくるので見逃さないこと(上下の椎体と比べて前や後ろに凹んでいる)。
仙骨骨折はそのまま安静にしておくしかない。
骨盤骨折があれば、骨盤内造影CTを行う。
受傷時、意識障害があったのか、記憶障害だけなのか。GCS,JCMcore consciousness、高次神経機能はextended consciousnessでありGCS,JCSは正常。


熱中症

熱中症
腋窩乾燥、CRT2秒以上、IVCAoよりも小さい(最短径10mm以下)なら補液を。
熱痙攣(水だけ飲んで低Na)⇒熱疲労(脱水メイン)⇒熱射病(40℃以上の高体温/意識障害あり)
汗があるときは腋窩温は低めに出るので、口腔温か直腸温を測定する。
合併症は横紋筋融解症(尿がコーラ色+CPK10000超え)、高K、低Ca、高乳酸。
治療は外液投与、ぬるま湯の吹きかけとうちわであおぐ、合併症の治療。
若年者が野外で運動中に汗を大量にかいて汗が出なくなって熱中症になったものと、老人と小児が暑い部屋や車内にいて高体温になったもの(古典的熱中症)2パターンがある。古典的熱中症では外液投与はあまり必要でないこともある(冷却メイン)。
尿比重を急性腎不全の関係。比重1.010→Uosm350→腎性、比重1.020→Uosm700→腎前性、比重1.030→Uosm1050→腎前性。FENaを計算すれば良いが。
脱水の喪失量の目安⇒症状なしなら2L(軽症、体重5%減)、粘膜乾燥なら4Lturgor低下なら6L(中等症、体重10%減)、ショック/意識障害なら6L以上(重症、体重15%減)。維持量(1ml/kg/hr,Na5g=85mEq,K5g=65mEq,Glu200g)に加えて喪失量を2,3日で補う。

cf)
トライアスロン競技における熱中症の検査成績(日本臨床内科医会会誌、11巻、4号)
1.
バイタルサイン:体温上昇(38-40)、血圧低下気味(70-110/0-70)・脈拍(100-150)
2.
症状:発汗(+-まで様々)、頭痛、嘔吐、腹痛を伴う場合がある。
3.
血清電解質
a.NaKCaは来院時高値の傾向、翌日に低下。
b.クレアチニンも来院時高値の傾向、ただし翌日も低下したが高値。
c.BUNは来院時高値の傾向、翌日同じく高値。
d.総蛋白は来院時高値で、翌日に有意に低下。
4.
血糖・筋肉系酵素・乳酸値等
a.GOTGPTは来院時高値で、翌日さらに上昇。
b.LDHは来院時高値で、翌日僅かに上昇。
c.CPKは来院時高値で、翌日さらに上昇(直腸温が41度以上は有意に高値)
d.ミオグロビンは来院時高値の傾向、翌日に低下。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
e.血糖は直腸温が41度以上の高体温例では低血糖を示す場合があったが、大部分高血糖気味で翌日も変わらない。
f.乳酸は来院時高値の傾向、翌日に低下。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
5.CBC

a.RBCHtは来院時高値、翌日に低下。
b.WBCは来院時高値、翌日同じく高値。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
c.血小板数は来院時正常で、翌日に低下。直腸温が41度以上では翌日低値となり15万以下の例もあった。
d.APTTは来院時延長傾向、直腸温が41度以上では更に延長。
e.フィブリノーゲンは来院時正常で体温に関係なし。
6.
血液ガス・浸透圧
a.来院時はpH低下・HCO3-低値・AG高値等アシドーシスを示した。
b.血清浸透圧は来院時高値で、翌日も同じ様に高値だった。
7.
血中ホルモン
アドレナリン・ノルアドレナリンコルチゾールともに来院時高値で、翌日正常化 。バソプレッシンは来院時高値で、翌日低下するも依然高値だった。


しびれ

<しびれ>
ビリビリしびれるような「異常知覚」、薄皮1枚かぶったような「知覚低下」、力が入らない「運動麻痺」の3つに分ける。
脳卒中、椎間板ヘルニアなどが多い。脳卒中では運動麻痺のみ来ることが多い。椎間板ヘルニアは感覚も運動も少しずつ障害される。
手先と足先の異常知覚以外に神経所見なければメチコバール500μg3T3で近日中に内科受診など指示。
若年者の手先のしびれは腰椎椎間板ヘルニアによる脊柱管狭窄症か。
手先の巧緻運動障害は脊髄症。根症状は左右差あり。
痛み⇒痺れ⇒麻痺の順に進行する(ヘルニアが長年続いて麻痺の段階になるとLaseague徴候は陰性となる)
味覚障害には貧血ないか見て、なければプロマック2錠分2亜鉛を含む胃粘膜保護)を処方。
手のしびれのみは頚椎症や肩こり。手と口の両方のしびれがあればTIA


こむらがえり

<こむらがえり>
テルネリンなど。
芍薬甘草湯もOK。頓服でもよい。
☆DVT
を「足がつる」と言う人がいる。把握痛なくても、喫煙暦、肥満、女性ホルモン内服(避妊薬、月経困難症治療暦)、骨盤手術歴あれば疑うこと。


臀部痛

<臀部痛>
直腸癌術後なら局所再発かも知れない。


粉瘤

<粉瘤>
キシロカインで嚢内を麻酔し(この時に陰圧で引けば排膿が確認できるはず、青針では引けないことが多いのでピンク針でひく)、尖刃で切開し排膿する(かなり痛がるが、びびらないように)。創は開放したままコメガーゼを詰めて、次の日外科外来受診を指示。抗生剤と痛み止めを忘れずに。
創部は開放したままコメガーゼを詰めて、ワセリンガーゼし、毎日洗浄する。コメガーゼは浸出液が少なくなれば抜去し、あとは毎日洗浄しながら自然閉鎖を待つ。


異物

<異物>
鼻の異物は吸引したり、鑷子(せっし)で取りに行く。
耳の異物は無理せず耳鼻科受診を指示。骨性外耳道に入っている場合は全身麻酔下で除去することになることもある。


気道異物

<気道異物>
どうにか呼吸できているなら喉頭鏡で喉頭展開し、マギール鉗子で摘出
酸素投与でSpO2が改善するが、意識レベルが悪いなら、挿管して人工呼吸器につなげてから、挿管チューブに気管支鏡を入れて落ち着いてで取り出す。
☆O2
投与で胸郭が上がらず、SpO2も改善せず、すぐに摘出できそうにないなら、生食を満たした注射器で輪状甲状軟骨間靭帯を穿刺し、エアーが引けたところで、尖刃で横切開し、ペアンで広げ挿管チューブをカフが隠れるところまで挿入し気道確保する(最後の手段であり、勝手にしないこと)。


鼠径ヘルニア

<鼠径ヘルニア>
用手還納できないなら、ヘルニア陥頓であり、緊急手術の適応。
壊死しかかったら痛みが消えていくので注意。
造影CTをとって拘扼性イレウスになっていないかチェックする。腹水は腸管壊死のサイン。
腸管壊死で乳酸上昇はかなり重篤のはず(乳酸は門脈から肝臓に入り代謝されるから少々の腸管壊死では上昇しない)。
鼡径部が膨隆していても精索炎、精巣上体炎、精索静脈瘤のことあり。精巣の根本に圧痛あり、膨隆部が固ければ鼡径ヘルニアより精巣上体炎を疑い腹部エコーで確認し、オーグメンチン4T/4x処方し後日泌尿器科受診指示。


肩こり

<肩こり>
左肩痛は、中年/高血圧/喫煙歴は心電図をとってACSを否定(特に冷や汗と嘔気を伴うもの)。
右肩痛は、発熱と結膜黄染、呼吸数増加ないか見て急性化膿性胆管炎(AOSC)を否定。
なにもなければシップ処方。
腰痛はできるだけ動かすが、五十肩は安静が良い。無理に動かすと悪化。
肩甲骨の痛みは頚椎症の可能性あり。痛みを感じる肩甲骨側へ頭部を屈曲させて痛みが増強すれば可能性が高い。
CRP
上昇伴う場合は、RAを念頭にRF,CCP,MMP3 を測定する。
cf)CCP
陽性ならRAMMP3は軟骨損傷あれば上昇する(例:変形性膝関節症)。 


肘内障

<肘内障>
橈骨頭を内側に押しながら、回外させつつ肘を屈曲させる。万歳できたらOK。習慣になることを言っておく。
整復できていてもしばらく動かさないので様子見る。


顎関節脱臼

<顎関節脱臼>
前後に脱臼したときは両方の奥歯を親指で下に押して噛んでもらうようにする。
左右に脱臼したときは脱臼した方の奥歯を親指で下に押して噛んでもらうようにする。


関節痛/骨痛

<関節痛/骨痛>
関節腫脹、発熱、CRPのわりにWBC上昇少ないあれば偽痛風かも。
膝痛はレントゲンで骨折がなければMRIで半月板損傷がないか見る(T2で半月板内にlowな箇所が断裂部位)
全身の関節痛:
B19感染症:関節痛→顔面、体幹、四肢の紅斑(顔面の紅斑は鼻梁で融合なし)、   
  B19-IgM
陽性(ANA,RF陽性例もある)
・風疹:顔面から体幹に広がる、非融合性の点状皮疹
RA:抗CCP抗体陽性の関節痛、朝のこわばり
SLE:口腔内潰瘍、レイノー現象、日光過敏、鼻梁で融合する紅斑
全身の骨痛
・乳癌、前立腺癌の骨転移
Fanconi症候群(尿糖+、尿蛋白+アミノ酸尿+):アデホビル
・くる病:胃切後/菜食主義/フェニトインによるVitD欠乏


義歯誤飲

<義歯誤飲>
誤飲後何時間経過か、むせや咳込なかったか聞く。
胸腹部レントゲンで気管内にないことを確認し、腹部CTTreiz靭帯より上にあればGIF
療養病院での脱落歯誤飲の対処
・気管内にある場合(誤嚥)や気道内にあることが否定できない場合は気管支鏡による摘出が基本。
・気管内への誤嚥は肺炎、気道潰瘍や穿孔、無気肺による急変の可能性あり(状態によってはICし経過観察のことも)。
・胃内にある場合は90%が2週間以内に便とともに排泄されるので経過観察でよい(胃穿孔や腸閉塞の可能性も稀だがあることはICしどうするか検討してもよい)。
・食道内にある場合は数日たっても食道内に停留しているなら内視鏡的異物除去を行う(経過観察し胃内に落ちた場合は経過観察でよい)。穿孔し縦隔炎の原因になりえる。
・脱落歯でも部分義歯など先端が鋭利な場合は胃内であっても可能なら摘除した方がよいかもしれない。
・消化管異物が穿孔を引き起こす頻度は1-3.3%程度とされる。
参考)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaem/34/7/34_1341/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsg/24/4/24_4_360/_pdf
http://www.kashima-dc.jp/case/pdf/1411.pdf


熱傷

<熱傷>
軽症は水道水で洗浄し、水泡を除去し洗浄、ワセリン/ゲーベン塗布しサランラップ、ガーゼ、包帯。2日後
 
受診指示。痛み止め、抗生剤。


慢性咳嗽

<慢性咳嗽>
鑑別
・咳喘息、アトピー咳嗽⇒夜間増悪、ペット飼育ないか
GERD⇒夜間増悪、脂肪食後、胸焼け/胸骨後面の焼けつくような痛み、肥満や便秘(→腹圧↑で逆流)
・慢性気管支炎⇒長期の喫煙歴
・百日咳、マイコプラズマ
間質性肺炎⇒引越しやオウム飼育ないか
・慢性副鼻腔炎⇒悪臭鼻汁ないか
結核⇒既往歴、体重減少、寝汗
・肺癌
心不全⇒浮腫や息切れないか
ACE阻害薬
・薬剤(咳嗽や間質性肺炎起こしやすい漢方が発症時期に処方されてないか)
昼間>夜間:心因性、鼻炎、副鼻腔炎
夜間>昼間:細菌感染(マイコ、クラミジア、百日咳、結核)、ウィルス反復感染、喘息、GERD
cf)
結核を疑うとき:
・個室管理とし、入室時はエプロン、帽子、手袋、N95マスク着用。
・抗酸菌塗沫(チールネルセン)、分離培養(小川)、TB抗酸菌同定(PCR)、MAC抗酸菌同定(PCR)を3日間行うこと。喀痰が出ないときは、早朝のNGから胃酸を採取し行う。
・家族を含め、接触者はQFTを施行。


歩行障害

<歩行障害>
鑑別
・脳血管障害⇒脳出血/脳梗塞
・慢性硬膜下血腫⇒数か月前に頭部外傷のエピソード
・正常圧水頭症頭頂葉の脳溝が詰まっていて他がスカスカ=DESHEvansIndex=両側側脳室前角間最大幅/頭蓋内最大幅>0.3・パーキンソン病⇒足が出ない/声が小さくなった/動作緩慢/歯車様固縮
・頸髄症⇒首を痛めたエピソード、膝蓋腱反射亢進
ALS/脊柱管狭窄症⇒力が入らない
NMJ病変(MG)⇒眼瞼下垂
脊髄小脳変性症⇒ふらつく
脳梗塞後⇒痙縮はゆっくりと動かせば動く、拘縮は動かない(→脳梗塞後の痙縮が拘縮になれば不可逆的、腋が開かないのは大胸筋の拘縮でボトックス注射適応)


呂律困難

<呂律困難>
この、あの、そので名前が出ないのは運動性失語。100-11は?と口頭で聞くともごもごするが、紙に100-11と書いて見せると紙に書いて答えられる(運動性失語)。


麻痺

<麻痺>
腕や足を挙げれたらまずはMMT3/5、さらに握ったりできれば3+/5
上肢Barre1分待つこと。
単麻痺は肘を長時間ついていて橈骨神経麻痺などもある(脳梗塞が多いが)。他は手根管症候群=正中神経麻痺=猿手を忘れないこと。
親指の骨格筋萎縮は正中神経麻痺、他指の骨格筋麻痺の萎縮は尺骨神経麻痺(尺側前腕の筋萎縮も見られる場合は肘での障害)。
単神経障害も脳梗塞直後も深部腱反射は低下する(脳梗塞発症直後は弛緩性麻痺になるため) 。
頸椎症/頸髄症(安易に頸椎椎間板ヘルニアとしないこと。癌の骨転移やOPLLや脊髄腫瘍など脊柱管狭窄を来している場合もあるので)なら感覚と運動麻痺どちらも同程度に見られるはず(感覚だけ正常で純粋な運動麻痺ならまず脳梗塞)。
首を後屈させて痛み出ないか(Jackson test)、首を横にしていたみ出ないか(Spurling test)⇒ これらが陽性なら頸椎症/頸髄症。
椎体のpedicleという両端の丸い部分が消えていると骨メタかもしれない⇒肺癌/乳癌/前立腺癌精査。
発症1時間程度ならDWIにて明らかな梗塞巣みられないことも。
☆tPA
適応が4.5時間以内なので、発症が明らかに4.5時間以上でなければ必ず脳外科コンサルトする。
☆HBO
で滲出性中耳炎の可能性あり。HBO後の耳痛には注意する(あれば中止)。


体重減少・食思不振、いつもと違う

<体重減少>
鑑別
・バセドウ病⇒頻脈、食欲低下なし、甲状腺腫大
DM⇒口渇、多飲、多尿
胃潰瘍
・炎症性腸疾患
・神経因性食思不振症
・薬物中毒
・アルコール中毒
<食思不振>
・高Ca血症も忘れずに!(ワンアルファなど使っていたら止めること)
cf)
高齢者の食思不振
まずは急性の感染症を見逃さないこと!
・急性の感染症(発熱のない肺炎、尿路感染、胆嚢炎も普通にある)
・基礎疾患の増悪
亜鉛欠乏など味覚障害
うつ状態
・嚥下機能の低下→唾液反復嚥下試験(甲状軟骨を触知した状態で30秒間の空嚥下が3回未満で陽性)
・薬剤(ジキタリス中毒、Ca/ビタミンD製剤による高Ca血症)
・義歯不適合
認知症、老衰
結核(施設入所中なら特に見逃さないこと!)
・悪性腫瘍(どこまで調べるかは家族との相談になる)→体重減少、貧血の進行など
<いつもと違う>
まずは急性の感染症を見逃さないこと!
「急に元気がなくなった」「なんとなくいつもと違う」「ボーッとしている」「すぐ寝てしまう」「座っていて傾いてしまう」「横になりたがる」「麻痺はないのに急に歩けなくなった(脱力)」「ふらついてしまう」「珍しく転倒してしまった」「つじつまの合わないことを言い始めた(せん妄様症状)」「ケアをさせてもらえない(介護抵抗)」など
まずは急性感染症を疑う,特に肺炎と尿路感染症。発熱ないこともある。
急性胆嚢炎
蜂窩織炎(爪白癬から)、褥瘡
脱水、熱中症
脳幹、小脳の脳梗塞
デイサービスの疲れ
便秘
高齢者の心筋梗塞、半分は無痛性。なんとなく元気がない、AST,ALT上昇、血圧低下など見られたら必ず心電図を。


血算の異常

<血算の異常>
貧血+MCV120以上+胃切⇒B12↓(悪性貧血)
貧血の程度のわりにMCV異常低値⇒サラセミア(HbA2↑
貧血+長期IVH⇒Cu不足
貧血+意識障害⇒頭蓋内出血
注意)血便、血尿、吐下血なしや便潜血陰性なら頭蓋内出血を疑うこと(特に抗凝固療法中の場合)。
網赤血球10/μL以上⇒急性出血か溶血⇒胃癌,大腸癌ないかCEA/便潜血/GF,CF
網赤血球5/μL以下⇒骨髄低形成かFe↓B12↓葉酸↓腎不全
RBC
のみ↑⇒ストレス/タバコ/脱水/SAS
☆Plt
のみ↓⇒preDIC,ITP(PA-IgG),肝障害(トロンボポエチンは肝で合成),偽性(EDTA依存性⇒ヘパリン採血)
☆Plt
のみ↑⇒(100万以上)本態性血小板増多症かCML(100万以下)鉄欠/炎症/外傷/手術後/摘脾後/膠原病//薬剤/運動/妊娠
WBC
のみ慢性に増加⇒肥満や喫煙(分画正常),CML(骨髄球+や好塩基球分画↑⇒B12,好中球ALP,CLL(リンパ球分画↑)
WBC↓+
異型リンパ球⇒ウィルス感染(HIV,CMV,EBV,パルボウィルス/軽度CRP↑,肝障害,Plt↓も伴うことあり),軽度なら風邪(マイコプラズマや百日咳もWBC軽度上昇、CRP、肝障害)
汎血球減少⇒慢性なら再生不良性貧血/MDS/DICあればAPL、急性なら敗血症/APL/血球貪食症候群(フェリチン/sIL-2R/VCA-IgM)。長期のIVHで汎血球減少を認める場合はCu,Vit12,葉酸の減少に注意する(メドレニックやビタジェクトを追加しよう)。
cf)WBC
の正常値
WBC:3500
9000/μL好中球(Neut):3673%単球(Mono):410%リンパ球(Lym):1948%好酸球(Eo):110%好塩基球(Ba):02%異型リンパ球(Aty-Lym):0%


CPA(ACLS)

CPA(ACLS)
原因:5H5T(hypovolemia,hypoxia,hydrogen,hypo/hyperkalemia,hypothermia,tension pneumothrax,tamponade,toxin,thrombosis pulmonary,thrombosis coronary)→心エコーは胸骨のすぐ左で右上から左下に向けて斜めにプローブをあてると長軸像で見える。
アシドーシスではKが細胞内から流入するので、高K血症になる。採血時に高K血症だからといって、それが原因とは限らない。pH0.1低下するとK0.6mEq/L上昇する。
☆DNAR
かどうか家族が決められず、CPRを行って対光反射消失のまま心拍再開した場合は、ICした上で入院し挿管チューブに酸素を直接繋ぐようにする。
cf)
挿管チューブについて
・径7.5mm22cm口角
・入れ歯をとった時は挿管位置は口角20㎝でOK
cf)Vf
Asystoleか判断できないとき:
ACLS
2015年度版のテキスト117ページより
「微細なVFであるのか心静止であるのか判然としない場合は、最初の処置として除細動は妥当である。」
「現時点では、除細動を遅らせて除細動の前にCPRを実施することの利点は不明確である。」
注)CPAの時の死亡診断書の書き方
・来院時、死後硬直や死斑など死亡徴候ありなら警察へ連絡し検視の上、犯罪性なければ死体検案書作成。
・死亡徴候なしなら心肺蘇生し、心拍再開なしならCT撮影(AI)し、警察へ連絡し検視の上、犯罪性なければ死体検案書作成。
・心拍再開ある場合は、CT撮影し死因を特定する。入院し、死亡した場合はCTで判明した病名にて死亡診断書作成。
・心拍再開ある場合は、CT撮影し死因を特定する。死因不明なら警察へ連絡し検視の上、犯罪性なければ死体検案書作成(犯罪性ありなら司法解剖になるので警察が引き取る)。
AIは心拍再開のない場合のCT撮影。頭部、胸部、腹部の単純CTを撮影し、SAHあればクモ膜下出血、大量血胸や心タンポナーデあれば胸部大動脈瘤破裂、腹腔内出血あれば腹部大動脈瘤破裂と記載し、犯罪性なければ急性心筋梗塞(短時間)と書く。施設にて心肺停止になった場合、気管内に誤嚥物などなければ、ほぼ犯罪性はないので、このような扱いで問題ないようだ。
注)死亡宣告について
・死亡宣告は、①家族がそろうのを待って、②個室に移動してor他の患者さんがいないところで行うこと。
・来院までかなり時間がかかる場合も、家族の来院を待ってから死亡宣告を行う。
cf)ACLS
アルゴリズム



高血糖

高血糖
デキスターでHi表示の場合は、意識レベル低下やバイタル変化なくDKAでなさそうならノボリンR10単位皮下注し、2時間後、デキスター再検でもよい。


自己抜去(PEG/フォーリー/胃管/気管カニューレ)

<自己抜去>
☆PEG
の自己抜去は瘻孔ができているので、再度入れなおすだけで良い。確認のためGIFやガストログラフィン30mlPEGから注入し腹単を撮影する。
代わりのPEGがないときはフォーリーで代用する。
フォーリー自己抜去は尿道損傷あれば尿道口から少しずつ血尿が出てくる。尿道狭窄を起こすので再度留置しなおす(留置困難なら翌日泌尿器科consultする。無理に入れないこと)。血尿持続するときは貧血チェックと泌尿器科consult
☆NGtube
MtubeMagen tube/胃管、レビン)留置する時は座位、前傾姿勢で行う。(食事を食べるときの姿勢)
気管カニューレのカフ圧は25-30mmHg、測定できないときは耳たぶの柔らかさにする。レスピを使っている場合以外は抜けない程度でも良い。あまりカフ圧を上げすぎると気管粘膜の血流障害で潰瘍を起こすことがある(レスピにつないでいないのなら10ccでカフが全開になるのなら6-8ccくらいでもよい)。カフ付き>スピーチカニューレ>高研式>レティナの順に簡便。


脂質異常

<脂質異常>
・努力目標は、LDL160未満、HDL40以上、TG150未満。冠動脈疾患がある場合はLDL100未満、DMCKD、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患(PAD)がある場合はLDL120未満とする。
LDLFriedewaldの式、LDLTC-HDL-TG/5から計算する。TG400以上の場合や食後採血では、この式は使わずに、nonHDLTC-HDLで代用する。
nonHDLの努力目標は、冠動脈疾患がある場合は130未満、DMCKD、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患(PAD)がある場合はLDL150未満とする。
・生活習慣の改善
禁煙する。受動喫煙を回避する。
標準体重を維持する。
肉の脂身、乳製品、卵、トランス脂肪酸が多い菓子類、植物油の過剰摂取を抑える。
野菜、果物、未精製穀類、海藻、魚、大豆製品の摂取を増やす。
⑤6g/
日未満に塩分制限する。
アルコールの過剰摂取を控える(純アルコールで25g/日以下)
有酸素運動130分、週6日以上行う。有酸素運動はウォーキング、社交ダンス、水泳、サイクリングなど。
薬物療法の注意点
シンバスタチン、アトルバスタチンはチトクロームP450 3A4代謝されるので、グレープフルーツを控える。
陰イオン交換樹脂(クエストラン、コレバイン)は併用薬剤の吸収障害や脂溶性ビタミンの欠乏に注意。
妊娠中はスタチンやフィブラートの投与は禁忌。
LDL、低HDLにはスタチン、陰イオン交換樹脂、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、高TGにはフィブラート系、ニコチン酸誘導体、多価不飽和脂肪酸を使う。
スタチン製剤の横紋筋融解症(筋肉痛や脱力)、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬の肝障害、CK上昇、フィブラート系の横紋筋融解症、ニコチン酸誘導体の顔面紅潮や頭痛、プロブコールのQT延長、多価飽和脂肪酸の出血傾向や発疹といった副作用に注意。


糖尿病

<糖尿病>
・「血糖高値+HbA1c(NGSP)6.5%以上」、「血糖高値+典型的DM症状」、「血糖高値+DM性網膜症」で確定診断。
・血糖高値:空腹時126、随時200OGTT2時間値200以上
・どちらか一方の境界型の場合は、食事運動療法をしながら経過フォローし再検。
・急激に発症する1DMは、HbA1c8.9%未満、抗GAD抗体もほとんど出現しない。
HbA1cのコントロール目標は、HbA1cが優6.2未満、良6.9未満、可7.4未満、不可8.4以上。8.4%以上が3ヶ月続くときは専門医紹介。
・高齢者のコントロール指標はHbA1c7-8.4%で良い。低血糖のリスクのほうが高い。
・その他のコントロール目標:BMI22前後、血圧130/80未満、LDL120未満、HDL40以上、TG150未満、nonHDLchoL150未満。冠動脈疾患ある時はLDL100未満、nonHDLchoL150未満
・食事指導のポイント:
朝、昼、夜を規則正しく食べる。
間食しない。
8分目。
食品の種類は多くして、バランスよく食べる。
脂質と塩分を控える。
食物繊維を多く含むもの(野菜、きのこ、海藻)をとる。
「糖尿病食事療法のための食品交換表 第6版」を参照する。
運動療法のポイント:
散歩を、115-30分、12回、約10000/日、1週間に3回以上。
インスリン療法中、SU剤内服中はスティックタイプの砂糖を携帯しておく。
空腹時血糖250以上、尿ケトン陽性、眼底出血、腎不全、虚血性心疾患、骨関節疾患ある場合は運動は控える。
薬物療法のポイント
①SU
剤は腎機能低下あるときは容量調節する。
ビグアナイド薬はCr1.2以上、75歳以上は推奨されない。
単剤投与から開始し、1ヶ月ほどフォローし変更、追加する。
食後高血糖ではグリニド系かαGIを使う。BMI25以上ではインスリン抵抗改善薬(ビグアナイド薬、チアゾリジン系)を使う。BMI22未満はDPP-4阻害薬、SU剤を使う。
グリニド系、SU剤は低血糖、チアゾリジン系は浮腫や心不全αGIは肝障害、ビグアナイド薬は乳酸アシドーシスの副作用に注意。
インスリン療法の実際
 ・血糖降下薬の効果が乏しく、空腹時CPR0.5ng/ml以下ならインスリン導入を。
 ΔCPR0.9ng/ml以下ならインスリン分泌能はないためインスリン療法
 ・ΔCPR=グルカゴン1㎎静注5分後の血中Cペプチド濃度-早朝空腹時の血中Cペプチド濃度
①1
日のインスリン総量は体重kgあたり0.1-0.2単位と少なめから開始し、1-2単位ずつ増量する。
同一部位に注射すると硬結ができて吸収が悪くなるので、注射部位はそのつど変更する。前回の注射部位から2cm程度離す。
「超速効型を毎食直前3回+持効型を眠前」、「超速効型を毎食直前3回」、「混合型(超速効+中間型)を朝、夕食直前」
④GLP-1
受容体作動薬の注射(ビクトーザ110.9mg皮下注、朝or夕)は専門医と相談。
・糖尿病性網膜症のフォロー間隔は、単純性初期は1年に1回、単純性中期は3-6ヶ月に1回、増殖前期以降は1-2ヶ月に1回。
・糖尿病性腎症の早期診断は尿中Alb排泄量で行う。30mg/gCr以上で早期腎症を疑う。
・糖尿病性神経障害は、両下肢の痺れ、アキレス腱反射低下、振動覚低下(振動させた音叉を内くるぶしに当てて10秒以内の振動覚消失を異常とする)など。アルドース還元酵素阻害薬のキネダックや疼痛にはリリカ、サインバルタNSAIDsメキシチールなどを使う。
・糖尿病性足壊疽予防に、靴下を必ず脱いでもらって、水虫や靴擦れ、怪我がないかを見る。

当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載4

当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載4

入院させた後に気をつけること

<入院させた後に気をつけること>
ムンテラは厳しめにするが、元気そうな患者の家族にいきなりDNARか聞かないこと。
検査値異常を見逃さないために、その日の異常値の項目を全て時系列で見ること。自分がよく知らない項目の見逃しが防げるし、大きく変化している場合は正常範囲でも何か意味がある。
CRP
正常でも以前よりWBC,Neutro上昇あれば感染の可能性が高い。
同じ抗生剤を10日以上続けていないかチェックする。
→CMZ,
ワイスタール,セフォチアム,クラビットなどに順次変更していく。
☆CV
留置中は発熱の有無を常に確認する。刺入部の発赤とspike様の発熱はカテ感染。
☆in
outの量に気を配る。特に心不全ある人はすぐに溢水になってしまう。
心拡大=溢水ではない。口渇やBUN/Cr、尿比重、Na濃度などで総合的に判断すること。
体格小~中等度なら1500ml、大柄なら2000mlで開始し、2-3日の尿量を見て増減することが大切。
抗生剤も点滴変更も効果が出るのは23日後。
尿量が正常でも、以前より3割以上減っているのが2日以上続いているなら、点滴量や食事量を見直す。
尿量減少時は、点滴量を見直して明らかな脱水あれば補液する。それ以外はラシックス1A静注で対応する(2A12回まで)。心不全や肝不全あれば尿量減少するがバソプレシン分泌低下により尿が薄く少なくなる。尿が濃く少ない場合は単純に脱水か、低Albにより膠質浸透圧の低下から血管内脱水になっている場合もあり、血管内脱水では安易に点滴を増量すると胸水が溜まって酸素化が悪くなってしまう。
cf)
尿量減少時の対応
 ・尿色濃い+皮膚湿潤→点滴は絞り気味、SpO2低下あればラシックスA ・尿色濃い+皮膚乾燥→点滴増量
 ・尿色薄い+皮膚湿潤→心不全、腎不全→SpO2低下あればラシックスA
尿量減少時は、腹部エコーで水腎症ないか確認し、溢水か脱水かの評価するためIVCを測定する。心臓から2cmのところで測定し、プローブを縦にして吸気時/呼気時ともに1mmなら脱水、ともに2桁なら多め、20mm超えてれば溢水。
明らかな腎不全なく多尿の場合は一過性かもしれないので経過観察。
補液が多くて多尿は当たり前で心配なし(多すぎて肺水腫なることあるが)、補液が少なくて乏尿は見逃すと腎不全になる。
軽度のCr上昇時は500ml1本程度を5日ほど補液すると良い(ヴィーンDなど)。
拘縮が強い場合、滴下調節しても体位によって点滴が3時間くらいで全部落ちてしまうことがある。
浮腫やSat低下ないか見る(発熱+Sat低下は肺炎、発熱なしのSat低下は胸水→点滴量多くないか)
状態が悪くなってくると多臓器不全から腎不全になり尿量が減少してくる→1号液を500-1000mlでよい。
☆DM
持ちはインスリンスケール対応を忘れないように。
消化管手術後、ERCP、急性膵炎後など序々に食上げするときは常食になるまでスケール対応。
通常のスケール対応のインスリンの針は太いので、手持ちがある場合は速効型でスケール対応、持続型は通常通りの単位数にする。
指示出し後では当日昼の内服から始まるので、指示出した当日は昼夕、翌日から朝昼夕の処方にしておくと定期に合わせやすい。
誤嚥起こしそうな人(脳梗塞後、寝たきり、肺炎反復)ではST評価(VFなど)。
食上げの順は(おかず)ゼリー⇒ミキサー⇒きざみ⇒軟菜、(米)ミキサー⇒5分⇒全粥。
食種:DMDM食(EC1400等)、ワーファリン服用中はワーファリン食で納豆禁止、心不全は塩分6g未満、貧血は貧血食、ERCP後は胆膵食(FC20-1400など)、胃切後は5回食、ステント留置後は5分粥まで。
入院が長期化すると嚥下機能も落ちるので高齢者は嚥下食で留めておく。
ムースで咽頭貯留あるときはミキサー食。
状態悪いときは嚥下機能も落ちるので、状態改善したら嚥下機能も再評価する。
食事量が半分切れば1-2本、3割切れば2-3本点滴を入れる。
感染では培養結果を必ず見て、必ずde-escalationすること。
潰瘍止血後は露出血管あるかないかをチェックする。
☆PEG/CV/
腰椎穿刺/ERCP予定はワーファリンやアスピリン服用歴ないかチェック。
経口摂取不可ならCV/NG/PEG/看取り(点滴)のどれにするかIC
退院近いなら帰宅先は自宅か施設か。独居か同居か。
シャントがある腕にルートをとるときは、シャントより末梢の尺側手背からとる(シャントより遠位でとってつぶれることは避ける)。
造影剤/ケモ投与後の穿刺部発赤は、次回投与前にサクシゾン100mg+生食100mlを投与する、投与スピードを倍にする、腕を変えるなど。
ユナシンやセフィロームで薬疹が出る時はアザクタム(1g+生食100ml30分かけて12回)に変更する。
造影CTがどうしても必要だが、腎障害がある場合は、検査前に300ml心不全あるときは150ml)生食をボーラス投与し、検査後は1ml/kg/hr12時間生食投与。造影剤は50-100mlにする(ヨード含有量が300mg/dlの造影剤の場合)
プレドニン30mg/日以上投与中は、血糖測定、パリエット10mg1T/1x、ボナロン(BP:ビスホスホネート)35mg/1x起床時(第2,4週の金曜日)、5%ハリゾン(アンホテリシンB)シロップ含嗽液(480ml)1120mLでうがい後に服用13回、ダイフェン(S400mgT80mg)1T/1x月水金投与、胸部レントゲンを週1回、β-Dグルカン、CMV-C7HR2週間毎に測定する。
誤嚥性肺炎でも抗パ薬、チラージン、ステロイド、抗痙攣薬などはNGtubeから投与する。
cf)
一般病棟入院時の説明:
高齢者特有の危険性
・回復の遅れ、低下、食べられない、寝たきりになる→寿命では?
・そうなる場合にどうするか?点滴(末梢?中心静脈?)?経管栄養?自然(看取り)?
・ある程度元気になった場合は行き先の検討
認知症の進行
内臓器官の機能低下及び誤嚥性肺炎などの余病併発
転倒、骨折の危険性
突然急変する可能性(心筋梗塞、肺塞栓、誤嚥など)
・起こった場合の対処法(蘇生、自然に任せる)
・結論出るまでは蘇生を行う(30分ほど)が、回復の見込みはほとんどなし→脳死になる
・心マ、挿管をするかどうか
せん妄になった場合は鎮静剤の使用、拘束、付き添いなど必要になることがある
cf)
回復期リハビリ病棟入院時の説明:
・診療報酬がマルメになるため、薬剤を後発品に変更することあり。検査も必要最小限。
・急変が生じた場合は一般病棟や他の急性期病院へ転院が必要。
・夜間、救急時は当直医の対応になる。
・入院期間の上限あり。肺炎後などの廃用症候群90日間。脳血管障害は150日か180日。この間に介護保険の変更手続きをとり、自宅の準備を整えたり、今後の行き先の検討をする。
・リハビリの成果が家族、本人の思うような場合でなかったとしても期限が来れば退院が必要。
・リハビリ処方箋に担当医、病名、発症年月日、入院年月日、経過、治療目標(拘縮予防、ADL改善など)を記載する。栄養管理計画書の病名、担当医名を記載する。リハビリ総合実施計画書の主治医、担当医、原因疾患を記載する。褥瘡対策に関する診療計画書の医師名、危険因子の評価を記載する。リハビリを保健請求するために、カルテに「目標設定等支援管理シートについて説明し、家族の了承を得た」と、記載すること。
入院時検査と指示
・血圧、SpO2、体温は11-3回測定、尿測は基本不要、体重測定 4週に1回測定など。
・入院時採血、検尿、胸腹部レントゲン、心電図、咽頭粘膜塗抹培養/感受性、持参薬継続かどうか、吸痰18回以上の指示。
入院時の異常時指示
(①が優先度高い)
注意)胃瘻の患者で発熱時にカロナール内服を指示すると、通常は病棟で粉砕し水に溶かして投与するか、50℃くらいのお湯に溶かして投与する(簡易懸濁)。あまり頻繁なようなら、カロナール粉砕を発熱時頓用5回分などあらかじめ処方しておく。クラビットはフィルムコーティングしてあり粉砕して溶かして注入すると詰まることがあるため、クラビット細粒を使う。
発熱時:
カロナール200mg2T
ロキソニン1T
ボルタレン坐薬25mg(腎障害あるときはしない)
メチロン250mg/1mL 1A筋注
cf)
血圧低下時の解熱の基本は、①クーリング、②カロナール内服、③アセリオ点滴(1000mg/100ml1瓶→300mg/30mlを生食100mlなどに溶かして15分で点滴する)→アンヒバ坐薬はよさそうだが・・・(坐薬は嫌がることが多い)→ボルタレン坐薬やメチロン筋注は避ける!!
疼痛時:
カロナール200mg2T
ロキソニン1T
ボルタレン坐薬25mg (腎障害あるときはしない)
ペンタジン15mg 1A筋注
不眠時:
ベルソムラ15㎎(長期間BZP内服時は持参のBZP1週間ごとに0.50.25Tずつ漸減しながら併用)
(以下はせん妄時は中止)
マイスリー10mg 0.5T
③②
無効時はさらに0.5T追加
レンドルミン0.25mg1T嘔気時:
アタラックスP1A静注
プリンペラン1A筋注(もしくはプリンペラン1A+生食20ml静注もしくはメイン点注)
ノバミン1A筋注
ナウゼリン坐薬1
不穏時:
テトラミド1Tレスリンデジレルリフレックス、レメロン)内服
リスパダール1包内服(13回まで、1時間あけて)
セレネース1A筋注
セレネース1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ
セレネース1Aロヒプノール1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ(BZPを半年以上服用し、休薬による反跳性不眠を疑うとき)
家族Call便秘時:
摘便
レシカルボン坐薬
③GE
浣腸60ml
プルゼニド2T血圧200mmHg以上:
アダラート5mg 1C内服
フランドルテープ4011枚(内服できないとき)


胸腔ドレーンの入れ方

☆胸腔ドレーンの入れ方
必ずルート確保、モニタ装着すること。
左第5/6肋間をマーキングし、第5肋骨上縁に沿って22Gで局所麻酔をしながら陰圧に保ちつつ穿刺する。
空気とともに少量の胸水の逆流を認め(気胸の場合は空気のみ)、少し針を戻したところで壁側胸膜を浸潤麻酔する。
尖刃で約1.5㎝の皮膚切開創を加え、そのままコッヘル鉗子及び第2指で第5肋骨上縁に触れながら、皮下組織および壁側胸膜を剥離していき、第2指が2㎝進んだところで左肺を触知。
1㎝の大きさの孔を壁側胸膜にあけ、28Frのチェストチューブを背側下部胸腔に向けて挿入(気胸の場合は14Frで肺尖部でも可)、2㎝挿入したところで内筒を引き抜き、そのままチェストチューブ(トロッカー)を挿入する。
チェストチューブの両端を1-0シルクおよび角針でマットレス縫合し、その2本の糸でチェストチューブを固定する。8つおりガーゼおよびYガーゼで挿入部を多い、がっちりテープで固定。胸部レントゲンで挿入を確認し、合併症がないことを確認し終了。
気胸、胸水の場合は5cmH2Oで持続吸引すればよい。
cf)
気胸の場合は肺の膨張を確認し、air leakがなくなった翌日の朝にチェストチューブをクランプし、6時間~1日後に胸部レントゲンにて確認し、虚脱がなければトロッカーを抜去する。
気胸での呼吸性変動/エアリークは+/-ならクランプ可能、+/+なら気胸継続かチューブから漏れてるから接続を確認、-/-ならチューブ閉塞、-/+チューブはずれている。
・吸引圧は-10cmH2Oと言われるが、始めは-1-5cmH2Oにした方が無難。それでエアリークが続くようであれば吸引圧を上げる。エアリークが全くないようであれば0cmH2Owater seal(吸引機の電源をオフ)にする。
・咳あれば再膨張性の肺水腫かも。いきなり上げすぎないこと。
・トロッカー抜去は呼気終末で息止めをしてから行う。
・トロッカー抜去後はマットレス縫合を行うこと。


中心静脈留置カテーテルの入れ方

☆中心静脈留置カテーテルの入れ方
両脚挙上の上(Trendelenburg体位)、頭位を45度左側外転させ、超音波で内頸静脈と内頚動脈の位置を確認する。
 cf)両下肢挙上しても内頸静脈の虚脱がある場合は頭位を下げるとよい。
清潔ガウンと清潔手袋を装着し、イソジン綿球で穿刺予定部位、およびその周辺を半径15㎝の範囲で消毒する。
覆い布をかけ、カテーテルやダイレーターの内部をヘパリン生食で満たし、キューサイトを閉栓する。
左手で内頚動脈の拍動を触知しつつ、皮膚を1%キシロカイン5mlで浸潤麻酔、すぐ脇を通る内頸静脈を穿刺する。
⑤22G
針で数回穿刺し、逆血を確認した後、そのままシリンジだけを抜き、22G針は留置しておく。
留置した22G針の2㎜遠位を同じ角度で留置針を穿刺する。
⑦22G
針を穿刺した深さよりも深い部位で留置針を止め、そのまま内筒を引き抜く。
外筒を固定し、留置針のシリンジを接続し、陰圧をかけながら、外筒を固定しつつ、逆血があるまで、徐々に引き抜き、逆血があるところでガイドワイヤーを挿入する。
ガイドワイヤーが残り20cm程度になるまで挿入し、外筒を引き抜いた後、ダイレーターを根元まで挿入し、穿刺部位を広げる。
ダイレーターを引き抜き、そこにヘパリン生食で満たしたダブルルーメンカテーテルをガイドワイヤーに沿って、挿入し、15㎝の深さまで挿入する(急性膵炎の場合はダブルルーメンにすること)
シリンジで逆血を確認した後、ヘパリン生食を流し込み、再びキューサイトでカテーテルを閉栓。
⑫24G
針と1-0シルクを使って、3か所でカテーテルを固定して終了する。
胸部X線単純写真を撮影し、上大静脈の位置まで留置されていることを確認し終了する。
cf)
鼠径からのCV留置で肥満女性の場合、股関節を外転させた方が入りやすい。
cf)
・右内頚静脈の場合は13cm(12-15cm)、大腿静脈の場合は35cm(30-40cm)で留置する。
・右内頚静脈の場合はCVカテーテルの先端が気管分岐部の高さにくるのが良い。
・右内頚静脈穿刺ではあまり鎖骨に近いと気胸を起こすことがある(留置して数時間後にSpO2低下を起こすこともある)。
・穿刺するときは針を寝かせてする。十分に寝かせないとガイドワイヤーが血管壁に当たって進まないことがある。
・穿刺中に血管走行がわからなくなった場合は、清潔手袋にゼリーを入れて、中にプローベを入れて、清潔手袋ごと生食にひたして血管位置を確認しながら穿刺するとよい。
CVを固定する時に、ペアンで糸を挟んだ方向と直角な方向に結ばないと、滑って奥に入ってしまう!
CV穿刺にて逆血もあり、滴下も問題ないのに、じわじわ出血が続く場合は大腿動脈を突き抜けて大腿静脈を穿刺している可能性あり。
cf)CV
カテーテル閉塞時の交換について
・皮膚をカテーテルごとイソジン消毒し、覆い布をかける。
・ハサミでカテーテルの途中を切って、清潔操作でガイドワイヤーを挿入し、固定の糸を抜糸してからカテーテルを抜去する。
・その後はCV留置と同様の操作を行う。
注)ペースメーカーある場合、内頚静脈からのCVはやめた方がよい。カテ感染の場合、ペースメーカーのリード線経由で感染が広がる場合あり(どこから留置しても菌血症になるため同じという意見もあり)。


ステロイドテーパリングの方法

cf)ステロイドテーパリングの方法
・リンデロン8mg×2→リンデロン8mg3日間→リンデロン4mg3日間→終了
・ソルメドロール120mg→プレドニン60mg3日間→プレドニン20mg3日間→終了
注)そもそも1週間程度のステロイド使用ではテーパリングは必要ない。
プレドニン30mg長期投与例
 25mg1週間→20mg1週間→15mg1週間→10mg1週間→10mg隔日1週間→5mg隔日1週間→終了
・デカドロン1mg(プレドニン6.25mg)の長期投与例
 1mg隔日4週間→0.5mg隔日4週間→0.25mg隔日4週間→終了
cf)
ステロイドを分2にするときは日内変動に合わせて朝を多くすること。
CMV
結核、カリニ肺炎(PCP)、HBV再燃に注意する。疑う時はCMV-Ag/CMV-IgM/CMV-IgG/CMV-C7HR3連痰/結核PCR/QFTβDグルカン/LDHを精査する。下血あればCMV腸炎も忘れずに。
プレドニン換算20mg4週以上継続するときは血糖測定、パリエット10mg1錠朝食後、ボナロン/フォサマック35mg1錠起床時(第2,4週の金曜日)、5%ハリゾン/ファンギゾンシロップ含嗽液(480ml)1120mLでうがい後に服用13回、バクタ/ダイフェン(S400mgT80mg)1錠(月水金内服)、胸部レントゲンを週1回、β-Dグルカン、CMV-C7HR2週間毎に測定する。
注意)ステロイド中止する場合はバクタはプレドニン終了とともに中止してよい。


CFGFで癌が見つかった時のムンテラ

☆マナーについて
・いきなり本題に入らないこと。体調や最近の様子を聞く。
・本人だけの時は家族と同席が必要ないか聞くこと。
・話の途中でもわからないことがあればいつでも質問するように伝える。
・説明の途中で「ここまでわからないことや不明なところはありますか」と聞くこと。
・「がん」とはっきり言うことは大切だが、必要以上に「がん」を繰り返さないこと(悪いもの、腫瘍、できものという曖昧な言葉にする)。
セカンドオピニオンについて説明すること。
・今の目標は治療のための検査を進め、治療を始めることであり、治療が始まったら以前の生活と変わりなく過ごせるようにすることだと伝える。
・最後に「何か心配なことはありますか」と聞くこと。

病状について
・カメラで見えた隆起性病変は悪性であって、内視鏡的にとることはできない。
・外科手術、開腹手術が必要です。
・腫瘍にはステージ分類があり、分類をしてそれによって治療が変わってくるため、今後はCTをとってステージ分類がⅠからⅣのどこなのかを決める必要がある。
・手術になった場合の合併症その他は外科受診をして、外科の先生からの説明を受けてほしい。

ケモや緩和ケアになったとき
・化学療法と緩和ケアは同時進めるものであること。
・緩和ケアの開始が末期を意味しないということ。
・Ⅳ期イコール末期ではないこと。

死にたいと言われたとき
・「そういうふうに考えても仕方がないと思います」(決して、そんなこと考えずにがんばりましょうはだめ。)


針刺し時の血液検査

<針刺し時・輸血後の血液検査>
針刺し
AST,ALT,HIVAb/Ag,HTLV-1(PA),s抗原,s抗体,HCV抗体
注)CV留置中に針刺しをした場合、針刺しの針を必ず別に捨てること。
cf)
針刺しの相手に感染がない場合は1回のみの採血で良いが、感染ある場合は該当感染の有無を1ヵ月毎に3ヶ月、半年後にフォローする。

輸血後
HIV Ag/Ab
HCV抗原、HBVDNA量(リアルタイム)


CTの読み方

CTの読み方>
冠状断(coronal):体を腹側と背側に分ける面
矢状断(sagital):体を左右に分ける面
水平断(transverse)

☆HFU(CT
)30以下なら水(尿や腹水)
30以上なら血液
50以上なら凝結塊

☆double phase
30秒後、Aoや腎皮質が造影→早期相(early phase)・2分後、Aoや腎実質が造影→晩期相(delayed phase)

血腫
・均一
densityが高い→筋肉より高いdensity(腫瘍と血腫は筋肉より高い)HFU30以上
・泡沫状のairなし
・造影でhighかつdouble phaseで形の変化あれば現在の出血(etravasation)・血腫の中に沈まないhighあれば現在の出血(etravasation)・臓器外にある血腫

大動脈解離(切迫破裂、進行性)
・造影でhigh(単純でもdensity高め)→陳旧性ではisoからlow・造影でcrescent sign造影でlowでも新鮮
・造影でintimal flap(真腔と偽腔の境目)
胸部大動脈解離(単純でもintimal flapの石灰化が見える)



大動脈解離がSMAに及んでいる



血栓閉塞型の大動脈解離


動脈瘤
・正常大動脈の1.5倍以上(正常部位と比較する)
・造影で真ん丸なetravasation・大血管からの出血→胸部は解離の破裂、腹部は腹部大動脈瘤(AAA)破裂が多い

結核
・右上葉に空洞を伴う小結節、小結節の周囲に娘結節、気管支拡張、縦隔条件で石灰化があれば疑うこと

肺陰影
・肺胞腔が完全に液体で満たされたとき→斑状陰影、air bronchogram・「肺胞腔が不完全に液体で満たされairを含むとき」や「肺胞壁の肥厚」→スリガラス陰影
・肺の構造とは無関係な陰影→浸潤陰影

肺炎の新旧の区別
・新しい肺炎は呼吸細気管支が炎症で白く写るので、約10mm程度の線状の陰影が見える。

心タンポナーデ
・左半分のほとんどを心臓が占める
・心嚢液(心臓を取り囲むようにdensityの低い液貯留)とIVCの拡張(Aoよりも大きい)がサイン

後腹膜血腫
・脊椎の横にややdensityが高いmass・腎臓が上に持ち上がっている

消化管出血
・糞便があればそれ以降の部位からの出血

大腸か小腸か(追っていくしかない!!
Kerckring襞(小腸襞)は腸管を完全に横切る
Haustra(結腸ひも)は腸管を完全には横切らない
上行結腸につながっていれば小腸
下行結腸につながっていれば横行結腸
(つながりを見るときはパラパラ見ずに1枚ずつゆっくり見ること!!
・「丸がいっぱい」「丸につながる扇状の腸間膜」「液状物だけでガスなし」は小腸
・「ガスが多い拡張腸管」は横行結腸

空腸か回腸か
・右上から左下に線を引き、上が回腸、下が空腸

大腸の閉塞か小腸の閉塞か
・小腸は拡張しても5㎝まで、それ以上は大腸の拡張
・上行結腸の拡張もしくは大量の糞便→横行結腸以降の閉塞
・上行と下行の拡張→S状結腸の閉塞

腸閉塞
・小腸だけの液状物→小腸の機械的腸閉塞
→①
外ヘルニア(大腿静脈が圧迫されていれば大腿ヘルニア、恥骨と坐骨が見える高さで恥骨筋()と外閉鎖筋()に挟まれた腸管あれ
ば閉鎖孔ヘルニア)
 ②beak signまたは壁造影の薄い濃いがあればclosed loop ③回腸末端から上行結腸にかけてpseudokidney signあれば腸重積
・小腸だけでなく盲腸や上行結腸にも液状物(niveau)→麻痺性イレウス→腸管穿孔(若年者なら穿孔性虫垂炎
・大腸の閉塞は盲腸が12cm以上なら穿孔の可能性
圧上昇でBauhin弁が壊れると小腸が拡張
圧が逃げられるので待機的に見れる(ただし右下腹部痛は強いはず)
cf)
腸炎や虫垂穿孔による麻痺性イレウスでも小腸~上行結腸の拡張が見られるが、腹痛は軽度のはず。
・小腸ガスはそれだけで異常。機械的腸閉塞、急性腸炎虫垂炎腸炎Mesenteric ischemia、腸管穿孔を考える。
横行結腸癌


小腸閉塞あれば外ヘルニアを探す
・恥骨筋と外閉鎖孔に挟まれた腸管を探す
・小腸内糞便はより遠位で閉塞起点があるサイン
・蠕動で連続した腸管でも狭窄してるように見えたり、そこから突然拡張してっ見えることがある。中に液体が溜まっていなければ腸閉塞ではなく、蠕動を見ていることが多い。dynamicで見ると閉塞部位が移動しているはず。

☆NOMI(non-occlusive mesenteric ischemia)
・脱水や出血による腸管虚血壊死

腸管壁肥厚
腸炎は単純で全周性の均一な壁肥厚(4㎜以上)→発熱ありなら感染症腸炎、発熱なしなら虚血性腸炎
・感染性腸炎ではアニサキスや魚骨によるものを忘れないこと。
・辺縁不整で内腔を閉塞する造影効果のある粘膜肥厚は癌を疑う
・内腔を閉塞しない小腸の壁肥厚は悪性リンパ腫
・何か他に炎症源(虫垂炎アニサキス腸炎FHCなど)があって麻痺性イレウスになっている場合は、小腸壁の肥厚は軽くて、拡張だけしている
・感染性小腸炎の場合は、壁の肥厚が強く、内側の粘膜と外側の外膜両方が線状に強く染まり、間の粘膜はそれらよりやや薄いが造影され、周囲の炎症も強い。
腸炎と思ったらSMV塞栓症を否定する。SMAの右隣がSMVで脾静脈と合流して門脈となる(脾静脈が合流し、SMAの隣にある血管を探す)


☆SMA
塞栓症
SMAを追っていくと血栓による狭窄あり
・右半結腸の壁造影効果が少ない
・虚血状態の右半結腸が拡張している
SMA塞栓症での門脈内ガス、腹腔内air


絞扼性腸閉塞のサイン
・小腸がgaslessで拡張
・腹水(∵腸管浮腫により静脈が圧迫される)
closed looptriasgassless、腹水、腸管膜の造影

腸管壊死のサイン(血栓症か絞扼性)
earlyでもdelayでも壁の造影効果が弱い→delayで造影されてくれば浮腫か虚血
注)他の腸管は壁が造影されて追えるのに、全体的にほんのり明るくなってるだけで壁が追えない
・壁内にガス(壁に沿って丸いつぶつぶがつながったような像,air-fluid levelもあり)
・肝臓辺縁のガス(門脈によって辺縁に押しやられる、辺縁から2cm以内のガスは胆道内でなく門脈内ガス)
・線状陰影(腸間膜の濃度上昇)→腸間膜の炎症
・ウィンドウレベル/幅をL60W60にして他の腸管との差を見る

腸管穿孔のサイン
・腹水(ベタッとして均一で形が三日月ぽい)→空気泡多いなら腸管外糞便か
・骨盤内液貯留
・肝周囲のfree air(辺縁がはっきりとした真っ黒、辺縁がぼんやりしてるものは脂肪組織の可能性)・脊椎/Ao/腎臓付近のfree air十二指腸(腎周囲のfree air)S状結腸(腎より下のAo付近のfree air)の穿孔(∵後腹膜)
IVC虚脱(脱水→循環血漿量↓)
free airあれば板状硬なくても汎発性腹膜炎と考える(CRP↑+free airで板状硬なければより重篤な腹膜炎と思われる)。 
・腹部診察で押さえて一番痛がる部位と腸管周囲ガスが多い部分が一致すればそこが穿孔部位である可能性が高い。
S状結腸穿孔




膿瘍
・壁が肥厚し、内部が不均一、上下に追っても盲端になる

直腸潰瘍
・直腸出血+他の結腸に憩室なし→大量出血するけど冷静に!E入りネオガーゼを詰めよう!

憩室
・造影でも単純でもlowhighな丸い陰影があれば憩室出血か糞石→出血ならdouble phaseで変化あるはず
・圧痛+憩室+腸管粘膜の肥厚+周囲の炎症像→憩室炎(憩室なければ虚血性腸炎か感染性腸炎か)

急性虫垂炎
・外径6㎜以上、壁がよく造影、周囲の脂肪濃度上昇や液貯留
・壁造影のみならカタル性で抗生剤で軽快する
・糞石あれば手術適応(抗菌薬だけでは無理)
・虫垂は水平断では細長く尻尾様か筒状かに写る
Uターンしているものもある
盲腸は水平断では丸い→丸くないところは回腸か虫垂の起始部である!!・盲腸を下まで追っていって急に小さな丸になれば虫垂の起始部
・盲腸の近くに小さな石灰化があれば糞石の可能性がある。pCTでもよく見れば糞石を取り囲むように虫垂が見えるはず。
・盲腸との接続が確認できなくても、小腸が盲端になっていれば虫垂のはず。

腸重積
・内側の腸管と外側の腸管の間に血管があることが腸重積の証拠
・血便や腹膜炎あれば穿孔や壊死の可能性→CFよりも緊急手術

腸管拡張
・大腸は8㎝以上
・小腸は5㎝以上

急性胆嚢炎
・短軸5㎝以上、かつ壁の肥厚(4mm以上)、周囲脂肪織の炎症像
急性胆嚢炎(胆石が頚部に嵌頓している)


総胆管拡張
・正常総胆管は7-11
・胆摘後やEST後は総胆管拡張するので注意


腎盂腎炎
・くさび型のlow density腸腰筋筋膜(腎が見えるレベルで椎体に付着している筋)が肥厚→腎周囲の炎症

気腫性膀胱炎
・膀胱壁内にガス→膀胱内の大量のガスは膀胱直腸瘻の可能性あり(直腸癌か)
・尿のniveau・膀胱壁に沿ったガス多数

肝膿瘍
1個の時は大腸の炎症(全周性の壁肥厚)を探す

血管腫
・動脈相での辺縁部もしくは結節全体の大動脈と同じ明るさの早期濃染
 cf)HCCなど悪性腫瘍では96%が早期濃染しても大動脈より暗い
・門脈相~平衡相での高吸収~等吸収、中心への濃染の広がり
 cf)一部造影されない部位があっても一度造影された部位が低吸収になることはない。
 cf)HCCでは7割が門脈相~平衡相で低吸収になる。
注意)dynamicCTでの時相
・早期動脈相:Aoおよびその主分枝のみ造影。門脈のenhanceはあってもごくわずか。
・後期動脈相:古典的HCCが最も造影される。門脈もenhanceされてきている。
・門脈相:肝実質が最も造影される。
・平衡相:血管と肝実質が等しい濃度。HCCではwash outがある相。HCCでは被膜濃染を認めることがある。
血管腫(単純→動脈相→門脈相→平衡相)


特発性食道破裂
・左側胸水+縦隔内気腫

急性膵炎
・①膵臓腫大、②上腹部痛、③アミラーゼ上昇のうち2項目陽性なら急性膵炎
・膵頭部で椎体の横径以上、体尾部で椎体の横径の2/3以上を腫大とする
膵臓周囲の毛羽立ち、液貯留
・膵実質の不均一化
・片側腎上極の腹水→後腹膜の炎症のサイン

慢性膵炎
・①石灰化(US,CT)、②主膵管または副膵管の分断や拡張(頭部で5㎜、体尾部で3㎜)、③セクレチン試験で2因子以上低下、④病理
→CT
ではとにかく小さくても石灰化を探す(ほんの小さな石灰化でもOK

凸レンズ型の血腫
・脳なら硬膜外血腫
・肝臓なら被膜下血腫
・手術適応は、増大、壊死、感染
慢性硬膜下血種(古くなると見逃しやすい)


腹部外傷
・肝損傷、腎損傷、脾損傷、膵損傷

脾梗塞

☆CT
読影のチェックポイント
腹水あるか
肝辺縁は鋭か鈍か
肝臓にSOLあるか
総胆管
胆嚢
膵臓に嚢胞あるか、石灰化ないか
腎臓に嚢胞あるか
腎萎縮あるか
水腎はないか
腹部大動脈瘤はあるか
IVC
虚脱あるか
前立腺肥大あるか
虫垂の確認
憩室
骨盤内腹水あるか
総腸骨動脈瘤はあるか
ヘルニアはないか
女性なら卵巣嚢腫はないか⇒女性で骨盤内に盲端のabscessに見えるものがあれば、子宮留膿腫や卵巣膿瘍や卵巣嚢腫を考える。


Cushing症候群の診断

Cushing症候群の診断>
真夜中の12時にデカドロン0.5mg2錠を服用し、朝一番のコルチゾールを測定し、5以下なら正常となる(同時にACTHも測定すればよい)


イレウス管留置方法

イレウス管留置方法
イレウス管のバルーンが蒸留水何mlで最大に拡張するかを事前に確認(多くは15ml)。
経鼻的に内視鏡を挿入し、胃に挿入後、体のみ正面になるようにして透視下に確認する。胃液や空気を極力吸引することで苦痛を緩和し、かつ後のチューブ挿入を容易にする。
十二指腸下行部まで内視鏡を挿入してから、鉗子チャンネルを通してガイドワイヤーを挿入する。
透視下にて十二指腸下行脚までガイドワイヤーを進める。慎重かつ愛護的に操作しながらできる限り深部に挿入するが、可能であればトライツ靱帯部(十二指腸空腸曲)を越えて深部に進めておく。
鉗子チャンネルからガイドワイヤーを送りつつ、透視下にガイドワイヤーの位置を確認しながら内視鏡のみ抜去する。抜去の際に鼻からガイドワイヤーが出るところを助手Aに把持してもらう。
イレウス管全長をガイドワイヤーにかぶせて挿入する。イレウス管からガイドワイヤーが出たところ助手Bに把持してもらい、透視下にガイドワイヤーの位置が変わらないようにイレウス管を進める。
ガイドワイヤーを少し進め、イレウス管を進めることを繰り返しながらできるだけ肛門側に進める。
留置バルーンに蒸留水を入れ、ガイドワイヤーを抜去し、イレウス管を透視下で胃内でたるませてから、鼻で固定し排液バッグに固定する。
ガストロを注入し透視下に観察する。バルーンから蒸留水を抜かなければ、ガストロが肛門側に入っていかない点に注意する。


CFのフォローアップ期間

CFのフォローアップ期間
adenoma(低~中等度異型)があった場合:
 ポリペクできた場合は23年後、ポリペクしなかった場合は1年後にCF
adenoma(低~中等度異型)が複数個(4-5個以上)あった場合:
 ポリペクした場合でも1年後にCF(他にもあるかもしれない)。
cancer in adenomaの場合:
 半年後に再度CF(断端陰性でも)。
cf)
腺腫であっても高度異型なら半年後フォローが良い。
・異常所見なしの場合:
 便潜血でフォロー。
注意)adenomaあれば断端はあまり気にしなくても良い。気になるなら3ヵ月後にフォローを。断端不明瞭なら通常のフォローアップ期間でよい。


結核の診断と結核が見つかった時の対応

結核の診断:
結核の診断は臨床症状、画像、抗酸菌検査、血清学的補助診断から総合的に判断する。塗末陰性でも培養やPCRが陽性になる場合がある。塗末陰性とは排菌が0ではない、少ないだけで見つかってないか、痰の状態が良くないだけかもしれない。3連痰でも画像が怪しい場合は胃管採取や気管支鏡採取をすること。
診断の手順
結核を疑ったら、
胸部レントゲン
血液検査(ESR,CRP,WBC,IgM/IgG/IgA,ADA
→①
、②で異常あれば③へ
③QFT-2G
→0.35IU/ml
以上なら陽性と判断し、0.1-0.35IU/mlなら他の検査を総合して④へ進むか判断する。陽性なら④へ
胸部CT
異常あれば⑤へ、①~④で異常なくても2か月後に①、②、③を施行する
喀痰(無理な場合は朝1番の胃液)、培養を連続3日間提出、PCR1回提出する
結核が見つかった時:
PCRの結果が出たらすぐに保健所に結核発生届をFAXすること。
・状態が悪い場合に、救急車を使う場合は、救急隊にN95マスクを装着するよう伝える。
・施設からの入院の場合は、施設に結核のことを伝えること。
cf)
非定型抗酸菌症(NTM)の場合は空気感染しないので、患者と周囲の人にマスクは必要ない。
cf)
結核発生届の書き方
 ・感染したと推定される年月日は「不明」
 ・感染蔓延防止のために医師が必要と認める事項は「当該患者の隔離、結核治療と医療従事者を含む接触者の感染精査」
結核接触者(自覚症状なし)に対する対応
注意)基本は保健所の結核審査会からの指示に従うこと。
初発患者が判明した時点でQFT施行し陽性なら胸部XPや胸部CT施行する。
初回QFTが陰性でもwindow periodを考慮し、2-3ヶ月後に再度検査する。
③QFT
陽性で胸部CTにて現感染疑われるなら呼吸器内科紹介。
④QFT
陽性だが胸部CTで異常なければ医療者であれば潜在性結核と考えてINH単剤6ヶ月内服を行うか、3ヶ月ごとの胸部XPフォローを行う。過去2年間に結核患者との接触の可能性が低いのであれば、既往感染と考えて年1回の胸部XPフォローを行う。
cf1
)潜在結核INH単剤投与を行うと耐性菌が出現するという意見もある。
cf2
)初発患者の喀痰培養でINH耐性の場合はRFP単剤6ヶ月内服を行う。
cf3
IGRA(イグラ)にはQFTT-spotがあり現感染と既感染は区別できない。入職時のQFT陰性が陽転したのであれば現感染であり、CTで異常影ない場合はINH単剤6ヶ月投与する。


ポリペク後の抗血小板薬の再開時期

☆ポリペク後の抗血小板薬の再開時期
・ポリペク後、2日間あけて再開する。
脳梗塞のリスクが高い場合は1日に短縮する。
・出血のリスクが高い場合は3日に延長する。

間質性肺炎の分類と治療

間質性肺炎の分類
・薬剤性
膠原病
IIPs(特発性間質性肺炎):IPF,NSIP,COP  IPF(特発性肺線維症):慢性経過、治療はNACNアセチルシステイン)と管理が中心(急性増悪時はPSL+ISPSL隔日)
     管理:慢性呼吸不全(HOT・労作時の酸素化を改善するため労作時にあらかじめ酸素流量増量する、流量決定は入院時にする)、急性増悪(呼吸困難 and HRCTで新たに生じたすりガラス陰影 and PaO2 10mmHg低下/CRP,LDH,KL-6,SP-A,SP-Dの上昇、PE心不全気胸/縦隔機種の除外を)、肺がん、禁煙指導、ワクチン接種、GERDのチェック
  NSIP(非特異性間質性肺炎):亜急性経過、治療はPSLもしくはPSL+IS  COP:急性経過、治療はPSL

☆IIPs
の治療
①PSL
プレドニン0.5-1mg/kg/day→2-4週毎に5㎎減少→1か月毎に効果判定→プレドニン投与で改善ないときはISを加える
②IS
免疫抑制剤 アザチオプリン2-3mg/kg/day or シクロホスファミド1-2mg/kg/day or シクロスポリン2/kg/day
③PSL
隔日:PSL20㎎隔日
COP
cellularNSIPならPSLfibroticNSIPIPF急性増悪ならPSL+ISもしくはPSL隔日が基本

☆PSL,IS
投与時の感染対策
Pneumocystis jirovecii予防:バクタ1/日または2錠隔日→PC肺炎か急性増悪かは画像では難しい
CMV抗原を普段からcontrolとして測定しておく
・アスペルギルス:菌球病変はLKとの鑑別が必要、アスペルギルス抗原/抗体やβDグルカンをcontrolで測定しておく 
結核感染が疑われる場合、既往がある場合:INH300mg/日(PSL101か月以上使用時)



ウィルス性肝炎の治療

C型肝炎
・非代償性肝硬変は抗ウイルス薬適応なし。
・肝炎はALT30以上、Plt15万未満で治療適応。
IFN使えるなら第二世代プロテアーゼ阻害剤のシメプレビル(SMV)Peg-IFNリバビリン(RBV)が第1選択。
・副作用でIFNが使えない時はDAA(direct acting antiviral)のダクラタスビル(DCV)アスナプレビル(ASV)だが、Y93,L31変異ではSVR率は40%であることやDAAによるSVRHCC予防になるかどうかのevidenceもないため、65歳未満かつF1以下の繊維化ではIFN使えない場合は治療待機もあり。

☆B
型肝炎
・非代償性肝硬変でも治療適応あり。
・肝炎でALT31以上かつHBVDNA 4.0 log copies/ml以上の慢性肝炎ではPeg-IFNを第1選択、IFNは免疫賦活作用あるため黄疸伴う急性増悪では核酸アナログのエンテカビル(ETV)やテノホビル(TDF)を使う。
HBVDNA4.0以上の肝硬変(代償性、非代償性とも)には核酸アナログが第1選択。
・母子感染の9割がe抗原消失し、e抗体陽性になり(HBeセロコンバージョン)、非活動性キャリアになるが、1割は慢性化し年2%で肝硬変になる。


胃炎の京都分類

☆胃炎の京都分類
・ピロリ未感染の所見:光沢のある水々しい粘膜、RAC(集合細静脈)、稜線状発赤
・ピロリ現感染の所見:点状発赤、体上部大弯や 胃穹窿部大弯のびまん性発赤(好中球浸潤による充血)RAC消失、血管透見(萎縮性胃炎)、鳥肌、白濁粘液、腸上皮化生(ピロリは住めない)、体部大弯の巨大すう壁胃炎(十分送気しても7mm以上の幅のひだ)
  cf)
萎縮性胃炎と腸上皮化生は分化型胃癌、鳥肌胃炎や巨大すう壁胃炎は未分化型胃癌の発生母地になるため速やかに除菌を。
・黄色腫:現感染と既感染の所見
・ピロリ既感染の所見:除菌後や高度な萎縮でピロリが住めない場合で除菌すると点状発赤やびまん性発赤は速やかに消えて光沢やつやは戻るが高度な萎縮は残り、地図状発赤や斑状発赤が生じ、Ⅱc病変と紛らわしい。除菌により腸上皮化生は少しずつ減っていく。体部の敷石状粘膜(もこもこ胃炎)や穹窿部から体上部の多発白色扁平隆起はPPIによる高ガストリン血症によるもの。
・除菌しても男性で体部に萎縮が残っている場合は5(最長10)は除菌してもGFフォローが必要。
A型胃炎(自己免疫性胃炎)は前庭部は水々しいが体部がopen typeの萎縮(通常のピロリ感染胃炎と逆)で、検査はピロリ抗体陰性、ガストリン著増、抗内因子抗体陽性、抗壁細胞抗体陽性。


インスピロンの設定について

☆インスピロンの濃度は35,40,50,70,100%で流量は最大15L/分まで。
・「35%8L/分」は、「酸素濃度が35%になるように100%酸素を8L/分で流す」という意味。
・空気中の酸素濃度は20%なので、20%酸素ボタンL/分と100%酸素8L/分で35%酸素を作る意味で、ボタンは計算すると34.6L/分。つまり、34.6+8=42.6L/分の流量が出てくる。吸気と呼気の時間は1:2なので、吸気量は42.6/3=14.2L/分、呼吸数を20/分とすると、14.2L/20=710ml/回となる。
・しかし、1回換気量が710ml以上だと不足分として外気を取り込むため、気道に入る酸素濃度(FiO2)はさらに下がることになる。
35%8L/分を50%8L/分にするのと、35%10L/分にする場合の違いは?
 呼吸数が20/分とすると、50%8L/分にすると、計算すると1回換気量が400ml以下なら50%8L/分でFiO250%になる。35%10L/分にすると1回換気量が1200ml以下ならFiO235%になる。つまり1回換気量が710ml以上1200ml以下なら35%10L/分に変更することが有効。
・リザーバーバッグがついてるときは、吸気時にバッグがへこんでないなら機能していない。マスクの隙間から外気を取り込んでいる。リザーバーバッグを有効にするにはマスクを顔面に密着させる必要がある(リザーバーマスクが有効なら呼気時に溜まった酸素を吸えるから1回換気量が酸素流量を上回ってもFiO2が下がることはない)


内視鏡時の抗凝固薬、抗血小板薬の取り扱い

基本は処方した主治医に中止の場合の危険性やどうすればよいかを聞いておくこと。
内視鏡時の抗凝固薬、抗血小板薬の取り扱い(2014年)
注意)単剤の場合のみ記載
注意)観察だけであれば当然休薬は不要
血栓塞栓危険度群に生検/出血危険度内視鏡をする場合:
・抗凝固薬、抗血小板薬の休薬の必要なし

血栓塞栓危険度群に出血危険度内視鏡をする場合:
・ワーファリンは5日間休薬しヘパリン置換
・プラザキサは2日間休薬しヘパリン置換
・エリキュースは2日間休薬しヘパリン置換
・イグザレルトは1日間休薬しヘパリン置換
・リクシアナは1日間休薬しヘパリン置換
・バイアスピリン/アスピリン/バファリン/タケルダは休薬なし
・プラビックス/パナルジンはプレタールに5-7日間置換し1日休薬する
・エパデール/ロトリガ/プレタール/ペルサンチン/アンギナール/ドルナー/オパルモン/プロレナールは1日休薬
cf)
脳梗塞慢性期(心原性以外)
・プラビックス75mg/1x50kg未満、75歳以上は50mg/1x):副作用は肝障害、顆粒球減少、ITP・パナルジン100mg2T/2x:副作用はプラビックスと同じだが頻度は高い
・プレタール100mg2T/2x朝夕:副作用は頭痛、頻脈

血栓塞栓危険度群に生検/出血危険度内視鏡をする場合:
・バイアスピリン/アスピリン/バファリン/タケルダは3-5日間休薬
・プラビックス/パナルジンは5-7日休薬
・エパデール/ロトリガ/プレタール/ペルサンチン/アンギナール/ドルナー/オパルモン/プロレナールは休薬なし

血栓塞栓危険度群に出血危険度内視鏡をする場合:
・バイアスピリン/アスピリン/バファリン/タケルダは3-5日間休薬
・プラビックス/パナルジンは5-7日休薬
・エパデール/ロトリガ/プレタール/ペルサンチン/アンギナール/ドルナー/オパルモン/プロレナールは1日休薬

cf)
血栓塞栓危険度群:心原性脳塞栓症の既往、心房細動、機械弁、人工弁、抗リン脂質抗体、DVT/PEPCIステント留置2か月後まで、薬剤溶出性ステント12か月後まで、CEA2か月、脳主幹動脈50%以上の狭窄、最近発症したTIA/CIFontaine分類3度以上のASO・出血危険度内視鏡:バルーン内視鏡、クリップ、高周波、点墨、消化管ステント、乳頭バルーン拡張術
・出血危険度内視鏡:ポリペク、ESDEMR、乳頭切開術(EST)、EUS穿刺、PEG増設、静脈瘤治療、粘膜焼灼術(APC
注)抗血小板剤(5-7日休薬が必要なもの)や抗凝固薬を使用していて、血便がありCFをした場合、ポリープから出血がある場合は、2-3日おいて血便の持続がないのを確認してから、ヘパリン置換やプレタールに置換開始し、1週間後にポリペクを。

ポリペク後の抗血小板薬の再開時期
・ポリペク後、2日間あけて再開する。
脳梗塞のリスクが高い場合は1日に短縮する。
・出血のリスクが高い場合は3日に延長する。


輸入感染症

☆輸入感染症
マラリアデング熱、腸チフス、パラチフスを考える。
・潜伏期はデング熱10日以内、腸チフスやパラチフス1121日、マラリア30日以上。
デング熱はウィルス感染なのでWBCは正常か低下、分画は変わらず、Pltは減少することもあり。
マラリア3日連続のギムザ染色で調べること。


調理師の便培養陽性

☆調理師の便培養でコレラ、腸チフス、パラチフス、細菌性赤痢腸管出血性大腸菌(EHEC)が出た場合は就業再開は無症状であっても便培養陰性であることが必要。
無症状な場合は抗菌薬は絶対必要ではないが、ニューキノロン、ホスホマイシン、アンピシリンの7日間投与を行い、投与終了後2日以降の便培養で陰性が確認できれば良い。
下痢など症状がある場合は治癒後に1日以上の間隔をあけて2回便培養陰性であることが必要。
他の菌の無症状性保菌者の場合は便培養陰性にならなくても手洗いを厳重にすることを前提に就業再開が可能。 


経口投与抗生剤のバイオアベイラビリティ

☆経口投与抗生剤のバイオアベイラビリティ
フラジール100%クラビット、バクタ:99%ケフレックス、ケフラール、ダラシン:90%オーグメンチン、サワシリン80%オラセフ:50%フロモックス、ジスロマック35%セフゾン25%メイアクト15%


脂肪肝

・肝機能異常伴う脂肪肝あれば、HBs抗原、HCV抗体、自己抗体、飲酒歴を調べ、どれも陰性ならNAFLD
cf)L/S
比(肝臓/脾臓CT値)が1.1以上なら脂肪肝はない。
・食生活の改善(カロリー制限、糖質制限、肉類/SFA/ω-6PUFAの制限、魚類/ω-3PUFAの摂取)、有酸素運動による減量を指示する。
cf)
SFA飽和脂肪酸。動物性脂肪。体内で合成できる。肉、チーズ、パーム油に多い。
TFAトランス脂肪酸。常温で固形化する油脂の製造過程で生じる副産物。パン、菓子類、揚げ物に多い。
不飽和脂肪酸:植物性脂肪。ω3ω6は体内で合成できない必須脂肪酸
ω-3PUFAω-3多価不飽和脂肪酸αリノレン酸)。えごま油、アマニ油に多い。
ω-6PUFAω-6多価不飽和脂肪酸リノール酸)。ごま油、ひまわり油、コーン油、ナッツ類に多い。
ω-9PUFAω-9多価不飽和脂肪酸オレイン酸酸)。オリーブ油に多い。
cf)ω3:ω6
1:4が理想だが、1:1050が実情。ω6は過剰摂取も摂取不足もACSのリスクになる。
NAFLDのうち、NASHであれば癌化の原因。ただし、NASHの診断はあくまで生検。
NASHが疑わしいのは、DMや高血圧を伴っている場合、BMI30以上の肥満、NASHスコア2点以上、AST/ALT0.8以上や血小板20万未満の肝線維化を疑う場合。肝臓専門医へ紹介する。
Fib4index=(年齢×AST÷(血小板×√ALT
陰性的中率はほぼ100%、陽性的中率は50%
Cut-off
値(1.45)未満はまずNASHではない(肝生検は勧めなくてOK)
Cut-off
値(1.45)以上ならM2BPGi測定、フィブロスキャンやMRエラストグラフィを施行し肝生検必要か判断する(1.45超えていれば肝臓内科紹介でよいと思う) NASHスコア:フェリチン上昇(女200、男300ng/ml以上で1点)、空腹時インスリン上昇(10μU/ml以上で1点)、Ⅳ型コラーゲン7S上昇(5μg/ml以上で2点)の合計4点なら9割、2点でも5割がNASH
NASHに治療効果があるのは、チアゾリジン誘導体、ビグアナイド、スタチン、ビタミンE、ペントキシフィリン(発がん抑制があるのはビグアナイドのみ)

ご指摘、ありがとうございます。公衆衛生上、SFA,TFAを抑制するよりはω6を摂取するようにキャンペーンした方がACSを減らすことができるという論文を読み違えました。。。
ω6
は過剰摂取も摂取不足もACSのリスクになるということで、先進国では過剰摂取なわけですが、全世界的にみるとSFA,TFAが原因でACSになるよりω6の摂取不足でACSになることのほうが影響が大きいとのことです。。。
https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0130038311/
それと、せっかくのコメントを誤操作で消してしまいました。。。すみません。他にもおかしなところがあればご指摘くださると助かります。

PEG患者の嘔吐

PEG患者の嘔吐
PEGの開放とウロバッグへの接続
PEG注入の中止
・点滴追加(腎不全や心不全ないかチェック、DMあるようならインスリンスケール指示)
・腹単オーダー
・黒色嘔吐ならPPI追加(オメプラール20mg1瓶+生食20mlでショットで12回、ルートフラッシュ用の生食シリンジ20ml
・血圧低下や頻脈あるなら貧血もチェックを
・状態みて5日くらい抗生剤投与する
注意)PEGからの排液が500ml程度になれば一旦、5%ブドウ糖500mlや生食、3号液などで補正すること!!


健診で尿潜血陽性が出た場合


健診で尿潜血陽性が出た場合
±なら経過観察。
1+以上なら再検し、陰性もしくは沈査で赤血球5/HPF以下なら経過観察。
・再検にて1+以上もしくは沈査で赤血球5/HPFの場合:
 ①尿蛋白陽性やeGFR低下認めるときは腎臓内科紹介
 ②①以外で尿路上皮癌のリスクある場合は泌尿器科紹介
 ③①②以外なら腎臓超音波検査と尿細胞診を施行し所見なしなら経過観察。所見あれば泌尿器科紹介。
cf)
・検診は特定の病気を発見する目的で行うもの。例)子宮がん検診など
・健診で偶然発見された血尿をチャンス血尿という。
・血尿とは尿中赤血球20/μL以上、尿沈渣で赤血球5/HPF以上を指す。これは試験紙法で1+にあたる。
・試験紙法での±は尿中赤血球10/μLを指す。
注)尿路上皮癌のリスクファクター:40歳以上の男性 / 喫煙歴 / 化学薬品暴露 / 肉眼的血尿 / 泌尿器科系疾患 / 排尿刺激症状 / 尿路感染の既往 / 鎮痛剤(フェナセチン)多用 / 骨盤放射線照射既歴 / シクロホスファミド治療歴
注意)健診ですることは、①目の結膜を見る、②首のリンパ節を蝕知する、③聴診する(女性の場合は服の上からでも可。胃透視の人はベッドに横になってもらって腹部診察する。)

当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載5

当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載5

内視鏡の肉眼分類

内視鏡の肉眼分類
逆流性食道炎
 GradeA5mmを超えない発赤
 GradeB5mm以上の発赤が1箇所以上
 GradeC:複数の粘膜襞を超えて発赤、全周の3/4を超えない
 GradeD:全周の3/4を超える発赤
・静脈瘤
 L(場所):Ls:上部、Lm:中部、Li:下部、Lg-c:噴門輪に近接、Lg-f:噴門輪と離れた胃静脈瘤
 F(形態):F0:静脈瘤なし、F1:直線状、F2:連珠状、F3:結節状
 C(色調):Cw:白色、Cb:青色、血栓化してる時はCw-Th,Cb-Thと記す
 RC(発赤):RC-:発赤なし、RC+:ごく少数、RC++++++の間、RC+++:全周に多数
 粘膜所見:E:びらん、UI:潰瘍、S:瘢痕
 治療対象はF1RC++F2RC+F3RC-以上のもの
 cf)肝機能異常認めない場合は単なる静脈拡張の場合あり
胃潰瘍
 A1:厚い黒色の苔、辺縁の浮腫著名、出血あり
 A2:辺縁浮腫軽減、白色輪、充血輪
 H1:白苔が薄い、ひだの集まりあり
 H2:潰瘍底が盛り上がる、薄い白苔
 S1:赤色瘢痕
 S2:白色瘢痕
・胃癌
 0型:m
 1型:腫瘤型
 2型:潰瘍限局
 3型:潰瘍浸潤
 4型:びまん浸潤
 5型:分類不能
・早期胃癌(m癌、0型胃癌)の分類
 0I:隆起型(正常粘膜の高さの2倍以上、2倍以下は0IIa
 0IIa:表面隆起
 0IIb:表面平坦
 0IIc:表面陥凹
・胃ポリープ
 山田I型:隆起の起始部が滑らかで明確な境界線なし
 山田II型:隆起の起始部が明確だがくびれなし
 山田III型:隆起の起始部にくびれあるが茎なし
 山田IV型:茎のあるもの
・大腸ポリープ
 Ip:茎あり
 Isp:隆起の起始部にくびれあるが茎なし
 Is:隆起の起始部が明確だがくびれなし
 IIa:隆起の起始部が滑らかで明確な境界線なし
 IIb:平坦なもの
 IIc:陥凹なもの
 LST:小さなポリープが塊になり側方に発育している
 LST-G:従来のポリープがいくつも集まっている
 LST-NG:平坦な病変が集まっている
・胃のNBI SEC(粘膜上皮直下毛細血管):癌化すると蛇行、間延び、ループ、口径不同
 MCE(腺窩辺縁上皮):癌化するとギザギザ、口径不同、消失
・大腸のpit pattern I:円形
 II:星状、乳頭状→過形成性ポリープ
 IIIs:正常より大きな円形→管状腺腫
 IIIL:正常より大きな円形、管状→腺腫、m
 IV:脳回状→管状絨毛腺腫
 VI:不整なpit→m癌、sm微小浸潤癌
 VN:無構造→sm浸潤癌


胃瘻交換

☆胃瘻交換
・バンパー型ボタンタイプ(カンガルーボタン)の場合
消毒
②PEG
の蓋を開けてオブチュレーターを挿入
オブチュレーターにガイドワイヤーを挿入
オブチュレーターを押し込んでバンパー部分を伸展
ガイドワイヤーを残してオブチュレーターとPEGを抜去
新しいPEGにオブチュレーターを挿入しバンパー部分を伸展させ、ガイドワーヤーに沿って挿入
ガイドワイヤーとオブチュレーターを抜去する
air
を注入し聴診で確認
ガストロ10ml(便秘なら15ml)を注入し体を少し揺さぶってレントゲンで確認する
・バルーン型チューブタイプの場合
新しいPEGチューブに蒸留水を注入しバルーンがどれだけの量で膨らむかを確認する
消毒
バルーン内の蒸留水を引き抜く
④PEG
チューブを引き抜く
新しいPEGチューブにキシロカインゼリーを塗り、瘻孔に沿って挿入する
蒸留水を注入し固定
air
を注入し聴診で確認
ガストロ10ml(便秘なら15ml)を注入し体を少し揺さぶってレントゲンで確認する
注意)療養病院でのCV入った胃ろう患者の胃ろう交換はあまりしなくてもよい。


終末期の予後予測ツール

終末期の予後予測ツール
PaPスコア(Palliative Prognosis Score)>
臨床的に見ての予後:1-2週なら8.5点、3-4週なら6.0点、5-6週なら4.5点、7-12週なら2.5点、13週以上なら0点(ここは分からない場合はPPIを使うと良い)
②Karnofsky Performance Scale
10-20なら2.5点、30以上なら0
食欲不振:ありなら1.5点、なしなら0
呼吸困難:ありなら1.0点、なしなら0
白血球数(/mm3)11000以上なら1.5点、8501-11000なら0.5点、8500以下なら0
リンパ球数(%)0-11.9なら2.5点、12-19.9なら1.0点、20以上なら0
⇒①
~⑥の合計:
 9点以上:余命は21日以下の可能性が高い
 5.5点以下:余命は30日以上の可能性が高い

cf)Karnofsky Performance Scale
100
:正常、臨床症状なし
90
:軽い臨床症状はあるが、正常活動が可能
80
:かなり臨床症状はあるが、努力して正常の活動が可能
70
:自分自身の世話はできるが、正常の活動、労働は不可能
60
:自分に必要なことはできるが、時々介助が必要
50
:病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
40
:動けず、適切な医療および看護が必要
30
:全く動けず、入院が必要だが死は差し迫っていない
20
:非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要
10
:死期が切迫している
PPIPalliative Prognostic Index)>
①Palliative Performance Scale
1020なら4.0点、3050なら2.5点、60以上なら0
経口摂取量:数口以下なら2.5点、減少しているが数口よりは多いなら1.0点、正常なら0
(消化管閉塞のため高カロリー輸液を施行している場合は0点とする)
浮腫:ありなら1.0点、なしなら0
安静時呼吸困難:ありなら3.5点、なしなら0
せん妄:あり(原因が薬物単独のものは含めない)なら4.0点、なしなら0
⇒①
~⑤の合計点:
 6.5点以上:予後は21日以下の可能性が高い
 3.5点以下:予後は42日以上の可能性が高い

cf)PPS(Palliative Performance Scale)
左から順番にみて、患者に最もあてはまるレベルを決定する。
100
%:100%起居している⇒正常の活動が可能で症状なし⇒ADL自立⇒経口摂取正常⇒意識レベル清明
90
%:100%起居している⇒正常の活動が可能でいくらかの症状がある⇒ADL自立⇒経口摂取正常⇒意識レベル清明
80
%:100%起居している⇒いくらかの症状はあるが努力すれば正常の活動が可能⇒ADL自立⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明
70
%:ほとんど起居している⇒何らかの症状があり通常の仕事や業務が困難⇒ADL自立⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明
60
%:ほとんど起居している⇒明らかな症状があり趣味や家事を行うことが困難⇒時に介助⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明または混乱
50
%:ほとんど座位か横たわっている⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒しばしば介助⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明または混乱
40
%:ほとんど臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒ほとんど介助⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明または混乱または傾眠
30
%:常に臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒全介助⇒経口摂取減少⇒意識レベル清明または混乱または傾眠
20
%:常に臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒全介助⇒経口摂取数口以下⇒意識レベル清明または混乱または傾眠
10
%:常に臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒全介助⇒マウスケアのみ⇒意識レベル傾眠または昏睡


酸素指示

☆酸素指示
通常の場合:
SpO2 93-97%を維持するように酸素増減」
もしくは、
SpO2 90%未満ならO2開始。90%以下なら1Lずつup97%以上なら1LずつdownMax10L、適宜offも可。」と記載する。
酸素
4L:カヌラ
5
7L:マスク
8L
~:リザーバーマスク
(*気切の場合は当然ながらこの指示はいらない)

COPD
既往ありの場合:
SpO2 88-92%
を維持するようにカヌラ0.5Lずつ酸素増減。5L以上は以下の通り変更。
4L:カヌラ
5
7L:マスク
8L
~:リザーバーマスク
cf)
酸素指示は正常ならSpO293-97%COPDなら88-92%を保つように酸素増減が正しい。
理由:SpO2 98%PaO2 100mmHgSpO2 98-100%PaO2 100-500mmHg⇒SpO2≧98%では高酸素血症が生じている可能性があるため、少なくとも97%以下に制限する。高酸素血症はCO2ナルコーシス、活性酸素による肺傷害、吸収性無気肺などの有害事象リスクがある。重症患者において高酸素血症は死亡リスクが増加する報告が多数あり、低酸素血症よりも死亡率が高まる報告も複数ある。


浮腫の原因

☆浮腫の原因
注意)溢水か脱水か
・下肢末端に浮腫があっても溢水とは限らない
・低Alb血症にて浮腫を起こしていても皮膚乾燥あれば溢水ではない
・下肢末端だけの浮腫かつ皮膚乾燥なら利尿剤は必要ない
あきらかな心不全の既往がない限りは体格小はアミノトリパ1850ml、体格大はフルカリック11000mlくらいから開始し、下肢全体の浮腫が来たらラシックス1A+生食100mlなど追加、皮膚乾燥出てくれば、点滴量を追加していく(療養病院の場合)
原因不明の下肢浮腫の3/4は静脈うっ滞やリンパ浮腫心不全DVT、骨盤内悪性腫瘍をとりあえずは否定することが大切。
<全身性のことが多い>
・肝機能、腎機能、心機能をチェックする。
Alb2.5以下であれば浮腫の原因になりえる(肝疾患、蛋白漏出性胃腸症、低栄養)。
・薬剤が原因になることもある。例:NSAIDs,Ca拮抗薬,甘草(漢方),Na(抗生剤の点滴),ステロイド,リリカ,ACEI,抗がん剤など
甲状腺機能低下症
<片側性のことが多い>
深部静脈血栓症:腫脹が中心、両側性のこともある
蜂窩織炎:発赤や熱感、疼痛が中心
リンパ浮腫:皮膚が硬い、下肢挙上で改善しない、骨盤内の癌や乳がん手術、リンパ節郭清が原因。軟部組織感染を繰り返しやすいのでフットケアが重要(下肢挙上や弾性ストッキングも有効だが静脈うっ滞ほどは有効ではない)
・静脈うっ滞:皮膚は軟らかい圧痕性、毛細血管拡張>静脈瘤>浮腫>色素沈着、静脈うっ滞性皮膚炎>潰瘍。車椅子や臥床の時間が長いことが多い。患肢挙上やマッサージ、弾性ストッキングが有効。
cf)
浮腫の鑑別:
脛骨前の浮腫を押しても直ちに戻る場合(non-pitting edema):リンパ浮腫(直腸がんや婦人科領域の悪性腫瘍)、甲状腺機能低下症、血管性浮腫(毛細血管透過性亢進)
圧痕が5秒程度残る場合(fast edema):低Alb血症(2.5g/dl以下、Albが低いほど間質の水分が増えて圧痕がより速く戻る)→低栄養、ネフローゼ、肝硬変
片側の浮腫:蜂窩織炎(訴えの割には皮膚所見が乏しい場合や急速に広がる場合は壊死性筋膜炎を疑うこと)、DVTリンパ浮腫(解剖学的に左総腸骨静脈は右総腸骨動脈に圧迫されているため、左下肢は生理的に浮腫が生じやすい)
両側の浮腫:腎不全、肝不全、心不全甲状腺機能低下症
眼瞼の浮腫:下眼瞼のみなら心不全、全周性なら低ALB血症
手背の浮腫:RS3PEremitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema)症候群による左右対称性の滑膜炎による圧痕性浮腫
口唇の浮腫:血管性浮腫(遺伝性血管性浮腫、Quincke浮腫、好酸球性血管性浮腫)、薬剤誘発性血管性浮腫→「喉の違和感」 「呼吸困難」の有無をチェックし、ペニシリン系抗菌薬、降圧薬(ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)、アスピリンなどNSAIDs服用歴ないかチェックする
⑧Ca
拮抗薬、NSAIDs、甘草などは浮腫の原因となりえる。
車椅子や寝たきり状態では下肢筋肉のポンプ機能が低下し、不動性浮腫やchair edema、麻痺側の静脈はうっ滞しやすい。


PSAについて

PSAについて
4ng/ml未満は前立腺がんは否定的。
4-10gray zoneF/T比(遊離型/PSA)が0.15以上ならBPH前立腺炎の可能性が高い。
10以上は前立腺がんの可能性が高い。
50-64歳は3ng/ml以下、65-69歳は3.5ng/ml以下、70歳以上では4ng/ml以下が正常値。
・これらを超えてくるようであれば泌尿器科受診を。
・根治的前立腺全摘術後であれば測定以下になるはず(でなければ全摘ではない)。その後にに0.2ng/mlを超え、1ヵ月後にも連続して0.2以上であれば再発と考える。泌尿器科受診を。



IVH後に肝機能異常をきたした場合

IVH後に肝機能異常をきたした場合
アミノ酸負荷によるものが多い(BUN↑
・以下のように変更していき、肝機能をフォローしていく
フィジオ35 500ml(うち1本にはシーパラ1Aを混注)を3-5日間
フィジオ35 500ml50%ブドウ糖20ml5A13回(うち1本にはシーパラ1Aを混注)を3-5日間
ビーフリード500ml50%ブドウ糖20ml5A11回、フィジオ35 500ml50%ブドウ糖20ml5A12回を3-5日間
ビーフリード500ml50%ブドウ糖20ml5A12回、フィジオ35 500ml50%ブドウ糖20ml5A11回を3-5日間
エルネオパ11000ml、フィジオ35 500ml50%ブドウ糖20ml5A11回を3-5日間
エルネオパ11500ml3-5日間
エルネオパ21500mlに変更


CEA軽度上昇について

CEA軽度上昇について
・健診にてCEAが軽度上昇で精査依頼されることがある。
・健診日と受診日が開いている場合は採血して再検する。
CEA10ng/ml以下でも検査希望ならGFCF、胸腹部CT甲状腺機能をチェックする。異常なく、さらなる検査希望であれば乳腺、婦人科を紹介する。
CEA10ng/ml以上ならGFCF、胸腹部CT施行し、毎月のCEAフォロー。
・自費診療も厭わないならPETをしてみるのがいいだろう。
cf)
ちなみに、自費ではGF9000円、CF25000円、腹部US6000円、腹部CT9000円位。
・喫煙、下痢、糖尿病、加齢、気管支炎、慢性膵炎、慢性肝炎、肺結核クローン病胃潰瘍、萎縮性胃炎、肺線維症、腎不全、子宮内膜症でも偽陽性になる。
・正常人の0.3%10ng/mlを越える。潰瘍性大腸炎4.0%、肺疾患5.0%、肝硬変7.0%、腎疾患10.0%のほか直腸ポリープや肝炎で2%以下で10ng/mlを超えることがある。
・悪性疾患では大腸癌54.7%>肺癌24.5%>胃癌21.6%>乳癌16.2%>卵巣癌12.2%10ng/ml以上となる。
・喫煙者は0.6%10ng/mlを越えるが、通常は10ng/ml以下で、5ng/mlを越えるのは6.9%である。


カテ熱(CRBSI)について

☆カテ熱(CRBSIcatheter related blood stream infection)について
カテーテル刺入部の排膿、発赤、圧痛あればすぐにカテ抜去(しかし、このような場合は稀)。septic shockの場合は感染源を疑うなら血培採取後、カテを入れ替えて広域の抗生剤(MEPM+VCMあたり)、shockの治療に入る。血行動態が安定しているなら抗生剤を開始しながら血培の結果を見て判断してもよい。通常はカテ抜去だけで熱が下がる。
カテが入っている人の熱で他に熱源がなさそうであればカテ抜去し、末梢点滴+抗生剤(S/A等)で様子見るのが基本。
sepsisを疑う場合、熱がないから血培をとらないのはナンセンス。低体温はより危険。
カテーテルが入っていて、熱源がはっきりしない場合はカテーテル感染を必ず疑うこと。
・カテ熱で刺入部に発赤がみられるのは3%程度。原因菌の8割はコアグラーゼ陰性ブドウ球菌という弱毒菌のため、局所に炎症を生じにくい(∴抜去だけで熱が下がる)。
・カテ熱で状態が悪く、カテ先培養と血液培養で同じ菌種(グラム陰性桿菌、MRSAカンジダsp.黄色ブドウ球菌、腸球菌、真菌、抗酸菌など)が同定された場合は、カテ抜去で末梢で様子見るのがベター。違う部位からカテ挿入してもいいが、ガイドワイヤーを使っての入れ替えは禁忌。
・カテ熱(カテーテル関連血流感染症CRBSI)の診断基準:
基準(1)1回もしくは複数回の血液培養から病原体が確認される。さらに 血液から培養された微生物は他の部位の感染に関係がない
基準(2):以下の症状や徴候が少なくとも1つある
発熱(>38℃熱型の特徴はspike fever)、悪寒戦慄、低血圧
徴候や症状そして陽性の臨床検査結果が他の部位の感染に関係がない
一般の皮膚汚染菌(類ジフテリア、バシラス属、Propionibacterium属、CNS、ビリダンス群溶連菌、ミクロコッカス属)が別々の機会に採取された2回以上の血液培養検体から培養される。
 
基準(3)微生物学的診断
カテーテル先端の培養(定量or定量)の検出菌=末梢静脈血からの検出菌
カテーテル採血培養が末梢静脈血培養よりも2時間以上早く陽性になる
カテーテル採血培養:末梢静脈血培養≧5:1
カテーテル挿入部中心静脈血の定量培養(一般細菌≧100CFU/ml,真菌≧25CFU/ml)
cf)
カテ熱の治療について
・血培2セット、カテ先培養を採取。
・まずは抜去する(大抵は抜去するとすぐに解熱する)。
・最大の原因菌は耐性ブドウ球菌で、βラクタムは耐性あるため、第1選択はバンコマイシン1g12時間おき。血液培養の結果を見てde-escalationする。
・超重症患者の場合はバンコマイシン(VCM)、メロペン(MEPM)、ミカファンギン(MCFG)を併用する。
cf)
療養病院でのカテ熱
・療養病院でのカテ熱のほとんどは風呂熱である(入浴時にCVの保護テープ内にお湯が入り込む)CVのナート部位のアイテル()は非感染性で針反応と思われるものもある。
・フルカリック2号でカテ熱疑いの場合はエルネオパNF1号に変えると発熱が収まる場合がある。
・ポート感染疑うときは、すぐ抜去するのではなく、ポートはヘパロックし末梢点滴と抗生剤に変更してみる(ヘパロックは週1で交換する)
cf)CV
カテーテル閉塞時の交換について
・皮膚をカテーテルごとイソジン消毒し、覆い布をかける。
・ハサミでカテーテルの途中を切って、清潔操作でガイドワイヤーを挿入し、固定の糸を抜糸してからカテーテルを抜去する。
・その後はCV留置と同様の操作を行う。
参考1
5大医療感染症HAP/VAP(ハップバップ)、CAUTI(カウチ)、CRBSISSICDICRBSICVCが原因の血流感染。診断には血液培養陽性が必須。カテ先培養は定量でなければ意味がない。他のfocusから菌血症を起こし、CVCに菌が付着によるものもある。カテーテル逆血培養1セット、末梢静脈から1セット採取し、カテーテル逆血培養の方が菌量の方が3倍以上多いか、カテーテル逆血培養の方が2時間以上早く陽性になればCRBSIと診断できる(菌量の比較は通常の検査室ではできないため)。診断にCVC抜去は必須ではない。末梢静脈カテーテルによるCRBSIも侮れない。菌はBIOFILMを形成して人工物に付着する。抗菌薬はBIOFILMの表面に効果あるだけでBIOFILM内部の菌には届かない。原因菌は表皮ブドウ球菌黄色ブドウ球菌MRSA)、GNRの中でも特にSPACE(セラチア、緑膿菌アシネトバクター、シトロバクター、エンテロバクター)。SPACEは急変する可能性が高い。予防はマキシマルバリアプリコーションが大切。
参考2
CVC抜去せず高張液を浸透圧比1の等張液に変更(ソリタT3やソルデム1)するだけでも解熱することが多い。逆に高張液(ビーフリードやフィジオゾール3号)ではバイオフィルム内に浸透し細菌増殖の原因となる。
CVC抜去しても解熱しない場合は人工弁などが無くても血管内の粥腫などにに感染がついているのかも。
CVC穿刺困難な場合はCVCをガイドワイヤーを使って入れ替えるのも方法だが邪道。
カテ感染疑いで血培でカンジダ1セットで陽性になった場合
酵母様真菌とあれば多くはカンジダ
βDグルカン陰性でも真菌感染は否定できない。
・カテ感染疑い+状態不良の場合、カンジダ、黄ブ菌、腸球菌は2セット中1セットでも陽性なら本物でコンタミではないと考えて治療開始する。
・血培からカンジダが採取された場合、通常ならコンタミであるが、カテが入っていて抜去しても熱が下がらない場合や、通常の抗生剤で効果がないときは抗真菌薬を投与する。
・逆に、IVH中でもなく、ケモ中でも免疫不全でもない場合は深在性真菌感染症の可能性はほぼない。
カンジダ血症のリスク:免疫不全、手術後、ICUCVC留置中、広域抗生剤使用、APACHEスコア高値、急性腎不全、未熟新生児、外傷、熱傷、埋め込み式人口装置、H2ブロッカー使用、カンジダ定着状態
・カテ感染の4大起炎菌:ブ菌、大腸菌緑膿菌カンジダ
カンジダ感染症IE、化膿性血栓性静脈炎、骨髄炎、髄膜炎の他に網膜炎も忘れずに
カンジダ感染では眼底鏡を必ずチェックする
C.albicansはフルコナゾール(FLCZ)が有効だが、C.glabraC.kruseiはフルコナゾール無効なことがあり、ミカファンギン(MCFG)、アンホテリシンB(AMPH-B)を使う。クロモアガー培地で3つが判別できる。
cf)
抗真菌薬について
・ファンギゾン(アンホテリシンBAMPH-B)は25-50mg(0.5-1V)5%ブドウ糖250-500mlに溶解して3-6時間以上かけて投与する必要がある(5ブドウ糖0.1mg/mlとする)。
・ファンギゾン自体に発熱の副作用があることに注意する。
・ただし、ファンギゾンは腎障害など副作用も強いので、ジフルカン(フルコナゾール:FLCZ/アゾール系)50-100mg(どちらも50mlの静注液)+生食100ml11回投与が無難。1日最大量は400mgまで。CCr50以上は通常用量、50未満は半量(HD時はHD終了後に通常用量)。
・ジフルカンはC.albicansには効くが、C.glabrata,C.kuruseiには無効。クリプトコッカスには効くがアスペルギルスには無効。
12回だがフロリードF注(ミコナゾール:MCZ/アゾール系)200mg+生食100ml12回(ファンギゾンより副作用少ない)もファンギゾンより副作用少ない。併用禁忌はワルファリン、ピモジド、キニジントリアゾラム、シンバスタチン、アゼルニジピン、ニソルジピン、ブロナンセリン、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、リバーロキサバン、アスナプレビル。
・アゾール系が無効な場合はキャンディン系のファンガード(ミカファンギン:MCFG)を使う。


ワクチンについて

<総論>
ワクチンの種類
生ワク:ムンプス、風疹、麻疹、ポリオ、結核、水痘(生きるのは無風の進歩の結果です)。他は不活化かトキソイド。
接種方法
・筋注:HPV、経口:ロタ、皮内注:BCG、他は皮下注
・原則は不活化、トキソイドは局所反応が起こしやすいため深い場所に接種する必要があり、免疫反応が起こりにくいため血流の多い筋肉に接種するべきだが、筋注を指定しているのは現状はHPVワクチンのみ。従って、不活化、トキソイドは皮下深くに接種する。生ワクは局所反応が起きにくいため皮下注でよい。
・皮下注:上腕伸側の皮膚をつまんで30度の角度で針は16mm。筋注:肩の三角筋に垂直に針は25mm
cf)
橈骨神経は上腕伸側の中1/3において背側から腹側に斜めに下降するので、この部位での接種は橈骨神経の損傷を起こす危険性がある。従って接種部位は上腕伸側の上1/3または下1/3が適切である。
接種間隔
・不→不、不→生は1週間、生→不、生→生は4週間あける。
・同時接種は左右の上肢に1回ずつ別々に接種する。同側なら3-5cmあける。製剤同士は絶対に混ぜないこと。
・同日接種(朝に検診で接種し、その後来院し他のワクチンを接種)は自治体によっては2回目の保険が通らないこともあり。
副反応
軽微なもの:局所反応:疼痛、腫脹、発赤、硬結、全身反応:発熱、倦怠感、頭痛→数%にみられ、自然軽快する
cf)
インフルエンザワクチンによる発熱は当日~翌日、37度台~39度台まで様々。インフルエンザワクチン後に発熱することがあるが、抗体産生まで1週間くらいかかるので、ワクチンによる発熱かインフルエンザ感染による発熱かわからない。
生ワクによる原疾患類似の症状:麻疹、風疹ワクチンで発熱、全身の発疹→23日で軽快し、本来の麻疹、風疹ではないので伝染はしない
重篤なもの:アナフィラキシーショック(数千~数万分の1、接種後30分以内)、ADEM(急性散在性脳脊髄炎、数万~数十万分の1)、血小板減少性紫斑病
接種禁忌
重篤な急性疾患
当該ワクチンに対してアナフィラキシーショックの既往ある場合
免疫抑制状態:先天性免疫不全、ステロイド免疫抑制剤抗癌剤使用中
半年以内の輸血、γグロブリン製剤の使用歴(生ワクのみ禁忌、免疫応答が起こらない)
妊娠中の生ワク(特にMRワクチン)
卵アレルギーでの黄熱ワクチン(インフルエンザワクチンは重篤なアレルギーでなければ接種可)
エリスロマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシンアレルギーに対する麻疹、風疹、MR、ムンプス、水痘ワクチン
37.5℃以上の感冒や軽微な感染性腸炎は数日は接種見合わせ、麻疹後は4週間、風疹、水痘、ムンプス後は2-4週間、伝染性紅斑後は1-2週あけて接種するが医師の判断で接種も可能
・定期接種の重篤な副反応は予防接種法で補償、任意接種はPMDA医薬品医療機器総合機構)にて保障される
cf)
ワクチンの目標抗体価
麻疹EIA IgG 8-10倍以上、SRL 5-8倍以上
風疹HI IgG 16倍以上
水痘EIA IgG6-8倍以上
ムンプスEIA IgG 6-8倍以上
(医療従事者の場合は異なることがあるので要注意)
<各論>
☆B
型肝炎(任意)
・周産期感染(垂直感染)は95%がキャリア化→母子感染予防事業で0.024%まで低下
・乳幼児、小児に周囲のキャリアからの唾液感染、成人以降はSTDとして水平感染することあり、定期接種化が望ましい
・水平感染では30%が急性肝炎(うち2%が劇症化し致死率は70%)、数%がキャリア化
・定期化されたHib、小児肺炎球菌ワクチンと同時に2か月以降に接種すべき
・本来は筋注が望ましいが、皮下深く接種する
☆Hib
、小児肺炎球菌(定期)
髄膜炎、敗血症、喉頭蓋炎を予防する
・小児肺炎球菌は2013年から13価に変更(それまで7価)
Occult bacteremia(高熱だが全身状態が良好で感染巣が不明な小児での菌血症)はHib/肺炎球菌ワクチン2回接種児ではリスクは1%未満、接種なければ10%あり
破傷風(定期:DPT
・土の中にいるClostridium tetaniから感染する
100/年発生、発症すると致死率は20-50%DPTワクチンは乳幼児期に4回接種し、11歳でDT1回接種するが、10年ごとにブースター接種が必要
・汚染された外傷では、
 DPT接種なしか不明なとき:テタノブリン筋注、その場で対側の三角筋Td1回接種、1M後に2回目、6-12M後に3回目 
 DPT接種ありで最終接種から5年以上ならその場でTd1回接種、5年未満なら予防必要なし
(定期化されたのは昭和43年以降なので昭和43年以前に生まれた人はDPT接種なし)
百日咳(定期:DPT
・新生児から乳幼児の致死率が高い
・ワクチンは生後3か月以降
・成人のアウトブレイクから感染するため周囲の人はワクチンで防御する必要あり
アメリカでは2011年のアウトブレイクを受けて、全成人と妊婦(不活化なので接種可)にDPTワクチンを接種を進めた
DPT0.5mlを成人に接種すると発熱、局所反応(自然軽快するが)が起こりやすいので0.2mlにし、0.2mlで十分に免疫力を得られる(Tdapは日本は未承認)
麻疹、風疹(定期:MR
・日本は麻疹輸出国、麻疹は年間300人、先天性風疹症候群は年間16人発症している
南北アメリカは麻疹、風疹を排除できている
1歳と就学前(56歳)の2回接種する
・生ワクなので妊婦には禁忌
cf)
ワクチン接種後に抗体価が上昇しない場合
・風疹ならEIA IgG8.0未満、ムンプスなら4.0未満であれば再接種。
2回目の接種でも抗体上昇を認めないなら接種製剤を変える(違う会社のものにする)と効果がある。
・風疹ワクチン接種後2ヶ月間は避妊が必要だが、風疹ワクチン接種後に妊娠が判明した場合でも、これまではワクチン接種による先天性風疹症候群の報告はない。
日本脳炎(定期)
・ブタからアカイエカを介して感染
・ほとんどは不顕性で発症するのは0.1-1%。しかし発症すると致死率は20-40%、神経学的後遺症は45-70%・ワクチンは6か月から接種可能だが、日本では推奨接種年齢が3歳となっている(しかし、現実は新生児、乳児期にも蚊に刺されるリスクあるので6か月で接種するのが望ましい)
・九州と四国地方での報告が多い
水痘(任意)
・空気感染する上、90%が顕性感染なのでアウトブレイクを非常に起こしやすい
・致死率は10万人あたり1-14歳で1人、15-19歳で2.7人、30-49歳で25
・多彩な合併症:二次性皮膚細菌感染、二次性細菌性肺炎、一過性小脳失調、髄膜炎2%未満で20週以下の妊婦で先天性水痘症候群、将来の帯状疱疹のリスク
・ワクチンは2回接種が望ましい(13歳未満は3か月間隔、13歳以上なら4週間空けて)
・通常は1歳で1回目、就学前(56歳)で2回目
・暴露後接種が有効なので、水ぼうそうの児に接触した場合はすぐに接種する(特に兄弟の一方が発症したらもう一方に必ず接種する)。72時間以内なら90%5日以内なら70%で発症を防げる。
ムンプス(流行性耳下腺炎)(任意)
・特に問題になるのは難聴で年間650人、不顕性によるものは年間2500人。片側だが、聴力予後は極めて悪い。
・水痘以上に多彩な合併症:髄膜炎脳炎、精巣炎、卵巣炎、乳腺炎、膵炎、流産、心筋炎、腎機能障害、小脳失調、ギランバレー症候群
2回接種が必要。1回目は1歳、2回目は就学前(56歳)。キャッチアップは4週間空けて行う。
☆HPV
ワクチン(定期)
・不活性化で初めて筋注指定
・子宮頸部上皮内腫瘍を95%減らしたが子宮頸癌を減らしたevidenceはない
4価ワクチンでは尖圭コンジローマも予防できる
・子宮頸癌関連の16価の血清型のうち2価もしくは4価のみの予防のため、20歳以降の子宮頸癌検診の受診が必要
20136以降は接種後の重篤な有害事象が複数報告があり定期接種のままだが、積極的な接種勧奨は差し控えられている
・ワクチンと有害事象の因果関係は不明
・感染経路はSTDのみ。sexually activeでなければすぐに接種が必要というわけではない。
成人肺炎球菌ワクチン(任意)
・成人用はPPSV(Pneumococcal Poly Saccharide Vaccine/13/ニューモバックス)、小児用はPCV(Pneumococcal Conjugate Vaccine/7/プレベナー)
PPSVはもともと小児用として開発されたが、成人でのみ抗体価を上げた。PCVPPSVの製剤に加工し免疫反応を起こしやすくしたもの。
PPSVが市中肺炎を減らしたというevidenceはない。IPD(肺炎球菌関連の髄膜炎や敗血症)を減らす。
・肺炎は予防しないが重症化を防ぐワクチンであると理解する。
老健施設でのHNCAPを減らしたevidenceはある。
・無脾の人はIPDのリスクが高いので必ず接種する。2歳以上であればPPSVの接種は保険適応あり。
2回目以降の接種は禁忌ではないが、局所反応や全身反応が強く出ることに注意する(以前は再接種は禁忌だった)。
・無脾の人で以前接種した人は5年以上経過したなら65歳以上で2回目接種する。
・インフルエンザ流行期には同時接種も可能だが、現実的にはインフルエンザワクチンの1週間後、必要あれば肺炎球菌ワクチンを接種。
・呼吸器学会のアルゴリズムでは65,70,75,80…歳(5の倍数)ならニューモバックスを定期で接種し、5年以上あけて再接種(任意)、中途半端な年齢ならプレベナーを接種し、次の5の倍数の年齢時にニューモバックスを定期(2回目以降のニューモバックスは任意)で接種する。


ペースメーカー植え込みや胃瘻患者の死後対応

☆ペースメーカー植え込みや胃瘻患者の死後対応
・皮膚切開し、ペースメーカー本体を取り出す。本体は皮下に糸で固定されていることが多いが、大胸筋の内側に固定されて皮膚の上からは触れないこともあるので注意する。リード線は引き抜かなくてよい。本体からハサミで切り離せばよい。
・摘出する前に家族にペースメーカーを摘出すること、皮下出血認める場合があることなどを説明する。摘出しない場合は火葬時に破裂することがあり、葬儀業者にペースメーカーがあることを伝えることを説明する。破裂するのは火葬開始後30分以内のことが多い。
・取り出した本体は感染廃棄物として処理する。
死後の胃瘻処置
・胃瘻チューブの根本をハサミで切って胃内に落とす。受針器と丸針で縫合し胃瘻孔をふさぐ。ピンク針ではやりにくいので丸針と受針器を使うとよい。


医療区分について

☆医療区分について
・医療区分によって入院基本料(マルメ料)が変わる。ただし、療養病棟でも人工呼吸器は出来高算定。
PEGEDtubeで経腸栄養しているだけなら区分1
CVあれば区分3
・モニター(医師及び看護職員により常時監視および管理している状態)あれば、モニタ装着していた日数だけ区分3。ただし、吸痰や酸素投与が必要。モニター単独なら区分2
・末梢点滴だけでも、11000ml以上していれば実施した日付のみ区分3(ただし1か月に7日まで)。
・「24時間点滴加療が必要」は末梢点滴を指していて1週間しかできない。IVHの場合は「中心静脈点滴を行っている」だけでよい(2つ同時にはできない)。
18回以上の吸痰あれば区分2(吸痰回数はバイタル表に記載あるはず)。
・気切しているだけなら区分2、発熱伴えば区分3
・画像、採血にて肺炎診断した上で治療しているなら区分2(治療期間のみ)。
・尿検査を実施し細菌尿もしくは尿中WBC10個以上で尿路感染で治療しているなら区分2(治療期間のみ)。
・酸素投与は3L以上なら区分32L以下なら区分2。ただし、1か月全て区分3の酸素療法では査定されることが多い。
パーキンソン病あれば区分2、もやもや病や脊髄小脳変性症など特定疾患あれば区分2
・褥瘡治療している場合は区分2(治療期間のみ)。仙骨部褥瘡など病名に部位の記載が必要。
・週3回、13回以上血糖測定していれば血糖測定した日付のみ区分211回だけなら毎日でも算定されない)。
・区分13が混ざっているときは平均をとって、一番多い区分に合わせる


感染対策(インフルエンザ、ノロMRSAなど)

<感染対策(インフルエンザ、ノロMRSAなど)>
インフルエンザ対策
・潜伏期は2日間で、感染性のある期間は発症12日前から発症後57日の間。潜伏期間から感染力がある。
・迅速検査の感度50-70%、特異度90%なので、検査陰性でも絶対とは言えない。インフルエンザ疑いなら陰性でも感染対策をする。
・インフルエンザ流行期の対策
1)
外来では、①呼吸器症状ありならマスク着用、②手洗い励行、③インフルエンザが疑われる場合は待合室を分けるか、診察の順番を工夫する、④感染者用の診察室を用意する、⑤風邪症状がある場合は面会を控えるように指導する
2)
入院患者では、①インフルエンザ疑いの段階で個室対応(難しい場合はカーテン隔離)⇒翌朝に発熱続けば迅速検査の指示を出す、②患者が外に出るときはマスク着用、手指衛生を徹底してもらう、③入室時はマスク着用、手指衛生を確実にする。
3)
発症した患者では、①飛沫感染対策を発症後7日以上経過したら解除(あるいは発症後5日かつ解熱後2日、ただしこれは学校保健法で世界的には症状出現から5-7日間)
4)
暴露した患者では、①発症者とは別の個室で管理(原則5日間→潜伏期間が長くて5日間なので)、個室管理が難しい場合は、ワクチンを接種していなければタミフルの予防投与を行う(病院負担)。
5)
職員では、就業制限は原則として発症の日から最低5日間(発症後5日間かつ解熱後2日)→本当は7日間だが、現実的には5日間となる
注意)療養病床でインフルエンザ流行時に個室管理が推奨される場合
・咳やくしゃみの頻度が高い患者
・酸素投与中の患者
・人工呼吸管理下にある患者 

ノロウィルス感染対策
アウトブレイクしやすい理由は、①感染力が強い(100個以下の少ない量でも感染が成立)、②アルコール無効
・ウィルス性胃腸炎(冬季下痢症)はノロウィルスだけではない。アデノウィルスやロタウィルスもあり、感染力は高い。
・診断はPCRがベストだが、迅速検査は感度50%、特異度85%(→陰性でも否定はできない、陽性者のみに対策していると蔓延しやすい)。検査会社の感度、特異度はあてにならない。臨床研究での感度、特異度とは違う。
・潜伏は1-2日間、下痢の症状が消失してから7日間、免疫不全者の場合は2週間はウィルスが排出される
・職員が冬季下痢症になった場合は症状消失まで就業禁止とする(症状消失後7日間は排出があるため拡散防止に努めること)。
12-3月に急激に生じた嘔気嘔吐、腹痛、水様性下痢の3つのうち2つを満たせばノロウィルスに準じた対策をする。
・吐物、糞便の処理方法(ノロウィルスに限定しない)
1)
手袋、エプロン、マスクを着用
2)
吐物の周囲2mくらいを汚染範囲と考えて処理する
3)
吐物の周囲2mくらいを使い捨てのペーパータオルで外側から内側に向けて静かにふき取る。ふき取ったペーパータオルはビニール袋に入れて感染性廃棄容器に廃棄する。
4)
ふきとった場所を1000ppm次亜塩素酸ナトリウム溶液をしみ込ませたペーパータオルでふき取る(次亜塩素酸Naは金属腐食性があるので後で水拭きをしておく)
5)
新しい次亜塩素酸Naをしみ込ませたペーパータオルで靴やスリッパをふき取る
6)
汚染範囲の清掃を清掃担当者に依頼する。

MRSA
を始めとする多剤耐性菌の理想の感染対策
・具体的な感染対策
1)
アルコールによる手指消毒を徹底する。
2)
感染と保菌は区別せずに個室管理し、入室者はエプロン、手袋、マスク(当然、部屋から出るときはマスクも含め廃棄する)着用。
3)
保菌者の手や服にも付着しているが、周りの机など環境表面にも付着している。患者に接しなくても環境表面から付着するため、大部屋の別の患者を診察する時にも逐一アルコール消毒をする。
4)MRSA
に効果のある薬剤を終了して48時間以上、もともとMRSAが出た部位および鼻腔のそれぞれが3回連続で培養陰性になれば隔離解除。
5)5
分に1回は無意識に顔を触っているので、マスクで伝播を防ぐ目的もあるため、MRSAは空気感染や飛沫感染はしないが、マスクは必要。MRSA保菌者の診察をした69%の確率で汚染される。白衣は毎日洗濯する。
・バクトロバン鼻腔用軟膏2%の塗布方法
用法・用量:通常、適量を13回鼻腔内に塗布する。
1)
綿棒の先にチューブからあずき粒程度の薬剤をとる。
2)
まず、片側の鼻腔内に塗布し、次にもう片方の鼻腔内にも同じ量を塗布する。
3)
薬剤を均一に伸ばすため、塗布後、両側の鼻翼の上からよくマッサージする。
注意)MRSA除菌の必要性
・現実的には療養病棟での看取り患者のMRSA除菌はしない。
・急性期ではMRSAの除菌をせずに、患者が死亡した場合敗訴する可能性がある。
「市民病院に入院した患者がMRSA敗血症を発生し、転院先の大学病院で死亡。市民病院の担当医らのMRSA感染予防を怠った過失、当該過失と死亡との因果関係を認めた高裁判決」 福岡高等裁判所平成18914日判決 判例タイムズ1285234

多剤耐性緑膿菌MDRP)感染対策
・定義はIMP,AMK,CPFX3剤耐性
・対策は保菌、感染問わずに全例個室で接触感染予防策。
・準MDRP3剤中2剤に耐性ある場合)も全例個室にするべき。
G陰性桿菌(緑膿菌アシネトバクター、セラチア、大腸菌)は毒性が強く、エンドトキシン産生により重症化しやすい。耐性化すると抗菌薬が効かず危険。ERDPESBLも含め、多剤耐性グラム陰性桿菌をIMP,CPFX,AMK,CAZ(セフタチジム)のうち2剤耐性(R,I)のものと定義し、個室管理すべき。
・多剤耐性菌が出た時のカルテ記載:ご提出いただきました〇〇検体より院内規定による多剤耐性グラム陰性桿菌が検出されております。接触感染対策の開始をお願いします。
・具体的な感染対策:
1)
患者診察、処置前後でのアルコールでの手指衛生の徹底
2)
患者さんの使用する器具の固定(聴診器など)
3)
患者さんの手指衛生の徹底を指導
4)
個室にできるなら、個室管理とし、エプロン+手袋+マスク着用。

cf)
多剤耐性菌について
・多剤耐性菌の種類
MRSA
多剤耐性緑膿菌MDRP
多剤耐性アシネトバクターMDRA
ESBL
産生グラム陰性桿菌
カルバペネム耐性腸内細菌(CRE
・日本に限らず訴訟、賠償のNO1MRSA!→血液培養2セットは必ずとること
感染症法で全数報告(国、県)が必要な耐性菌
1)VRE
バンコマイシン耐性腸球菌)
2)VRSA
バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)→日本では1例もない、Laboエラーのことも多い
3)CRE
(カルバペネム耐性腸内細菌)
4)MDRA
(薬剤耐性アシネトバクター)*
5)MDRP
多剤耐性緑膿菌)やMRSAは報告義務なし
・多剤耐性の定義:
IPM,AMK,CPFX
全てにRであれば多剤耐性とする
IPM
MIC>16
AMK
MIC>32
CPFX
MIC>4


梅毒検査について

☆梅毒検査について
STS×,TPHA×:未感染
STS○,TPHA×:感染初期もしくはBFP(生物学的偽陽性:妊婦、SLE、ワクチン接種後、肝疾患)
STS○,TPHA○:梅毒(治療開始)
STS×,TPHA○:既感染(ただしProzone Phenomenonの可能性もあるためSTS定量にてcheckすること。特にTPHA10倍以上の高値の場合)
cf)RPR
TPHAについて
・梅毒検査にはSTS(VDRL,RPR)TP抗原(EIA,TPHA,TPPA,FTA-ABS)2つがある。
RPR(STS,TP):梅毒感染で生じるカルジオリピン-レシチンへの抗体を見ており、梅毒感染から3-6週間後に陽性化する。治癒すると低下する。慢性炎症(Tb、肝炎、RASLE)、高齢者、ウィルス感染(ヘルペスHIV)、マラリア、予防接種、妊娠でも陽性になる(BFP)。
TPHA:梅毒に特異的な抗原を見ており、梅毒感染から6週間後に陽性化する。治癒しても陽性が持続する。
cf)BFP(
生物学的偽陽性)の原因:抗リン脂質抗体症候群、急性ウイルス感染症(EBV, 肝炎, 麻疹など)マイコプラズマ感染症クラミジア感染症、予防接種、妊娠など、他にはHIV、悪性腫瘍、頭位分娩、じんま疹、皮膚炎、脳梗塞SLE
cf)
高齢者の梅毒検査について(RPR+TPHA+の場合)
・高齢者なら多くの場合は活動性がないため治療は不要。
・原則はSTS(RPR,TP)定量16倍以上であれば無症状でも治療することが望ましい。第3期以上ではサワシリンカプセル250mg6錠分3もしくはミノマイシン100mg2錠分28-12週間投与し、投与終了後半年後にSTS(RPR)定量を測定し8倍以下なら治療成功。8倍以上なら治療失敗。
注)RPR+,TPHA+の場合でも現感染とは限らない
RPR+,TPHA+でもRPR<8,TPHA<280の場合は治癒後の梅毒の可能性が高い(やんちゃな夫から妻がもらった場合が多い)。FTA-ABS IgMで確認してもよい。
cf)
梅毒患者の針刺しの感染予防
ペニシリンG、アンピシリンの常用量を2週間内服する。


免疫抑制、化学療法開始時のHBV再活性化リスク評価について

☆免疫抑制、化学療法開始時のHBV再活性化リスク評価について
・免疫抑制、化学療法を開始する前に、まずHBs抗原を測定しHBVキャリアかどうかを確認する。
HBs抗原陽性のHBVキャリアは、HBV再活性化の高リスクなため、肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤を投与。
HBs抗原陰性例は、HBs抗体およびHBc抗体を測定して、陽性であれば既往感染者と判定する。
HBV既往感染例でも免疫抑制、化学療法を行うとHBVが再活性化するリスクがある。
HBc抗体、HBs抗体のうちどちらか一方しか測定ができない場合は、HBc抗体をまず測定する。ただし、HBc抗体陰性例でも再活性化が報告されている。ワクチン接種歴が明らかである場合を除きガイドラインに従う。
HBV既往感染者と判定した場合はHBV DNA量を測定し、原疾患治療を開始する前に、一度肝臓専門医にコンサルトする。
HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体が陰性であれば、HBVキャリアでも既往感染者でもないため、通常の原疾患治療を行う。
・副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬、免疫抑制作用や免疫修飾作用を有する分子標的薬を用いた免疫抑制療法では、治療開始後少なくとも6ヵ月間は、月1回のHBV DNA量のモニタリングが推奨される。
・免疫抑制・化学療法中にHBV DNA量が2.1 log copies/mL(20 IU/mL)以上に増加した場合、直ちに肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤(エンテカビル)を投与する。
・通常、ALT/AST値などの肝機能障害の指標は、HBVの増殖から数ヵ月遅れて上昇する。
核酸アナログ製剤の効果発現には1ヵ月程度かかる。
ALT/AST値が正常値を超えて上昇してからでは、HBV DNA量が著しく増加し、核酸アナログ製剤の効果発現がHBVの増殖に追いつかないリスクがあるため、HBV DNA2.1 log copies/mL(20 IU/mL)以上になった時点で肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤の投与を開始する。
・その際、免疫抑制・化学療法を中止すると、原疾患の病態が増悪する可能性があるため、中止せずに肝臓専門医と相談する。


悪性症候群について

悪性症候群について
・急激なドパミン遮断による。Lドーパの急な中止や、抗精神病薬の使用が原因。
・高熱と高CPK血症があるのみで、筋強剛など錐体外路症状や自律神経症状が乏しい場合は一般的な悪性症候群NMS)の診断基準は満たさない(特徴は手足がガクガクガチガチになり、スッと伸びなくなる。ただし症状がはっきりしない不全型も結構ある。早めにダントリウム入れてもいいかもしれない)。
・じほう社の経管投与ハンドブックではマドパは粉砕可、簡易懸濁可。簡易懸濁では、55℃5分では溶けず、10分を要する。マドパはNGtubeなどから継続するのが無難。
・マドパー3錠なら、急にoffにしても問題ないことが多いが、3日づつ漸減するのが無難。
悪性症候群を起こすのはマドパー600mg900mg等、比較的投与量が多い時に見られる。それを突然に中止し、脱水などが加わると起こしやすい。
CPKは軽く500010000を越えることが多い。ダントリウムで回復しても、同じ抗精神病薬を使うと再発する。
ダントリウムによる筋弛緩作用のために、呼吸不全に注意する必要がある。悪性症候群は基本的に抗精神病薬の中止と補液で対応できることも多い。


S型アミラーゼ上昇時の鑑別

S型アミラーゼ上昇時の鑑別
・シェーグレン症候群、ミクリッツ、唾石、ウイルス性唾液腺炎、唾液腺腫瘍、アル中など。耳鼻科受診し鑑別を。
・肺癌や大腸癌、卵巣癌も鑑別に挙がるので、胸部と腹部のスクリーニングをすること。
・胸部CT大腸内視鏡、骨盤MRIが理想だが、現実はまず胸部X線、便潜血、腹部and/or経膣エコー。
・市販のサプリメントや精神的ストレス、歯ぎしり、やせ、でも上昇するらしい。
・マクロアミラーゼ血症も鑑別に入る。


胃癌のABC検診

☆胃癌のABC検診
H.ピロリ抗体価(HP)ペプシノーゲン法(PG)により採血だけで胃癌リスクをスクリーニングする。
A群:HP-/PG-B群:HP+/PG-C群:HP+/PG+D群:HP-/PG+D群はピロリ菌が生存できないほど萎縮性胃炎が進行)
・胃癌発生率:A群:年率0%B群:年率0.1%C群:年率0.2%D群:年率1.25%・ピロリ除菌療法、上部内視鏡B群以上で必要(D群での除菌は内視鏡所見、UBT、便中抗原から判断)。
ペプシノーゲンIPG-I)は胃底腺から分泌、PG-IIは胃全体から分泌される。胃炎ではPG-IPG-IIともに血中に逸脱するが、ピロリ感染では胃底腺が減少するのでPG-I/PG-IIは低下する。除菌してもすぐにPG-I/PG-IIは上昇しないことに注意。
PG-I/PG-II3以下で陽性(1+)とする。PG-I 50ng/ml以下かつPG-I/PG-II 3以下を(2+)PG-I 30ng/ml以下かつPG-I/PG-II 2以下を(3+)の判定とする。
Hピロリ抗体価10U/ml以上を陽性とするが、3U/ml以上10U/ml未満は陰性高値でUBTや便中抗原を検査し陽性であれば現感染とする。
HP抗体価が陰性(陰性高値でない)でも萎縮性胃炎が進んでいる可能性(D群)もあるが、その確率は0.1%程度と見られている。∴HP抗体価は99.9%は正しい。
・しかし、Hピロリ抗体価が3以下でも胃癌リスクなしとは判定できず、結局GFが必要になる。


ALP高値について

ALP高値について
γGTP上昇なければ骨疾患か、生理的。→整形外科コンサルト
γGTP上昇あり、T-BiL上昇あれば総胆管胆石など考慮。→腹部エコー
γGTP上昇あるが、T-BiL上昇なければミクロな胆汁うっ滞の可能性ありAMAM2測定し、上昇あればPBC疑い。→肝臓内科コンサルト
γGTP上昇あるが、T-BiL上昇なし、AMA陰性、M2陰性であれば薬剤を疑う。→薬剤チェック


CD関連腸炎での隔離の方法と隔離解除について

CD関連腸炎での隔離の方法と隔離解除について
VCM投与終了後に下痢が続くこともあるが、①腸管粘膜障害が改善していない、②腸管内の常在菌の乱れが回復していない、③低蛋白血症による腸管の水分の吸収不全、④蠕動機能が回復していない等によることもある。
CDMIC0.5-2μg/mlであり、VCMの腸管内濃度は4000μg/mlなため耐性化は考慮する必要ない。
VCMを投与してもCDが残ることがあるが、症状が消失した段階で接触感染対策を解除する(CDは健常人の5-25%から検出される)。
・下痢症状が消失していればCDトキシンの再検はせずに隔離解除してよい。
・病棟によっては、CDトキシン陰性を2日連続で確認してから隔離解除とする場合もある。
CD感染症を発症し回復した症例については隔離解除後も標準予防策(一般的な手洗い、防護用具着用)を行う。
☆CD
感染性下痢を疑うとき
CDトキシンの結果が出るまで時間差があるので、CDを疑う場合はあらかじめカーテン隔離、専用の聴診器などは結果が出る前にしておいたほうが良い。


療養病院での肺炎、心不全管理

☆療養病院での肺炎管理
・肺炎ばかりを見るのではなく、心不全などほかの併存疾患を注意深く観察する。
・「下腿浮腫や頸静脈怒張が出てきた」「尿量が減ってきた」などは心不全の徴候。
・肺炎が改善してきているにもかかわらず心不全が増悪していくこともある。
・「肺炎が治っていない」ではなく「心不全が増悪した」という可能性も頭に置いておくこと。
・抗菌薬投与が30日、90日、1年後の予後を必ずしも改善しない。
・寝たきり、サルコペニア、低Alb血症などの因子の影響が大きい。
NHCAPでは広域抗生剤使用が狭域よりも予後を悪化させる。
療養病院での心不全管理
・溢水だと血圧が上昇し、脱水だと血圧が下がってくる(∴血圧低下では利尿薬は用いない)。
・脱水でも頻脈になるし、心不全でも頻脈になる。
・尿量減少時の対応:明らかな心不全ある場合は利尿剤→明らかな浮腫がある場合も利尿剤→浮腫がない場合はとりあえず補液負荷を2-3日かけてみる→それでも尿量が増えない場合はCXRで両側(片測ではだめ)のうっ血像がないか確認したり、腎機能や電解質をチェックする→結果、心不全や腎不全であれば利尿剤


療養病院でのIVH管理まとめ

☆療養病院でのIVH管理まとめ
注意)異常があるからといって、すぐに抗生剤を開始したり、利尿剤を開始したりしないこと。
アミノトリパ1850ml+ビタジェクト1A+ソルデム3A200mlから開始(もしくはネルネオパNF11000ml)⇒安定していればフルカリック21000ml+メドレニック1Aに変更
cf)
基本は1000mlだが、男性や大柄女性にはソルデム3A200ml500mlを追加し1200-1500mlにしておく。
cf)
ターミナルでない場合は最低1000mlは入れておくこと。ターミナルとは低栄養が進行し浮腫と尿量減少(濃尿)が来た状態を指す。
cf)TPN
開始後、3日間は11回のBS測定を行うこと。知らずに高血糖から脱水になっている場合あり。
cf)
利尿剤の内服を中止した場合は点滴量を減らすこと。
熱があるならスルペラゾン(SBT/CPZ、後発:セフロニック、セフォン、ワイスタール全て同じ)1g+N/S100ml12回を5日間投与。改善あればさらに5日間追加し中止。改善なければMEPM0.5g+N/S100mlに変更し5日間投与する。それでも改善なければカテ抜去する。
cf)
フルカリック2号でカテ熱疑いの場合はエルネオパNF1号に変えると発熱が収まる場合がある。
cf)
終末期では肺炎と心不全は高率に合併し線引きが難しい。
頻脈が続くならワソラン1A+N/S100ml投与。改善なければジゴシン0.5A+N/S100ml連日投与から開始。
cf)
経管栄養時の頻脈発作の場合、ハーフジゴキシン1T(0.125mg)+プラビックス(クロピドグレル)75mg内服で改善することがある。
浮腫、SpO2低下、レントゲンでのうっ血像(butterfly shadowもしくは両側上肺野のうっ血像もしくは片側/両側胸水)の3つが全て揃えば(どれかだけではダメ)バルーン留置しラシックス1A+N/S100ml開始。改善あればラシックス中止(脱水になってしまうので漫然と継続しないこと)。
cf)
浮腫のみで利尿剤は開始しないこと。浮腫+SpO2低下であれば利尿剤を開始してもよい。
cf)
心不全による頻脈では利尿剤ではなく、ワソランやジゴシンを投与すること。
cf)③
、④の両方が認められるならラシックス1A+ジゴシン0.5A+N/S100mlから開始する。
cf)
メインを減らす場合はアミノトリパ1号をビーフリード500mlに変更するが、まずはラシックス投与のみで様子をみていく(メインを減らすのと利尿剤開始を同時にしない)。
尿量減少(濃尿)は皮膚乾燥やturgor低下あれば点滴(ソルデム3A500ml)を5日間追加し尿量を見ていく。高Na血症の場合は5TZ500ml1週間追加し改善あれば中止。
尿量減少(濃尿)でも浮腫や皮膚湿潤ある場合は低Albが原因の膠質浸透圧低下による血管内脱水なので点滴を絞っていく(アミノトリパ1850ml)。急性期病棟なら本来はアルブミン点滴+ラシックス持続投与+トロッカーのケース。
cf)
心不全や腎不全による尿量減少は原則は希釈尿である!
褥瘡あればメドレニック1Aを追加する。改善ないときはイントラリポス100ml+フラッシュ用生食)を週1回投与する。
茶色嘔吐あれば内服中止し、NGtube(マーゲンチューブ)を留置し開放、
ガスター1Aもしくはオメプラゾール1A+N/S100ml10日間投与し改善あれば中止。
点滴が思わぬスピードで入ってしまった時
拘縮が強いとCVカテが折れ曲がり点滴スピードの調節が難しくなる。姿勢や体位の変化で短時間で点滴が入ってしまう時がある(看護師の怠慢ではないので注意!)。血糖測定を指示し、3号液500mlを次の点滴更新までつなぐように指示すると良い。  


終末期で高Na血症なのに浮腫や胸水が生じる理由

☆終末期で高Na血症なのに浮腫や胸水が生じる理由
・経鼻栄養、胃ろう栄養では2年弱、高カロリー点滴は8ヶ月の生命予後。
・長期間の高カロリー点滴の結果、心不全になっていく。
・低栄養による低Alb状態が進行し膠質浸透圧を維持できずに漏出性胸水や肺水腫、浮腫を生じ、血管内は脱水となる(∴高Na血症=脱水-"血管内脱水"-なのに浮腫や胸水が生じる)。従って、胸水貯留を認めたら点滴量を絞っていく。血管内脱水では通常の脱水と同様に尿は少なく濃くなってくる。
・尿量を維持(臓器還流を維持)する目的で点滴量を増加させていけば胸水貯留が増悪し酸素化が不良になってくる。
・終末期の心不全と肺炎は効率に合併し、どちらも致命的なので明瞭に区別するのは難しい。
・肺水腫がある間は肺炎も完治するのが困難になる。
・したがって、やや脱水にしてでも補液調整していくのがよい。


胸水貯留を認めたら、輸液を絞るのは、正しい判断だと思うが、えてして熱発していることも多い。看護婦さんからすると熱発患者で輸液量を絞るのは合点がいかないようで、反論されることも多い。浮腫や胸水があるから、水分は足りているのに。看護婦が強く、輸液を絞れず、胸水貯留増悪が多い。偶然体温が正常になった時がチャンス。


終末期で痰詰まりによる死亡の場合の死亡診断書やICについて

☆終末期で痰詰まりによる死亡の場合の死亡診断書やICについて
・重症の原疾患(老衰、蘇生後低酸素脳症慢性閉塞性肺疾患、脳血管障害後遺症など)のために日常的に痰が多い状態で、呼吸筋疲労や嚥下反射の低下のため自己喀出がうまくできず痰が詰まったということをICする。
・突然の呼吸停止の原因が喀痰による閉塞とは限らない。脳機能の廃絶としての呼吸停止もある。
・直接の死因としては、肺炎もしくは呼吸不全(約1日)、慢性気管支炎(吸痰回数が18回以上になっていた期間)、その原因に原疾患(老衰、低酸素脳症慢性閉塞性肺疾患、脳血管障害後遺症など)を記載する。罹病期間は同疾患の診断時、老衰であれば廃用(食事が取れなくなった時期)となった時期からの期間を記載する。
1)窒息という表現は外因死に対して使われる。
2)厳密には急性気道閉塞(その原因は喉頭嚥下機能低下、その原因は脳血管障害後遺症など)となる。
3)厳密には鑑別疾患に肺塞栓症心筋梗塞、致死性不整脈が考えられる。
4WHOは疾患の終末像として心不全や呼吸不全を死因と記載するのは死因統計が不正確になるため書かないよう推奨しているが、明らかな病態としての心不全、呼吸不全を記入することは問題ない。


繰り返す水疱

☆繰り返す水疱
・鑑別として蚤や亜鉛欠乏、褥瘡(機械的刺激)によるものがある。
・血清亜鉛値を測定し、亜鉛欠乏ならプロマックD錠の内服を行う。
・水疱が緊満性で皮疹もなければ類天疱瘡の可能性あり。抗BP180抗体の測定をしてみる(抗BP180抗体陰性なら抗BP230抗体も測定してみる)。
・局所性なら水疱は潰して皮はとらずに、洗浄しワセリンガーゼで対処。
・痒みが強い時は短期的にステロイド外用を行う。
・全身に多発している時はPSL20-30mg2週間投与し、改善あれば漸減もしくは中止でよい。再発するようならPSL5-10mgで継続する。
・治療に応じて抗BP180抗体は低下していく(病勢を反映する)。


人工呼吸器アラーム対応

☆人工呼吸器アラーム対応
注意)気切造設後すぐのカニューレ交換で気管の前に入ってしまうことがある(指で確認して潰れた気管を広げること)
・無呼吸アラーム
設定:15-20秒に設定
原因と対策:
自発呼吸の低下→PS,CPAPではなくA/C,SIMV,SIMV+PSに変更
呼吸回路のリーク、外れ→リーク(カフ漏れに注意)、回路の確認
自発呼吸のトリガー不良→トリガー感度を上げる
・気道内圧上限アラーム
設定:40cmH2O程度
原因と対策:
設定1回換気量が高すぎる→適切に設定
痰、凝血塊による閉塞→吸引
回路の閉塞、片肺換気→挿管チューブを浅くする、チューブを噛んでいないか
巨大無気肺、緊張性気胸→無気肺の治療、脱気
気管支狭窄、気管支痙攣など→気管支拡張薬
肺炎、肺水腫、ARDSなど肺胞レベルの問題→肺保護換気のため1回換気量を下げる
⑦autoPEEP
の存在→換気回数減少、吸気時間短縮、呼吸時間延長
バッキング(咳)、ファイティング(呼吸器と患者の呼吸が合わずにぶつかる)→鎮静剤の増量、同調性のよいPCV,PSVへ変更
・気道内圧下限アラーム
設定:ピーク圧-10cmH2O,ピーク圧の70-80%原因と対策:
回路接続部のゆるみ、はずれ、回路破損→接続確認
カフ周囲からのリーク:気切チューブの入れ替え
胸腔ドレーンからの大量リーク→呼吸器外科へコンサルト
トリガー感度が鈍く自発呼吸により陰圧形成→トリガー感度を上げる
強い自発呼吸→鎮静剤の増量、同調性のよいPCV,PSVへ変更
・分時換気量下限アラーム
設定:分時換気量の50%程度、PCVでは70-80%原因と対策:
気道内圧下限アラームと同じ原因
不適切な換気モード→自発呼吸を前提としてPSVでは自発呼吸数が減少すると容易に低換気になる、SIMV(+PS)の設定換気回数が少ない場合は増やす
自発呼吸のトリガー不良→トリガー感度を上げる
・分時換気量上限アラーム
設定:10-20L/
原因と対策:
①1
回換気量や換気回数が多すぎる→適切に設定
患者の頻呼吸→鎮静剤の増量
③A/C
設定→A/Cはすべての呼吸をフルサポートするため過換気になるリスクがある
・分時呼吸回数アラーム
設定:30-40/
原因と対策:
患者の頻呼吸→鎮静剤増量
ミストリガー→回路内貯留水が揺れてもミストリガーになれうことがあるので貯留水を除去する、トリガー感度を下げる


高齢者の強い皮膚掻痒感/かゆみ

<高齢者の強い皮膚掻痒感/かゆみ>
・肝機能、腎機能のチェック。
疥癬を除外する(メスの刃を立ててかさぶたのところを数回こすって、スピッツにメスごと入れて提出する)
疥癬ならストロメクトール3mg錠を体重に合わせて1回のみ内服する(15-24kg1錠、25-35kg2錠、36-50kg3錠、51-65kg4錠、66-79kg4錠、66-79kg5錠、80kg以上は200μg/kg)。
・皮脂欠乏性皮膚炎による掻痒感にはオイラックスクリームが有効。
尿素系は保湿効果はあるが、尿素その物が刺激するのでヘパリン類似物質(ヒルドイド)ローションorクリームやオイラックスクリームを使う。
オイラックスクリームが効かない時はヒスタブロック(セレスタミン11-2錠を11-4回投与する(1錠にPSL2.5mgが含まれることに注意、長期使用ならH2ブロッカーを併用する)。
・夜間の掻痒感が強い場合はセロトニン過剰が原因のことがあり、ニューレプチルとして2-3mg(ニューレプチル細粒0.002-0.003g)を11-2回投与も有効らしい。
・少量の抗欝剤(トフラニール10mgなど)や神経因性疼痛用薬剤も有効。
DMはむしろコントロールされている時あたりから出る印象がある。
・類天疱瘡も初期は掻痒感が強い。類天疱瘡ではBP180抗体が増加する。結節性類天疱瘡はBP180抗体が低下する。


抗生剤のMICについて

☆抗生剤のMICについて
 MIC
とは最小発育阻止濃度。例えば、http://www.antibiotic-books.jp/drugsによると、緑膿菌MIC8080%の菌が死滅するMIC)に関して、MEPM6.25μg/mlPIPC16μg/mlとなっている。
 
ここで例えば、ある検体から培養された緑膿菌株に対し、PIPCMIC32μg/mlの場合、添付文書に載っている処方量ではMIC32μg/mlに相当する血中濃度が保てないということ=効果がない、Rと判定される。
 
培養感受性試験の結果、MEPMPIPCがともにS(感受性あり)でも、MEPMMIC6μg/mlPIPCMIC6μg/mlなら、この緑膿菌PIPCの方が効きやすいということになる(本来のPIPCMIC16μg/mlであるため)。 つまり、ともに感受性があり、かつ標準MICと比較しMICが低い抗菌薬がより効果があるということになる。


尿量減少時の対応

☆尿量減少時の対応
・溢水であればラシックス投与、脱水であれば点滴だが、判断しかねる場合も多い。脱水の方がより怖い(脱水⇒臓器還流低下⇒多臓器不全)。迷ったら、まずは点滴をしてみる。
・溢水か脱水かの判断材料は、
 ①in/outバランスを見る。食事量が減っていないか、点滴量が過剰でないか。
 ②浮腫があるのか、turgorの低下があるのかを見る。
 ③溢水であれば血圧上昇、脱水であれば血圧低下であることが多い。
 ④溢水であれば希釈尿、脱水であれば濃尿であることが多い。
一番正確なのは腹部エコーでIVCを見ること。心臓から2cmのところで測定し、プローブを縦にして吸気時/呼気時ともに1mmなら脱水、ともに2桁なら多め、20mm超えてれば溢水。
感染、術後、重症膵炎などでで炎症反応(SIRS)により血管内皮が障害され、サードスペースに浸出し血管内脱水が生じ尿量減少と浮腫や胸水が生じる。血管内脱水で血圧低下となる場合も、血管攣縮やRAA系亢進で血圧上昇となる場合がある。この場合は利尿剤の投与は禁忌に近い。むしろ点滴を増量し腎血流を保たなければならない(胸水貯留に対し胸腔ドレーンを入れてでも)。
・浮腫があるのに濃尿である場合、終末期や肝硬変など低Albでの漏出性の血管内脱水である。酸素化が不良であれば胸水貯留があるので、血管内脱水でもラシックス投与が必要になってくる。要するに、同じ血管内脱水でも回復可能な一時的なものなのか、終末期で回復不可能なのかによって対応が変わってくる(前者なら胸水貯留による酸素化不良があれば胸腔ドレーンを入れてでも点滴を増量する、後者なら酸素化不良あれば利尿剤で水を引く)。


生食ロックとヘパリンロック

☆生食ロックとヘパリンロック
カテーテル閉鎖はカテーテルへの血液の逆流が原因。
・逆流防止効果は生食でもヘパリン生食でも変わりがない。
・ヘパリンはカテーテル上のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌の増殖の原因になる。
CVラインにコアグラが付着すると感染源になるためCVラインではヘパリンロックがいいとされてきたが、感染率でも生食ロックと有意差がなかった。
・末梢ラインでもCVラインでも生食ロックでよい。
CVポートの生食ロックの方法:全て清潔手袋装着の後、Jループタイプの短く固いルート(長いルートは動きで逆流することあり)にシュアプラグを接続し生食を10ml以上のシリンジでゆっくりと注入し、シリンジで陽圧をかけながらシリンジを引き抜く(感染防止の観点からなるべく三方活栓は使わない)。その後、ルートを清潔ガーゼでくるんでおく。


潜在性甲状腺機能低下症

☆潜在性甲状腺機能低下症
・顕性甲状腺機能低下症は血清TSH10μU/mL以上、血清FT4が基準値以下。
・潜在性甲状腺機能低下症は血清TSH正常値以上、血清FT4が基準値以内。TSH10μU/mLを超えるならチラージン補充を行う。
・挙児希望ならTSH2.5μU/mLを超えるならチラージン補充を行う。
・顕性、TSH10以上の潜在性ではチラージン補充を行う。
・抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体を測定してまず慢性甲状腺炎の有無を確認する。
cf)
チラージンSの増量の方法
11回朝の内服が基本
12.5-25μgから開始し、2-4週間毎に12.5-25μgずつ増量する
原発甲状腺機能低下症では、維持量をTSH1-2μU/mLになるように1.5-2.5μg/kg/day(50-200μg/day)(中枢性甲状腺機能低下症では血中FT4,FT3を指標にする)


CVポートで点滴漏れが生じたとき

CVポートで点滴漏れが生じたとき
・穿刺間違い(針がポートに刺さっておらず皮下注になっていた、cut down法で造設されており皮下深くにポート本体がある場合は穿刺間違いを起こしやすい)→皮下注であれば滴下不良あるはず、試験的に生食をivしてもスムーズにはいかないはず、CXRでわかるはず
・ポート自体の破損→滴下不良はないかも、生食ivもスムーズ、ポート本体の損傷はCXRCTでは分からない(ポート本体からカテーテルが外れている場合や、カテーテルがピンチオフしている場合はCXRでもわかる、ヨード造影剤でも圧をかけないと漏れが確認できない場合もあるが10mlより小さいシリンジで強く注入すると本体とカテーテルが外れる場合があるので注意)
・ポート破損の徴候として注入時のポートの閉塞、疼痛、注入中の滴下不良、点滴漏れ、腫脹がある。
・すぐ抜去できない場合は、ポート破損を疑えばヘパリンロックし末梢点滴に変更しておく。


健診でγGTPのみ上昇している場合

☆健診でγGTPのみ上昇している場合
・腎、膵、肝、脾に分布している。
・飲酒、胆石、アルコール、サプリ、ランニングなどでも上昇する。
・1ヶ月断酒して再検する。
AST,ALT,γGTP,ALP,HBs抗原,HCV抗体,ANA(AIH),AMA(PBC),腹部エコーして脂肪肝や肝SOLがないか精査する。異常なければ年2回フォローする。
・軽度肝機能異常はウルソ200mg3錠分3で改善することがある。
・胆汁うっ滞でγ-GTPALPLAPが上昇するがγ-GTPはそれ以外でも上昇する。
γ-GTPのみ上昇し、ALP,LAPが正常なら飲酒、抗痙攣薬、非アルコール性脂肪肝である。
γ-GTPはアルコール摂取に敏感に反応して上昇、禁酒後2週間で半分以下になる。


半減期と投与間隔

半減期と投与間隔
・投与間隔=半減期であれば5回目の投与で定常状態(吸収量=排出量)となる。
・投与間隔<半減期であれば5回目の投与でより高い濃度で定常状態となる。
・投与間隔>半減期であれば半減期4倍以内であれば時間はかかるが定常状態となる。
・薬効、副作用が消失するのは投与中止後半減期5倍経た時。
ボルタレン半減期1.6時間なので投与間隔が1.6×4=6.4hr以内だと血中濃度が上がっていずれ定常状態になるので13回投与(8hr間隔)までの投与とする。
・薬剤投与量が代謝酵素の働きを超えた場合は体内消失時間は半減期×5を超える。投与量を倍にすれば血中濃度は倍になるはずだが、それ以上になった場合は投与量が酵素による代謝量を超えていることを示す。
・ザガーロの半減期511回投与し半年後の定常状態における半減期は約1か月なので投与中止後に薬効、副作用が消失するのは約5か月後。
cf) ザガーロは半減期5日である。ザガーロを11回投与した場合に単回投与の最高血中濃度(xとする)の何倍に近づくかを計算してみる。
x5日後にx/2になるので5日間でx/2減少する。そのため1日後にはx/2÷5x/10減少し、x/2-x/10=(9/10)xとなり、さらに1回投与するので(9/10)x+xとなる。同様に2日後は*1x+・・・(9/10)x+x(=Snとする)となる。Sn-(9/10)Sn=x-((9/10)^n)xとなり、n→∞にするとSn/10=xとなる。したがって、Sn=10xとなる。つまり半減期5日のザガーロを11回投与すると血中濃度は単回投与での最高血中濃度10倍に近づくと予想される。実際、ザガーロ0.5mgCmaxは単回投与では3288±1160pg/ml(3.288±1.160ng/ml)で、24週間後は30.69±13.90ng/mlなので約10倍になっている。

*1:9/10)^2)x+(9/10)x+xとなる。n日後には((9/10)^n)x+((9/10)^(n-1

当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載6

当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載6

HTLV-1について

HTLV-1について
・スクリーニングは妊娠初期から中期にかけて行う。スクリーニング検査が陰性なら非感染者となる。
・スクリーニング検査が陽性ならウェスタンブロット法(WB法)を行う。
WB法が陽性ならキャリアとなる。WB法で判定保留の場合はPCR法を行う。
・スクリーニングで陽性になるのは0.3%WB法で陽性になるのは51.6%、判定保留は11.7%
HTLV-1RNAウィルスである。
・主な感染経路は母子感染(8割)と性行為感染(2割)。感染力が弱いためこれら以外で感染することはない(子供同士の接触や温泉、散髪、唾液などでは感染しない)。
3か月以上の母乳栄養では18%に母子感染を起こすが、完全人工栄養でも約3%が母子感染を起こす。
・日本では100万人以上のキャリアがおり、西日本に多い。
ATLHAM、ブドウ膜炎を起こす。生涯発生率はATL5%HAM0.3%
ATLの発症年齢の中央値は67歳。やや男性に多い。キャリアの生涯発症率は男性に多い。40年以上の持続感染によって起こるため、母子感染でのキャリアで発症する。
・臨床病型は、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型に分類される。急性型では末梢血にflower cellと呼ばれる核に切れ込みのある異常リンパ球が出現する。
・臨床症状は、1週間以上の高熱、強い倦怠感、リンパ節腫脹、赤く盛り上がった皮疹、高カルシウム血症に伴う意識障害、肝腫大、脾腫大、種々の日和見感染。
HTLV-1抗体検査が陽性で、かつサザンブロット法によって血液、皮膚病変、リンパ節病変のHTLV-1感染細胞がモノクロナールに増殖していれば確定診断となる。
ATL白血病の中でも予後は著しく不良。
・急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の生存期間中央値はそれぞれ6か月,10か月,24か月,5年以上。4年全生存率はそれぞれ11%,16%,36%,52%。
ATLへの進展危険因子:男性、ウイルス量、年齢、家族歴、他の疾患治療中のHTLV-1陽性判明
ATL急性型、リンパ腫型の予後予測因子:Ann Arbor stagePer-formance StatusPS),年齢,血清Alb値,soluble interleukin-2 receptorsIL-2R
ATL予後不良因子:PS、好中球減少、血清LDH値、節外病変数、全病変数、化学療法の有無
ATLの腫瘍性の維持に重要なHTLV-1 bZIP因子(HBZ)を標的とするワクチン療法はHAMATLの発症予防や病勢制御にも有効な可能性がある。
・くすぶり型や予後不良因子のない慢性型では急性転化するまで経過観察。
・リンパ腫型、急性型、予後不良因子のある慢性型は化学療法、同種造血幹細胞移植、サルベージ療法、分子標的治療。
・抗CCR4抗体(ポテリジオ)は再発、再燃例に対する単剤投与による全有効率50%,生存中央期間13.7か月。
インターフェロンα核酸系逆転写酵素阻害薬(nucleoside reverse transcriptase inhibitorNRTI)のzidovudineAZT)の併用療法が化学療法よりも有効(5年全生存率46vs20%)
HAM050歳代の発症(平均40歳)が多い。女性に多い。1年間でキャリア約3万人に1人の割合で発症。
・臨床症状は進行性の両下肢の痙性不全麻痺。下肢のツッパリ感や歩行時の足のもつれ、膀胱直腸障害(排尿障害、頻尿、便秘)。上肢の完全麻痺や嚥下障害を認めることは少ない。
・病勢の進行は、遅い場合から急速に進行する場合など多彩。
・診断は症状と、血液中のHTLV-1抗体陽性かつ脳脊髄液のHTLV-1抗体陽性であれば確定診断。
ステロイドIFNαが奏効するが、治療が遅れると有効性が減じる。
・生命予後は悪くないが、日常生活が著しく制約され、難病指定である。
・初期症状は、歩行の違和感、足のしびれ、つっぱり感、転びやすい等。
・多くは進行し、杖歩行、さらには車椅子となる。重症例では下肢の完全麻痺や体幹の筋力低下により寝たきりになる場合もある。
・下半身の触覚や温痛覚の低下、しびれ、疼痛等の感覚障害は約6割に認められ、持続性のしびれや痛みを伴う場合はQOL低下の原因となる。
・自律神経症状は高率にみられ、特に排尿困難、頻尿、便秘等の膀胱直腸障害は病初期より出現することもある。
・進行例では起立性低血圧や下半身の発汗障害、インポテンツがしばしばみられる。
HAMは早期の診断と治療介入が重要であるため、両下肢の痙性麻痺を呈する患者を診た
ら、HAMを鑑別に挙げる。
・髄液検査では、細胞数増加(単核球優位)を約34割に認める。
・髄液のネオプテリンやCXCL10の増加はHAMの脊髄炎症レベルを反映する。
・血液検査では、HTLV-1プロウイルス量がキャリアに比して高値のことが多く、長期予後との相関がある。
・歩行障害の進行速度の中央値は、発症から片手杖歩行まで8年、両手杖歩行まで12.5年、歩行不能まで18年であった一方で、発症後20年以上経過しても杖なしで歩行可能な集団もあり、個人差が大きい。
ぶどう膜炎は、ベーチェット病や真菌、細菌などで起こるが、HTLV-1感染によって発症するものは、HTLV-1ぶどう膜炎HTLV-1 associated uveitis、以下HU)と呼ぶ。女性に多い。
・発症者の多くは成人で、飛蚊症や霧視、眼の充血、あるいは視力の低下などが急に起こる。ステロイド点眼が奏功。
ぶどう膜炎には前部ぶどう膜炎虹彩炎,虹彩毛様体炎)、中間部ぶどう膜炎(硝子体炎)、後部ぶどう膜炎(網膜炎,脈絡膜炎,網脈絡膜炎),汎ぶどう膜炎(眼内組織の全て)の4つの病型に分類される。
・前部ぶどう膜炎が最も多く、次いで、汎ぶどう膜炎>後部ぶどう膜炎>中間部ぶどう膜炎・治療は、前部ぶどう膜炎では主に局所投与(点眼,結膜注射)、中間部ぶどう膜炎、後部ぶどう膜炎、汎ぶどう膜炎ではステロイド全身投与(内服)。
・視力予後は、網膜が冒される後部ぶどう膜炎と汎ぶどう膜炎が前部ぶどう膜炎よりも不良。
・女性に多く、性差(女性/男性)は105/303.5倍)。
・発症年齢は小児から若年成人,高齢者まで広く分布する。
・受診時の主訴は霧視(目のかすみ)(62%)が最多で、次いで飛蚊症44%)、視力低下(44%)、目の充血(8%)、眼痛(2%)、羞明感(1%)。
・両眼性と片眼性がほぼ同数であることに注意する。
・約30%のHTLV-1ぶどう膜炎患者でぶどう膜炎の再発がみられる。
白内障82%)、緑内障28%)、ドライアイ(涙液層破壊時間が10秒未満)(21%)、黄斑浮腫(5%)、黄斑上膜(4%)などの眼合併症がみられる。
・ブドウ膜炎の経過中に、HAMATLBasedow病、関節リウマチ、間質性肺炎を合併することがある。
・サルコイドーシスはぶどう膜炎の原因疾患の第1位であり、血清アンジオテンシン変換酵素、胸部X線検査などは必ず行う。
HTLV-1感染は男性から女性に起こりやすく、全キャリアの約20%が性行為感染。
・大多数は母乳を介した母子感染である。
・母子感染ルートの主体は感染したTリンパ球を含む母乳。
・感染率は、完全人工栄養児3.3%、生後3か月(90日)を超えた母乳栄養児では17.7%
・完全人工栄養児であっても3.3%が母子感染する。これは母乳以外の経胎盤感染や産道感染の存在を示唆する。
90日未満の母乳栄養では1.9%、凍結母乳栄養では3.1%が母子感染を起こすが、有効性のevidenceは低く、現在は完全人工栄養が推奨される。
・短期母乳栄養を選択しても、ときに授乳が中止できず母乳栄養期間が長期化する可能性がある(児が母乳を望んで泣くし、乳房痛があるためついつい母乳栄養を続けてしまう)。
・経管栄養を必要とする早産低出生体重児では、壊死性腸炎感染症のリスクを考慮し、成熟した哺乳機能が確立するまで凍結母乳栄養にしたほうがよいかもしれない。
・乳汁栄養法の選択は分娩前に決定しておくことが望ましい。
・母子感染の有無を評価は、3歳以後で抗体検査を行う。陽性である場合にはWB法により確認する。
・小児科医がいない分娩施設から、他施設の小児科医にフォローアップを依頼するため紹介状を送付し、フォローアップが途切れないようにすることが望ましい。
・出生前に産科医と小児科医の円滑な連携を確保することができれば、家族も安心して受診できるかもしれない。
医療機関HTLV-1キャリア外来も指定しておくことが望ましい。
・キャリアへの説明の要点:①HTLV-1関連疾患を疑う症状がないか。症状がある場合は専門医への紹介。②HTLV-1感染についての正しい知識。③不安の解消、④生活を変える必要はないことを伝える。⑤HTLV-1関連疾患の検査や定期健診の希望がある場合は、HTLV-1感染症に詳しい医師のいる医療機関や血液内科医への紹介。
・家族の中にHTLV-1キャリアがいる可能性があるが、家族に伝えるべきかどうかは患者本人の判断でよい。
献血や移植への臓器提供はできない。ただし、家族の中でATLを発症した場合、骨髄移植のドナーにはなれる。


ダイエット薬について

☆ダイエット薬について
サノレックスマジンドール
・食欲中枢の抑制、消化管吸収抑制作用、代謝亢進作用
10kgの体重減少効果、75%で効果
・昼食30分前に110.5mgから開始(不眠になるため夜の内服はしない)
2週間で効果がなければ0-1-0→0-2-0→1-2-0の順に増量
・覚醒効果、依存性があるため原則1328日分までの処方。3ヵ月投薬した後、3ヵ月休薬(休薬中はスーグラ、ゼニカルに変更)
・副作用は口渇感、便秘、悪心・嘔吐、睡眠障害、胃部不快感
・便秘にはグルコマンナンを併用(空腹感の解消でダイエットにつながる)
・禁忌:サノレックスに過敏症のある人、緑内障、重度の心不全、重度の膵疾患、重度の肝疾患、重度の腎疾患、重度の高血圧、脳血管障害、不安や抑うつや興奮状態、統合失調症、薬物やアルコールの乱用歴、MAO阻害薬の2週間以内の使用歴、妊婦、小児
ゼニカル(オルリファスト、オルリスタット)
・脂肪分解に必要なリパーゼを抑制し、摂取した30%の脂肪分を分解せずそのまま体外へ排出させる
FDAアメリカ食品医薬局)が認可している肥満薬
7kgの体重減少効果
サノレックスとの併用も可能
13回食前、もしくは食事と一緒に服用
脂溶性ビタミンの吸収も抑制→長期服用をする場合はマルチビタミン等の摂取を行うこと
・禁忌:胆嚢障害、慢性消化不良がある人
・副作用は便中に脂質が増え脂肪便、軟便~下痢(ほぼ必発)
スーグラ、ルセフィ
3kgの体重減少効果
11回朝食後または朝食前(最大100mgまで)に内服
・副作用は脱水症、尿路感染
・併用禁忌:インスリンSU
・激しい運動、アルコール摂取で低血糖おこすことあり
・ルセフィの場合は112.5mgを朝食前または朝食後に内服(5mg11回まで増量可)
グルコマンナン
・水溶性食物繊維
・食物繊維で便通がよくなるのでサノレックスによる便秘防止に併用する
12回。1錠を食前3045分に240ml以上の水で内服する
・禁忌:腸閉塞の既往のある人


EDについて

EDについて>
☆ED
とは
・性行為に満足できない状態が3ヶ月以上持続すること。
・患者数は全国1130万人。40代前半で20%50代で40%65以上で60%
cf)AGA
の患者数は全国1260万人。20代で10%30代で20%40代で30%50代で40%
☆ED
の原因
・器質性ED
①DM,HL,HT→
動脈硬化→陰茎海綿体動脈の拡張障害
アルツハイマー脳卒中パーキンソン病、骨盤内手術(TUR-Pt術後では6-68%)による神経障害
前立腺肥大症、前立腺癌、更年期(LOH症候群、アンドロゲン低下)
心因性ED:ストレスなどによる現実心因性、トラウマによる深層心因性ED・薬剤性EDには、抗うつ薬、降圧剤、睡眠剤。例:利尿剤、Ca拮抗薬、βブロッカー(ARBEDを改善、BPH治療薬のαブロッカーは射精障害を起こすがEDは起こさない)
・リスクファクター:肥満、SAS(夜間の勃起障害→酸素化不良)、運動不足、喫煙、年齢、糖尿病、高血圧、テストステロン低下、慢性腎臓病、鬱、抗鬱薬、薬物、パーキンソン病脳卒中などの神経疾患
☆ED
治療薬
・陰茎海綿体に分布するPDE5を阻害し陰茎海綿体動脈の血管拡張を促す。
1993年にバイアグラシルデナフィル)、2004年にレビトラ(バルデナフィル)、2007年にシアリスタダラフィル)が承認。
バイアグラファイザーより1998年に承認され、日本以外では100mgまで販売されている。日本は50mgまで認められており、通常は50mgを服用する。
バイアグラ25mgから開始:CYP3A4代謝の薬剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、シメチジン)、抗HIV/抗真菌薬、65歳以上、CCr30以下、Child-PughB以上、αブロッカー
バイアグラ50mgが効かない時はレビトラ20mgシアリス20mgに切り替えを考える(ED薬の強さ:バイアグラ100mg>シアリス20mg>レビトラ20mg>バイアグラ50mg)。
・勃起の硬さが不足すると感度が増え早漏になるが、レビトラにはバイアグラシアリスより早漏改善効果がある。ただし早漏治療薬のダポキセチンには及ばない。
・レビトラの通常量は10mgで即効性があり、20mgまで増量でき、バイアグラ同様のED改善効果が期待できる。65歳以上にはレビトラ20mgの適用は無し。
65歳以上にはレビトラ20mgは処方できないので、進行したED65歳以上ではシアリス20mgバイアグラ100mgを使う。
・アドシルカは肺高血圧症の治療薬で40mg11回、ザルティアは前立腺肥大に対する治療薬で用法は5mg11回である。成分はシアリスと同じタダラフィルである(シアリス12=40mg/dayまで投与可能)。
・きちんと前立腺肥大と診断されないと保険診療でザルティアを処方してもらうのは難しい状況である。
1番新しい薬であるシアリスの通常量は10mgである。副作用が最も少ない。
DMにより動脈硬化が進行し重度のEDがある場合はシアリス20mgにする。
シアリス"だけED"どの心因性に効果的である。効果の発現に若干の個人差があることに注意。
3剤とも心血管イベントの発生率はプラセボと優位差なし。降圧薬との併用もOK
☆ED
治療薬の持続時間
・効果発現までの時間はバイアグラ30分~1時間、レビトラが10分~30分、シアリス12時間。
・効果持続時間はバイアグラ36時間、レビトラが58時間、シアリス3036時間。
・食事やアルコールの影響はバイアグラやレビトラが受けるのに対し、シアリスはほとんど受けないとされている。
シアリス1時間後に効き始め、3時間後がピーク、3036時間続くため、金曜の夜に内服しておけば日曜まで続くためウィークエンドピルと言われている。
副作用
重篤なもの:
1)NAION(non-arteric anterior ischemic optic neuropathy)
:突然の無痛性の視野欠損。50歳以上で2-10/10万人に生じる。
2)
突発性難聴
3)
前立腺癌術後のPSA再発
4)
メラノーマ(紫外線と同じハザード比で交絡因子の可能性)
5)
持続性勃起症:服用後4時間以上続くなら泌尿器科受診が必要である。
軽微なもの:
・顔のほてり、目の充血、頭痛、鼻づまり、青視症(視野が青色に見える)→全て自然軽快する。シアリスは副作用が少ない。
・顔のほてり、目の充血は効果発現のサイン、薬効が切れる頃に鼻づまりや目の奥の痛み、光過敏、青視症が認められるがすぐに改善する。
・その他、血流増加による蠕動運動上昇で胃部不快感(GERD)、下痢を認めることがある。結膜炎、腰痛などもあり。
シアリスのみ背部痛(5%)を認めることがある(シアリスは骨格筋に分布するPDE11も阻害するため)。
禁忌、併用禁忌
・併用禁忌:硝酸薬(ニトログリセリン亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド)、クラスIIIの抗不整脈薬(アミオダロン、ソタロール)、肺高血圧薬(リオシグアト)との併用は禁忌。
cf)
ニプラジロール点眼液、ハイパジーコーワ点眼液にニプラジロールが含まれており、添付文書上はバイアグラと併用禁忌ではないが併用禁忌としているクリニックもある。
cf)
メニエールにて処方されるイソバイドはイソソルビドだが、硝酸イソソルビドとは違うのでED薬は使用可能。
・禁忌:PDE5阻害薬そのものにアレルギーがある人、肝障害、心血管障害があり性行為そのものが禁止されている人、90/50mmHg以下の低血圧や170mmHg以上のコントロールされていない高血圧症、網膜色素変性症
バイアグラシアリスにはないレビトラの禁忌:先天性QT延長症候群、クラス1Aの抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド)、抗HIV薬、ケトコナゾールやイトラコナゾール、透析中。
服用上の注意
・性行為の1時間前に服用する。
ED薬を飲んだだけでは勃起しない。ED薬服用後に性的興奮が加わる必要がある。
・アルコールはリラックス効果があるが、過度に飲酒すると神経伝達が悪くなるためほどほどにする。
・性欲には影響しない(催淫作用はない)。
ED薬は56回使わないと効果にムラがあり、また食事の影響受けるので食事のタイミングを掴むためにも56回試す必要がある。
・必ず空腹時に服用すること、食後に服用するときは23時間あけて、また油ものは避けるようにする。
・食事をする場合は先に内服して吸収をさせてからにしておく。
ED薬の効果が効かないのはアルコールの飲み過ぎや食後の服用が最も多い原因。
シアリスは食事の影響は受けにくいが800kcal以上食べ過ぎると効果が減弱する。
ED薬は直射日光にあてさえしなければ2年間は保存可能。
・持病で服用中ならお薬手帳で禁忌薬がないか確認する。
用法用量
バイアグラ
1
125-50mgを性交の1時間前に服用(投与間隔は24時間)
65
歳以上、肝障害、重度の腎障害(CCr<30ml/min)では25mgから開始
・レビトラ
1
110mgを性交の1時間前に服用、効果ないときは20mgに増量(投与間隔は24時間)
65
歳以上、中等度肝障害では5mgから開始し、上限は10mgシアリス
1
110mgを性交の1時間前に服用、効果ないときは20mgに増量(投与間隔は24時間)
軽度又は中等度肝障害では上限10mg中等度の腎障害では5mgから開始し上限10mg(投与間隔は48時間)
重度の腎障害では5mgが上限(投与間隔は48時間)
禁忌
バイアグラの禁忌
本剤に過敏症の既往
硝酸剤(ニトログリセリン亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド)投与中
心血管障害により性行為が不適当
重度の肝機能障害
低血圧(90/50mmHg以下)又は無治療の高血圧(安静時収縮期170mmHg以上または安静時拡張期血圧100mmHg以上)
脳梗塞脳出血心筋梗塞の既往が6ヶ月以内
網膜色素変性症
アミオダロン投与中
可溶性グアニル酸シクラーゼ(リオシグアト)投与中
・レビトラの禁忌
バイアグラの禁忌に以下を追加
先天性QT延長症候群、クラス1A不整脈薬(キニジン、プロカインアミド)、クラス3不整脈薬(アミオダロン、ソタロール)
血液透析患者
不安定狭心症
CYP3A4
を阻害する薬剤(リトナビル、インジナビル、アタザナビル、サキナビルメシル、ホスアンプレナビル、ロピナビル・リトナビル、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル、ダルナビル、テラプレビル、外用剤以外のケトコナゾール、イトラコナゾール、コビシスタット)
シアリスの禁忌
バイアグラの禁忌とほぼ同じ(心筋梗塞の既往が6ヶ月→3ヶ月以内に変更あり)





AGAについて

AGAについて>
☆AGA
とは
Androgenetic Alopecia=Androgen(男性ホルモン)+genetic(遺伝)を背景にした薄毛。
・毛乳頭からの血流を受け、毛母細胞が分裂増殖し角化したものが毛髪となる。1か月に1cm伸びる。
・毛髪サイクルは休止期は34ヶ月、成長期は26年、退行期は2週間。AGAでは成長期が数ヶ月から1年に短縮される。
AGAの患者数は全国1260万人。20代で10%30代で20%40代で30%50代で40%
cf)ED
の患者数は全国1130万人。40代前半で20%50代で40%65以上で60%
☆AGA
の原因
AGAの原因は、男性ホルモン(DHT)の増加、遺伝、血流の悪化。
DHTは生え際、頭頂部のAGAの原因、血流は頭頂部、前頭部のAGAの主な原因。
・テストステロン(Testosterone, TST)還元酵素により、ジヒドロテストステロン(Dihydrotestosterone, DHT)代謝されてDHTが毛乳頭の核内のreceptorに結合しDKK-1,PGFβを合成し毛乳頭を障害し発症。
・遺伝は原因遺伝子がX染色体上にあるため母親からの遺伝による影響が強い(母方家系にAGAがいなかったか?)。
☆AGA
治療の考え方
・男性ホルモンを抑制:プロペシア(フィナステリド)、ザガーロ(デュタステリド)
・頭皮の血流改善:禁煙、ロゲイン(ミノキシジル)、カロヤン(アロビックス)
・頭皮環境を整える:ケトコナゾールシャンプー
・生活環境の改善、頭皮への栄養:規則正しい生活、毛髪の栄養分である亜鉛、ビタミンB郡、ビタミンC、セレン等の摂取、ヘアパック等のヘアケア
6ヶ月を目安にして治療効果を判定する。
還元酵素阻害薬は3年での改善(維持を含む)は98%以上の効果。しかし著名な効果は2-6%にとどまるため、ミノキシジルと併用することが重要。
ガイドラインでは軽症AGAに対しては推奨度C1育毛剤もしくは5%ミノキシジルand/orフィナステリド。重症AGAに関しては5%ミノキシジルとフィナステリドを1年間投与。1年間の治療後に植毛やかつらの考慮。
ガイドラインの推奨度Aプロペシア、ザガーロ、ミノキシジル外用。アデノシン外用はBミノキシジルタブレットD
・早めに治療しないと毛組織の瘢痕化が生じてからでは遅い。
☆AGA
以外の薄毛の原因:
円形脱毛症、ケルスス禿瘡、脂漏性脱毛症、薬剤性脱毛症、妊娠脱毛症
cf)
額の生え際、頭頂部以外から脱毛が始まった場合は別の脱毛症の可能性がある
☆5α
還元酵素阻害薬
プロペシア(フィナステリド)はMSD社より2005年から発売。111錠内服。
・ザガーロ(デュタステリド)はもともとグラクソスミスクライン社(GSK社)から2001年(日本は2009年)に同成分のアボルブが前立腺肥大症治療薬として100カ国以上で販売されており、2015年からAGA治療薬としてザガーロとして承認された。
還元酵素が存在するのは皮膚(毛根、皮脂腺)、肝臓、前立腺。サブタイプが2つあり、皮膚や肝臓では1型が優位、前立腺では2型が優位に存在する。
・デュタステリドはフィナステリドが作用しない1還元酵素を阻害する上、2還元酵素も約3倍阻害するため、DHTをより強力に抑制する。デュタステリド0.5mgはフィナステリド1mg1.6倍の発毛効果があり、維持よりも発毛効果が認められる。
24週間後の毛髪量の増加ではザガーロ0.5mg>ザガーロ0.1mg>プロペシア1mg 24週間後の毛髪径の増加ではザガーロ0.5mg>ザガーロ0.1mgプロペシア1mg・ザガーロ0.1mgより開始し様子を見て0.5mgに増量する。ただしプロペシア1mgからの切り替えはザガーロ0.5mgで良い。
1年では6割、2年で7割、3年で8割の効果。長期使用によって効果が上がる。
☆5α
還元酵素阻害薬の副作用
プロペシアの副作用は性欲減退(1%、プラセボと有意差なし)、ED0.7%)、肝障害(食欲不振や全身倦怠感)。
・ザガーロの副作用は性欲減退(4%)、ED4%)、性欲減少(1%)、肝障害(食欲不振や全身倦怠感)。
併用注意
・ザガーロは肝臓でチトクロームP450CYP3A4)で代謝されるため同じチトクロームP450代謝されるリトナビルやCa拮抗薬の併用でクリアランスが低下する(つまり血中濃度上昇する)。
服用上の注意
・治療開始後26週に初期脱毛を生じることがある(休止期の毛髪が脱落し新たな発毛が起こるため)。
3-6ヶ月でPSAを半減させるため前立腺癌を見落とす可能性があり、還元酵素阻害薬投与中は健診時に申告すること。
・処方前にcontrolとしてPSAを測定するとよい。処方中低下したPSAが再上昇または処方中全く低下せず上昇する場合には前立腺癌の除外が必要。
PSAの低下はプロペシアでは中止すれば2ヶ月で正常化。ザガーロは6ヶ月で正常化するが、1年以上持続することもある。
プロペシア献血の際には1ヵ月の休薬が必要。ザガーロは6か月の休薬が必要。
・ザガーロの禁忌はザガーロに対するアレルギーのある患者、妊産婦、小児、重度の肝障害のある患者、安全性の確立されていない20歳未満。
プロペシアが効かない原因として、毎日きちんと服用できていない、治療開始6か月以内である、AGAの程度が強いなどが考えられる。
AGAの程度が強い場合はミノキシジル内服の併用の追加や、より強力なザガーロに変更する。
・ザガーロは脱カプセルで経費吸収されるため、女性や小児に触れさせてはいけない。妊婦が触れると経費吸収され胎児の生殖器奇形のリスクがある。しかし精子を介した暴露でもリスクは指摘されてはいるが可能性は低い。しかしリスクはゼロでは無いため1220週で体内から排泄されるため、子作りをする場合は1220週前から休薬する。休薬をする間もAGA治療する場合はミノキシジルタブレットを使う。
ロゲイン
・ロゲインはミノキシジルを主成分とする外用薬で、血管拡張作用があり、毛乳頭への血流を改善し、IGF-1VEGFを産生する。
プロペシアやザガーロと併用すると効果がある。1%2%5%含有のものがあり、副作用の頻度は変わらないので5%が良い。12回直接頭皮に塗布する。
3ヶ月で改善効果があるが、その前に初期脱毛を生じることがあるので6か月は継続する。
・副作用は頭皮のかゆみ、ふけ、発疹、かぶれ、低血圧、性欲減退、手足のむくみなど。
・心血管障害がある場合は担当医と相談をする。アデノシン外用は心血管障害があっても使用できる。
大正製薬のリアップx5はもともとはロゲインのジェネリックである。アメリカのポラリスリサーチラボラトリーズ社から最高16%ミノキシジルローションが発売されている。
ミノキシジルタブレット
ミノキシジルタブレット(ミノタブ)はもともとファイザーが高血圧治療薬として開発したが、多毛症が認められたため発毛剤として発売された。外用よりも効果が大きく、15mgを分12で投与する。34ヶ月で改善効果が認められる。
・ただし、もともとは降圧薬なので急激な血圧低下や浮腫を生じる可能性がありガイドラインの推奨度はD
・毛髪のこしを強くするミノキシジル、発毛されやすくするのはプロペシアとザガーロで特に前頭部や生え際の発毛に効果がある。
ミノキシジル内服と外用の併用も可能である。
ミノキシジルタブレットの副作用は体毛の増加、吐き気、嘔吐、腹痛、性欲減退、血圧低下、むくみなどが報告されている。副作用のうち多毛が最多でむくみは400例中2例しか報告されていない。
・ミノタブはもともと高血圧治療薬なのでアルコール併用でさらに血圧低下をきたすので注意する。
・ミノタブを水に溶かして頭皮に塗っても効果はなし。
アロビックス
・アロビックス(塩化カルプロニウム)はカロヤンが第一三共から1から2%の濃度で発売されているがアロビックスは5%である。ただしガイドラインではC1123回頭皮に塗布する。
・副作用は局所発汗、かゆみ、刺激痛、熱感など。
用法用量
プロペシア
1
10.2mg、必要に応じて1mgまで増量
効果が確認できるまで6か月の連日投与が必要
・ザガーロ
1
10.1mg、必要に応じて0.5mgまで増量
カプセルは噛んだり開けたりせず服用
効果が確認できるまで6か月の連日投与が必要
禁忌
プロペシアの禁忌
本剤に過敏症ある場合
妊婦、妊娠の可能性のある女性、授乳中
・ザガーロの禁忌
本剤及び還元酵素阻害剤に過敏症がある場合
女性
小児
重度の肝機能異常





<薬剤メモ 目次>
便秘(サブイレウス/麻痺性イレウス)
尿閉
水様性下痢(IBSも含む)
不眠
痙攣
不穏/せん妄
発熱(38.5℃以上の時)
疼痛(体重50kgあたり)/帯状疱疹後神経痛
片頭痛/群発頭痛
胃痛(FDも含む)
耳痛/頬痛
咽頭痛/感冒(かぜ)//
インフルエンザ
肺炎
鎮静(体重50㎏)
蕁麻疹/帯状疱疹
吐血/黒色便
急性膵炎
血便
貧血
嘔気/嘔吐/麻痺性イレウス
回転性眩暈
動悸(PSVT,pAf
動悸(脈ありVT
徐脈
CPA
心原性ショック
敗血症性ショック
アナフィラキシーショック
DIC
胸痛
高血圧
脳梗塞
ASO
高血糖
低血糖
K血症
K血症
Na血症
呼吸困難(心不全)
呼吸困難(喘息/COPD
呼吸困難(肺塞栓)
髄膜炎
ドライアイ
結膜炎
創傷/褥瘡
熱傷
打撲
PPN/TPN(IVH)