個人メモ

間違いの指摘、助かります。

医療区分について

☆医療区分について

・医療区分によって入院基本料(マルメ料)が変わる。ただし、療養病棟でも人工呼吸器は出来高算定。

・PEGやEDtubeで経腸栄養しているだけなら区分1。

・CVあれば区分3。

・モニター(医師及び看護職員により常時監視および管理している状態)あれば、モニタ装着していた日数だけ区分3。ただし、吸痰や酸素投与が必要。モニター単独なら区分2。

・末梢点滴だけでも、1日1000ml以上していれば実施した日付のみ区分3(ただし1か月に7日まで)。

・「24時間点滴加療が必要」は末梢点滴を指していて1週間しかできない。IVHの場合は「中心静脈点滴を行っている」だけでよい(2つ同時にはできない)。

・1日8回以上の吸痰あれば区分2(吸痰回数はバイタル表に記載あるはず)。

・気切しているだけなら区分2、発熱伴えば区分3。

・画像、採血にて肺炎診断した上で治療しているなら区分2(治療期間のみ)。

・尿検査を実施し細菌尿もしくは尿中WBC10個以上で尿路感染で治療しているなら区分2(治療期間のみ)。

・酸素投与は3L以上なら区分3、2L以下なら区分2。ただし、1か月全て区分3の酸素療法では査定されることが多い。

パーキンソン病あれば区分2、もやもや病や脊髄小脳変性症など特定疾患あれば区分2。

・褥瘡治療している場合は区分2(治療期間のみ)。仙骨部褥瘡など病名に部位の記載が必要。

・週3回、1日3回以上血糖測定していれば血糖測定した日付のみ区分2(1日1回だけなら毎日でも算定されない)。

・区分1~3が混ざっているときは平均をとって、一番多い区分に合わせる。

療養病院での抗生剤の使い方

☆療養病院での抗生剤の使い方
・療養病院での抗生剤は
ミノマイシン(MINO)は100mg1日1回
②メロペン(MEPM)は0.5g1日1回
バンコマイシン(VCM)は0.5g1日1回(60分)
④セフメタゾール(CMZ)は1g1日2回→明らかなUTIの時のみ、耐性菌ありで肺炎には無効
⑤スルペラゾン(SBT/CPZ、後発:セフロニック)は1g1日2回
⑥ユナシン(SBT/ABPC、後発:スルバシリン)は1.5g1日2回
・喀痰培養でMRSAが陽性になった例でMRSAが肺炎に関与していた例は10%くらいらしい。
CDIに対しフラジール無効例が2%ありバンコマイシン内服が有効、逆にバンコマイシン無効例も2%ありフラジールが有効。点滴のバンコマイシンを内服してもよい。
・尿中レジオネラ抗原陽性ならレジオネラ感染症と考えてミノマイシン投与してみる(レジオネラの培養は難しい)。
・βラクタム無効な肺炎ではクラビット内服しながらミノマイシンでもよい。
・アミノ配糖体系抗菌薬使用時の血中濃度モニタリングは投与直前と投与開始1時間後。バンコマイシン血中濃度採血指示は投与直前(トラフ値)。ただし、VCM0.5g1日2回程度など4gまでは血中濃度測定する必要なし。腎機能で容量調節は必要ある。腎障害や聴障害は高容量で長期間投与しないとおきない。
・短期間で繰り返す肺炎、尿路感染はそれぞれ膿瘍を疑うこと。膿瘍あれば4-6週間の抗生剤投与が必要。
cf)ロセフィンで偽胆石
・ロセフィンは腎と肝から半分ずつ排泄され、胆嚢内でCaと結合し、偽胆石を作ることがある。∴Caを含む製剤と混合は配合変化起こす。
・ロセフィンで加療中に1週間ぐらいでできることがある。ロセフィン加療中に右季肋部痛あれば偽胆石を疑うこと(小児で10.1-46.5%、成人で21.4-25%)。
・特に腎機能低下例で要注意。
・ロセフィン投与を中止すると自然消失することが多い。
・胆石の原因になるため療養病院ではロセフィンを採用していないこともある。
参考)各種抗生剤のスペクトラム

ステロイドミニ"ミニ"パルス

☆ステロイドミニ"ミニ"パルス
①ソルメルコート/ソルメドロール(メチルプレドニゾロン)250mg+生食100ml 1日1回(125mgを1日2回でも可能) 2時間かけて 3日間
②プレドニン40mg+生食100ml 1日1回 1週間
③プレドニン30mg1日1回内服 1週間
症状みて漸減していく
注)
B型肝炎結核の感染はチェックする。
抗血小板薬、抗潰瘍薬、場合により抗結核薬を加える。
抗血小板薬:ジビリダモール(ベルサンチン)150~300mg/日+アスピリン81mg(小児バファリンR1錠)など
適応)
・薬剤性肝障害(胆汁うっ滞性)、間質性肺炎増悪、急性糸球体腎炎を疑う時
・薬剤性肝障害診断のためには、以下を検査する。腹部CT、MRCP、HCV抗体、HCV-RNA、HBs抗原/抗体(HBs抗原+ならHBV感染あり)、IgM-HAV(カキのシーズン2~5月)、e抗原/抗体、HBV-DNA、IgM-EBV-VCA、CMV-IgM、抗核抗体、抗平滑筋抗体、抗ミトコンドリア抗体、IgG/IgM/IgE/IgA
・薬剤性肝障害の場合はウルソ6錠分3、強力ネオミノファーゲンC40ml静注 1日1回が無効な場合にミニパルスを検討する。
・急性糸球体腎炎は尿潜血、尿蛋白が持続的に続き、顆粒円柱も認め、その後腎機能が低下してくる。診断のためには本来腎生検だが、生検できない場合はIgG/IgM/IgE/IgA、ASO、抗核抗体、p-ANCA/c-ANCA、C3/C4/CH50、レニン/アルドステロン、カテコラミン3分画(30分安静臥床後そのまま採血を)。尿路感染は必ず除外する。
cf)一般的なgenomic actionではデカドロン:リンデロン:メドロール:プレドニンは5:5:1:0.8だがnon-genomic actoionは1.2:0.2:1:0.4。パルス療法を行うという前提では、力価はソルメドロール125mgがプレドニン500mgに相当する。
☆CMV、結核、カリニ肺炎(PCP)、HBV再燃に注意する。疑う時はCMV-Ag/CMV-IgM/CMV-IgG/CMV-C7HR、3連痰/結核PCR/QFT、βDグルカン/LDHを精査する。下血あればCMV腸炎も忘れずに。
プレドニン換算20mgを4週以上継続するときは血糖測定、パリエット10mg1錠朝食後、ボナロン/フォサマック35mg1錠起床時(第2,4週の金曜日)、5%ハリゾン/ファンギゾンシロップ含嗽液(480ml)1本1回20mLでうがい後に服用1日3回、バクタ/ダイフェン(S400mgT80mg)1錠(月水金内服)、胸部レントゲンを週1回、β-Dグルカン、CMV-C7HRを2週間毎に測定する。

ESD時のパス

☆ESD時のパス
・当日
オピスタン1A、ドルミカム10mg+生食100ml、ブスコパン1A、グルカゴン
ラクテック500ml1本
チチナ(アドナ)100mg0.5%20ml 1A(1日25mg-100mg)
リカバリン(トランサミン)250mg10%10ml 1A(1日250mg-500mg)
を混注
・翌日(POD1)
絶飲食
ラクテック500ml1本、ソリタT3500ml2本
うち2本に
チチナ(アドナ)100mg0.5%20ml 1A(1日25mg-100mg)
リカバリン(トランサミン)250mg10%10ml 1A(1日250mg-500mg)
を混注
オメプラール20mg1瓶+生食20mlで1日2回ショット
注)ショットで投与するときはルートフラッシュ用の生食シリンジ20mlも入力すること。
・POD2
易消化流動、アルサルミン1-1.2g1日3回/ムコスタ100mg3錠分3/パリエット20mg分1を開始
・POD3
易消化3分粥
・POD4
易消化5分粥
・POD5
易消化7分粥
・POD6
易消化全粥
・POD7
GF再検し退院
注)ESD前に胸部単純CT、腹部造影CTし転移ないか確認を。

夜間頻尿(高齢女性)

☆夜間頻尿(高齢女性)
抗コリン薬:
 異常な膀胱収縮の抑制。ただし、尿閉になることがある。1st choiceはβ3作働薬。
 副作用:口腔乾燥や便秘、尿閉、中枢神経症状、心拍数増加など
 禁忌:尿閉緑内障、腸閉塞、重症筋無力症、重篤な心疾患、肝障害
・ベシケア 1日1回5mg、10mgまで増量可能(Cr30以下では2.5mgから開始し5mgまで)
 緩徐な作用で心拍数増加などのM2作用が少ない。M3受容体選択性の拮抗薬。
 cf)M1:中枢、胃、食道、M2:膀胱、心臓、M3:膀胱、大腸、唾液腺
・ウリトス 1回0.1mg1日2回 朝夕食後 1回0.2mg1日2回まで増量可能
 特にM2作用が少ないため循環器リスクあるときに使う。M1,M3拮抗作用で、膀胱選択性が高い。
バップフォー 1日1回20mg食後服用、1回20mg1日2回まで増量可能
 抗コリン作用とCa拮抗作用。神経因性膀胱に有効。
・ネオキシテープ73.5mg 1日1回1枚を下腹部、腰部に貼付
 経口投与できないとき。
 膀胱浸潤による過活動性膀胱にはネオキシテープ3.5mg1日1枚、大腿か下腹部に貼付する。
β3作働薬:
・ベタニス 1日1回50mg 
 OABの1st choice。膀胱の蓄尿機能を高め、過活動性を改善。心拍数増加やQT変化も稀にあるため、心血管疾患ある場合は事前に心電図を。βblocker使用時は注意。
 子宮や前立腺の萎縮がくるため50歳以上で投与する。生殖可能な年齢への投与は避ける。
cf)過活動性膀胱(OAB)について
・OABの定義:1日8回以上排尿かつ尿意切迫が週1回以上(OABSS:スクリーニングテスト)
 尿意切迫の例:冷たい水に触れるとトイレまで我慢できない、トイレ前にもれる、旅行前にトイレを我慢etc。
・処方前に残尿量をエコーで確認(排尿後の残尿100ml以上なら専門医へ)
・男性のOABはBPHに合併したものがほとんどなのでまずは泌尿器科へ。α1blockerでBPHを改善させればOABも改善する。
高齢女性の尿失禁には過活動性膀胱(重症例が切迫性尿失禁)、腹圧性尿失禁がある。
・生活指導は肥満をなくす、喫煙をやめる、過度の飲水やカフェインやアルコール、炭酸をやめる、便秘を避ける、足を組む等を1か月してみて効果ないときは薬物療法
・骨盤底筋訓練(PFMT)は肛門、尿道、膣まわりの訓練の筋を5-10秒閉めたり緩めたりを20-30回繰り返したあと、0.5-1秒閉めたり緩めたりを20-30回繰り返す運動を1セットとして1日3セットを行う。
・過活動性膀胱は無症候性も含む脳梗塞パーキンソン病、頚椎症、骨盤内手術による神経因性膀胱や子宮脱による下部尿路閉塞、骨盤底の脆弱性が原因。症状は1日8回以上の夜間頻尿や切迫性尿失禁。
・過活動性膀胱には抗コリン薬6剤とβ3作動薬1剤が有効。
・腹圧性尿失禁は骨盤底筋の緊張低下により咳、くしゃみ、歩行、重いものを持つなどで尿失禁。β2作動薬のスピロペントは横紋筋の遅筋の収縮力を低下させ、速筋の収縮力を高める。子宮脱は膣口から出てくるようなら産婦人科泌尿器科受診を。

鼻出血/血尿/喀血

☆鼻出血/血尿/喀血
ターミナル、認知症などで積極的治療が難しい場合は、アドナ30㎎3T/3x,トランサミン250mg6C/3xにて経過みていく方法もある。
トランサミンは心血管リスクある場合は使わない。チチナ100mg+生食100mlを1日1回投与する。アドナ30mg3錠分3でもよい。
・内服例はアドナ30mg2錠分2+トラネキサム250mg2錠分2+グラケー2C分2

認知症

認知症
アリセプト3mg1錠分1→2週間後に5mg1錠分1→4週間後に10mg1 錠分1
 アルツハイマー型(AD)、レビー小体型(DLB)に適応。消化器症状(嘔吐、下痢など)、徐脈、易興奮性や不穏などあり
・イクセロンパッチ/リバスタッチパッチ1日1回4.5mgから開始し、4週間毎に4.5mgずつ増量し18mgが維持量
 アルツハイマー型のみ。レビー小体型には保険適応ないが効果あり。消化器症状は他のChEIより少ない。
cf)ADもDLBともにアリセプトかイクセロン/リバスタッチ。
cf)リバスタッチは剥がれたら新しいものを貼って構わない。血中濃度が一定になるようになっているので。
・メマリー1日1回5mgから開始し1週間毎に5mgずつ増量し20mgが維持量
 記憶定着、不機嫌や攻撃性はメマンチン就寝前。アルツハイマー型のみに保険適応あり。前頭側頭葉変性症(FTLD)はChEIで悪化するので注意。通常、ChEIと併用して使う。
・抑肝散7.5mg分3毎食前
レビー小体型で攻撃性あるとき。6週間で効果なければ中止。
・グラマリール75mg~150mg分3、25㎎1日1回から開始
 レビー小体型や脳梗塞後で攻撃性あるとき。
セロクエル25mg0.5-1錠就寝前
レビー小体型で攻撃性あるとき。効果ない時は1錠1日2回、就寝前と昼食前に増量する。DMでは禁忌。
リスパダール内用液(1mg/mL)就寝前~1包1日2回、就寝前と昼食前
レビー小体型で攻撃性あるとき。
cf)認知症高齢者の食思不振の原因になっていることあり。
・プラビックス75mg1錠分1
 脳血管性認知症の時。
認知症治療薬について>
アルツハイマー認知症(AD)
・ドネペジル(アリセプト):ChEI、軽度~高度、錠剤/OD錠/細粒/ゼリー
・リバスタチン(リバスタッチ):ChEI、軽度~中等度、パッチ
・ガランタミン(レミニール):ChEI、軽度~中等度、錠剤/OD錠/液剤、DLBにも有効だが保険適応はなし。
・メマンチン(メマリー):NMDA受容体拮抗薬、中等度~高度、錠剤、他のChEIと併用して使う
cf)ChEIは下痢、嘔吐などの消化器症状や易興奮性/不穏、徐脈の副作用あり。リバスタチンは消化器症状が少ないので他薬剤で副作用出たときに使用してみる。3剤とも効果は差なし。副作用見ながら、2週間ごとに緩徐に増量し、副作用の出ない範囲で維持量とする(必ず増量しないといけないとは限らない)。特に興奮や不穏は認知症の進行なのか、ChEIの副作用なのかわかりにくいことがある。メマンチンは鎮静効果が強く出て眩暈、傾眠、食思不振が出ることあり。
cf)ADAS-cog(エーダスコグ)の70点満点のうち3-4点の改善効果、ADLでは年間2か月分の信仰予防効果あり。ただし効果には個人差がある。
cf)アルツハイマー型は記銘力障害が中心、物取られ妄想、意欲低下、徘徊、嫉妬妄想、head turning sign。診断は髄液中のβアミロイドやタウ蛋白の増加、βアミロイドPETなど。
レビー小体型認知症(DLB)
・ドネペジル(アリセプト):幻視が消失するなど効果は出やすい、ChEIの中で保険適応はこれのみ。
・クエチアピン(セロクエル):幻視が強い時などは25~75mgを就寝前に内服する。DMでは禁忌。
・L-dopa パーキンソンニズムが強い時
cf)幻視、初期からのパーキンソンニズム、REM睡眠行動異常(悪夢や睡眠中に叩く等)、自律神経障害(頑固な便秘や起立性低血圧)など。MIBGシンチにて診断する。
③脳血管性認知症
生活習慣病の改善、抗血小板薬、抗凝固薬など
cf)脳梗塞をきっかけに認知症が進むが、因果関係がはっきりしないこともある。
cf)MRIや脳血流SPECTにて診断する
④前頭側頭葉変性症(FTLD)
・対処療法が中心で、非定型精神病薬を使うこともある
cf)緩徐進行する失語タイプ、行動異常を伴うタイプ(going my way、脱抑制)がある。物忘れは目立たない。
⑤軽度認知機能障害(MCI)
・ChEIによる進行予防効果は認められない。デメリットの方が大きい。
cf)認知症を疑うepisode:用事を忘れる、同じものを何個も買う、会話が同じ内容、残薬があるのに服用していると取り繕う、衣服の着脱に時間がかかる等。
注意)認知症診断の前に甲状腺機能、低血糖、低Na、高Ca、B1,B12,葉酸欠乏、頭部CTにて正常圧水頭症(歩行障害、尿失禁などを伴う)、慢性硬膜下血腫を除外する。