ピロリ除菌療法
ピロリ除菌療法
☆ピロリ除菌療法
・ランサップ800 1シート(1週間分) 朝夕2回
タケプロン1錠、アモリン3錠、クラリス2錠が1回分で2回分が1シートに入っている。
半分量の400でも除菌率は変わらないが、喫煙者や大柄男性では800にする。
・タケキャブ20mg2T/2x
クラリス200mg4T/2x
サワシリンカプセル6C/2x
エンテロンR散2g/2x
朝夕2回 1週間
・ガスター 40mg 1錠 就寝前 56日分
ランサップで1週間除菌後に2ヶ月ガスターに切り替えた後、外来にてUBT呼気試験を行う。
胃潰瘍瘢痕などがないときは省略可能。
注)
・通常はすぐに除菌療法を開始する。
・胃潰瘍後は1ヶ月間、PPIを投与後に除菌を開始する。
・PPI服用あるときはガスターに2週間切り替えてからランサップを開始する。
・PPI、ランサップに下痢の副作用があることを説明すること(タケプロンは下痢の副作用あり)。
☆2次除菌
・ランピオンパック(タケプロン30mg2T/2x、アモリンカプセル250mg6T/2x、フラジール250mg2T/2x)7日間
・タケキャブ20mg2T/2x、サワシリンカプセル250mg6C/2x、フラジール250mg2T/2x 7日間
注)ペニシリンアレルギー時:
クラビット500mg1T/1x、タケプロン30mg2T/2x、フラジール250mg2T/2x
cf)腎機能障害あるときはクラリス200㎎/1xに減量する。サワシリン、タケキャブは同容量でよい。
☆除菌療法が保険対象になる場合
・内視鏡にて慢性胃炎と診断
・内視鏡もしくは胃透視にて胃、十二指腸潰瘍と診断
・早期胃癌内視鏡治療後
・胃MALTリンパ腫
・特発性血小板減少症
注)
・内視鏡治療は過去6か月以内が望ましい。
・内視鏡検査は他施設でもいいが、レセプトに日付と所見の記載が必要。
☆H.ピロリ検査(内視鏡を用いない場合)
・抗体測定(抗体価が3以上10未満は陰性高値で、UBTや便中抗原を検査し陽性であれば現感染)
・尿素呼気試験(UBT)(PPIを2週間中止する必要がある)
・便中ヘリコバクターピロリ抗体測定(PPIを2週間中止する必要がある)
☆除菌後効果判定
・UBTや便中抗原は除菌後3か月後に行う。
・PPIを投与している場合は中止してから2週間後に行う。
・抗体で判定する場合は除菌6か月後に測定し抗体価が前値より50%以上低下していれば除菌成功とする。
・UBTは食後4時間以上あけて行う。喫煙後30分以上あけて行う。
経腸栄養(PEGやNGから投与する栄養)/PEG増設時のパス
経腸栄養(PEGやNGから投与する栄養)/PEG増設時のパス
☆経腸栄養(PEGやNGから投与する栄養)
・基本
CZ-hi(300ml/300kcal/水240ml) 1日3本
白湯50-50-50ml
塩1-1-1g
cf)簡便に以下の①か②で様子見てもよい(PEG/レビン)。
①メイバランス1.5(200ml/300kcal/水150ml)+白湯200ml 1日3回(療養病院での注入は白湯は1回150mlでもよいし、心不全ある場合は1回の白湯を50-100mlほど、ただし水分が少ないと便秘になることあり注意)
②ハイネゼリーアクア(250g/200kcal/水200ml)4P(1P-2P-1P/2P-2P)
・ラコール(200ml/200kcal/水170ml) 1日1本-2本-1本
白湯200-50-200ml
塩1-1-1g
・MA-R2.0(200ml/400kcal/水140ml) 1日2本
白湯200-400-200ml
塩2-2-2g
・PGソフト(200g/300kcal/水130ml) 1日3本
白湯(とろみ)200-200-200ml
cf)PGソフトは胃管からの投与は粘度が高く難しい。
・ハイネゼリーアクア(250g/200kcal/水200ml) 1日6本(白湯なし)
・アクトエールアクア(400g/300kcal/水328ml)1日3本もしくは300-300-400kcal(白湯なし)
注)逆流が多い場合。ハイネゼリーアクアよりアクトエールアクアの方がさらに粘度が高い。どうしても逆流する場合は腸瘻という方法もある。
・GFO
CZ-hiまでは始められない時、とりあえず腸管を動かす目的
GFO100mlを1日3回
毎食、白湯50mlを流す
・状態悪いとき
CZ-hi 朝1本
白湯200ml1日3回
・腎不全時はCZ-hiの代わりにリーナレン
・肝不全はCZ-hiの代わりにアミノレバン
・片麻痺でも嚥下はOKである。無理そうならNGを留置しながらペースト食(パターンを嚥下食Cにして、主食と副食をペーストにする)などを食べてもらい、嚥下できそうならNGを抜去する。
・メイバランス1日3本追加
食思不振あるとき
cf)胃瘻時の嘔吐、下痢、便秘について
・嘔吐や下痢は時間をかけて投与したり、ガスモチン5㎎1日3回、ランソプラゾール15㎎1日1回併用する。
・便秘時はマグミット2T/2x-6T/3x、センノシド1-2T就寝前、ナウゼリン10mg1.5T/3x、ガスモチン5mg3T/3x(もしくはモサプリド3包分3)などを追加する。(デフォルトで処方し下痢気味にコントロールするのがよい)
cf)必要エネルギーと水分量
・必要エネルギー量:Harris-Benedictの公式
女性の基礎代謝量:665+9.6×体重kg+1.7×身長cm-7.0×年齢
男性の基礎代謝量:66+13.7×体重kg+5.0×身長cm-6.8×年齢
必要エネルギー:基礎代謝量×活動係数
活動係数:
寝たきり(自己体動なし):1.0-1.1
寝たきり(自己体動あり):1.1-1.2
ベッド外活動(車椅子):1.2-1.3
ベッド外活動(歩行):1.3-1.4
積極的なリハビリ:1.5以上
・必要水分量:①30ml×現体重、1ml×エネルギー投与量、1500ml×体表面積
注)PEG造設時のパス
・造設当日はアタラックスP25mg1A+硫酸アトロピン0.5Aを筋注。
・造設当日から翌日までセファメジン2gを1日2回。
・造設当日から3日後までアドナ50mg1A/日を持続投与。
・造設3日後から白湯100ml3回、造設4日後からハイネゼリーアクア1Pから開始。1日に1Pずつ増やす。
・造設6日後まで瘻孔周囲を消毒、7日後に抜糸。
cf)PEG周囲の発赤はアズノール軟膏
cf)
・エンシュアリキッドは缶なので重たいが、薬剤として処方できる。1ml=1kcal。ただし、セレンなど微量元素が不足する。水を入れたい場合はエンシュアリキッドH(1ml=1.5kcal)がある。
・ラコールは紙なので重たくない。味が和風。薬局で売られている。
・エレンタールは脂肪酸を含んでいない。IBDなど炎症性腸疾患に使う。低残渣、易吸収。
注意)
・注入開始し、発熱、嘔吐、下痢あれば回数を増やして、1回の注入量を減らす、頭位を上げる等。
・リフィーディング症候群に注意する。P↓、Mg↓で低PはRBC中の2,3-DPGでHbがO2を離れにくくするので、SatがよくてもO2利用ができないことがあり、MIを起こすことあり。通常は10kcal/kgくらいから開始する。ビタミンB1欠乏もあるので注意する。
強化インスリン療法(スケールも含む)
強化インスリン療法(スケールも含む)
☆強化インスリン療法
・マイクロファインプラス 4本
血糖測定電極(スマートブルー) 4枚
メディセーフ針F用 4本
1日4回毎食前と就寝前 14日分
・プレシジョンエクシード(血糖測定器) 1台
メディセーフ穿刺具 1本
・ランタス注ソロスター 300単位 1本
1日1回寝る前 75日分
就寝前○単位皮下注してください。
・ノボラピッド注フレックスペン1本
1日3回毎食前30分
毎食30分前に○単位皮下注して下さい。
(インスリン総投与単位数は体重kg×0.4、4等分し毎食前30分の速効型と就寝前の持続型)
・ナノパスニードル14本/袋
ペンニードル32Gテーパー7本/袋
ペンニードル30G7本/袋
1日2回2週間分なら7本入り4袋(予備も考えて8袋)
注)食思不振時のインスリン投与
・ランタスは絶対に打つこと。怖いならいつもの半分量にしても良い。
・超速効、速効型は食事が半分以上食べれたら全量打つ(超速攻型を食直後打ちに変更する)。
・3割なら半分量、全く食べれないなら3割量を打つ。
・できるだけ早く受診する。
注)インスリンスライディングスケール
朝、昼、夕食前にBS測定
・ヒューマリンRまたはノボリンR皮下注
350以上なら10単位
300以上なら8単位
250以上なら6単位
200以上なら4単位
血糖をもっと厳格にコントロールしたい時は、ランタス追加し、
350以上なら14単位
300以上なら12単位
250以上なら10単位
200以上なら8単位
150以上なら6単位
くらいまであげても良い。
cf)インスリンスライディングスケールを順次上げていく方法:
A→B→Cの順に上げていく
A B C
100-149:0-0-2
150-199:0-2-4
200-249:2-4-6
250-299:4-6-8
300-349:6-8-10
350-399:8-10-10
400- :10-10-10(Dr.Call)
注)
血糖降下剤を内服中で絶食になった場合はスケール対応よりも点滴中にインスリンを入れて持続投与し、血糖値4検を行う。
・ブドウ糖5%500ml+ヒューマリンR2-3単位
・KN3号液500ml+ヒューマリンR2-3単位
・TPNにヒューマリンRを混注するときは24時間投与とすること。ブドウ糖(g)の10-7分1の単位数のインスリンを混注しておく。(点滴にインスリンを混注するときは24時間持続点滴が基本)
・エルネオパ1号1500ml:ブドウ糖180g→6単位~18単位まで
エルネオパ2号1500ml:ブドウ糖250g→8単位~25単位まで
注)
ミリオペンが固いという人はフレックスタッチやペンフィルのような柔らかいものに変更する。
注)入院中のインスリンコントロールの注意点
・具体的に何時に低血糖になったのかを聞くこと。
・間食、リハビリ、病院食のカロリーについて把握する。
・朝食後の低血糖なら朝食前の速効型/超速効型を減らす。
・朝食前の低血糖なら夕食前の速効型を減らすべきで、朝食前の速効型/超速効型はそのままでよいはず(少し減らしてもよいが・・・)
・夕食前の低血糖なら昼食前の速効型/超速効型を減らす。
・Diabetic neuropathyある場合は腸管蠕動低下で消化吸収が遅くなり、血糖値ピークが遅れることがある→ノボラピッドを食後打ちに変更。
・蜂窩織炎や術後創部感染などで食事開始後に血糖コントロールが不良な場合はTPNにして絶食、インスリン持続投与を考慮する。
・早朝の低血糖なら就寝前のランタスを減らすか、ランタスを朝食前または夕食前にしてみると夜中早朝の低血糖が予防できる。
cf)インスリン製剤の半減期
・超速効型(ヒューマログ/ノボラピッド):発現15分、ピーク1時間、持続4時間→食直前/直後
・速効型(ヒューマリンR/ノボリンR):発現30分、ピーク2時間、持続8時間→食前30分
・持効型(ランタス):発現1時間、ピークなし、持続24時間→食事時間に無関係
cf)急にコントロールが悪くなった場合
・皮下脂肪のないところに注射していないか。
・きちんと決められた分量を注射できているか。網膜症や白内障、緑内障が進んで単位数が見えていないのではないか。
・皮下注射の針のサイズはこれまでどおりか。
・インスリンの種類はあっているか。
注意)療養病院でのインスリン指示
・IVHメイン点滴内にヒューマリンRなどを入れるのが普通だが、療養病院ではできるだけグラルギンやランタスの1日1回皮下注でコントロールするようにする(入浴などの時間に合わせて点滴を早く落としてしまうことがあるためと単位ミスを防ぐため)。当初はスケール対応もシンプルで緩やかなものにする。
・療養病院でのスケール対応
BS60未満:50%ブドウ糖2AivかPEGやEDの場合は注入
201-300:ヒューマリンR4単位皮下注
301-400:6単位皮下注
401-500:8単位皮下注
501‐10単位皮下注
緩和ケア
花粉症
☆花粉症
注意)抗ヒスタミン剤のクラリチン、ジルテック、ザイザルは痙攣やてんかんの既往には使わない。
・アレグラ1回60mg1日2回
・ザイザル錠5mg 1日1回就寝前 28日分
・ザジテン点眼薬0.05%(5ml/日)3瓶 1日4回 1-2滴(2瓶で28日分)
・アラミスト点鼻薬27.5μg56噴霧用 1日1回(1瓶で28日分)
→効果ない場合はセレスタミン1錠3日分など
cf)抗ヒスタミン剤での運転の可否
運転注意の記載なし:アレグラ、クラリチン
運転時には注意の記載あり:アレジオン、エバステル、タリオン
運転はしないよう注意することの記載あり:その他
cf)眠気が出るとき
・ディレグラ(フェキソフェナジン+(興奮作用のある)プソイドエフェドリン)を使う。
・それでも眠いようなら抗ヒスタミン薬内服をあきらめて、ステロイド点鼻とか漢方薬(小青竜湯、越婢加朮湯など)を使用する。小青竜湯に含まれる麻黄(エフェドリン含有なのでディレグラとの併用は要注意)で眠気が減る(小青竜湯は眠気がなく、即効性でもある)。