当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載6
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載6
HTLV-1について
☆HTLV-1について
・スクリーニングは妊娠初期から中期にかけて行う。スクリーニング検査が陰性なら非感染者となる。
・スクリーニング検査が陽性ならウェスタンブロット法(WB法)を行う。
・WB法が陽性ならキャリアとなる。WB法で判定保留の場合はPCR法を行う。
・スクリーニングで陽性になるのは0.3%、WB法で陽性になるのは51.6%、判定保留は11.7%。
・HTLV-1はRNAウィルスである。
・主な感染経路は母子感染(8割)と性行為感染(2割)。感染力が弱いためこれら以外で感染することはない(子供同士の接触や温泉、散髪、唾液などでは感染しない)。
・3か月以上の母乳栄養では18%に母子感染を起こすが、完全人工栄養でも約3%が母子感染を起こす。
・日本では100万人以上のキャリアがおり、西日本に多い。
・ATL、HAM、ブドウ膜炎を起こす。生涯発生率はATLが5%、HAMが0.3%。
・ATLの発症年齢の中央値は67歳。やや男性に多い。キャリアの生涯発症率は男性に多い。40年以上の持続感染によって起こるため、母子感染でのキャリアで発症する。
・臨床病型は、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型に分類される。急性型では末梢血にflower cellと呼ばれる核に切れ込みのある異常リンパ球が出現する。
・臨床症状は、1週間以上の高熱、強い倦怠感、リンパ節腫脹、赤く盛り上がった皮疹、高カルシウム血症に伴う意識障害、肝腫大、脾腫大、種々の日和見感染。
・HTLV-1抗体検査が陽性で、かつサザンブロット法によって血液、皮膚病変、リンパ節病変のHTLV-1感染細胞がモノクロナールに増殖していれば確定診断となる。
・ATLは白血病の中でも予後は著しく不良。
・急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の生存期間中央値はそれぞれ6か月,10か月,24か月,5年以上。4年全生存率はそれぞれ11%,16%,36%,52%。
・ATLへの進展危険因子:男性、ウイルス量、年齢、家族歴、他の疾患治療中のHTLV-1陽性判明
・ATL急性型、リンパ腫型の予後予測因子:Ann Arbor stage,Per-formance Status(PS),年齢,血清Alb値,soluble interleukin-2 receptor(sIL-2R)
・ATLの予後不良因子:PS、好中球減少、血清LDH値、節外病変数、全病変数、化学療法の有無
・ATLの腫瘍性の維持に重要なHTLV-1 bZIP因子(HBZ)を標的とするワクチン療法はHAMやATLの発症予防や病勢制御にも有効な可能性がある。
・くすぶり型や予後不良因子のない慢性型では急性転化するまで経過観察。
・リンパ腫型、急性型、予後不良因子のある慢性型は化学療法、同種造血幹細胞移植、サルベージ療法、分子標的治療。
・抗CCR4抗体(ポテリジオ)は再発、再燃例に対する単剤投与による全有効率50%,生存中央期間13.7か月。
・インターフェロンαと核酸系逆転写酵素阻害薬(nucleoside reverse transcriptase inhibitor:NRTI)のzidovudine(AZT)の併用療法が化学療法よりも有効(5年全生存率46%vs20%)
・HAMは0~50歳代の発症(平均40歳)が多い。女性に多い。1年間でキャリア約3万人に1人の割合で発症。
・臨床症状は進行性の両下肢の痙性不全麻痺。下肢のツッパリ感や歩行時の足のもつれ、膀胱直腸障害(排尿障害、頻尿、便秘)。上肢の完全麻痺や嚥下障害を認めることは少ない。
・病勢の進行は、遅い場合から急速に進行する場合など多彩。
・診断は症状と、血液中のHTLV-1抗体陽性かつ脳脊髄液のHTLV-1抗体陽性であれば確定診断。
・ステロイドやIFNαが奏効するが、治療が遅れると有効性が減じる。
・生命予後は悪くないが、日常生活が著しく制約され、難病指定である。
・初期症状は、歩行の違和感、足のしびれ、つっぱり感、転びやすい等。
・多くは進行し、杖歩行、さらには車椅子となる。重症例では下肢の完全麻痺や体幹の筋力低下により寝たきりになる場合もある。
・下半身の触覚や温痛覚の低下、しびれ、疼痛等の感覚障害は約6割に認められ、持続性のしびれや痛みを伴う場合はQOL低下の原因となる。
・自律神経症状は高率にみられ、特に排尿困難、頻尿、便秘等の膀胱直腸障害は病初期より出現することもある。
・進行例では起立性低血圧や下半身の発汗障害、インポテンツがしばしばみられる。
・HAMは早期の診断と治療介入が重要であるため、両下肢の痙性麻痺を呈する患者を診た
ら、HAMを鑑別に挙げる。
・髄液検査では、細胞数増加(単核球優位)を約3~4割に認める。
・髄液のネオプテリンやCXCL10の増加はHAMの脊髄炎症レベルを反映する。
・血液検査では、HTLV-1プロウイルス量がキャリアに比して高値のことが多く、長期予後との相関がある。
・歩行障害の進行速度の中央値は、発症から片手杖歩行まで8年、両手杖歩行まで12.5年、歩行不能まで18年であった一方で、発症後20年以上経過しても杖なしで歩行可能な集団もあり、個人差が大きい。
・ぶどう膜炎は、ベーチェット病や真菌、細菌などで起こるが、HTLV-1感染によって発症するものは、HTLV-1ぶどう膜炎(HTLV-1 associated uveitis、以下HU)と呼ぶ。女性に多い。
・発症者の多くは成人で、飛蚊症や霧視、眼の充血、あるいは視力の低下などが急に起こる。ステロイド点眼が奏功。
・ぶどう膜炎には前部ぶどう膜炎(虹彩炎,虹彩毛様体炎)、中間部ぶどう膜炎(硝子体炎)、後部ぶどう膜炎(網膜炎,脈絡膜炎,網脈絡膜炎),汎ぶどう膜炎(眼内組織の全て)の4つの病型に分類される。
・前部ぶどう膜炎が最も多く、次いで、汎ぶどう膜炎>後部ぶどう膜炎>中間部ぶどう膜炎・治療は、前部ぶどう膜炎では主に局所投与(点眼,結膜注射)、中間部ぶどう膜炎、後部ぶどう膜炎、汎ぶどう膜炎ではステロイド全身投与(内服)。
・視力予後は、網膜が冒される後部ぶどう膜炎と汎ぶどう膜炎が前部ぶどう膜炎よりも不良。
・女性に多く、性差(女性/男性)は105/30(3.5倍)。
・発症年齢は小児から若年成人,高齢者まで広く分布する。
・受診時の主訴は霧視(目のかすみ)(62%)が最多で、次いで飛蚊症(44%)、視力低下(44%)、目の充血(8%)、眼痛(2%)、羞明感(1%)。
・両眼性と片眼性がほぼ同数であることに注意する。
・約30%のHTLV-1ぶどう膜炎患者でぶどう膜炎の再発がみられる。
・白内障(82%)、緑内障(28%)、ドライアイ(涙液層破壊時間が10秒未満)(21%)、黄斑浮腫(5%)、黄斑上膜(4%)などの眼合併症がみられる。
・ブドウ膜炎の経過中に、HAM、ATL、Basedow病、関節リウマチ、間質性肺炎を合併することがある。
・サルコイドーシスはぶどう膜炎の原因疾患の第1位であり、血清アンジオテンシン変換酵素、胸部X線検査などは必ず行う。
・HTLV-1感染は男性から女性に起こりやすく、全キャリアの約20%が性行為感染。
・大多数は母乳を介した母子感染である。
・母子感染ルートの主体は感染したTリンパ球を含む母乳。
・感染率は、完全人工栄養児3.3%、生後3か月(90日)を超えた母乳栄養児では17.7%。
・完全人工栄養児であっても3.3%が母子感染する。これは母乳以外の経胎盤感染や産道感染の存在を示唆する。
・90日未満の母乳栄養では1.9%、凍結母乳栄養では3.1%が母子感染を起こすが、有効性のevidenceは低く、現在は完全人工栄養が推奨される。
・短期母乳栄養を選択しても、ときに授乳が中止できず母乳栄養期間が長期化する可能性がある(児が母乳を望んで泣くし、乳房痛があるためついつい母乳栄養を続けてしまう)。
・経管栄養を必要とする早産低出生体重児では、壊死性腸炎や感染症のリスクを考慮し、成熟した哺乳機能が確立するまで凍結母乳栄養にしたほうがよいかもしれない。
・乳汁栄養法の選択は分娩前に決定しておくことが望ましい。
・母子感染の有無を評価は、3歳以後で抗体検査を行う。陽性である場合にはWB法により確認する。
・小児科医がいない分娩施設から、他施設の小児科医にフォローアップを依頼するため紹介状を送付し、フォローアップが途切れないようにすることが望ましい。
・出生前に産科医と小児科医の円滑な連携を確保することができれば、家族も安心して受診できるかもしれない。
・医療機関のHTLV-1キャリア外来も指定しておくことが望ましい。
・キャリアへの説明の要点:①HTLV-1関連疾患を疑う症状がないか。症状がある場合は専門医への紹介。②HTLV-1感染についての正しい知識。③不安の解消、④生活を変える必要はないことを伝える。⑤HTLV-1関連疾患の検査や定期健診の希望がある場合は、HTLV-1感染症に詳しい医師のいる医療機関や血液内科医への紹介。
・家族の中にHTLV-1キャリアがいる可能性があるが、家族に伝えるべきかどうかは患者本人の判断でよい。
・献血や移植への臓器提供はできない。ただし、家族の中でATLを発症した場合、骨髄移植のドナーにはなれる。
・スクリーニングは妊娠初期から中期にかけて行う。スクリーニング検査が陰性なら非感染者となる。
・スクリーニング検査が陽性ならウェスタンブロット法(WB法)を行う。
・WB法が陽性ならキャリアとなる。WB法で判定保留の場合はPCR法を行う。
・スクリーニングで陽性になるのは0.3%、WB法で陽性になるのは51.6%、判定保留は11.7%。
・HTLV-1はRNAウィルスである。
・主な感染経路は母子感染(8割)と性行為感染(2割)。感染力が弱いためこれら以外で感染することはない(子供同士の接触や温泉、散髪、唾液などでは感染しない)。
・3か月以上の母乳栄養では18%に母子感染を起こすが、完全人工栄養でも約3%が母子感染を起こす。
・日本では100万人以上のキャリアがおり、西日本に多い。
・ATL、HAM、ブドウ膜炎を起こす。生涯発生率はATLが5%、HAMが0.3%。
・ATLの発症年齢の中央値は67歳。やや男性に多い。キャリアの生涯発症率は男性に多い。40年以上の持続感染によって起こるため、母子感染でのキャリアで発症する。
・臨床病型は、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型に分類される。急性型では末梢血にflower cellと呼ばれる核に切れ込みのある異常リンパ球が出現する。
・臨床症状は、1週間以上の高熱、強い倦怠感、リンパ節腫脹、赤く盛り上がった皮疹、高カルシウム血症に伴う意識障害、肝腫大、脾腫大、種々の日和見感染。
・HTLV-1抗体検査が陽性で、かつサザンブロット法によって血液、皮膚病変、リンパ節病変のHTLV-1感染細胞がモノクロナールに増殖していれば確定診断となる。
・ATLは白血病の中でも予後は著しく不良。
・急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の生存期間中央値はそれぞれ6か月,10か月,24か月,5年以上。4年全生存率はそれぞれ11%,16%,36%,52%。
・ATLへの進展危険因子:男性、ウイルス量、年齢、家族歴、他の疾患治療中のHTLV-1陽性判明
・ATL急性型、リンパ腫型の予後予測因子:Ann Arbor stage,Per-formance Status(PS),年齢,血清Alb値,soluble interleukin-2 receptor(sIL-2R)
・ATLの予後不良因子:PS、好中球減少、血清LDH値、節外病変数、全病変数、化学療法の有無
・ATLの腫瘍性の維持に重要なHTLV-1 bZIP因子(HBZ)を標的とするワクチン療法はHAMやATLの発症予防や病勢制御にも有効な可能性がある。
・くすぶり型や予後不良因子のない慢性型では急性転化するまで経過観察。
・リンパ腫型、急性型、予後不良因子のある慢性型は化学療法、同種造血幹細胞移植、サルベージ療法、分子標的治療。
・抗CCR4抗体(ポテリジオ)は再発、再燃例に対する単剤投与による全有効率50%,生存中央期間13.7か月。
・インターフェロンαと核酸系逆転写酵素阻害薬(nucleoside reverse transcriptase inhibitor:NRTI)のzidovudine(AZT)の併用療法が化学療法よりも有効(5年全生存率46%vs20%)
・HAMは0~50歳代の発症(平均40歳)が多い。女性に多い。1年間でキャリア約3万人に1人の割合で発症。
・臨床症状は進行性の両下肢の痙性不全麻痺。下肢のツッパリ感や歩行時の足のもつれ、膀胱直腸障害(排尿障害、頻尿、便秘)。上肢の完全麻痺や嚥下障害を認めることは少ない。
・病勢の進行は、遅い場合から急速に進行する場合など多彩。
・診断は症状と、血液中のHTLV-1抗体陽性かつ脳脊髄液のHTLV-1抗体陽性であれば確定診断。
・ステロイドやIFNαが奏効するが、治療が遅れると有効性が減じる。
・生命予後は悪くないが、日常生活が著しく制約され、難病指定である。
・初期症状は、歩行の違和感、足のしびれ、つっぱり感、転びやすい等。
・多くは進行し、杖歩行、さらには車椅子となる。重症例では下肢の完全麻痺や体幹の筋力低下により寝たきりになる場合もある。
・下半身の触覚や温痛覚の低下、しびれ、疼痛等の感覚障害は約6割に認められ、持続性のしびれや痛みを伴う場合はQOL低下の原因となる。
・自律神経症状は高率にみられ、特に排尿困難、頻尿、便秘等の膀胱直腸障害は病初期より出現することもある。
・進行例では起立性低血圧や下半身の発汗障害、インポテンツがしばしばみられる。
・HAMは早期の診断と治療介入が重要であるため、両下肢の痙性麻痺を呈する患者を診た
ら、HAMを鑑別に挙げる。
・髄液検査では、細胞数増加(単核球優位)を約3~4割に認める。
・髄液のネオプテリンやCXCL10の増加はHAMの脊髄炎症レベルを反映する。
・血液検査では、HTLV-1プロウイルス量がキャリアに比して高値のことが多く、長期予後との相関がある。
・歩行障害の進行速度の中央値は、発症から片手杖歩行まで8年、両手杖歩行まで12.5年、歩行不能まで18年であった一方で、発症後20年以上経過しても杖なしで歩行可能な集団もあり、個人差が大きい。
・ぶどう膜炎は、ベーチェット病や真菌、細菌などで起こるが、HTLV-1感染によって発症するものは、HTLV-1ぶどう膜炎(HTLV-1 associated uveitis、以下HU)と呼ぶ。女性に多い。
・発症者の多くは成人で、飛蚊症や霧視、眼の充血、あるいは視力の低下などが急に起こる。ステロイド点眼が奏功。
・ぶどう膜炎には前部ぶどう膜炎(虹彩炎,虹彩毛様体炎)、中間部ぶどう膜炎(硝子体炎)、後部ぶどう膜炎(網膜炎,脈絡膜炎,網脈絡膜炎),汎ぶどう膜炎(眼内組織の全て)の4つの病型に分類される。
・前部ぶどう膜炎が最も多く、次いで、汎ぶどう膜炎>後部ぶどう膜炎>中間部ぶどう膜炎・治療は、前部ぶどう膜炎では主に局所投与(点眼,結膜注射)、中間部ぶどう膜炎、後部ぶどう膜炎、汎ぶどう膜炎ではステロイド全身投与(内服)。
・視力予後は、網膜が冒される後部ぶどう膜炎と汎ぶどう膜炎が前部ぶどう膜炎よりも不良。
・女性に多く、性差(女性/男性)は105/30(3.5倍)。
・発症年齢は小児から若年成人,高齢者まで広く分布する。
・受診時の主訴は霧視(目のかすみ)(62%)が最多で、次いで飛蚊症(44%)、視力低下(44%)、目の充血(8%)、眼痛(2%)、羞明感(1%)。
・両眼性と片眼性がほぼ同数であることに注意する。
・約30%のHTLV-1ぶどう膜炎患者でぶどう膜炎の再発がみられる。
・白内障(82%)、緑内障(28%)、ドライアイ(涙液層破壊時間が10秒未満)(21%)、黄斑浮腫(5%)、黄斑上膜(4%)などの眼合併症がみられる。
・ブドウ膜炎の経過中に、HAM、ATL、Basedow病、関節リウマチ、間質性肺炎を合併することがある。
・サルコイドーシスはぶどう膜炎の原因疾患の第1位であり、血清アンジオテンシン変換酵素、胸部X線検査などは必ず行う。
・HTLV-1感染は男性から女性に起こりやすく、全キャリアの約20%が性行為感染。
・大多数は母乳を介した母子感染である。
・母子感染ルートの主体は感染したTリンパ球を含む母乳。
・感染率は、完全人工栄養児3.3%、生後3か月(90日)を超えた母乳栄養児では17.7%。
・完全人工栄養児であっても3.3%が母子感染する。これは母乳以外の経胎盤感染や産道感染の存在を示唆する。
・90日未満の母乳栄養では1.9%、凍結母乳栄養では3.1%が母子感染を起こすが、有効性のevidenceは低く、現在は完全人工栄養が推奨される。
・短期母乳栄養を選択しても、ときに授乳が中止できず母乳栄養期間が長期化する可能性がある(児が母乳を望んで泣くし、乳房痛があるためついつい母乳栄養を続けてしまう)。
・経管栄養を必要とする早産低出生体重児では、壊死性腸炎や感染症のリスクを考慮し、成熟した哺乳機能が確立するまで凍結母乳栄養にしたほうがよいかもしれない。
・乳汁栄養法の選択は分娩前に決定しておくことが望ましい。
・母子感染の有無を評価は、3歳以後で抗体検査を行う。陽性である場合にはWB法により確認する。
・小児科医がいない分娩施設から、他施設の小児科医にフォローアップを依頼するため紹介状を送付し、フォローアップが途切れないようにすることが望ましい。
・出生前に産科医と小児科医の円滑な連携を確保することができれば、家族も安心して受診できるかもしれない。
・医療機関のHTLV-1キャリア外来も指定しておくことが望ましい。
・キャリアへの説明の要点:①HTLV-1関連疾患を疑う症状がないか。症状がある場合は専門医への紹介。②HTLV-1感染についての正しい知識。③不安の解消、④生活を変える必要はないことを伝える。⑤HTLV-1関連疾患の検査や定期健診の希望がある場合は、HTLV-1感染症に詳しい医師のいる医療機関や血液内科医への紹介。
・家族の中にHTLV-1キャリアがいる可能性があるが、家族に伝えるべきかどうかは患者本人の判断でよい。
・献血や移植への臓器提供はできない。ただし、家族の中でATLを発症した場合、骨髄移植のドナーにはなれる。
ダイエット薬について
☆ダイエット薬について
サノレックス(マジンドール)
・食欲中枢の抑制、消化管吸収抑制作用、代謝亢進作用
・10kgの体重減少効果、75%で効果
・昼食30分前に1日1錠0.5mgから開始(不眠になるため夜の内服はしない)
・2週間で効果がなければ0-1-0→0-2-0→1-2-0の順に増量
・覚醒効果、依存性があるため原則1日3錠28日分までの処方。3ヵ月投薬した後、3ヵ月休薬(休薬中はスーグラ、ゼニカルに変更)
・副作用は口渇感、便秘、悪心・嘔吐、睡眠障害、胃部不快感
・便秘にはグルコマンナンを併用(空腹感の解消でダイエットにつながる)
・禁忌:サノレックスに過敏症のある人、緑内障、重度の心不全、重度の膵疾患、重度の肝疾患、重度の腎疾患、重度の高血圧、脳血管障害、不安や抑うつや興奮状態、統合失調症、薬物やアルコールの乱用歴、MAO阻害薬の2週間以内の使用歴、妊婦、小児
サノレックス(マジンドール)
・食欲中枢の抑制、消化管吸収抑制作用、代謝亢進作用
・10kgの体重減少効果、75%で効果
・昼食30分前に1日1錠0.5mgから開始(不眠になるため夜の内服はしない)
・2週間で効果がなければ0-1-0→0-2-0→1-2-0の順に増量
・覚醒効果、依存性があるため原則1日3錠28日分までの処方。3ヵ月投薬した後、3ヵ月休薬(休薬中はスーグラ、ゼニカルに変更)
・副作用は口渇感、便秘、悪心・嘔吐、睡眠障害、胃部不快感
・便秘にはグルコマンナンを併用(空腹感の解消でダイエットにつながる)
・禁忌:サノレックスに過敏症のある人、緑内障、重度の心不全、重度の膵疾患、重度の肝疾患、重度の腎疾患、重度の高血圧、脳血管障害、不安や抑うつや興奮状態、統合失調症、薬物やアルコールの乱用歴、MAO阻害薬の2週間以内の使用歴、妊婦、小児
ゼニカル(オルリファスト、オルリスタット)
・脂肪分解に必要なリパーゼを抑制し、摂取した30%の脂肪分を分解せずそのまま体外へ排出させる
・FDA(アメリカ食品医薬局)が認可している肥満薬
・7kgの体重減少効果
・サノレックスとの併用も可能
・1日3回食前、もしくは食事と一緒に服用
・脂溶性ビタミンの吸収も抑制→長期服用をする場合はマルチビタミン等の摂取を行うこと
・禁忌:胆嚢障害、慢性消化不良がある人
・副作用は便中に脂質が増え脂肪便、軟便~下痢(ほぼ必発)
・脂肪分解に必要なリパーゼを抑制し、摂取した30%の脂肪分を分解せずそのまま体外へ排出させる
・FDA(アメリカ食品医薬局)が認可している肥満薬
・7kgの体重減少効果
・サノレックスとの併用も可能
・1日3回食前、もしくは食事と一緒に服用
・脂溶性ビタミンの吸収も抑制→長期服用をする場合はマルチビタミン等の摂取を行うこと
・禁忌:胆嚢障害、慢性消化不良がある人
・副作用は便中に脂質が増え脂肪便、軟便~下痢(ほぼ必発)
EDについて
<EDについて>
☆EDとは
・性行為に満足できない状態が3ヶ月以上持続すること。
・患者数は全国1130万人。40代前半で20%、50代で40%、65以上で60%。
cf)AGAの患者数は全国1260万人。20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代で40%。
☆EDの原因
・器質性ED:
①DM,HL,HT→動脈硬化→陰茎海綿体動脈の拡張障害
②アルツハイマー、脳卒中、パーキンソン病、骨盤内手術(TUR-Pt術後では6-68%)による神経障害
③前立腺肥大症、前立腺癌、更年期(LOH症候群、アンドロゲン低下)
・心因性ED:ストレスなどによる現実心因性、トラウマによる深層心因性ED・薬剤性EDには、抗うつ薬、降圧剤、睡眠剤。例:利尿剤、Ca拮抗薬、βブロッカー(ARBはEDを改善、BPH治療薬のαブロッカーは射精障害を起こすがEDは起こさない)
・リスクファクター:肥満、SAS(夜間の勃起障害→酸素化不良)、運動不足、喫煙、年齢、糖尿病、高血圧、テストステロン低下、慢性腎臓病、鬱、抗鬱薬、薬物、パーキンソン病や脳卒中などの神経疾患
☆ED治療薬
・陰茎海綿体に分布するPDE5を阻害し陰茎海綿体動脈の血管拡張を促す。
・1993年にバイアグラ(シルデナフィル)、2004年にレビトラ(バルデナフィル)、2007年にシアリス(タダラフィル)が承認。
・バイアグラはファイザーより1998年に承認され、日本以外では100mgまで販売されている。日本は50mgまで認められており、通常は50mgを服用する。
・バイアグラ25mgから開始:CYP3A4代謝の薬剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、シメチジン)、抗HIV薬/抗真菌薬、65歳以上、CCr30以下、Child-PughB以上、αブロッカー
・バイアグラ50mgが効かない時はレビトラ20mgやシアリス20mgに切り替えを考える(ED薬の強さ:バイアグラ100mg>シアリス20mg>レビトラ20mg>バイアグラ50mg)。
・勃起の硬さが不足すると感度が増え早漏になるが、レビトラにはバイアグラやシアリスより早漏改善効果がある。ただし早漏治療薬のダポキセチンには及ばない。
・レビトラの通常量は10mgで即効性があり、20mgまで増量でき、バイアグラ同様のED改善効果が期待できる。65歳以上にはレビトラ20mgの適用は無し。
・65歳以上にはレビトラ20mgは処方できないので、進行したEDの65歳以上ではシアリス20mg、バイアグラ100mgを使う。
・アドシルカは肺高血圧症の治療薬で40mgを1日1回、ザルティアは前立腺肥大に対する治療薬で用法は5mg1日1回である。成分はシアリスと同じタダラフィルである(シアリスは1日2回=40mg/dayまで投与可能)。
・きちんと前立腺肥大と診断されないと保険診療でザルティアを処方してもらうのは難しい状況である。
・1番新しい薬であるシアリスの通常量は10mgである。副作用が最も少ない。
・DMにより動脈硬化が進行し重度のEDがある場合はシアリス20mgにする。
・シアリスは"だけED"どの心因性に効果的である。効果の発現に若干の個人差があることに注意。
・3剤とも心血管イベントの発生率はプラセボと優位差なし。降圧薬との併用もOK。
☆ED治療薬の持続時間
・効果発現までの時間はバイアグラが30分~1時間、レビトラが10分~30分、シアリスが1~2時間。
・効果持続時間はバイアグラが3~6時間、レビトラが5~8時間、シアリスが30~36時間。
・食事やアルコールの影響はバイアグラやレビトラが受けるのに対し、シアリスはほとんど受けないとされている。
・シアリスは1時間後に効き始め、3時間後がピーク、30~36時間続くため、金曜の夜に内服しておけば日曜まで続くためウィークエンドピルと言われている。
☆副作用
①重篤なもの:
1)NAION(non-arteric anterior ischemic optic neuropathy):突然の無痛性の視野欠損。50歳以上で2-10/10万人に生じる。
2)突発性難聴
3)前立腺癌術後のPSA再発
4)メラノーマ(紫外線と同じハザード比で交絡因子の可能性)
5)持続性勃起症:服用後4時間以上続くなら泌尿器科受診が必要である。
②軽微なもの:
・顔のほてり、目の充血、頭痛、鼻づまり、青視症(視野が青色に見える)→全て自然軽快する。シアリスは副作用が少ない。
・顔のほてり、目の充血は効果発現のサイン、薬効が切れる頃に鼻づまりや目の奥の痛み、光過敏、青視症が認められるがすぐに改善する。
・その他、血流増加による蠕動運動上昇で胃部不快感(GERD)、下痢を認めることがある。結膜炎、腰痛などもあり。
・シアリスのみ背部痛(5%)を認めることがある(シアリスは骨格筋に分布するPDE11も阻害するため)。
☆禁忌、併用禁忌
・併用禁忌:硝酸薬(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド)、クラスIIIの抗不整脈薬(アミオダロン、ソタロール)、肺高血圧薬(リオシグアト)との併用は禁忌。
cf)ニプラジロール点眼液、ハイパジールコーワ点眼液にニプラジロールが含まれており、添付文書上はバイアグラと併用禁忌ではないが併用禁忌としているクリニックもある。
cf)メニエールにて処方されるイソバイドはイソソルビドだが、硝酸イソソルビドとは違うのでED薬は使用可能。
・禁忌:PDE5阻害薬そのものにアレルギーがある人、肝障害、心血管障害があり性行為そのものが禁止されている人、90/50mmHg以下の低血圧や170mmHg以上のコントロールされていない高血圧症、網膜色素変性症
・バイアグラやシアリスにはないレビトラの禁忌:先天性QT延長症候群、クラス1Aの抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド)、抗HIV薬、ケトコナゾールやイトラコナゾール、透析中。
☆服用上の注意
・性行為の1時間前に服用する。
・ED薬を飲んだだけでは勃起しない。ED薬服用後に性的興奮が加わる必要がある。
・アルコールはリラックス効果があるが、過度に飲酒すると神経伝達が悪くなるためほどほどにする。
・性欲には影響しない(催淫作用はない)。
・ED薬は5~6回使わないと効果にムラがあり、また食事の影響受けるので食事のタイミングを掴むためにも5~6回試す必要がある。
・必ず空腹時に服用すること、食後に服用するときは2~3時間あけて、また油ものは避けるようにする。
・食事をする場合は先に内服して吸収をさせてからにしておく。
・ED薬の効果が効かないのはアルコールの飲み過ぎや食後の服用が最も多い原因。
・シアリスは食事の影響は受けにくいが800kcal以上食べ過ぎると効果が減弱する。
・ED薬は直射日光にあてさえしなければ2年間は保存可能。
・持病で服用中ならお薬手帳で禁忌薬がないか確認する。
☆用法用量
・バイアグラ
1日1回25-50mgを性交の1時間前に服用(投与間隔は24時間)
65歳以上、肝障害、重度の腎障害(CCr<30ml/min)では25mgから開始
・レビトラ
1日1回10mgを性交の1時間前に服用、効果ないときは20mgに増量(投与間隔は24時間)
65歳以上、中等度肝障害では5mgから開始し、上限は10mg・シアリス
1日1回10mgを性交の1時間前に服用、効果ないときは20mgに増量(投与間隔は24時間)
軽度又は中等度肝障害では上限10mg中等度の腎障害では5mgから開始し上限10mg(投与間隔は48時間)
重度の腎障害では5mgが上限(投与間隔は48時間)
☆禁忌
・バイアグラの禁忌
本剤に過敏症の既往
硝酸剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド)投与中
心血管障害により性行為が不適当
重度の肝機能障害
低血圧(90/50mmHg以下)又は無治療の高血圧(安静時収縮期170mmHg以上または安静時拡張期血圧100mmHg以上)
脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往が6ヶ月以内
網膜色素変性症
アミオダロン投与中
可溶性グアニル酸シクラーゼ(リオシグアト)投与中
・レビトラの禁忌
バイアグラの禁忌に以下を追加
先天性QT延長症候群、クラス1A抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド)、クラス3抗不整脈薬(アミオダロン、ソタロール)
血液透析患者
不安定狭心症
CYP3A4を阻害する薬剤(リトナビル、インジナビル、アタザナビル、サキナビルメシル、ホスアンプレナビル、ロピナビル・リトナビル、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル、ダルナビル、テラプレビル、外用剤以外のケトコナゾール、イトラコナゾール、コビシスタット)
・シアリスの禁忌
バイアグラの禁忌とほぼ同じ(心筋梗塞の既往が6ヶ月→3ヶ月以内に変更あり)
☆EDとは
・性行為に満足できない状態が3ヶ月以上持続すること。
・患者数は全国1130万人。40代前半で20%、50代で40%、65以上で60%。
cf)AGAの患者数は全国1260万人。20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代で40%。
☆EDの原因
・器質性ED:
①DM,HL,HT→動脈硬化→陰茎海綿体動脈の拡張障害
②アルツハイマー、脳卒中、パーキンソン病、骨盤内手術(TUR-Pt術後では6-68%)による神経障害
③前立腺肥大症、前立腺癌、更年期(LOH症候群、アンドロゲン低下)
・心因性ED:ストレスなどによる現実心因性、トラウマによる深層心因性ED・薬剤性EDには、抗うつ薬、降圧剤、睡眠剤。例:利尿剤、Ca拮抗薬、βブロッカー(ARBはEDを改善、BPH治療薬のαブロッカーは射精障害を起こすがEDは起こさない)
・リスクファクター:肥満、SAS(夜間の勃起障害→酸素化不良)、運動不足、喫煙、年齢、糖尿病、高血圧、テストステロン低下、慢性腎臓病、鬱、抗鬱薬、薬物、パーキンソン病や脳卒中などの神経疾患
☆ED治療薬
・陰茎海綿体に分布するPDE5を阻害し陰茎海綿体動脈の血管拡張を促す。
・1993年にバイアグラ(シルデナフィル)、2004年にレビトラ(バルデナフィル)、2007年にシアリス(タダラフィル)が承認。
・バイアグラはファイザーより1998年に承認され、日本以外では100mgまで販売されている。日本は50mgまで認められており、通常は50mgを服用する。
・バイアグラ25mgから開始:CYP3A4代謝の薬剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、シメチジン)、抗HIV薬/抗真菌薬、65歳以上、CCr30以下、Child-PughB以上、αブロッカー
・バイアグラ50mgが効かない時はレビトラ20mgやシアリス20mgに切り替えを考える(ED薬の強さ:バイアグラ100mg>シアリス20mg>レビトラ20mg>バイアグラ50mg)。
・勃起の硬さが不足すると感度が増え早漏になるが、レビトラにはバイアグラやシアリスより早漏改善効果がある。ただし早漏治療薬のダポキセチンには及ばない。
・レビトラの通常量は10mgで即効性があり、20mgまで増量でき、バイアグラ同様のED改善効果が期待できる。65歳以上にはレビトラ20mgの適用は無し。
・65歳以上にはレビトラ20mgは処方できないので、進行したEDの65歳以上ではシアリス20mg、バイアグラ100mgを使う。
・アドシルカは肺高血圧症の治療薬で40mgを1日1回、ザルティアは前立腺肥大に対する治療薬で用法は5mg1日1回である。成分はシアリスと同じタダラフィルである(シアリスは1日2回=40mg/dayまで投与可能)。
・きちんと前立腺肥大と診断されないと保険診療でザルティアを処方してもらうのは難しい状況である。
・1番新しい薬であるシアリスの通常量は10mgである。副作用が最も少ない。
・DMにより動脈硬化が進行し重度のEDがある場合はシアリス20mgにする。
・シアリスは"だけED"どの心因性に効果的である。効果の発現に若干の個人差があることに注意。
・3剤とも心血管イベントの発生率はプラセボと優位差なし。降圧薬との併用もOK。
☆ED治療薬の持続時間
・効果発現までの時間はバイアグラが30分~1時間、レビトラが10分~30分、シアリスが1~2時間。
・効果持続時間はバイアグラが3~6時間、レビトラが5~8時間、シアリスが30~36時間。
・食事やアルコールの影響はバイアグラやレビトラが受けるのに対し、シアリスはほとんど受けないとされている。
・シアリスは1時間後に効き始め、3時間後がピーク、30~36時間続くため、金曜の夜に内服しておけば日曜まで続くためウィークエンドピルと言われている。
☆副作用
①重篤なもの:
1)NAION(non-arteric anterior ischemic optic neuropathy):突然の無痛性の視野欠損。50歳以上で2-10/10万人に生じる。
2)突発性難聴
3)前立腺癌術後のPSA再発
4)メラノーマ(紫外線と同じハザード比で交絡因子の可能性)
5)持続性勃起症:服用後4時間以上続くなら泌尿器科受診が必要である。
②軽微なもの:
・顔のほてり、目の充血、頭痛、鼻づまり、青視症(視野が青色に見える)→全て自然軽快する。シアリスは副作用が少ない。
・顔のほてり、目の充血は効果発現のサイン、薬効が切れる頃に鼻づまりや目の奥の痛み、光過敏、青視症が認められるがすぐに改善する。
・その他、血流増加による蠕動運動上昇で胃部不快感(GERD)、下痢を認めることがある。結膜炎、腰痛などもあり。
・シアリスのみ背部痛(5%)を認めることがある(シアリスは骨格筋に分布するPDE11も阻害するため)。
☆禁忌、併用禁忌
・併用禁忌:硝酸薬(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド)、クラスIIIの抗不整脈薬(アミオダロン、ソタロール)、肺高血圧薬(リオシグアト)との併用は禁忌。
cf)ニプラジロール点眼液、ハイパジールコーワ点眼液にニプラジロールが含まれており、添付文書上はバイアグラと併用禁忌ではないが併用禁忌としているクリニックもある。
cf)メニエールにて処方されるイソバイドはイソソルビドだが、硝酸イソソルビドとは違うのでED薬は使用可能。
・禁忌:PDE5阻害薬そのものにアレルギーがある人、肝障害、心血管障害があり性行為そのものが禁止されている人、90/50mmHg以下の低血圧や170mmHg以上のコントロールされていない高血圧症、網膜色素変性症
・バイアグラやシアリスにはないレビトラの禁忌:先天性QT延長症候群、クラス1Aの抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド)、抗HIV薬、ケトコナゾールやイトラコナゾール、透析中。
☆服用上の注意
・性行為の1時間前に服用する。
・ED薬を飲んだだけでは勃起しない。ED薬服用後に性的興奮が加わる必要がある。
・アルコールはリラックス効果があるが、過度に飲酒すると神経伝達が悪くなるためほどほどにする。
・性欲には影響しない(催淫作用はない)。
・ED薬は5~6回使わないと効果にムラがあり、また食事の影響受けるので食事のタイミングを掴むためにも5~6回試す必要がある。
・必ず空腹時に服用すること、食後に服用するときは2~3時間あけて、また油ものは避けるようにする。
・食事をする場合は先に内服して吸収をさせてからにしておく。
・ED薬の効果が効かないのはアルコールの飲み過ぎや食後の服用が最も多い原因。
・シアリスは食事の影響は受けにくいが800kcal以上食べ過ぎると効果が減弱する。
・ED薬は直射日光にあてさえしなければ2年間は保存可能。
・持病で服用中ならお薬手帳で禁忌薬がないか確認する。
☆用法用量
・バイアグラ
1日1回25-50mgを性交の1時間前に服用(投与間隔は24時間)
65歳以上、肝障害、重度の腎障害(CCr<30ml/min)では25mgから開始
・レビトラ
1日1回10mgを性交の1時間前に服用、効果ないときは20mgに増量(投与間隔は24時間)
65歳以上、中等度肝障害では5mgから開始し、上限は10mg・シアリス
1日1回10mgを性交の1時間前に服用、効果ないときは20mgに増量(投与間隔は24時間)
軽度又は中等度肝障害では上限10mg中等度の腎障害では5mgから開始し上限10mg(投与間隔は48時間)
重度の腎障害では5mgが上限(投与間隔は48時間)
☆禁忌
・バイアグラの禁忌
本剤に過敏症の既往
硝酸剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド)投与中
心血管障害により性行為が不適当
重度の肝機能障害
低血圧(90/50mmHg以下)又は無治療の高血圧(安静時収縮期170mmHg以上または安静時拡張期血圧100mmHg以上)
脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往が6ヶ月以内
網膜色素変性症
アミオダロン投与中
可溶性グアニル酸シクラーゼ(リオシグアト)投与中
・レビトラの禁忌
バイアグラの禁忌に以下を追加
先天性QT延長症候群、クラス1A抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド)、クラス3抗不整脈薬(アミオダロン、ソタロール)
血液透析患者
不安定狭心症
CYP3A4を阻害する薬剤(リトナビル、インジナビル、アタザナビル、サキナビルメシル、ホスアンプレナビル、ロピナビル・リトナビル、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル、ダルナビル、テラプレビル、外用剤以外のケトコナゾール、イトラコナゾール、コビシスタット)
・シアリスの禁忌
バイアグラの禁忌とほぼ同じ(心筋梗塞の既往が6ヶ月→3ヶ月以内に変更あり)
AGAについて
<AGAについて>
☆AGAとは
・Androgenetic Alopecia=Androgen(男性ホルモン)+genetic(遺伝)を背景にした薄毛。
・毛乳頭からの血流を受け、毛母細胞が分裂増殖し角化したものが毛髪となる。1か月に1cm伸びる。
・毛髪サイクルは休止期は3~4ヶ月、成長期は2~6年、退行期は2週間。AGAでは成長期が数ヶ月から1年に短縮される。
・AGAの患者数は全国1260万人。20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代で40%。
cf)EDの患者数は全国1130万人。40代前半で20%、50代で40%、65以上で60%。
☆AGAの原因
・AGAの原因は、男性ホルモン(DHT)の増加、遺伝、血流の悪化。
・DHTは生え際、頭頂部のAGAの原因、血流は頭頂部、前頭部のAGAの主な原因。
・テストステロン(Testosterone, TST)が5α還元酵素により、ジヒドロテストステロン(Dihydrotestosterone, DHT)に代謝されてDHTが毛乳頭の核内のreceptorに結合しDKK-1,PGFβを合成し毛乳頭を障害し発症。
・遺伝は原因遺伝子がX染色体上にあるため母親からの遺伝による影響が強い(母方家系にAGAがいなかったか?)。
☆AGA治療の考え方
・男性ホルモンを抑制:プロペシア(フィナステリド)、ザガーロ(デュタステリド)
・頭皮の血流改善:禁煙、ロゲイン(ミノキシジル)、カロヤン(アロビックス)
・頭皮環境を整える:ケトコナゾールシャンプー
・生活環境の改善、頭皮への栄養:規則正しい生活、毛髪の栄養分である亜鉛、ビタミンB郡、ビタミンC、セレン等の摂取、ヘアパック等のヘアケア
・6ヶ月を目安にして治療効果を判定する。
・5α還元酵素阻害薬は3年での改善(維持を含む)は98%以上の効果。しかし著名な効果は2-6%にとどまるため、ミノキシジルと併用することが重要。
・ガイドラインでは軽症AGAに対しては推奨度C1の育毛剤もしくは5%ミノキシジルand/orフィナステリド。重症AGAに関しては5%ミノキシジルとフィナステリドを1年間投与。1年間の治療後に植毛やかつらの考慮。
・ガイドラインの推奨度Aはプロペシア、ザガーロ、ミノキシジル外用。アデノシン外用はB、ミノキシジルタブレットはD。
・早めに治療しないと毛組織の瘢痕化が生じてからでは遅い。
☆AGA以外の薄毛の原因:
円形脱毛症、ケルスス禿瘡、脂漏性脱毛症、薬剤性脱毛症、妊娠脱毛症
cf)額の生え際、頭頂部以外から脱毛が始まった場合は別の脱毛症の可能性がある
☆5α還元酵素阻害薬
・プロペシア(フィナステリド)はMSD社より2005年から発売。1日1回1錠内服。
・ザガーロ(デュタステリド)はもともとグラクソスミスクライン社(GSK社)から2001年(日本は2009年)に同成分のアボルブが前立腺肥大症治療薬として100カ国以上で販売されており、2015年からAGA治療薬としてザガーロとして承認された。
・5α還元酵素が存在するのは皮膚(毛根、皮脂腺)、肝臓、前立腺。サブタイプが2つあり、皮膚や肝臓では1型が優位、前立腺では2型が優位に存在する。
・デュタステリドはフィナステリドが作用しない1型5α還元酵素を阻害する上、2型5α還元酵素も約3倍阻害するため、DHTをより強力に抑制する。デュタステリド0.5mgはフィナステリド1mgの1.6倍の発毛効果があり、維持よりも発毛効果が認められる。
・24週間後の毛髪量の増加ではザガーロ0.5mg>ザガーロ0.1mg>プロペシア1mg 24週間後の毛髪径の増加ではザガーロ0.5mg>ザガーロ0.1mg=プロペシア1mg・ザガーロ0.1mgより開始し様子を見て0.5mgに増量する。ただしプロペシア1mgからの切り替えはザガーロ0.5mgで良い。
・1年では6割、2年で7割、3年で8割の効果。長期使用によって効果が上がる。
☆5α還元酵素阻害薬の副作用
・プロペシアの副作用は性欲減退(1%、プラセボと有意差なし)、ED(0.7%)、肝障害(食欲不振や全身倦怠感)。
・ザガーロの副作用は性欲減退(4%)、ED(4%)、性欲減少(1%)、肝障害(食欲不振や全身倦怠感)。
☆併用注意
・ザガーロは肝臓でチトクロームP450(CYP3A4)で代謝されるため同じチトクロームP450で代謝されるリトナビルやCa拮抗薬の併用でクリアランスが低下する(つまり血中濃度上昇する)。
☆服用上の注意
・治療開始後2~6週に初期脱毛を生じることがある(休止期の毛髪が脱落し新たな発毛が起こるため)。
・3-6ヶ月でPSAを半減させるため前立腺癌を見落とす可能性があり、5α還元酵素阻害薬投与中は健診時に申告すること。
・処方前にcontrolとしてPSAを測定するとよい。処方中低下したPSAが再上昇または処方中全く低下せず上昇する場合には前立腺癌の除外が必要。
・PSAの低下はプロペシアでは中止すれば2ヶ月で正常化。ザガーロは6ヶ月で正常化するが、1年以上持続することもある。
・プロペシアは献血の際には1ヵ月の休薬が必要。ザガーロは6か月の休薬が必要。
・ザガーロの禁忌はザガーロに対するアレルギーのある患者、妊産婦、小児、重度の肝障害のある患者、安全性の確立されていない20歳未満。
・プロペシアが効かない原因として、毎日きちんと服用できていない、治療開始6か月以内である、AGAの程度が強いなどが考えられる。
・AGAの程度が強い場合はミノキシジル内服の併用の追加や、より強力なザガーロに変更する。
・ザガーロは脱カプセルで経費吸収されるため、女性や小児に触れさせてはいけない。妊婦が触れると経費吸収され胎児の生殖器奇形のリスクがある。しかし精子を介した暴露でもリスクは指摘されてはいるが可能性は低い。しかしリスクはゼロでは無いため12~20週で体内から排泄されるため、子作りをする場合は12~20週前から休薬する。休薬をする間もAGA治療する場合はミノキシジルタブレットを使う。
☆ロゲイン
・ロゲインはミノキシジルを主成分とする外用薬で、血管拡張作用があり、毛乳頭への血流を改善し、IGF-1やVEGFを産生する。
・プロペシアやザガーロと併用すると効果がある。1%、2%、5%含有のものがあり、副作用の頻度は変わらないので5%が良い。1日2回直接頭皮に塗布する。
・3ヶ月で改善効果があるが、その前に初期脱毛を生じることがあるので6か月は継続する。
・副作用は頭皮のかゆみ、ふけ、発疹、かぶれ、低血圧、性欲減退、手足のむくみなど。
・心血管障害がある場合は担当医と相談をする。アデノシン外用は心血管障害があっても使用できる。
・大正製薬のリアップx5はもともとはロゲインのジェネリックである。アメリカのポラリスリサーチラボラトリーズ社から最高16%のミノキシジルローションが発売されている。
☆ミノキシジルタブレット
・ミノキシジルタブレット(ミノタブ)はもともとファイザーが高血圧治療薬として開発したが、多毛症が認められたため発毛剤として発売された。外用よりも効果が大きく、1日5mgを分1~2で投与する。3~4ヶ月で改善効果が認められる。
・ただし、もともとは降圧薬なので急激な血圧低下や浮腫を生じる可能性がありガイドラインの推奨度はD。
・毛髪のこしを強くするミノキシジル、発毛されやすくするのはプロペシアとザガーロで特に前頭部や生え際の発毛に効果がある。
・ミノキシジル内服と外用の併用も可能である。
・ミノキシジルタブレットの副作用は体毛の増加、吐き気、嘔吐、腹痛、性欲減退、血圧低下、むくみなどが報告されている。副作用のうち多毛が最多でむくみは400例中2例しか報告されていない。
・ミノタブはもともと高血圧治療薬なのでアルコール併用でさらに血圧低下をきたすので注意する。
・ミノタブを水に溶かして頭皮に塗っても効果はなし。
☆アロビックス
・アロビックス(塩化カルプロニウム)はカロヤンが第一三共から1から2%の濃度で発売されているがアロビックスは5%である。ただしガイドラインではC1。1日2~3回頭皮に塗布する。
・副作用は局所発汗、かゆみ、刺激痛、熱感など。
☆用法用量
・プロペシア
1日1回0.2mg、必要に応じて1mgまで増量
効果が確認できるまで6か月の連日投与が必要
・ザガーロ
1日1回0.1mg、必要に応じて0.5mgまで増量
カプセルは噛んだり開けたりせず服用
効果が確認できるまで6か月の連日投与が必要
☆禁忌
・プロペシアの禁忌
本剤に過敏症ある場合
妊婦、妊娠の可能性のある女性、授乳中
・ザガーロの禁忌
本剤及び5α還元酵素阻害剤に過敏症がある場合
女性
小児
重度の肝機能異常
☆AGAとは
・Androgenetic Alopecia=Androgen(男性ホルモン)+genetic(遺伝)を背景にした薄毛。
・毛乳頭からの血流を受け、毛母細胞が分裂増殖し角化したものが毛髪となる。1か月に1cm伸びる。
・毛髪サイクルは休止期は3~4ヶ月、成長期は2~6年、退行期は2週間。AGAでは成長期が数ヶ月から1年に短縮される。
・AGAの患者数は全国1260万人。20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代で40%。
cf)EDの患者数は全国1130万人。40代前半で20%、50代で40%、65以上で60%。
☆AGAの原因
・AGAの原因は、男性ホルモン(DHT)の増加、遺伝、血流の悪化。
・DHTは生え際、頭頂部のAGAの原因、血流は頭頂部、前頭部のAGAの主な原因。
・テストステロン(Testosterone, TST)が5α還元酵素により、ジヒドロテストステロン(Dihydrotestosterone, DHT)に代謝されてDHTが毛乳頭の核内のreceptorに結合しDKK-1,PGFβを合成し毛乳頭を障害し発症。
・遺伝は原因遺伝子がX染色体上にあるため母親からの遺伝による影響が強い(母方家系にAGAがいなかったか?)。
☆AGA治療の考え方
・男性ホルモンを抑制:プロペシア(フィナステリド)、ザガーロ(デュタステリド)
・頭皮の血流改善:禁煙、ロゲイン(ミノキシジル)、カロヤン(アロビックス)
・頭皮環境を整える:ケトコナゾールシャンプー
・生活環境の改善、頭皮への栄養:規則正しい生活、毛髪の栄養分である亜鉛、ビタミンB郡、ビタミンC、セレン等の摂取、ヘアパック等のヘアケア
・6ヶ月を目安にして治療効果を判定する。
・5α還元酵素阻害薬は3年での改善(維持を含む)は98%以上の効果。しかし著名な効果は2-6%にとどまるため、ミノキシジルと併用することが重要。
・ガイドラインでは軽症AGAに対しては推奨度C1の育毛剤もしくは5%ミノキシジルand/orフィナステリド。重症AGAに関しては5%ミノキシジルとフィナステリドを1年間投与。1年間の治療後に植毛やかつらの考慮。
・ガイドラインの推奨度Aはプロペシア、ザガーロ、ミノキシジル外用。アデノシン外用はB、ミノキシジルタブレットはD。
・早めに治療しないと毛組織の瘢痕化が生じてからでは遅い。
☆AGA以外の薄毛の原因:
円形脱毛症、ケルスス禿瘡、脂漏性脱毛症、薬剤性脱毛症、妊娠脱毛症
cf)額の生え際、頭頂部以外から脱毛が始まった場合は別の脱毛症の可能性がある
☆5α還元酵素阻害薬
・プロペシア(フィナステリド)はMSD社より2005年から発売。1日1回1錠内服。
・ザガーロ(デュタステリド)はもともとグラクソスミスクライン社(GSK社)から2001年(日本は2009年)に同成分のアボルブが前立腺肥大症治療薬として100カ国以上で販売されており、2015年からAGA治療薬としてザガーロとして承認された。
・5α還元酵素が存在するのは皮膚(毛根、皮脂腺)、肝臓、前立腺。サブタイプが2つあり、皮膚や肝臓では1型が優位、前立腺では2型が優位に存在する。
・デュタステリドはフィナステリドが作用しない1型5α還元酵素を阻害する上、2型5α還元酵素も約3倍阻害するため、DHTをより強力に抑制する。デュタステリド0.5mgはフィナステリド1mgの1.6倍の発毛効果があり、維持よりも発毛効果が認められる。
・24週間後の毛髪量の増加ではザガーロ0.5mg>ザガーロ0.1mg>プロペシア1mg 24週間後の毛髪径の増加ではザガーロ0.5mg>ザガーロ0.1mg=プロペシア1mg・ザガーロ0.1mgより開始し様子を見て0.5mgに増量する。ただしプロペシア1mgからの切り替えはザガーロ0.5mgで良い。
・1年では6割、2年で7割、3年で8割の効果。長期使用によって効果が上がる。
☆5α還元酵素阻害薬の副作用
・プロペシアの副作用は性欲減退(1%、プラセボと有意差なし)、ED(0.7%)、肝障害(食欲不振や全身倦怠感)。
・ザガーロの副作用は性欲減退(4%)、ED(4%)、性欲減少(1%)、肝障害(食欲不振や全身倦怠感)。
☆併用注意
・ザガーロは肝臓でチトクロームP450(CYP3A4)で代謝されるため同じチトクロームP450で代謝されるリトナビルやCa拮抗薬の併用でクリアランスが低下する(つまり血中濃度上昇する)。
☆服用上の注意
・治療開始後2~6週に初期脱毛を生じることがある(休止期の毛髪が脱落し新たな発毛が起こるため)。
・3-6ヶ月でPSAを半減させるため前立腺癌を見落とす可能性があり、5α還元酵素阻害薬投与中は健診時に申告すること。
・処方前にcontrolとしてPSAを測定するとよい。処方中低下したPSAが再上昇または処方中全く低下せず上昇する場合には前立腺癌の除外が必要。
・PSAの低下はプロペシアでは中止すれば2ヶ月で正常化。ザガーロは6ヶ月で正常化するが、1年以上持続することもある。
・プロペシアは献血の際には1ヵ月の休薬が必要。ザガーロは6か月の休薬が必要。
・ザガーロの禁忌はザガーロに対するアレルギーのある患者、妊産婦、小児、重度の肝障害のある患者、安全性の確立されていない20歳未満。
・プロペシアが効かない原因として、毎日きちんと服用できていない、治療開始6か月以内である、AGAの程度が強いなどが考えられる。
・AGAの程度が強い場合はミノキシジル内服の併用の追加や、より強力なザガーロに変更する。
・ザガーロは脱カプセルで経費吸収されるため、女性や小児に触れさせてはいけない。妊婦が触れると経費吸収され胎児の生殖器奇形のリスクがある。しかし精子を介した暴露でもリスクは指摘されてはいるが可能性は低い。しかしリスクはゼロでは無いため12~20週で体内から排泄されるため、子作りをする場合は12~20週前から休薬する。休薬をする間もAGA治療する場合はミノキシジルタブレットを使う。
☆ロゲイン
・ロゲインはミノキシジルを主成分とする外用薬で、血管拡張作用があり、毛乳頭への血流を改善し、IGF-1やVEGFを産生する。
・プロペシアやザガーロと併用すると効果がある。1%、2%、5%含有のものがあり、副作用の頻度は変わらないので5%が良い。1日2回直接頭皮に塗布する。
・3ヶ月で改善効果があるが、その前に初期脱毛を生じることがあるので6か月は継続する。
・副作用は頭皮のかゆみ、ふけ、発疹、かぶれ、低血圧、性欲減退、手足のむくみなど。
・心血管障害がある場合は担当医と相談をする。アデノシン外用は心血管障害があっても使用できる。
・大正製薬のリアップx5はもともとはロゲインのジェネリックである。アメリカのポラリスリサーチラボラトリーズ社から最高16%のミノキシジルローションが発売されている。
☆ミノキシジルタブレット
・ミノキシジルタブレット(ミノタブ)はもともとファイザーが高血圧治療薬として開発したが、多毛症が認められたため発毛剤として発売された。外用よりも効果が大きく、1日5mgを分1~2で投与する。3~4ヶ月で改善効果が認められる。
・ただし、もともとは降圧薬なので急激な血圧低下や浮腫を生じる可能性がありガイドラインの推奨度はD。
・毛髪のこしを強くするミノキシジル、発毛されやすくするのはプロペシアとザガーロで特に前頭部や生え際の発毛に効果がある。
・ミノキシジル内服と外用の併用も可能である。
・ミノキシジルタブレットの副作用は体毛の増加、吐き気、嘔吐、腹痛、性欲減退、血圧低下、むくみなどが報告されている。副作用のうち多毛が最多でむくみは400例中2例しか報告されていない。
・ミノタブはもともと高血圧治療薬なのでアルコール併用でさらに血圧低下をきたすので注意する。
・ミノタブを水に溶かして頭皮に塗っても効果はなし。
☆アロビックス
・アロビックス(塩化カルプロニウム)はカロヤンが第一三共から1から2%の濃度で発売されているがアロビックスは5%である。ただしガイドラインではC1。1日2~3回頭皮に塗布する。
・副作用は局所発汗、かゆみ、刺激痛、熱感など。
☆用法用量
・プロペシア
1日1回0.2mg、必要に応じて1mgまで増量
効果が確認できるまで6か月の連日投与が必要
・ザガーロ
1日1回0.1mg、必要に応じて0.5mgまで増量
カプセルは噛んだり開けたりせず服用
効果が確認できるまで6か月の連日投与が必要
☆禁忌
・プロペシアの禁忌
本剤に過敏症ある場合
妊婦、妊娠の可能性のある女性、授乳中
・ザガーロの禁忌
本剤及び5α還元酵素阻害剤に過敏症がある場合
女性
小児
重度の肝機能異常
<薬剤メモ 目次>
便秘(サブイレウス/麻痺性イレウス)
尿閉
水様性下痢(IBSも含む)
不眠
痙攣
不穏/せん妄
発熱(38.5℃以上の時)
疼痛(体重50kgあたり)/帯状疱疹後神経痛
片頭痛/群発頭痛
胃痛(FDも含む)
耳痛/頬痛
咽頭痛/感冒(かぜ)/咳/痰
インフルエンザ
肺炎
鎮静(体重50㎏)
蕁麻疹/帯状疱疹
吐血/黒色便
急性膵炎
血便
貧血
嘔気/嘔吐/麻痺性イレウス
回転性眩暈
動悸(PSVT,pAf)
動悸(脈ありVT)
徐脈
CPA心原性ショック
敗血症性ショック
アナフィラキシーショック
DIC胸痛
高血圧
脳梗塞
ASO高血糖
低血糖
低K血症
高K血症
低Na血症
呼吸困難(心不全)
呼吸困難(喘息/COPD)
呼吸困難(肺塞栓)
髄膜炎
ドライアイ
結膜炎
創傷/褥瘡
熱傷
打撲
PPN/TPN(IVH)
PPN/TPN(腎不全)
PPN(肝不全)
強化インスリン療法(スケールも含む)
経口血糖降下薬
高脂血症
高尿酸血症
慢性心不全経口薬
慢性心房細動
大腸検査前
骨粗鬆症
花粉症
DKA緩和ケア
経腸栄養(PEGやNGから投与する栄養)/PEG増設時のパス
ピロリ除菌療法
軟膏
低蛋白血症、腹水(肝硬変、がん末期)
ERCP時のパス
造影剤
服用時間の略語
逆流性食道炎
よく使われる漢方
シップ
認知症
鼻出血/血尿/喀血
夜間頻尿
ESD時のパス
ステロイドミニ"ミニ"パルス
療養病院での抗生剤の使い方
便秘(サブイレウス/麻痺性イレウス)
尿閉
水様性下痢(IBSも含む)
不眠
痙攣
不穏/せん妄
発熱(38.5℃以上の時)
疼痛(体重50kgあたり)/帯状疱疹後神経痛
片頭痛/群発頭痛
胃痛(FDも含む)
耳痛/頬痛
咽頭痛/感冒(かぜ)/咳/痰
インフルエンザ
肺炎
鎮静(体重50㎏)
蕁麻疹/帯状疱疹
吐血/黒色便
急性膵炎
血便
貧血
嘔気/嘔吐/麻痺性イレウス
回転性眩暈
動悸(PSVT,pAf)
動悸(脈ありVT)
徐脈
CPA心原性ショック
敗血症性ショック
アナフィラキシーショック
DIC胸痛
高血圧
脳梗塞
ASO高血糖
低血糖
低K血症
高K血症
低Na血症
呼吸困難(心不全)
呼吸困難(喘息/COPD)
呼吸困難(肺塞栓)
髄膜炎
ドライアイ
結膜炎
創傷/褥瘡
熱傷
打撲
PPN/TPN(IVH)
PPN/TPN(腎不全)
PPN(肝不全)
強化インスリン療法(スケールも含む)
経口血糖降下薬
高脂血症
高尿酸血症
慢性心不全経口薬
慢性心房細動
大腸検査前
骨粗鬆症
花粉症
DKA緩和ケア
経腸栄養(PEGやNGから投与する栄養)/PEG増設時のパス
ピロリ除菌療法
軟膏
低蛋白血症、腹水(肝硬変、がん末期)
ERCP時のパス
造影剤
服用時間の略語
逆流性食道炎
よく使われる漢方
シップ
認知症
鼻出血/血尿/喀血
夜間頻尿
ESD時のパス
ステロイドミニ"ミニ"パルス
療養病院での抗生剤の使い方
便秘(サブイレウス/麻痺性イレウス)
☆便秘(サブイレウス/麻痺性イレウス)
便秘時の指示:便秘2日目でレシカルボン座薬、3日目でラキソベロン内服etc・ケンエーG浣腸50% 60ml 1個
直腸付近の便秘に。
・ラキソベロン10ml 1回10-15滴をコップ一杯の水で薄めて飲んでください。
4分の1以上の服用で下痢になる。腸内細菌叢で分解され腸管刺激作用。
・330mgマグラックス錠(カマグ)6錠分3 水を吸収し、増大することで腸管蠕動を亢進させる。9錠分3まで増量可能。Mg濃度をフォローする。
cf)無効な場合は、大建中湯、D-ソルビトール、アミティーザ25μg1T/1x~2T/2xで対処。直腸にあるのであればGE浣腸を複数回かけて摘便する。
・フォルセニド12-24㎎分1・センノシド(アローゼン)1g分1 腸内細菌により腸管刺激物に変化。12時間持続するので就寝前に服用し、翌朝排便。IBSなどには使わない。
・新レシカルボン坐薬1個
・麻子仁丸3包分3(食間か食前)が有効なことあり
・大建中湯15g分3食前
イレウスの再発予防に。
・ラクツロース30ml分3・D-ソルビトール5g分2 腎不全の便秘時に便を軟便化する。ラキソベロン、プルゼニドも使用可能。透析導入が必要な腎不全時にマグラックスは不可。
注)
センノシド→大建中湯併用→ラキソベロン10滴→15滴→半分⇒無効ならCSをすること。
cf)・マグコロールは透析でなければ腎機能あまり気にしなくて良い。
・ニフレックは内圧が上昇するので注意。イレウス疑いの人には使わない。
・ラキソベロンは時に虚血性腸炎になり得る。既往のある人には使わない。
cf)向精神病薬内服中の頑固な便秘や腹部膨満
・マグミット(330)6T/3x・大建中湯15g/3x・アミティーザカプセル24μg 2C/2x朝夕
・ワゴスチグミン散(0.5%)20mg/2x朝夕
・ラキソベロン2.5mg 2Tネ前
(パントシンやラクツロースなども有効)
<サブイレウス/麻痺性イレウス>
・パントール250mg/1ml 1A+生食100mlを1日1~3回(最大500mgを1日3回)
cf)癒着性イレウスの手術適応の判断
癒着性イレウスに対し、NGチューブから胃内容物を吸引した後に、ガストログラフィンを50-100ml注入し、6-24時間後に撮影し、右横行結腸に造影剤が認められれば、感度92%、特異度93%で手術治療なしで治療可能と判断できる。
便秘時の指示:便秘2日目でレシカルボン座薬、3日目でラキソベロン内服etc・ケンエーG浣腸50% 60ml 1個
直腸付近の便秘に。
・ラキソベロン10ml 1回10-15滴をコップ一杯の水で薄めて飲んでください。
4分の1以上の服用で下痢になる。腸内細菌叢で分解され腸管刺激作用。
・330mgマグラックス錠(カマグ)6錠分3 水を吸収し、増大することで腸管蠕動を亢進させる。9錠分3まで増量可能。Mg濃度をフォローする。
cf)無効な場合は、大建中湯、D-ソルビトール、アミティーザ25μg1T/1x~2T/2xで対処。直腸にあるのであればGE浣腸を複数回かけて摘便する。
・フォルセニド12-24㎎分1・センノシド(アローゼン)1g分1 腸内細菌により腸管刺激物に変化。12時間持続するので就寝前に服用し、翌朝排便。IBSなどには使わない。
・新レシカルボン坐薬1個
・麻子仁丸3包分3(食間か食前)が有効なことあり
・大建中湯15g分3食前
イレウスの再発予防に。
・ラクツロース30ml分3・D-ソルビトール5g分2 腎不全の便秘時に便を軟便化する。ラキソベロン、プルゼニドも使用可能。透析導入が必要な腎不全時にマグラックスは不可。
注)
センノシド→大建中湯併用→ラキソベロン10滴→15滴→半分⇒無効ならCSをすること。
cf)・マグコロールは透析でなければ腎機能あまり気にしなくて良い。
・ニフレックは内圧が上昇するので注意。イレウス疑いの人には使わない。
・ラキソベロンは時に虚血性腸炎になり得る。既往のある人には使わない。
cf)向精神病薬内服中の頑固な便秘や腹部膨満
・マグミット(330)6T/3x・大建中湯15g/3x・アミティーザカプセル24μg 2C/2x朝夕
・ワゴスチグミン散(0.5%)20mg/2x朝夕
・ラキソベロン2.5mg 2Tネ前
(パントシンやラクツロースなども有効)
<サブイレウス/麻痺性イレウス>
・パントール250mg/1ml 1A+生食100mlを1日1~3回(最大500mgを1日3回)
cf)癒着性イレウスの手術適応の判断
癒着性イレウスに対し、NGチューブから胃内容物を吸引した後に、ガストログラフィンを50-100ml注入し、6-24時間後に撮影し、右横行結腸に造影剤が認められれば、感度92%、特異度93%で手術治療なしで治療可能と判断できる。
尿閉
水様性下痢(IBSも含む)
<注意!!>
下痢の訴えで、実は軟便、臍周囲の鈍痛、食欲なしは虫垂炎!!
虫垂が長くて臍あたりまで来ていると考えるべし!!
もしくは腸捻転や絞扼!!痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水あれば疑うこと。痛みは強いはず。
・小児や若年者で感冒様症状や胃腸炎症状で独歩来院する心筋炎がある。見逃すと劇症化し突然死することがある(劇症型心筋炎)。
・収縮期血圧低下、心電図変化、CPK上昇、AG増大のアシドーシスを認める。
・劇症型心筋炎の15%程度は悪心を、5-6%は下痢を伴うことがある。
cf)細菌性かウィルス性か判別つかないときは抗生剤を1~2日分くらい出した方がいいかもしれない(風邪症状や下痢の時)。
☆水様性下痢(IBSも含む)
急性胃腸炎:
・ミヤBM 3g分3・ロペラミド塩酸塩カプセル1mg(ロペミン)2C 朝夕毎食後
・ホスミシン500mg3錠分3~4錠分4 39度以上の発熱、濃粘血便、激しい腹痛、しぶり腹のどれかがあるとき。重篤であれば便培養とセキリアメーバAB:FAも提出。便ロタウィルス(迅速)や血中ノロウィルス抗原(迅速)。
cf)ノロウィルスの隔離解除は下痢消失2~3日
・ブスコパン20mg2%1ml 1A(ショットはしないこと。50ml以上の生食に溶かして点滴する)
急性胃腸炎の腹痛時。静注では頻脈きたすことあり。筋注の方がよい。ラクテック500ml点注でもよい。喘息の既往あれば使わない。
・プリンペラン10mg/2ml 1A(ショットでも可だがdyskinesia起こすことあり。生食20mlに希釈して静注がbetter。)
嘔気時。
・抗生剤使用時の水様性下痢はCDIを疑う:
①抗生剤の中止
②既往があるならミヤBMやビオフェルミンR(Rなしは無効)、レベニンの事前投与
③マクロライド、ニューキノロンへの変更
④メトロニダゾール(フラジール) 250 mg 4錠分4
⑤VCM500mg~2gを単シロップ4mlと精性水36mlに溶いて分4で内服
CD-1毒素陽性、CD-1抗原陽性の時。経口摂取困難の時はNGtubeから投与。
注意)CDIにフラジールかバンコマイシンか
・軽度から中等度のCDIに対してはメトロニダゾール
・65歳以上で再発のリスクがある、抗菌薬をCDIの初発以後30日間に使用する場合には、初発時からバンコマイシンを投与
・これらのリスクがない場合には、奏効率と再発率においてバンコマイシンと差はなく、薬価も低いメトロニダゾールを投与
・大建中湯、マグミット、エレンタール、ラクツロースなど下痢になる内服の中止。
過敏性腸症候群(IBS):
・コロネル/ポリフル細粒83.3%1.2g/包 3包分3 ・ビオフェルミン3g分3下痢型IBS:
・ストレスを避け、FODMAP食品を減らすよう指導する
・ビオフェルミン3-6g分3,ミヤBM3g分3:プロバイオティクス
・ポリフル500mg3錠毎食後(6錠分3まで増量可):高分子重合体
以上が無効な場合:
・ブスコパン10mg3錠分3もしくは腹痛時1錠頓服
・ロペミン1mg2C分2:止痢剤、頓服でも可
・セレキノン100mg3錠分3(6錠分3まで増量可):消化管機能調整薬、頓服でも可
・イリボー5μg1錠分1(男性:5-10μg/女性:2.5-5μg):5HT3拮抗薬、頓服でも可
処方例)ネキシウム10mg1錠朝、ビオフェルミン3g分3、セレキノン100mg6錠分3など。
さらに無効な場合:
・ドグマチール50mg3錠分3毎食前
cf)IBSについて
・原因:
①腸炎による腸内細菌の変化
②FODMAP食品の制限(fermentable発酵性:小麦や玉ねぎ、oligosaccharidesオリゴ糖:ひよこ豆やレンズ豆、disacchalides2糖類:牛乳やヨーグルト、monosaccharides単糖類:ハチミツ、polyolsポリオール:甘味料)
cf)最低1ヶ月は米、卵、魚、肉、ニンジン、レタス、きゅうり、トマト、マヨネーズ、塩コショウ、醤油少々、普通の油、バターのみで過ごす。
③ストレスによるCRH増加で蠕動亢進や粘膜炎症増加、リンパ球/CD3陽性細胞/CD25陽性細胞、TNFα/IL-1,6,12の増加、肥満細胞の増加
④glutamine synthetase遺伝子発現増加による粘膜透過性亢進
⑤serotonin transporter遺伝子のs/s型はセロトニン取り込み低下しセロトニン増加
・診断基準:過去3か月にわたり1か月に3日以上で腹痛や腹部不快感をきたし、以下のうち2項目を満たす。1)排便で症状が改善する、2)発症時に排便頻度に変化がある、3)発症時に便形状に変化がある
・薬物療法
①プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌)
②高分子重合体(ポリフル、コロネル:水分を吸収し腸内水分保持や蠕動調整、Ca含むため腎機能低下時には高Caに注意)
③①、②で無効
・消化管機能調整薬(セレキノン:オピオイド受容体作用薬、蠕動亢進時は抑制し蠕動低下時は亢進させる) ・男性の下痢型には5HT3拮抗薬のイリボー
・便秘型にはアミティーザ、屯用でセンナ/アローゼン/トランコロン/ラキソベロン
・下痢型にはロペミン/タンナビル/フェロベリンなどの止痢剤
・腹痛には抗コリン薬のブスコパン/チアトン/トランコロン
・上記が無効でうつ優性ならSSRI、不安優性なら抗不安薬を使う。
・それでも無効なら小腸内視鏡や乳糖付加試験をすること。
注)
・FODMAPを含むもの:小麦、豆類、牛乳、ヨーグルト、チーズ、ニンニク、玉ねぎ、大根、ゴボウ、キャベツ、アスパラ、アボガド、蜂蜜、りんご、桃、納豆、キムチ、キシリトール、ソルビトール
・FODMAPが小腸の酵素で分解しきれずに残ると大腸で発酵し、ガス、水分、短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)が生じ、IBS症状の原因となる。また、セルラーゼ産生菌があると、発酵性食物繊維(セルロース、ヘミセルロース)が発酵しプロピオン酸を生じ、IBS症状をきたす。
下痢の訴えで、実は軟便、臍周囲の鈍痛、食欲なしは虫垂炎!!
虫垂が長くて臍あたりまで来ていると考えるべし!!
もしくは腸捻転や絞扼!!痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水あれば疑うこと。痛みは強いはず。
・小児や若年者で感冒様症状や胃腸炎症状で独歩来院する心筋炎がある。見逃すと劇症化し突然死することがある(劇症型心筋炎)。
・収縮期血圧低下、心電図変化、CPK上昇、AG増大のアシドーシスを認める。
・劇症型心筋炎の15%程度は悪心を、5-6%は下痢を伴うことがある。
cf)細菌性かウィルス性か判別つかないときは抗生剤を1~2日分くらい出した方がいいかもしれない(風邪症状や下痢の時)。
☆水様性下痢(IBSも含む)
急性胃腸炎:
・ミヤBM 3g分3・ロペラミド塩酸塩カプセル1mg(ロペミン)2C 朝夕毎食後
・ホスミシン500mg3錠分3~4錠分4 39度以上の発熱、濃粘血便、激しい腹痛、しぶり腹のどれかがあるとき。重篤であれば便培養とセキリアメーバAB:FAも提出。便ロタウィルス(迅速)や血中ノロウィルス抗原(迅速)。
cf)ノロウィルスの隔離解除は下痢消失2~3日
・ブスコパン20mg2%1ml 1A(ショットはしないこと。50ml以上の生食に溶かして点滴する)
急性胃腸炎の腹痛時。静注では頻脈きたすことあり。筋注の方がよい。ラクテック500ml点注でもよい。喘息の既往あれば使わない。
・プリンペラン10mg/2ml 1A(ショットでも可だがdyskinesia起こすことあり。生食20mlに希釈して静注がbetter。)
嘔気時。
・抗生剤使用時の水様性下痢はCDIを疑う:
①抗生剤の中止
②既往があるならミヤBMやビオフェルミンR(Rなしは無効)、レベニンの事前投与
③マクロライド、ニューキノロンへの変更
④メトロニダゾール(フラジール) 250 mg 4錠分4
⑤VCM500mg~2gを単シロップ4mlと精性水36mlに溶いて分4で内服
CD-1毒素陽性、CD-1抗原陽性の時。経口摂取困難の時はNGtubeから投与。
注意)CDIにフラジールかバンコマイシンか
・軽度から中等度のCDIに対してはメトロニダゾール
・65歳以上で再発のリスクがある、抗菌薬をCDIの初発以後30日間に使用する場合には、初発時からバンコマイシンを投与
・これらのリスクがない場合には、奏効率と再発率においてバンコマイシンと差はなく、薬価も低いメトロニダゾールを投与
・大建中湯、マグミット、エレンタール、ラクツロースなど下痢になる内服の中止。
過敏性腸症候群(IBS):
・コロネル/ポリフル細粒83.3%1.2g/包 3包分3 ・ビオフェルミン3g分3下痢型IBS:
・ストレスを避け、FODMAP食品を減らすよう指導する
・ビオフェルミン3-6g分3,ミヤBM3g分3:プロバイオティクス
・ポリフル500mg3錠毎食後(6錠分3まで増量可):高分子重合体
以上が無効な場合:
・ブスコパン10mg3錠分3もしくは腹痛時1錠頓服
・ロペミン1mg2C分2:止痢剤、頓服でも可
・セレキノン100mg3錠分3(6錠分3まで増量可):消化管機能調整薬、頓服でも可
・イリボー5μg1錠分1(男性:5-10μg/女性:2.5-5μg):5HT3拮抗薬、頓服でも可
処方例)ネキシウム10mg1錠朝、ビオフェルミン3g分3、セレキノン100mg6錠分3など。
さらに無効な場合:
・ドグマチール50mg3錠分3毎食前
cf)IBSについて
・原因:
①腸炎による腸内細菌の変化
②FODMAP食品の制限(fermentable発酵性:小麦や玉ねぎ、oligosaccharidesオリゴ糖:ひよこ豆やレンズ豆、disacchalides2糖類:牛乳やヨーグルト、monosaccharides単糖類:ハチミツ、polyolsポリオール:甘味料)
cf)最低1ヶ月は米、卵、魚、肉、ニンジン、レタス、きゅうり、トマト、マヨネーズ、塩コショウ、醤油少々、普通の油、バターのみで過ごす。
③ストレスによるCRH増加で蠕動亢進や粘膜炎症増加、リンパ球/CD3陽性細胞/CD25陽性細胞、TNFα/IL-1,6,12の増加、肥満細胞の増加
④glutamine synthetase遺伝子発現増加による粘膜透過性亢進
⑤serotonin transporter遺伝子のs/s型はセロトニン取り込み低下しセロトニン増加
・診断基準:過去3か月にわたり1か月に3日以上で腹痛や腹部不快感をきたし、以下のうち2項目を満たす。1)排便で症状が改善する、2)発症時に排便頻度に変化がある、3)発症時に便形状に変化がある
・薬物療法
①プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌)
②高分子重合体(ポリフル、コロネル:水分を吸収し腸内水分保持や蠕動調整、Ca含むため腎機能低下時には高Caに注意)
③①、②で無効
・消化管機能調整薬(セレキノン:オピオイド受容体作用薬、蠕動亢進時は抑制し蠕動低下時は亢進させる) ・男性の下痢型には5HT3拮抗薬のイリボー
・便秘型にはアミティーザ、屯用でセンナ/アローゼン/トランコロン/ラキソベロン
・下痢型にはロペミン/タンナビル/フェロベリンなどの止痢剤
・腹痛には抗コリン薬のブスコパン/チアトン/トランコロン
・上記が無効でうつ優性ならSSRI、不安優性なら抗不安薬を使う。
・それでも無効なら小腸内視鏡や乳糖付加試験をすること。
注)
・FODMAPを含むもの:小麦、豆類、牛乳、ヨーグルト、チーズ、ニンニク、玉ねぎ、大根、ゴボウ、キャベツ、アスパラ、アボガド、蜂蜜、りんご、桃、納豆、キムチ、キシリトール、ソルビトール
・FODMAPが小腸の酵素で分解しきれずに残ると大腸で発酵し、ガス、水分、短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)が生じ、IBS症状の原因となる。また、セルラーゼ産生菌があると、発酵性食物繊維(セルロース、ヘミセルロース)が発酵しプロピオン酸を生じ、IBS症状をきたす。
不眠
☆不眠
・デパス0.5㎎1錠+マイスリー5㎎2錠
これでとりあえずはOK・ゾピクロン7.5-10mg 1錠(アモバン)
入眠障害(超短時間型)、非BZP系。起床時に苦味。
・ゾルピデム5mg 1-2錠(マイスリー)
入眠障害(超短時間型)、非BZP系。副作用少ないが弱い。
・トリアゾラム0.125-0.25mg 1錠(ハルシオン)
入眠障害(超短時間型)、切れが良い。
・ブロチゾラム0.25mg 1錠(レンドルミン)
中途覚醒(短時間型)、半減期7時間。入眠も良いし、切れが良い(おすすめ)。
・エスタゾラム1mg 1錠(ユーロジン)
中途覚醒(中間型型)、半減期24時間なので日中のふらつきあり。
・ソラナックス0.4mg 3錠分3 不安で眠れないとき
・デパス0.5mg 3錠分3 不安で眠れないとき
・ベゲタミンB配合錠 1錠
妄想や精神病を伴った不眠(ベゲタミンA錠は30錠以上の大量服用は危険)。
・ロヒプノール0.5-2㎎ 1錠
半減期24時間。
・ミラドール(ドグマチール/スルピリド)50㎎2錠 分1就寝前
軽度の鬱状態に。翌朝からの気分改善効果あり。
cf)入院中で不穏になりやすい場合:
・ロゼレム1錠 夕食後
・ベルソムラ1錠 就寝前
注)ベルソムラ+ロゼレムは保険通らない
注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
・テトラミド1錠>レスリン1錠、デジレル1錠 不眠時
注意)ベルソムラはCYP3Aを阻害する薬物(ワソラン、ヘルベッサー、グランダキシン)と併用するとCYP3Aを阻害し半減期が延長するので併用時は10mgに減量する。一方で、CYP3Aを強く阻害する薬物(イトコナゾール、クラリスロマイシン)との併用は禁忌。
・デパス0.5㎎1錠+マイスリー5㎎2錠
これでとりあえずはOK・ゾピクロン7.5-10mg 1錠(アモバン)
入眠障害(超短時間型)、非BZP系。起床時に苦味。
・ゾルピデム5mg 1-2錠(マイスリー)
入眠障害(超短時間型)、非BZP系。副作用少ないが弱い。
・トリアゾラム0.125-0.25mg 1錠(ハルシオン)
入眠障害(超短時間型)、切れが良い。
・ブロチゾラム0.25mg 1錠(レンドルミン)
中途覚醒(短時間型)、半減期7時間。入眠も良いし、切れが良い(おすすめ)。
・エスタゾラム1mg 1錠(ユーロジン)
中途覚醒(中間型型)、半減期24時間なので日中のふらつきあり。
・ソラナックス0.4mg 3錠分3 不安で眠れないとき
・デパス0.5mg 3錠分3 不安で眠れないとき
・ベゲタミンB配合錠 1錠
妄想や精神病を伴った不眠(ベゲタミンA錠は30錠以上の大量服用は危険)。
・ロヒプノール0.5-2㎎ 1錠
半減期24時間。
・ミラドール(ドグマチール/スルピリド)50㎎2錠 分1就寝前
軽度の鬱状態に。翌朝からの気分改善効果あり。
cf)入院中で不穏になりやすい場合:
・ロゼレム1錠 夕食後
・ベルソムラ1錠 就寝前
注)ベルソムラ+ロゼレムは保険通らない
注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
・テトラミド1錠>レスリン1錠、デジレル1錠 不眠時
注意)ベルソムラはCYP3Aを阻害する薬物(ワソラン、ヘルベッサー、グランダキシン)と併用するとCYP3Aを阻害し半減期が延長するので併用時は10mgに減量する。一方で、CYP3Aを強く阻害する薬物(イトコナゾール、クラリスロマイシン)との併用は禁忌。
痙攣
☆痙攣
・テグレトール100㎎2錠分2 カルバマゼピン。症候性癲癇の第1選択薬。血中濃度を測定する。成人初発の癲癇は脳腫瘍を精査。
・セレニカR細粒800㎎分2 バルプロ酸。デパケンの細粒版。癲癇全般に使える。
cf)メロペンと併用は禁忌
・ホリゾン10mg 1A 0.5Aずつ投与。呼吸停止の場合もあり、バッグバルブマスクを用意。
・アレビアチン250mg5ml 1A 生食100ml 1瓶
30分かけて投与
投与後、効果発現まで30分かかるのでホリゾンと同時投与。ルート内にブドウ糖あるときはwash outしてからでないと凝固する。翌日にフェニトイン濃度を測定すること。1日3回投与。
・ホストイン750㎎/10ml 2A 生食50ml ホストイン12mlと生食48mlを混ぜて60mlとし20分かけて投与。維持量は半量を1日1回。翌日にフェニトイン濃度を測定すること。
・フェノバール100mg10%1ml 1A筋注
1日2回筋注で経過みる場合もある。
cf)有効血中濃度:カルバマゼピン4-12μg/ml、バルプロ酸50-100μg/ml。意識レベル低下あれば採血し、減量する(頭部CTやMRIは必要)。
cf)吃逆にはコントミン12.5mg1錠屯用使用するとよい。
・テグレトール100㎎2錠分2 カルバマゼピン。症候性癲癇の第1選択薬。血中濃度を測定する。成人初発の癲癇は脳腫瘍を精査。
・セレニカR細粒800㎎分2 バルプロ酸。デパケンの細粒版。癲癇全般に使える。
cf)メロペンと併用は禁忌
・ホリゾン10mg 1A 0.5Aずつ投与。呼吸停止の場合もあり、バッグバルブマスクを用意。
・アレビアチン250mg5ml 1A 生食100ml 1瓶
30分かけて投与
投与後、効果発現まで30分かかるのでホリゾンと同時投与。ルート内にブドウ糖あるときはwash outしてからでないと凝固する。翌日にフェニトイン濃度を測定すること。1日3回投与。
・ホストイン750㎎/10ml 2A 生食50ml ホストイン12mlと生食48mlを混ぜて60mlとし20分かけて投与。維持量は半量を1日1回。翌日にフェニトイン濃度を測定すること。
・フェノバール100mg10%1ml 1A筋注
1日2回筋注で経過みる場合もある。
cf)有効血中濃度:カルバマゼピン4-12μg/ml、バルプロ酸50-100μg/ml。意識レベル低下あれば採血し、減量する(頭部CTやMRIは必要)。
cf)吃逆にはコントミン12.5mg1錠屯用使用するとよい。
不穏/せん妄
☆不穏/せん妄
・アタラックスP25mg 1Aショットもしくは筋注
・セレネース5mg0.5%1ml 1A筋注
・セレネース5mg0.5%1ml 1A 生食100ml 1時間かけて投与し、入眠すれば終了する。
cf)EPS予防にアキネトン1/3A(5mg/1ml/1A)を混注することがある。筋注の場合も混注してよい。
・リスパダール0.5mg分1夕食後
錐体外路症状など副作用出るなら1日おきや液剤に変更する。嚥下機能が低下し、誤嚥を起こしやすくなるので注意。
・リスパダール1.0mg/包 1包
水薬なので、口の前に持ってきて流し込むと良い。無効なら1時間おきに3回まで追加。
・抑肝散2.5gを1日3回(低Kに注意)
・リスパダール1mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)
・セロクエル12.5-25mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(DMorDM既往は禁忌)
・ジプレキサ2.5-5mg1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(DMorDM既往は禁忌)
・グラマリール25mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)
・セレネース0.75mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(EPS、悪性症候群に注意)
cf)EPS予防にアキネトン1mg2T/2xを併用するとよい。
cf)一般の精神科病院入院患者の投与量は時に40mg程度に及ぶこともあるらしい。
・デパケン100-200mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(MEPMとの併用禁忌)
・デパケンシロップ8-24ml(デパケン400-1200mgに相当)を分2-3(MEPMとの併用禁忌)
・テグレトール100mgを2T/2x-3T/3x-6T/3x
cf)デパケンとテグレトールの違い
デパケン(バルプロ酸)
・リチウムに等しい抗躁作用。
・不機嫌、易怒性、ラピッドサイクラーの躁に有効。
・副作用は少ないが、肝機能障害や催奇形性、高NH3血症に注意。
テグレトール(カルバマゼピン)
・副作用が多い。重症薬疹、汎血球減少、肝機能障害、急性腎不全、間質性肺炎、心不全、催奇形性。
・重症薬疹(TEN、SjS)は最初は皮膚や粘膜の軽度の発疹から始まる事が多い。発熱、咽頭痛、目の充血などを伴う事が多い。
・メマリー2.5-5mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(必ずしも漸増しなくても可)
・他にテトラミド10mg1錠、他にデジレル、レスリン、リフレックス、レメロン等
例)
・①日中はリハビリで覚醒、夜間は眠れるようにする
②眠剤を変更。ロゼレム1錠夕食後+ベルソムラ1錠就寝前
(注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
→無効ならロゼレム1錠夕食後+レスリン/デジレル12.5-50mg就寝前
③不穏時はリスパダール液1ml30分-1時間おき追加3回まで
④無効ならセレネース1A+生食100ml点滴を1時間かけて入眠すれば終了する。
⑤2-3日たって無効なら15時にリスパダール1ml追加
⑥精神科+内科の療養型病院へ転院検討
cf)入院中に不穏になった場合:
・せん妄の原因検索をすること。
①感染(梅毒?)
②電解質(Ca/Zn/Cu)
③ビタミンB1/B12、葉酸
④低血糖
⑤アンモニア
⑥内分泌(甲状腺、副腎)
⑦腫瘍(胸腹部CT)
⑧脳炎(頭部MRI)
⑨認知症
⑩薬剤(BZP、抗コリン薬、抗パ薬、H2ブロッカー、ステロイド、抗ヒスタミン薬)
・原因薬剤の例:マイスリー、アモバン、セルシン、ハルシオン、デパス、レンドルミン、ベンザリン、セルシン、ガスター、ファモチジン、ザンタック、テオドール、スロービット、アタラックスP、全てせん妄の原因になる。
・日中はリハビリで覚醒、夜間は眠れるようにする(眠剤にBZPは使わないこと!!⇒ロゼレム1錠 夕食後+ベルソムラ1錠 就寝前)
注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
・BZPを半年以上内服し、離脱症候群も否定できないときは、セレネース1A+ロヒプノール1A+生食100ml点滴 100ml/hr 入眠すれば中止
・アタラックスP25mg 1Aショットもしくは筋注
・セレネース5mg0.5%1ml 1A筋注
・セレネース5mg0.5%1ml 1A 生食100ml 1時間かけて投与し、入眠すれば終了する。
cf)EPS予防にアキネトン1/3A(5mg/1ml/1A)を混注することがある。筋注の場合も混注してよい。
・リスパダール0.5mg分1夕食後
錐体外路症状など副作用出るなら1日おきや液剤に変更する。嚥下機能が低下し、誤嚥を起こしやすくなるので注意。
・リスパダール1.0mg/包 1包
水薬なので、口の前に持ってきて流し込むと良い。無効なら1時間おきに3回まで追加。
・抑肝散2.5gを1日3回(低Kに注意)
・リスパダール1mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)
・セロクエル12.5-25mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(DMorDM既往は禁忌)
・ジプレキサ2.5-5mg1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(DMorDM既往は禁忌)
・グラマリール25mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)
・セレネース0.75mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(EPS、悪性症候群に注意)
cf)EPS予防にアキネトン1mg2T/2xを併用するとよい。
cf)一般の精神科病院入院患者の投与量は時に40mg程度に及ぶこともあるらしい。
・デパケン100-200mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(MEPMとの併用禁忌)
・デパケンシロップ8-24ml(デパケン400-1200mgに相当)を分2-3(MEPMとの併用禁忌)
・テグレトール100mgを2T/2x-3T/3x-6T/3x
cf)デパケンとテグレトールの違い
デパケン(バルプロ酸)
・リチウムに等しい抗躁作用。
・不機嫌、易怒性、ラピッドサイクラーの躁に有効。
・副作用は少ないが、肝機能障害や催奇形性、高NH3血症に注意。
テグレトール(カルバマゼピン)
・副作用が多い。重症薬疹、汎血球減少、肝機能障害、急性腎不全、間質性肺炎、心不全、催奇形性。
・重症薬疹(TEN、SjS)は最初は皮膚や粘膜の軽度の発疹から始まる事が多い。発熱、咽頭痛、目の充血などを伴う事が多い。
・メマリー2.5-5mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(必ずしも漸増しなくても可)
・他にテトラミド10mg1錠、他にデジレル、レスリン、リフレックス、レメロン等
例)
・①日中はリハビリで覚醒、夜間は眠れるようにする
②眠剤を変更。ロゼレム1錠夕食後+ベルソムラ1錠就寝前
(注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
→無効ならロゼレム1錠夕食後+レスリン/デジレル12.5-50mg就寝前
③不穏時はリスパダール液1ml30分-1時間おき追加3回まで
④無効ならセレネース1A+生食100ml点滴を1時間かけて入眠すれば終了する。
⑤2-3日たって無効なら15時にリスパダール1ml追加
⑥精神科+内科の療養型病院へ転院検討
cf)入院中に不穏になった場合:
・せん妄の原因検索をすること。
①感染(梅毒?)
②電解質(Ca/Zn/Cu)
③ビタミンB1/B12、葉酸
④低血糖
⑤アンモニア
⑥内分泌(甲状腺、副腎)
⑦腫瘍(胸腹部CT)
⑧脳炎(頭部MRI)
⑨認知症
⑩薬剤(BZP、抗コリン薬、抗パ薬、H2ブロッカー、ステロイド、抗ヒスタミン薬)
・原因薬剤の例:マイスリー、アモバン、セルシン、ハルシオン、デパス、レンドルミン、ベンザリン、セルシン、ガスター、ファモチジン、ザンタック、テオドール、スロービット、アタラックスP、全てせん妄の原因になる。
・日中はリハビリで覚醒、夜間は眠れるようにする(眠剤にBZPは使わないこと!!⇒ロゼレム1錠 夕食後+ベルソムラ1錠 就寝前)
注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
・BZPを半年以上内服し、離脱症候群も否定できないときは、セレネース1A+ロヒプノール1A+生食100ml点滴 100ml/hr 入眠すれば中止
発熱(38.5℃以上の時)
☆発熱(38.5℃以上の時)
・カロナール坐剤(アンヒバ、アルピニー)100mg 2個
・ジクロフェナクナトリウム坐剤50mg(フェニタレン) 1個
cf)体格の小さい場合や高齢者は25mgにする。腎機能障害ある場合は禁忌。透析患者ではむしろ使用可能。血圧低下時も使わないこと。
cf)座薬はボルタレンだけでなく、アセトアミノフェン(アンヒバ、アルピニー)座薬も血圧低下きたすことがある。肛門挿入による副交感神経優位のため。ボルタレンは血管収縮作用のあるPG阻害のため。従って、熱発時で血圧低下あるときは座薬は使わないこと。
・ケンタン錠60mg(ロキソニン)1錠
ムコスタ100mg1錠
・カロナール200mg2錠
・メチロン250mg1ml1A筋注(ピリン系)
cf)ピリンアレルギーや血圧低下時は禁忌。
・カロナール坐剤(アンヒバ、アルピニー)100mg 2個
・ジクロフェナクナトリウム坐剤50mg(フェニタレン) 1個
cf)体格の小さい場合や高齢者は25mgにする。腎機能障害ある場合は禁忌。透析患者ではむしろ使用可能。血圧低下時も使わないこと。
cf)座薬はボルタレンだけでなく、アセトアミノフェン(アンヒバ、アルピニー)座薬も血圧低下きたすことがある。肛門挿入による副交感神経優位のため。ボルタレンは血管収縮作用のあるPG阻害のため。従って、熱発時で血圧低下あるときは座薬は使わないこと。
・ケンタン錠60mg(ロキソニン)1錠
ムコスタ100mg1錠
・カロナール200mg2錠
・メチロン250mg1ml1A筋注(ピリン系)
cf)ピリンアレルギーや血圧低下時は禁忌。
疼痛(体重50kgあたり)/帯状疱疹後神経痛
☆疼痛(体重50kgあたり)
・セレコックス100mg2錠分2朝夕食後
セレコックスは頓服はしない(効果発現が遅い)
・ケンタン錠60mg(ロキソニン)1錠
ムコスタ100mg1錠
・ナイキサン100mg1錠
腎機能低下時
・カロナール200mg2錠
1回mgまで増量可能。1日4000mgまでOK・トラムセット3錠分3 頑固な腰痛に。
・カロナール坐剤100mg 2個
・ジクロフェナクナトリウム坐剤50mg(フェニタレン) 1個
・レペタン坐剤0.2mg 1個
・ロピオン50mg5ml 1A 生食100ml 30分かけて
軽減しないときは8時間ごとに反復投与
腎不全(透析導入前)では使用不可
・ソセゴン15mg1Aショット
軽減しないときは3時間ごとに反復投与
・レペタン0.2mg 1Aショット
嘔気嘔吐に注意
・オピスタン35mg1ml 1A 1Aショットで投与
・オピスタン35mg1ml 4A 生食20ml 1ml/hr・レペタン0.2㎎/1ml 12A 0.5ml/hr
☆帯状疱疹後神経痛
・トリプタノール10mg分1 夕食後
・カロナール200mg6錠分3 毎食後
・リリカ25mg2C分2 朝夕食後
・亜鉛華10%単軟膏+ベトノバールG軟膏0.12%
・セレコックス100mg2錠分2朝夕食後
セレコックスは頓服はしない(効果発現が遅い)
・ケンタン錠60mg(ロキソニン)1錠
ムコスタ100mg1錠
・ナイキサン100mg1錠
腎機能低下時
・カロナール200mg2錠
1回mgまで増量可能。1日4000mgまでOK・トラムセット3錠分3 頑固な腰痛に。
・カロナール坐剤100mg 2個
・ジクロフェナクナトリウム坐剤50mg(フェニタレン) 1個
・レペタン坐剤0.2mg 1個
・ロピオン50mg5ml 1A 生食100ml 30分かけて
軽減しないときは8時間ごとに反復投与
腎不全(透析導入前)では使用不可
・ソセゴン15mg1Aショット
軽減しないときは3時間ごとに反復投与
・レペタン0.2mg 1Aショット
嘔気嘔吐に注意
・オピスタン35mg1ml 1A 1Aショットで投与
・オピスタン35mg1ml 4A 生食20ml 1ml/hr・レペタン0.2㎎/1ml 12A 0.5ml/hr
☆帯状疱疹後神経痛
・トリプタノール10mg分1 夕食後
・カロナール200mg6錠分3 毎食後
・リリカ25mg2C分2 朝夕食後
・亜鉛華10%単軟膏+ベトノバールG軟膏0.12%
片頭痛/群発頭痛
胃痛(FDも含む)
<注意!!>
胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診の指示とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
鯖寿司を食べた後に胃痛、胆石持ちの胃痛、逆流性食道炎持ちの胃痛、嘔吐を繰り返した後の胃痛など病歴から消化器疾患を強く疑う場合でもまずは心電図にてACSを否定すること!全ての胃痛は心電図が必須!
☆胃痛(FDも含む)
・スルカイン100mg2錠
・ムコスタ100mg3錠分3毎食後
・ランソプラゾール15mg タケプロン2錠朝食後 14日分
・ガスモチン5㎎3錠分3毎食後
消化管蠕動促進
・オメプラール20mg 1瓶
生食100ml 1瓶
30分かけて
(生食20mlでショットで投与してもよい)
・ラクテック500ml ブスコパン20mg2%1ml 1A ブスコパンはショットでCPAも。できるだけショットは避ける。BPHや緑内障ある場合はグルカゴン。
・アタラックスP 25mg 1Aショット
・プリンペラン10mg0.5%2ml 1Aショット
FDの典型処方
・ラベプラゾール10mg1錠分1・アコファイド100mg3錠分3(アコファイド処方時には内視鏡検査日をレセプトに記載必要あり。)
・ビオフェルミン3g分3・六君子湯(りっくんしとう)2.5g/包 3包分3食後の胃もたれ、腹部膨満感がメインなら:
・アコファイド1錠100mg3錠毎食前
ChEI。消化管の神経終末でのAch増加により胃運動機能改善、迷走神経を介したストレス調節。
・ガナトン1錠50mg3錠毎食前
抗D2、ChEI。蠕動亢進、受容性弛緩不全改善。BBB通過しにくい。
・ガスモチン1錠5mg3錠毎食前、毎食後
5HT4作働薬。上部と下部の蠕動亢進、便秘にも有効。
・セレキノン1錠100mg3錠分3(IBSでは6錠分3まで増量可能)
オピアト調節薬。蠕動亢進では抑制し、蠕動抑制では亢進。
・ナウゼリン1回5~10mg1日3回食前
抗D2。プリンペランよりBBB通過しにくい。
・プリンペラン5mg1日2回~10mg1日3回
抗D2。制吐、蠕動亢進作用。BBB通過しやすいため錘体外路症状きたしやすい。
・心窩部痛、心窩部灼熱感ならPPI、H2拮抗薬を使う。
cf)妊娠中の胃痛薬
・H2拮抗薬(ファモチジン、ラニチジン)は安全。
・PPIも安全だが、H2拮抗薬より奇形発生率はやや高い。
・奇形率:通常妊娠2-3%、H2拮抗薬2.7%、PPI3.6%
cf)胆石発作(胆石による急性の痛み、胆嚢炎も含む)にはコスパノンカプセル40mg3c/3x、疼痛時にロキソニン60mg、ムコスタ100mg
cf)機能性ディスペプシアは胃壁伸展異常や伸展に対する知覚過敏。ピロリ除菌でよくなるのは15人に1人。PPIやアコチアミドを使う。あとは抗うつ薬、抗不安薬、漢方。
cf)FD(機能性消化管ディスペプシア)の診断基準:
①食後のもたれ感
②食後早期の飽満感
③心窩部痛
④心窩部灼熱感
のうち1項目が3ヶ月以上続く
前2つはPDS(post prandial distress syndrome:食後不定愁訴症候群)、後2つはEPS(epigastric pain syndrome:心窩部痛症候群)と呼ばれる。
・FDの成因は、胃酸分泌の亢進または低下、胃排出能の遅延、胃前庭部の運動能力の低下、噴門部適応性弛緩能低下 (十二指腸に脂肪が流入するとCCKが分泌され胃収縮能や噴門部の拡張能が低下する。FDではCCKへの感受性が高い)、十二指腸胃逆流(十二指腸内のMΦや好酸球の増加を認める)、胃小腸の内臓知覚異常、
ピロリ箘による胃粘膜の炎症(除菌すると3年で症状改善することあり)、腸脳相関(幼少期の過度のストレスにより内臓感覚処理機構の異常)
cf)胆汁逆流による胃炎ならPPIは逆効果。胃液が緑色なら胆汁逆流によるものか。粘膜保護剤とガスモチンで対処する。
胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診の指示とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
鯖寿司を食べた後に胃痛、胆石持ちの胃痛、逆流性食道炎持ちの胃痛、嘔吐を繰り返した後の胃痛など病歴から消化器疾患を強く疑う場合でもまずは心電図にてACSを否定すること!全ての胃痛は心電図が必須!
☆胃痛(FDも含む)
・スルカイン100mg2錠
・ムコスタ100mg3錠分3毎食後
・ランソプラゾール15mg タケプロン2錠朝食後 14日分
・ガスモチン5㎎3錠分3毎食後
消化管蠕動促進
・オメプラール20mg 1瓶
生食100ml 1瓶
30分かけて
(生食20mlでショットで投与してもよい)
・ラクテック500ml ブスコパン20mg2%1ml 1A ブスコパンはショットでCPAも。できるだけショットは避ける。BPHや緑内障ある場合はグルカゴン。
・アタラックスP 25mg 1Aショット
・プリンペラン10mg0.5%2ml 1Aショット
FDの典型処方
・ラベプラゾール10mg1錠分1・アコファイド100mg3錠分3(アコファイド処方時には内視鏡検査日をレセプトに記載必要あり。)
・ビオフェルミン3g分3・六君子湯(りっくんしとう)2.5g/包 3包分3食後の胃もたれ、腹部膨満感がメインなら:
・アコファイド1錠100mg3錠毎食前
ChEI。消化管の神経終末でのAch増加により胃運動機能改善、迷走神経を介したストレス調節。
・ガナトン1錠50mg3錠毎食前
抗D2、ChEI。蠕動亢進、受容性弛緩不全改善。BBB通過しにくい。
・ガスモチン1錠5mg3錠毎食前、毎食後
5HT4作働薬。上部と下部の蠕動亢進、便秘にも有効。
・セレキノン1錠100mg3錠分3(IBSでは6錠分3まで増量可能)
オピアト調節薬。蠕動亢進では抑制し、蠕動抑制では亢進。
・ナウゼリン1回5~10mg1日3回食前
抗D2。プリンペランよりBBB通過しにくい。
・プリンペラン5mg1日2回~10mg1日3回
抗D2。制吐、蠕動亢進作用。BBB通過しやすいため錘体外路症状きたしやすい。
・心窩部痛、心窩部灼熱感ならPPI、H2拮抗薬を使う。
cf)妊娠中の胃痛薬
・H2拮抗薬(ファモチジン、ラニチジン)は安全。
・PPIも安全だが、H2拮抗薬より奇形発生率はやや高い。
・奇形率:通常妊娠2-3%、H2拮抗薬2.7%、PPI3.6%
cf)胆石発作(胆石による急性の痛み、胆嚢炎も含む)にはコスパノンカプセル40mg3c/3x、疼痛時にロキソニン60mg、ムコスタ100mg
cf)機能性ディスペプシアは胃壁伸展異常や伸展に対する知覚過敏。ピロリ除菌でよくなるのは15人に1人。PPIやアコチアミドを使う。あとは抗うつ薬、抗不安薬、漢方。
cf)FD(機能性消化管ディスペプシア)の診断基準:
①食後のもたれ感
②食後早期の飽満感
③心窩部痛
④心窩部灼熱感
のうち1項目が3ヶ月以上続く
前2つはPDS(post prandial distress syndrome:食後不定愁訴症候群)、後2つはEPS(epigastric pain syndrome:心窩部痛症候群)と呼ばれる。
・FDの成因は、胃酸分泌の亢進または低下、胃排出能の遅延、胃前庭部の運動能力の低下、噴門部適応性弛緩能低下 (十二指腸に脂肪が流入するとCCKが分泌され胃収縮能や噴門部の拡張能が低下する。FDではCCKへの感受性が高い)、十二指腸胃逆流(十二指腸内のMΦや好酸球の増加を認める)、胃小腸の内臓知覚異常、
ピロリ箘による胃粘膜の炎症(除菌すると3年で症状改善することあり)、腸脳相関(幼少期の過度のストレスにより内臓感覚処理機構の異常)
cf)胆汁逆流による胃炎ならPPIは逆効果。胃液が緑色なら胆汁逆流によるものか。粘膜保護剤とガスモチンで対処する。